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太陽の下を2人で歩くために~白夜行第2話

『白夜行』第2話、「閉ざされた未来に」

    

今クールは『白夜行』に絞って記事を書こうかと思ったんだけど、前回ほとんど

子役の昔話だったんで、今後の展開に確信がもてない。という訳で、とりあえず

今週も『けものみち』と『白夜行』を両方書くことにした。時間がかかるし、録画の

『白夜行』の記事が遅れてしまうので、どうにかしなきゃなんないなぁ。。

          

さて今回。極度に異常なストーリーが続いてるけど、子役に負けない2人の熱演

で、また引き込まれてしまった。前回同様、色々と不自然な部分はある。特に、

最後の巧妙な犯行はまずあり得ない。要求した100万円の代わりに映画チケッ

トをもらった菊池が一人ですぐ映画館に入るなんて変だし、全く知らない男から

のラブレターで都子が暗い倉庫街へと一人で向かうなんてのもあり得ない話。

菊池がいきなり亮司にネガを渡すのも奇妙。それでも、7年ぶりの再会のシー

ンには涙を誘われてしまった。原作はドラマ終了まで読まないつもりだけど、やっ

ぱり今回の直木賞受賞者は消費者のニーズを正確に捉えてるんだろう。。

                          

あらすじは以下の通り。雪穂(福田麻由子)に性的虐待を加えてた父を、愛用

のハサミで刺し殺した亮司(泉澤祐希)。借金苦で幼い自分の身体を売り飛ば

した母を、自殺に見せかけて殺して容疑をかぶせることで、亮司をかばおうと

した雪穂。2人は事件を消すために、全くの他人として生きていた。亮司は被

害者の息子として、雪穂は加害者(正確には容疑者)の娘として。あれから7年、

2人は18歳になり、亮司(山田孝之)は大江工業高校、雪穂(綾瀬はるか)

清華女子学園に通ってた。

             

ある日、亮司は、自分たちを疑ってた刑事・笹垣(武田鉄矢)を偶然再び目に

する。亮司は危険を感じるが、母のかつての愛人・松浦(渡部篤郎)は、そんな

彼にお構いなしに、女性客相手の売春を斡旋し続ける。

             

亮司は雪穂に会いたくて、相変わらず図書館に通い続けてたが、司書の真文

(余貴美子)は優しく叱ってた。そろそろ、前を向くように。一方、雪穂は学校帰り

には急行電車を選び、途中の通過駅にたたずむ亮司の姿を車内からそっと見

つめ続けていた。

             

ある日、孝之の目の前に、幼い頃の遊び友達・菊池(田中圭)が現れ、亮司の父・

洋介(平田満)が雪穂と一緒に例のビルに入る写真とネガをネタに、100万円を

要求する。それらは、盗撮・脅迫癖のあるアキヨシから手に入れたものだった。

           

父殺しの第一発見者である菊池は、何となく事件の怪しさに気づいてるようだ。

同じ頃、雪穂の学校でも怪文書が出回り、雪穂への嫌がらせが続いてた。そこ

には、唐沢雪穂は(殺人容疑者の娘の)西本雪穂であると書いてあり、事件の

新聞記事まで貼ってあった。

            

一方笹垣は、亮司の母・弥生子(麻生祐未)が例のビルに開いたスナックにボト

ルを入れ、ドアが開く向きのことなど、しつこく問いただしていた。父を殺した後、

亮司は内開きのドアを内側からブロックなどで封鎖し、ダクトから脱出した。とこ

ろが、ダクトは狭くて子供しか通れない。これに気づかれると、父と一緒の写真

を写されている雪穂が疑われてしまう。亮司は必死で写真とネガを盗み出そう

とするが、見つからずに焦る。

            

雪穂への嫌がらせはエスカレートし、藤村都子(倉沢桃子)の仕業みたいだから

先生に言おうと勧める友人・江利子(大塚ちひろ)にも、雪穂は心を開かない。

一人で耐え続け、駅のイタズラ書きを消して回る雪穂は、ある日ついに各駅停

車に乗って亮司の駅に降り、男子トイレでイタズラ書きを消し始める。それを見

かけた亮司が恐る恐る話しかけ、2人は涙の再会。雪穂の部屋で、亮司は自首

しようかと話すが、雪穂は8年後の時効を待って二人で手をつないで太陽の下を

歩きたいと言う。

           

そこで亮司は、窮地を脱するための巧妙な犯罪計画を立案。架空のラブレター

で都子を倉庫におびき出し、亮司が襲って裸の写真を写す。現場に、盗んだ菊

池の帽子を放置。江利子と共に発見者となった雪穂が、変質者としてアキヨシの

名前を出し、警察で帽子を見せられたアキヨシが菊池の名前を話し、菊池はアリ

バイの証明を亮司に頼む代わりにネガを渡す。計画は見事に成功したが、亮二

はそんな自分に絶望し、自殺を考える。裸の女の子の写真を無理やり写すなん

て行為は、かつて自分が殺した父と全く同じことだ。。

          

何となく胸騒ぎがした雪穂は亮司を探し回り、図書館の『風と共に去りぬ』に挟ん

であるメッセージを発見。白くて丸い紙には、時効の日付2006年11月11日と

共に、黒い紙の切り抜きで、手をつなぐ2人の姿が貼ってあった。しゃがみこんで

涙を流す雪穂の後ろから亮司が手を差し出し、二人は固く手をつなぎ合った。。。

         

『月刊TVnavi』2月号に、プロデューサー・石丸氏のコメントが載っている。

  「白夜行」という2人の長く暗い道のりを、連続ドラマの中では、「なぜ、こうい

   うことになったのか」「なぜ、こう生きなければならなかったのか」をていねい

   に描いていきたいと思います。 * 「2人は、2人しか信じられなかった」 

   「2人は、2人しか頼るべきものがなかった」 * 「2人は、ただ太陽の下で

   手をつないで歩いてみたかった」 * そんな2人の「ただ」にこだわり、切

   なく一生懸命な14年間を表現したいと思っています。

       

なぜ、こういうことになったのかっていう事情は前回でかなり分かった。けれども、

なぜこう生きなければならなかったのかは、あまり分からない。前回も今回も、

明らかに主導権を握ってるのは雪穂だ。過去を消してでも、どんな事をしてでも

前向きに生きていこうとする雪穂。少なくとも今回、一緒に自首するっていう選

択肢は考えて良かったはずだ。高校3年生が、これまでの暗く後ろめたい人生

を振り返れば、さらにあと8年貴重な青春時代を棒に振るのが、どれほど辛くて

むなしいことかは十分分かるはず。そもそも、今から自首したって、犯行時は11

歳だし情状酌量の余地は十分あるから、8年もかからないし刑務所に入るわけ

でもないはず。遅まきながらも、過去をきっちり清算した上で、多少なりとも堂々

と、2人で太陽の下を手をつないで歩けばいい。友達は一旦ゼロになるかも知

れないけど、雪穂の育ての母は優しく受け入れてくれそうだし、亮司の母親代わ

りの真文だって理解してくれそうに思える。

           

洗浄道具で落書きを消すように、過去を無理やり消そうとしても、決して消える

ことはない。少なくとも一人、自分自身の心の中に過去は残ってる。トイレの鏡

に映った雪穂の姿は、笹垣や江利子や育ての母が忠告する姿と重なりつつ、

無理な事はもう止めなさいと語っていた。その鏡の自分に対して、「うるさい!」

と雪穂は洗浄道具を投げつける。この生き方はなぜなのか、『風と共に去りぬ』

の影響なんて話では弱すぎる。原作はともかくドラマに関しては、福田麻由子の

可憐さや綾瀬はるかの美しさがもし無ければ、雪穂への共感とか感情移入は

難しいんじゃないだろうか。切なさも感じにくかったんじゃないだろうか。。。

           

ただ、実際には2人の雪穂の熱演で、切なさを感じたし涙も誘われた。今後、

さらに雪穂が大胆さを見せた時、自分がどう感じて、どう反応するのか、楽しみ

な気はする。白夜のように薄暗い気持ちを引きずりつつ、来週も期待しよう。。。

      

              

cf.愛がもたらす夜の太陽~白夜行第1話

  良心と幸福の欠落を埋める愛~白夜行第3話

  薄明かりに共生する命の温かさ~白夜行第4話

  無条件の愛という困難~白夜行第5話

  父と母~白夜行第6話

  昼間の幽霊~白夜行第7話

  コントロール不能な欲望~白夜行第8話

  殺すことと生かすこと~白夜行第10話

  救われない生の終焉と存続~白夜行最終回

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コメント

はじめまして。

TBさせていただきました。
第1話で、脚本というタイムマシンで
未来をみてしまってますけど、
すこしでも、前を向ける気持ちになれる
展開を祈りたくなっちゃいます。
ありがとうございました。

投稿: amuk | 2006年1月21日 (土) 01時05分

>amuk様

TB&コメント、どうもありがとうございます♪
ただ、先週も頂いたんで、はじめましてじゃないんですよネ(^^ゞ
「脚本というタイムマシン」、キレイな表現ですね。
第1話の冒頭シーンは色んな解釈ができるので、
まだまだ未来は分からないと思いますよ。
早く2人で自首してほしいもんですけど、
原作と視聴率を考えるとできないんでしょうね。。。

投稿: テンメイ | 2006年1月21日 (土) 18時11分

私も白夜行を録画してますが
UPするのが遅くなっちゃいますね。
でもどっちも外せない!!
これからの展開が気になるので
来週も頑張って2本見ますね。

投稿: あい | 2006年1月22日 (日) 09時25分

>あいさん

毎度コメントどうもです♪
どっちも外せない気はするんだけど、
時間がかかり過ぎて、ちょっと挫けそう。。(^_^;)
負けずに2本頑張ろうかなぁ。。。 

投稿: テンメイ | 2006年1月22日 (日) 09時36分

コメントありがとうございます!!福田麻由子ちゃんかわいいですよね!!クラスにいたら絶対好きになる子だなぁ!!

投稿: お気楽 | 2006年1月22日 (日) 16時49分

>お気楽様

コメントありがとうございます♪
福田麻由子ちゃんはカワイイですけど、
喜ばせるのに一苦労しますよ。
切り絵の練習しなきゃなんないし、
トラックの前に飛び出さなきゃなんないし。
ドブに咲く花も図鑑で調べないと・・(^^)

投稿: テンメイ | 2006年1月23日 (月) 03時22分

テンメイさん、こんにちは!
いつもうちでのコメント、ありがとうございます。
時間の関係で遅れがちになってしまって・・・。

さてこのドラマ、私もかなり注目しています。
レビューは続けられるんですね。うれしいです!
雑誌の石丸Pのコメントも、注目モノですね。
私は別の雑誌で山田&綾瀬のコメントを読んだけど、
やはり自分たちの演じるキャラには疑問を抱いたそうです。
壮絶な人生ですからね・・・。

投稿: ads(あず) | 2006年1月25日 (水) 23時16分

>ads(あず)様

こんばんは。コメントありがとうございます。
そちらはお忙しいでしょうから、お気になさらずに♪
レビューを続けると宣言したつもりはないんですけど、
全体からそう読めましたか。
まあ、どこまで続くか挑戦してみましょうかね。
もうちょっと共感できる主人公だと嬉しいんですけど。。。

投稿: テンメイ | 2006年1月26日 (木) 03時24分

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