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ロンドの形式~輪舞曲第8話

『輪舞曲~ロンド~』第8話、「愛するが故の悲劇」

今回はなかなか出来がいい♪ 今までで一番かも。記事は1回休むつもり

だったけど、やっぱりサラッと書いとこう。けものみちと白夜行を両方見逃す

大失敗をしちゃったことだしネ (^^ゞ

2週続けて強引な展開を行った後は、ストーリー的にも落ち着いたし、流れも

一応自然、映像も適度な凝り方で美しかった。前回のコメント欄に、「ヨンジェ

が韓国の警察のモグラで、琢己の仲間になるって可能性はあるかも。。」と書

いといたけど、実際その通りで、これは自然な展開。こうしないと、神狗の内

部でも物語全体の中でもヨンジェが浮きまくってるし、琢己も孤独すぎるから。

もちろん、前回厳しく指摘した「リアリティの欠如」は相変わらずで、琢己が神

狗の銃に囲まれた状況からあれほど簡単に逃げ切るなんてあり得ないし、簡

単に神狗を一網打尽にした警察の監理官がこれまた簡単に神狗に殺される

のも奇妙だ。オウム真理教が長官を狙った話を少し意識してるのかも知れな

いけど、そんな事をすると組織(特に風間ホールディングス)としては結局致

命的なマイナスになる。琢己のデータがバックアップされてないのも論外だし、

伊崎しかデータをもってないのもあり得ないし、琢己がユニの転院先を突き

止めたのも変。そもそも、ユナにPCテクニックで劣るモグラの琢己が、今更

ネットに潜り込んでユナの情報を得ようとするなんて、ハイリスク・ローリター

ンの愚かな振舞いだし、双眼鏡でユナを監視するってことは、逆にライフル

銃で狙撃される可能性が高いってこと。こっちは1人、向こうは大勢だから、

これまた超ハイリスク・ローリターン、等々。ただ、前の2週ほどの強引さは

感じないし、これはそうゆうドラマかっていう心構えもできたから、それほど

気にはならなかった。慣れっていうのは怖いもんだ。。。

                

あらすじは次の通り。ユナ(チェ・ジウ)を中心とする神狗(シェンクー)に取り

囲まれた琢己(竹野内豊)は、ヨンジェ(シン・ヒョンジュン)の助けで無事逃亡。

ヨンジェは、自分もモグラだと明かし、ユナがシェンクーのハッカーをやってる

のは、何か事情があるのではと言う。宋(橋爪功)は、娘のユナを龍吾(速水

もこみち)に紹介。龍吾は、ユナがわざと琢己を逃がしたんじゃないかと疑う。

琢己と電話中に、樋口監理官(菅田俊)が殺され、濡れ衣を着せられた琢己

は指名手配される。琢己は自分が警察官だと証明するためのデータを、

崎(石橋凌)のPCから引き出すよう、あきら(木村佳乃)に依頼。さらに神狗

のネットワークに潜り込み、ユニ(イ・ジョンヒョン)の転院先を割り出し、ユナと

話。君を助けたいと言うものの、ユナは拒否。ユニには何も知らせないことだ

けを約束。琴美(市川由衣)は兄・龍吾に、ショウ(=琢己)を助けてほしい、

父・龍一郎(杉浦直樹)も助けて普通の家族に戻ろうと頼むが、龍吾は拒否。

逆に、琢己のデータを消すよう、宋を通してユナに命令。ユナは消すのを躊

躇したが、宋がユナの気持ちを理解するふりをしながらこっそり消してしまう。

データが消えてしまったことは、あきらから琢己に伝えられた。一方、病院の

ユニのもとに、父・宋と姉・ユナが神狗だとチクる添付写真付きメールが到着。

メールの送信元を調べると、ショウになってた。怒った宋は、携帯で琢己に、

母・恵子(風吹ジュン)を狙うぞと脅迫。あわてて琢己は母のもとに行くが、恵

子は自分を見殺しにしてでも自らの仕事を成し遂げろと言う。琢己はユニや

富士子夫妻(岡本麗,塩見三省)の協力で、ユナの居場所が遊園地の近くだ

と突き止め、遊園地でユナと再開。お互い、相手を憎しみつつ、銃口を向け

合った。。。

          

今回は、ロンド(輪舞曲)っていう形式について少し考えてみよう。これは元々

音楽の形式で、主旋律が別の旋律を挟みながら何度も繰り返される形のこと。

回転する円のように、同じものが繰り返し現れるから、ロンド(語源は車輪)っ

て名前がついたようだ。ここまでは表面的な話だけど、もう一歩進んでみよう。

繰り返されるだけなら、回転じゃなくて反復と言っても同じじゃないだろうか?

いや、そうではない。回転と反復には違いがある。回転の場合、円の一部分

は円周に沿って刻々と別の場所を通りながら滑らかに元の位置に戻るし、少

し前にある部分が占めてた位置を、隣接する別の部分が占める。それに対し、

反復の場合はただ繰り返すっていうだけで、往復運動としての反復なら、往路

と復路で同じプロセスを逆順にたどることになってしまう。という訳で、ドラマ全

体の内容を表すには、回転を表す「ロンド」の方が多少ふさわしいだろう。言葉

の美しさについては、言うまでもない。(ちなみに、音楽のロンドと踊りの輪舞の

関係は不明。)

では、このドラマで何が回転(or反復)してるのか。ドラマの舞台が、韓国→日

本→韓国(来週)と回転。琢己の自分に対する意識は、韓国人→日本人→韓

国人。琢己の身分は、警察官→神狗→警察官(→不明)。犬のジャスティスの

居場所は、琢己→ユナ・ユニ→琢己→・・・→ユナ・ユニ。琢己とヨンジェの関係

は、警察仲間→神狗のライバル→警察仲間。ユナの居場所は、韓国→日本

→韓国(来週)。ユナと宋の身分は、一般人→神狗→一般人(予想)。助けてっ

て言葉は、琢己→ユナ→琢己→ユニ。その他、第6話の記事に書いたように、

神狗と警察の関係もあるし、復讐と復讐の連鎖(ドラマ&現実社会)もある。

改めて分析してみると、このドラマが徹底的に形式にこだわっているのがよく

分かる。それはストーリーだけでなく、映像においても同じ事。象徴的だったの

は、ラストシーンの遊園地の映像。銃口を向け合う2人の背景では、垂直方向

に回転するアトラクションと、水平方向に回転するアトラクションが交錯してた。

噛み合わない2つの回転円(琢己とユナ)の表現として、印象的な映像だった。。

     

さて、今後。公式HPによると、3月10日現在でまだラストの脚本が完成してな

いようだけど、少なくともこのままじゃマズイのは、龍一郎だ。恐ろしく不自然な

展開で、いきなり逮捕されて、神狗のトップから引きずり落とされたまま。証拠

不十分か保釈金で、龍一郎が釈放されてトップに戻る方が、リアルだしロンド

的でもある(神狗トップ→警察→神狗トップ)。龍一郎の描き方は、アジアン・マ

フィアの描き方に直結するポイントだ。琢己とユナは、ハッピーエンドにはなら

ない方が自然だと思うけど、果たしてどうか? またいきなり警察が神狗を急

襲、全滅させて一件落着なんていうリアリティのかけらもない展開だけは止め

て欲しい。来週っていうか、今晩以降の展開に期待♪

     

P.S.木村佳乃は、婦警よりも、三井住友銀行カードローンのCMの黒い

    コスチュームの方が全然いいんだけどな・・・

        

cf.映像美と俳優の存在感~輪舞曲第1話

  ドラマに見出す価値~輪舞曲第2話

   シンプルな心の言葉~輪舞曲第3話

   不信感による孤立の増幅~輪舞曲第4話

   リアルタイムの感想~輪舞曲第5話

   神狗は悪か?~輪舞曲第6話

   リアリティの欠如~輪舞曲第7話

   自然さについて~輪舞曲第9話

   適度な政治性~輪舞曲第10話

   美しく自然なエンディング~輪舞曲最終回

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コメント

 こんにちは☆
スキー&スノボお疲れ様です♪

宋って、ユナとユニの本当の父じゃないっぽいんですけど・・・・・実際はどうなんでしょうね!しかし、琢己とユナが兄妹なんてオチは絶対にやめて欲しいです!あと、最後にどっちかが死ぬのも嫌です(>_<)ハッピーエンドでも、バッドエンドでも、皆が想像出来ないようなエンディングで楽しませて欲しいものです☆

投稿: 私の趣味日記 | 2006年3月12日 (日) 16時55分

>私の趣味日記さん

どうもどうも。やっぱ、スポーツは最高です♪
それにしても、宋って訳が分かんない存在ですネ。
単なるワルとも思えないけど。。。
琢己とユナが兄妹って可能性を、ラストまで
ちょっとだけ残してたのは憎らしい演出♪
最後にどっちか一人だけが死ぬってのは無いでしょう。
日韓or韓日は対等の扱いなので。
両方死ぬってのもヒンシュクだからやらないと思うけど。。。

投稿: テンメイ | 2006年3月13日 (月) 00時20分

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