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極限状況における人間の姿~『医龍』第6話

単なるドラマの手術なのに、本気で引き込まれてしまった。普段はメモを取り

ながら見てるんだけど、手を止めてジッと画面を見つめてしまう。極限状況の

やり取りや行動に、思わず涙も浮かんで来る。ホントに素晴らしいドラマだ。。

   

自分が高く評価してるものを世間がどう見てるのか、ちょっとは気になる所。

たまたまオリコンのHPを見てたら、新着記事の欄に「『医龍』が学生層から

絶大な支持!」と書いてあった。放送直後の満足度調査で、総合2位、学生

層では1位。放送直前の期待度に比べて大幅に上昇したようだ♪

AIが歌うテーマ曲『Believe』もヒット中。ビデオリサーチの視聴率では14%

台だけど、木曜22時のシリアスなドラマとしては健闘してるのかも知れない。

個人的には、遥かに数字も評判も集めてた『白い巨塔』より『医龍』の方が

上だと思ってる。少なくとも、今のところは。。

     

あらすじは公式HPに詳しいから、超簡単に。いよいよ、もと婦長・奈良橋(江

波杏子)へのバチスタ手術開始。執刀医・朝田(坂口憲ニ)と共に、第一助手・

加藤(稲森いずみ)、第二助手・伊集院(小池徹平)、看護師・ミキ(水川あさ

み)、内科医・藤吉(佐々木蔵之介)らが手術台を囲む。見学室には野口(岸

部一徳)鬼頭(夏木マリ)ら、モニターを通じて木原(池田鉄洋)荒瀬(阿

部サダヲ)ら、会議室のスクリーンには教授達と、病院中の注目も集中。

心臓を動かしたまま(オン・ビート)で行う超難関手術の緊張に、臨床工学士

が体調を崩してトイレへ。その間に人工心肺にトラブル。手袋をはずした伊

集院が人工心肺をチェックして回復、バチスタそのものは成功した。ところが、

術前の検査では分からなかった冠動脈の問題が発覚し、改めて手術再開。

手袋を外して装置をいじった伊集院はあわてて手を洗いに行くが、間に合い

そうにない。そこで朝田は、看護師のミキに手術を手伝うよう指示。異常な

事態に周囲は強く反発したものの、頭を下げた朝田に結局従い、手術自体

は成功。チーム全体が責任を問われるかと思ったものの、加藤がすぐマス

コミを集めて大々的に記者会見してしまったために、院内倫理委員会の査問

でもおとがめなしに。緊急性が高かったために仕方なかった、との判断。

ところが何と、翌日の新聞の1面トップは、霧島(北村一輝)による日本初の

バチスタの記事。朝田らの記事は、ごく小さく添えられてただけだった。。

    

今回の核心は、もちろん看護師のミキに手術させる場面だろう。前回の記事

の最後に、「何か問題が生じそうな気配だ」と書いておいた。単純な失敗だと、

ドラマの流れとして不自然だと思ってたら、こうゆう事だったのか。面白いって

言うか、興味深い展開だし、第1話冒頭の加藤のエピソードともつながってた。

      

 朝田「行くか戻るか、決めるのは俺だ! ここは進む」

 加藤「あたしにも、あなたが分からない。チーム、チームって言うけど、あな

     たにとってチームって何? 仲間の立場を考えようともしないで、一方

     的に医師法まで無視して自分の判断を貫く。それがチームなの?」

 朝田、無言で深々と頭をさげて、

    「頼む、加藤。オレにとってチームとは、共に命追う(or負う)大切な仲

     間だ。一人でも命を諦めない者がいれば、オレは何があっても前に

     進む。ここに、闘っている仲間がいる限り」

この後、加藤はかつての恩師である患者・奈良橋をじっと見つめて、わずか

に目をうるませた後、自分の作業を再開。看護師のミキも、本来なら越権行

為あるいは違法行為のはずのグラフト採取を開始した。。

       

最初から一貫して書いてるように、このドラマはスーパードクターの活躍物語

なんかじゃない。「闘っている仲間」の一人としての患者を助けようとする朝田

が正しくて、常識や法や立場に縛られてる周囲が間違ってるなんて話では全

くないのだ。

もし目の前の患者を助ける方法が他になくて、しかも100%上手くいくのなら、

看護師のミキに切らせる非常手段は確かに正しいだろう。でも、急いで手を

洗ってる伊集院が本当に間に合わないかどうかは微妙だし、内輪もめしてる

間に帰って来る可能性もある。また、有能なミキが切った所で絶対の保証な

んてないし、失敗したらもちろん、成功しても病院全体の問題になりかねない。

医療行為の適法性を裁くのは司法であって、朝田でも朝田びいきの視聴者で

もない。患者の家族だって、成功したから深く感謝してただけのことで、失敗し

てたら激怒して訴訟になってた可能性も十分あるのだ。

        

だから、今回ドラマに映し出されたのも、朝田の「正しい」判断なんかじゃなく、

「一つの」人間的な営みだ。正しいかどうか、成功するかどうか、評価されるか

どうかに関わらず、与えられた状況の中で人は、「一つの」生き方を選ぶ。極

限状況におけるその様子を克明に描いたドラマこそが、今回の『医龍』だろう。。

    

結局、霧島が美味しい所を持って行ってしまった。わずか数時間差で、あそこ

までメディアの扱いが違うはずはないんだけど、その点はこだわらないことに

しよう。加藤への別れをつぶやいた霧島はミキに近づくのか、荒瀬の過去って

何なのか、等々、バチスタが1回終わってもまだまだ興味は尽きない。来週も

また、感動させてもらいたいものだ・・♪

                  

P.S.ミキを厳しくたしなめた看護師長が最後に、個人的には胸がスッとした、

    と打ち明けたシーンが興味深かった。医師と看護師のミゾは、かなり深

    いようだ。。

            

P.S.2 第3話でも出て来た心室細動ってものを初めて目にした。気持ち悪

      い。。除細動器ってのは、アレを取り除いてくれるのか。エライ!

         

cf.権威的秩序vs破壊的天才~『医龍』第1話

   完成度の高い本格派~『医龍』第2話

   誤解と対立の爽やかな克服~『医龍』第3話

   君を必要としている人はいる~『医龍』第4話

   氷の涙~『医龍』第5話

   屈折した愛と良心~『医龍』第7話

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コメント

>わずか数時間差で、あそこまでメディアの扱いが違うはずはないんだけど
 
はじめまして、確かにこの差は何と思いますが、外国人二人呼んでの手術で話題性が強かったのでは

投稿: トッシー | 2006年5月19日 (金) 10時02分

>トッシーさん

はじめまして。コメントどうもです♪
著名(?)外国人2人を含む「北日本」大学の手術と、
日本人だけのチームによる都会の大学の手術とでは
ビミョーな勝負だと思いますが、まあ枝葉の話でしょう。
あまりに記事でホメまくってるので、一応チェックは
してるぞって姿勢を見せたかっただけなんです・・(^^ゞ

投稿: テンメイ | 2006年5月19日 (金) 21時33分

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