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小さな宇宙、大きな人間~『タイヨウのうた』第3話

 「遊園地の話だけでご飯が3杯いけちゃうんだよねぇ」

ジョンじゃなくてエミリー(ベッキー)はこう言った。確かに、夜の遊園地の

キレイな映像でご飯1杯なら食べれそうだったけど、3杯食べるためには

やっぱり薫(沢尻エリカ)の笑顔が必要だ♪ お母さんの由紀(黒田知永

子)だと0.5杯くらいかな。。

    

さて今回、遊園地と薫の魅力で何とか切り抜けてるものの、ドラマとしては

前回同様ビミョー。『白夜行』第3話の強烈なインパクトを懐かしく思い出し

てしまった。要するに、遊園地のアクシデントによって、薫が難病XPの患

者だって事が孝治(山田孝之)たちに知られてしまうお話なんだけど、視聴

者としては最初から知ってたことだから、インパクトはない。

   

それなりにキレイに仕上げてはいたと思うし、観覧車の個室の映像を中心

にするなんて大変だっただろうなとは思う。でも、プロセスやディテール(細

部)が感動を呼ぶものになってたかって言うと、それほどでもなかった。少

し慣れて来たとはいえ、『医龍』とそっくりの音楽はやっぱり違和感がぬぐ

えない。名曲『Wish』はすっかり影を潜めてしまったし、冒頭の麻美(松下

奈緒)と孝治の再会にしても、いくら何でもアッサリし過ぎ。「話があって来

たの」。「俺にはないよ」。そんだけかよ!と突っ込みたくなる。

   

せめてもう少し明るさがあれば、とは思う。でも残念ながら、笑いのポイント

はかなり弱いものが3つあっただけだし(「ドラマだと必ず成功してるもん」、

「ジョン」、結子=小林麻央の遊園地レポート)、夏の海のまぶしさはゼロだ

し、遊園地の青春のまぶしさも少し物足りなかった。。

    

という訳でここ2回は、初回に感じた不安だけがクローズアップされる結果に

なってる。ただ、救いは民宿『みうら』の物置にあったギター。修(竹中直人)

が「弾いてもいいよ」と言ったのに対して、孝治は「弾けないんで」とあっさり

答えて、タコさんウィンナーに逃げようとしてた。でも、そろそろ来週あたりか

らバンドの動きが出てきて、「うた」の力を見せてくれるんだろうと期待してる。

まさかこのまま、平凡な難病美少女ドラマで終わるはずはないだろう。。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あらすじは6行で。麻美が折角たずねて来たのに、孝治は冷たくあしらう。一

方、美咲(佐藤めぐみ)隆介(川村陽介)を仲直りさせるため,薫が孝治に

手伝ってくれるよう頼んで、結局みんなで夜の遊園地に行くことに。ところが

観覧車が停止して孝治と薫だけ取り残され、やがて日の出に。幸い、孝治が

かばったこともあって薫は無事だったものの、病気がみんなに知れてしまい、

薫は孝治から距離をおこうとし始めた。。

   

今回は、3つのセリフについて簡単に考えてみよう。まず、孝治が薫と遊園

地の相談をしながら語ったセリフ。

  「意外とキレイだよなぁ、夜の空ってさぁ。何か空見てさぁ、宇宙って

   バカみてぇにでけぇんだなぁて思うと、小せぇことで悩んだりしてん

   のもバカバカしく思えて来るよな。お前と会ってからだろうな、こん

   な風に考えるようになったの・・」

   

さりげなく好意を示す言葉で、これを聞いた薫の笑顔が可愛かった。それ

はともかく、このセリフ、よくあるごもっともなお話で、フツーはそうだよなぁっ

て感じで受け止める所かも知れない。でもよく考えてみると、「大きな宇宙、

小さな人間」って対比は事の半分しかとらえていない。小さいことで悩むの

がバカバカしいって発想は、小さいことで喜ぶこともバカバカしいって話に

つながってしまう恐れがある。

   

それは明らかに間違いだ。小さな人間の小さな喜怒哀楽、宇宙の時間と

比べると一瞬にすぎない命、そういったものこそ、人間にとっては途方もな

く大切なものなのだ。そもそも、宇宙を大きく感じるのも人間あってのこと。

宇宙自体は自分を大きいなんて思ってないだろう。大きな月がよりキレイ

に見えたのも、小さい人間が2人寄り添った瞬間だった。小さな人間にとっ

ては、人間のわずかな喜怒哀楽・愛憎・生といったものが、宇宙をも超える

無限の価値を持っている。その意味ではむしろ、「小さな宇宙、大きな人間」

と言うべきだろう。。

   

続いて、遊園地で薫が孝治に言ったセリフ。

  「すごいね,遊園地作った人って。ほら、こんなにたくさん笑顔つくれ

   ちゃうんだから。夢の世界に連れてってくれるんだよ。凄いよ。私も

   そうなりたいなぁ。私の歌を聴いてくれた人たちが、ちょっとの間で

   もイヤなこと忘れて、元気になってくれたら・・」

   

薫の表情も良くて、今回のドラマで一番微笑んだ瞬間だった。隣で「なれた

らいいな」と言う孝治も良かったし、そう言いつつも実は薫のCDを聴いて

ないっていうお約束のオチも悪くなかった。

他人を喜ばせることが自分の喜びになる。これほどの幸せもなかなかない

だろう。ただし、それは文字通り「なかなかない」のであって、実際には、他

人を喜ばせることが自分の喜びにならなかったり、他人を喜ばせないこと

が自分の喜びになったりする。この辺りが人間の複雑で微妙な所だ。

   

例えば、今の薫にとっては、孝治を思い浮かべながら作ったオリジナル曲を

歌うのが喜びだろう。でも残念ながら、見知らぬ通行人たちにとっては、そん

な聴いたこともない曲よりも、橘麻美のヒット曲『Wish』を歌ってくれた方が嬉

しい可能性は高い。

私の場合どう考えてるかって言うと、多くの人が感じるようなフツーの感想を

巧みにまとめて記事にして、多くの人の共感を得ようとは思わない。むしろ逆

に、全く個人的なドラマ記事を苦労して書きあげることで、まず自分が喜びた

いって思いが先にある。それを自己満足と呼びたければご自由に。ただし、

ありがたいことに実際には、単なる自己満足には終わってないらしくて、もち

ろんそれはそれで確かな喜びだ♪

   

そして3つ目のセリフは、薫が榎戸(山本圭)に語った言葉。

  「嫌って欲しい。だって私からは、嫌いになれないから。・・・私は、ずっと

   覚悟して来た。でも、あいつのこと好きになったら、私ボロボロになっ

   てった。すごく怖かった、会えなくなるの。初めて、本気で死にたくないっ

   て思った。これ以上好きになったら、私どんどん弱くなる。ずっと生きた

   いと思っちゃうよ。かなわない夢、見ちゃうから」

   

死の恐怖とは、生の恐怖だ。生の最後の苦しみや辛さへの恐怖と、生の有限

性への恐怖。そして、生の有限性、生に限りがあることへの恐怖は、生に執

着するほど強くなる。執着をもたらす最たるものは、人間への愛だ。他人への

愛と、自己愛。薫の場合は、これまで知らなかった異性への愛を知り始めたか

ら、死の恐怖が増すことになってる。その愛は、『サプリ』の言葉を使うなら、エ

モーショナルだ。

一方、かなわない夢を見ると弱くなるって話は、少し補足しないとミスリーディ

ングだろう。薫の場合、不幸な運命に負けずに生きようとする強い意志が要求

されている。ところが、ずっと生きたいと思う時、それは絶対に不可能だという

現実を逆にまざまざと思い知らされる。つまり、不幸な運命の強大さに圧倒さ

れることになり、負けずに強く生きるよりも諦めて弱く生きる方向へと流されて

しまう。

   

だから結局、愛と歌しかない。そうした切ない生を理解してくれる愛は、特別な

温もりを与えてくれるだろうし、弱い自分をありのままに表現する歌は、同じく

弱い大勢の人々と共に美しい共鳴を呼び起こすだろうから。。

   

人間の繊細で複雑な存在を、宇宙は笑ってるだろうか。いやむしろ、遥か彼

から驚愕と尊敬のまなざしを降り注いでることだろう。それでこそ,宇宙は畏敬

の念に値する絶対的存在だ。。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

正直言って、もう少しメインストーリーが面白ければ、こうゆう記事は書かなかっ

たかも知れない。このくらい抽象的で一般的な次元まで持って行かないと、刺激

が足りなくて書く気がしない。という訳で、悪いのはTBSってことにしとこう♪

ではまた。。☆彡

   

cf.光を求めて輝き始めた歌声~『タイヨウのうた』第1話

   限られた時間だけが持つ価値~『タイヨウのうた』第2話

   自分のために、誰かのために~『タイヨウのうた』第4話

   私から私達へのさらなる深化~『タイヨウのうた』第5話

   光の忘却、闇の過剰~『タイヨウのうた』第6話

   幹の不在、枝葉の衰弱~『タイヨウのうた』第8話

   輝く脇役、月夜の主役~『タイヨウのうた』第9話

   夢と命~『タイヨウのうた』最終回

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コメント

こんにちは。昨日見逃してしまったのだけど、
内容が判ってホッとしました。

私ごとですみませんが
仕事の経験からすると、ありがたいことに、自分達が楽しんで作ったものはよく売れました。楽しさは伝染しやすいんですね。あと真剣に作ったものは、説明すると熱意が伝わるのか、必ず買っていただけました。(私は販売の前線に常にいたわけではないのですが。)
人を喜ばせようとするのは、なかなか難しいかもしれないけれど、自分が楽しんだり喜んだりできるほうが大切ですね。だからテンメイさんのレビューも面白くて、読者がいっぱいいるんだな!納得。
ホントに…好きじゃないと、こんなに熱心なレビューかけませんよね(^^;)

投稿: トマト | 2006年7月29日 (土) 10時51分

>トマトさん

こんぱんは。
模範的なコメント、どうもです♪
メインストーリーがイマイチなのを悪用して、
どこまで好き勝手に書くとアクセスが激減するのか、
試して遊んでるところがあります。
これで読者が増えるようなら、まさに遊園地を作った人
みたいなもんですが、多分すでにやり過ぎでしょう(^^ゞ
僕はそれほど幸運や才能に恵まれた人間じゃないですしネ。
まあ長い目で見た時には、色んな経験が役に立つかな、
と勝手に思ってます。。

投稿: テンメイ | 2006年7月30日 (日) 03時52分

実は、昨夜 自分の出したコメントを見て
かなり恥ずかしくなり、削除してもらおうかな…
とも思いましたが、
そんなんなら出すなよ~と
テンメイさんのつぶやきが聞こえそうだったので
そのままに…(^^;)

好き勝手に膨らませて書いて遊べるという余裕に、
才能を感じます。。。
それではまた!

投稿: トマト | 2006年7月30日 (日) 07時39分

>トマトさん

理想的な話を書いてるんだから、
何も恥ずかしがる必要はないでしょう。
ただ、理想と現実は一致しないことが多いですね。。


投稿: テンメイ | 2006年7月31日 (月) 02時29分

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