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幹の不在、枝葉の衰弱~『タイヨウのうた』第8話

 時よ Don’t go away

 ありふれた世界でも so far away

 二人だけの場所があるから それでいい

 君だけが 僕の目に 映ってる♪

    

第7話では孝治(山田孝之)の横で歌われてた橘麻美(松下奈緒)の『wish』。

第1話のDVDを探し出してヘッドフォンで聴いてみた。やっぱり素晴らしい!

曲、歌詞、演奏、歌声、パーフェクト!

      

ドラマの低視聴率にも関わらず、Kaoru Amane の『タイヨウのうた』はCDも

着うたも大ヒットって話だけど、『wish』はいまだにCDの instrumental だけみ

たい。今出せば、流れに乗ってある程度売れると思うけどな。

ただ、試しに「橘麻美 wish」でブログ検索してみると、ほとんど出ないのに

は驚いた。Yahoo! で25件、goo で12件しかない。道理でウチに検索が入っ

て来るわけだ。曲名を知らない人が多いんだと思うけど。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の代表格 mixi(ミクシィ)で、

一般人の意見が集まった結果、マイナーな映画の公開につながったって

話を聞いたけど、wish で誰かやんないかな。必ず購入をお約束! 初回

DVD付きならもっと嬉しいかも♪

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      

という訳で、半月振りのタイヨウのレビューはお気に入りの wish からスタート。

今頃なんでって? それは、久し振りの記事は気持ちよく始めたかったから。

裏返して言うと、この曲でも出さない限り、かなり辛口の記事になっちゃうか

らってこと。どうしちゃったんだろう、この脚本は。。

脚本をけなすことなんてめったに無いんだけど、これはお世辞にもホメられ

ない。『氷壁』と同レベル。薫=沢尻エリカと wish の魅力が無ければもうリタ

イアする所だ。第6話で珍しくハッキリ批判した後、第7話は別に問題なかっ

た。一安心したところで、再びガクッ。。

    

もちろん、第6話ほど酷くはないし、いいと思う人がいても別に驚きはしない。

例えば、薫と雄太(田中圭)のやり取りはなかなか良かった。   

  「私、バンドがやりたい。いつ歌えなくなるかも知れないし、いつ・・・

   でもバンドがやりたい。みんなと一緒に。失敗するかも知れないし、

   後悔させちゃうかも知れない。

   でも、私のワガママに付き合ってください。お願いします」

  「嫌だよ。ワガママなんかに、付き合ってられるかって。

   薫ちゃんの、夢になら、喜んで付き合うけど」

   

雄太はあの中では知性派って設定みたいで、気のきいた台詞を時々言う

けど、これは凄くキレイで技巧的な言葉だった。ただ、そこに至る流れがしっ

かり出来てない所が問題なのだ。

     

例えば、なぜ薫がデビューを断ったのか、きっちり説明できる視聴者が何割

くらいいるだろうか? もちろん、あの程度の描写でも分かる人は分かるだ

ろう。工藤洋平(要潤)が信用できないとか気に食わないなんて説明はもち

ろん二の次、三の次の問題にすぎない。自分は突然ギターが弾けなくなっ

た。次は歌えなくなるかも知れないし、もう長くないのも間違いない。デビュー

して上手く行っても、それはほんの僅かな時間だけ。私のせいでみんなの

人生を狂わせるくらいなら、最初から断って、雄太と隆介(川村陽介)は大

学へ、晴男(濱田岳)は蕎麦屋の後継ぎへと向かった方がいい。。。

     

ところで、今これを読んで当たり前と思った方にさらに尋ねたい。これって、

ホントに当たり前ですか?そんなに説得力ありますか? そもそも、上の

説明文を見ればすぐ分かるように、この理由付けだけでも結構長くて、単

純明快ではない。それに加えて、この考えが正しいかとか、あの状況で薫

がホントにこんなこと考えるだろうかとか、何でコロッと大事な決断を変更

したのかとか、色んな疑問が次々に生じて来る。

    

売れっ子プロデューサーのもとでデビューする話と、大学や蕎麦屋とじゃ、

今の世の中でどう控えめに見ても微妙な勝負。また、「今」の大切さに気

付いたから、未来への不安を忘れることにしたなんて話は、もっともっと丁

寧に扱うべき問題。迫り来る死と向き合う難病患者にとっては決定的な問

題のはず。結局、全体的に説明不足なのだ。

     

そして、それをもたらしてるのは、表面的に言うなら、前回指摘した「闇の

過剰」。つまり、レイプ未遂とレイサ(原史奈)の悪巧みに無駄な時間を費

やしてるから。でも、もっと根本的に言うなら、脚本の散漫さが問題だろう。

難病XPという闇に、うたと愛の光で立ち向かう、若者達の一瞬の輝きと儚

さをしっかり描けばいいのに、その中心線、幹の部分ができてない。

    

だから、余計な事の描写に時間を取られて、バンドの描写も不足している。

難病のメインボーカルの美少女、しかも仲間の彼女に対して、何であんな

薄っぺらい怒り方をして、何でコロッと仲直りするのか。いくら年が若いか

らといって、あそこまで子供じみた態度を取るのは全くリアリティがない。

また、麻美の描き方もちょっと極端過て悲しくなる。悲劇のヒロインは別

にいい。歌はもちろん、過去へのこだわりも演技も問題ない。ただ、仮に

もヒット中の歌手が、何で突然あそこまで卑屈で嫌味な女になってしまうの

か。それは結局、レイサの悪巧みとの絡みがあったからだろう。2人の対

立を写真週刊誌に載せるって話にしたい、過剰な闇を演出したいからだ。

根本的にはずしてるから、どんどん変な方向に進むことになってるのだ。。。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もともとは今クールのドラマの本命。出だしは良かったし、俳優も演技も特

に問題ない。映像や音楽も悪くない。ただ一つ、脚本が悪いためにパッと

しないドラマになってるのは、本当に残念だ。

ここからの軌道修正はもう不可能だと思うけど、最後まで見届けようとは思っ

てる。僅かな期待を抱きつつ。薫や美咲(佐藤めぐみ)は可愛いし、wish の

フルコーラスを聴けるかも知れないし。。

もっと、うたと愛を! ではまた。。☆彡

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    

P.S.脇役とはいえ、工藤ももう少し描写が欲しい所。今回で言うと、ここ

    まで愛情こめて育てて来た麻美に冷たく引退会見の話をした後、部

    屋を出てドアを閉めた後の苦渋に満ちた表情。結構、色んな思いが

    こもってたはずだ。数年前の実話も思い出される所。。

   

P.S.2 イマイチ浮いてる修(竹中直人)の旅の後がちょっと気になる。当

      然、ムーンチャイルドに関係付けて来るはずだけど、何となく危

      なっかしい。大丈夫かな。。

   

cf.光を求めて輝き始めた歌声~『タイヨウのうた』第1話

   限られた時間だけが持つ価値~『タイヨウのうた』第2話

   小さな宇宙、大きな人間~『タイヨウのうた』第3話

   自分のために、誰かのために~『タイヨウのうた』第4話

   私から私達へのさらなる深化~『タイヨウのうた』第5話

   光の忘却、闇の過剰~『タイヨウのうた』第6話

   輝く脇役、月夜の主役~『タイヨウのうた』第9話

   夢と命~『タイヨウのうた』最終回
   

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コメント

 はじめまして。いかちゃんと申します。

 私も、wishに興味を持っているのですが、期待していたサントラにも収録されていないと知り、がっかりです。

Amazon.co.jp: ドラマ「タイヨウのうた」オリジナル・サウンドトラック: ホーム: TVサントラ
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000HBK200/sr=8-12/qid=1158060851/ref=sr_1_12/250-8344739-4379444?ie=UTF8&s=gateway

 10月に発売予定の松下奈緒のアルバムには収録されているものの、あくまで、ピアニストとしてのアルバムなので、インストゥルメンタルのようです。

Amazon.co.jp: dolce (DVD付): 音楽: 松下奈緒
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000I2JFME/sr=1-2/qid=1158060884/ref=sr_1_2/250-8344739-4379444?ie=UTF8&s=music

 何らかの形でCDをリリースしてほしいと期待しています…。

投稿: いかちゃん | 2006年9月12日 (火) 20時47分

>いかちゃんさん

はじめまして。コメントありがとうございます♪
貴重な情報もどうもです。
いいですよネ、橘麻美の『wish』。
CD出すなら今が絶好のチャンスなんですけど。
CD化しないなら、せめて最終回で1番くらい
フルでやるとか、DVDに入れるとかして欲しいものです。。

投稿: テンメイ | 2006年9月12日 (火) 22時23分

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