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『華麗なる一族』第2話、ドラマと原作の比較

今期からドラマ記事の新企画として始めた、各回ごとの原作との比較。前回の記

事はYahoo!の順位が不思議なくらい高かったおかげで、ウチでの過去最高ア

クセス数を大幅に更新することになった。全く予想外の展開だったが、正直な話

それほど嬉しくはない。と言うのも、アクセスの大半は「ネタバレ」を求めるもので、

ウチの記事とはあまり関係ない「ハズレ検索」だからだ。実際、多くの人は、他の

関連記事も含めてあまり読んでいない。

    

ただ、それほど悲観もしていない。と言うのも、一部の人は関連記事も含めて熱

心に読んで下さってるからだ。ウチの記事は細心の注意を払って「ネタバレ」を

回避してるのだけど、それは要するに、ドラマで「まだ語られてない」原作の内容

をバラすのを避けてるだけのこと。ドラマで「省略されたor変更された」原作の内

容については当然書いている。

                         

これを「ネタバレ」と捉えて関心を抱いてる人は、私と言葉使いは違っても、要す

るに私と似た関心を抱いてる人だから、むしろ歓迎すべきだろう。それに、理由

はともかく、検索の順位が高いことはありがたい事だ。多くの人の目に触れる

チャンスをもらったと、ポジティブに捉えておこう。。

               

           ☆          ☆          ☆

それでは本題に入る。前回も強調したように、ドラマと原作は当然の事ながらキ

レイには対応してないのだけど、あえてドラマの第2話と対応する原作の部分を

挙げるなら、p.324~p.434だろう。つまり、巨大な鯉「将軍」の話の直後か

ら、阪神特殊鋼(ドラマでは阪神特殊製鋼)への融資の削減まで。

   

前回と比べるとページ数が大幅に減ってるが、これには3つの事情がある。ま

ず、ドラマ第1話は90分SPだったこと。次に、第1話に対応する原作の部分に

は、ドラマで省略されたと思われる銀行関連の話が相当長く書かれていること。

そして最後に、第2話は原作とかなり違ってて、例えば原作では前の方に書か

れてたり逆に後ろの方に書かれてたりする話が、一つに入り混じってること。

     

では、原作がドラマと違ってる点を列挙してみよう。

             

 ①万俵鉄平(木村拓哉)が従業員を集めて、高炉建設宣言をするシーンは

   ない。また、スクラップ集めの呼びかけもないから、ドラマの終盤で一之

   瀬四々彦(成宮寛貴)らがスクラップを集めて来て、みんなで盛り上がる

   シーンなどはない。こういったシーンは、まさに「ドラマ的なもの」だ。

   

 ②銀行の順位が違う。三雲頭取(柳葉敏郎)らがいる大同銀行の順位が8

   位だという話は前回書いたけど、全体的に違ってる。ここまでの部分でハッ

   キリしてるのは、6位・中京、7位第三、8位大同、9位平和、10位阪神。

   また、1位富国、2位五菱もほぼ明らかだが、3位~5位が不明で、大友

   と五和が入ることくらいしか分かってない。

   ちなみにドラマでは、1・富国、2・五菱、3・住吉、4・五和、5・大同、6・太

   平、7・三栄、8・中日、9・平和、10・阪神の順。わざわざ原作と変えたの

   は、何か考えがあっての事だろう。特に大同の順位が気になる所。。

   

③第2話冒頭で珍しくホノボノとさせてくれた、二子(相武紗季)と四々彦のエ

  ピソードはない。あれはネット上の評判もわりと好意的だったし、個人的に

  もちょっと気になったので、例外的に原作をさらに読み進めて探してしまっ

  た。すると、同じではないけど、一応関連してる箇所を発見できた。この点

  に関しては、ドラマは上手くやってたと思う。

   

④高炉建設に関する銀行融資額が微妙に違う。総予算は同じく250億だけ

  ど、銀行融資全体は180億、その40%が阪神、30%が大同、残りが長期

  開発銀行など。ドラマでは200億の50%が阪神となってて、メインバンクで

  ある阪神銀行の比重が高められている。要するに、頭取である父・大介(北

  大路欣也)と鉄平の対立を強調すると共に、視聴者が暗算しやすい値にさ

  れている。

   

⑤鉄平とサブバンク・大同銀行とのやり取りは、第1話対応部分にある。ただ

  し、綿貫専務(笑福亭鶴瓶)らとの対立はなく、その代わりに三雲が銀行内

  での苦労をほのめかしている。また三雲は、融資に前向きな返答をする前

  に、阪神特殊鋼のメインバンク・阪神銀行の意向について鉄平にたずね、

  「確実だと思います」という返事をちゃんと引き出している。この辺り、三雲

  の描き方は原作の方が落ち着いているが、ドラマでは善と悪の対立をハッ

  キリさせた方がいいのかも知れない。。

      

⑥鉄平と将軍のやり取りもない。つまり、鉄平の弱気や不安の直接的描写は

  ない。その代わり、第1話対応部分に引き続き、鉄平を始めとする技術屋が

  金の話を後回しにしてやや暴走気味だという情報が控えめに示されている。

  この点についても、ドラマは非常に上手いと思う。

   

⑦寧子の描き方が色々と違う。ドラマの第2話のサブタイトル「過去の悲劇と

  真実」は、一つには寧子のことを指してたわけだが、原作ではあちこちに分

  けて書かれてる話が多少の変更と共にまとめられてた。3Pについてもそう。

  分かりやすい違いは2つ。原作には、相子(鈴木京香)を追い出すのは止め

  てくれと寧子が鉄平に頼むシーンはない。また、祖父・敬介らしき裸体が寧

  子に迫るフラッシュバックシーンもない。

       

⑧前回も指摘したが、鉄平の元カノだという芙佐子(稲森いずみ)の設定は原

  作にはない(あるいは、まだ出ていない)。したがって、当然怒り狂って車を

  暴走させる熱き鉄平の姿もない。早苗(長谷川京子)の出番もなし。ドラマが

  キムタクの愛の話を描きたがってるのは明らかだ。おそらく正しい選択だろ

  う。個人的には別に無くてもいいけどネ。。

     

⑨ドラマ終盤の鉄平と大介の印象的なやり取りは、原作には(まだ)ない。

  「お父さんは僕のことが嫌いなんですか」

  「私は、いつもお前のことを一番に考えているよ」

    

  これは余計だし説明過剰だ。特に大介の台詞は、個人的には蛇足もはなは

  だしいものだと感じる。ちなみに、大介の心理の複雑さについては、既に単

  独の記事にまとめておいた。ただ、どうも大介のことを単なる冷たい父親だ

  と思ってる視聴者が少なくないようなので、こうゆう蛇足的台詞を入れざるを

  得なかったのかも知れない。非常に大衆的な映像作品であるドラマの悲しさ

  と言うべきか。。

                       

          ☆          ☆          ☆    

原作で一番違ってるのは、相子の描写だと思うけど、ネタバレになる可能性が

あるのでここには書かない。ドラマよりかなり深みがあることだけは伝えとこう。

ではまた来週、土曜日くらいに。。☆彡

        

               

P.S.失礼、書き忘れてた。脚本は橋本裕志、原作は山崎豊子

     

cf.夢見る息子vs現実を見る父~『華麗なる一族』第1話

   鉄平と大介の心理分析~『華麗なる一族』第1話補足

   『華麗なる一族』第1話、ドラマと原作の比較

   無言で泳ぎ去った将軍~『華麗なる一族』第2話

   腰を抜かした理想主義者たち~『華麗なる一族』第3話

   『華麗なる一族』第3話、ドラマと原作の比較

   理性を翻弄するものの次元~『華麗なる一族』第4話

   『華麗なる一族』第4話、ドラマと原作の比較

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         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   冬ドラマは『華麗なる一族』で決まり!☆

   『華麗なる一族』鉄平=キムタクのモデル

   『華麗なる一族』最終回、鉄平の手紙と遺言

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コメント

初めまして。あまりドラマを見ない方ですが、これはついつい見てしまいます。原作との対比、実に興味深いです。しかし他のドラマに比べると、割と忠実に作られているような印象を受けますね。いや、でも最後まで見ないと分からないですかね。

投稿: flautebanker | 2007年1月29日 (月) 03時32分

>flautebankerさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
このお名前はドイツ語でしょうか。
ちょっと笑えますネ♪ (失礼・・)
あまりドラマを見ない方が、こんな記事に興味を
持ってくださるとは、何ともありがたいお話。。
原作に忠実であろうとなかろうと、とにかく
いいドラマを見せてもらいたいと思ってます☆

投稿: テンメイ | 2007年1月30日 (火) 02時30分

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