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『華麗なる一族』第6話、ドラマと原作の比較

何と1ヶ月ぶりの原作記事! 自分でも驚くなぁ。。安比へのスキー&スノボツ

アーでバタバタした後は、もっぱらドラマ単独の記事と荒川マラソンの準備に

追われて、原作はホッタラカシ。でも、もうすぐ「最終章 90分スペシャル」の放

映だから、その前にちょっとだけ頑張ってみよう。

今さら第6話かよって? まあまあ♪ あわよくば、ここから順に追いついてや

ろうと狙ってるわけ。多分ムリだけどネ。それにしても、書き方忘れちゃったな。。

         ☆           ☆           ☆

さて、第6話と対応する山崎豊子原作の箇所は、非常に大雑把に言って、中

巻p.305~p.580。ベアリング社との契約に問題が生じてから、高炉突貫

工事突入まで。いつものように、原作がドラマと違う点を箇条書きにしてみよう。

     

阪神特殊鋼(ドラマでは阪神特殊製鋼)が資金難に陥ったのは、高炉建設

費用と契約キャンセルによる運転資金不足であって、株価下落とは関係ない。

ドラマでは「阪神特殊製鋼の株価は250円から一気に150円まで下落し、資

金難への対応を迫られた」という倍賞千恵子のナレーションがあったし、新聞

1面トップの「株下落」という文字が映し出されてた。これに対して、ウチのドラ

マ単独の記事では、説明になってないと指摘しておいたけど、原作の説明な

ら問題はない。要するにドラマは、見かけ上の分かりやすさを求めてるのだ。

たとえ、実質的には説明になっていなくても。。

        

ベアリング社の契約キャンセルに伴う違約金がないことの説明がちゃんと

書かれてる。長期契約書を調べてみると、「長年の大口取引先という安心感

で、キャンセルの場合の損害賠償に関する細部の取りきめが記されていな

かった」。要するに、鉄平(木村拓哉)たち経営者の責任も重いことが暗に示

されている。ドラマでは一切触れていないので、これまたドラマ単独の記事で

は突っ込んでおいたけど、やはり原作はしっかりしていた。

   

大川一郎(西田敏行)の扱いは小さいので、ドラマのような、大川スキャン

ダルのリーク問題は当然出てこない。だから、阪神銀行の芥川の左遷もない

し、大介(北大路欣也)と鉄平とのシラジラしい仲直りもない。

    

大介が、阪神特殊鋼と鉄平をおとりにして三雲頭取(柳葉敏郎)をだまし、

同銀行を吸収合併することを思いついたのは、鉄平と一緒につる乃家へ行っ

た時のこと(ドラマには無いシーン)。三雲が、「私はもう鉄平君と一緒に高炉

に賭けてしまったから、万一の時には心中ものだねぇ」と笑ったという話を、鉄

平から聞いた瞬間だ。

ドラマでは、大介と三雲のトップ会談で思いついていた。この点に関しては、原

作よりドラマの方が上手いだろう。

     

⑤上に書いた、大介と鉄平がつる乃家に行くシーンは、ドラマで鉄平が病院へ

行ったシーンと一応対応してる。つまり、どちらも女将(多岐川裕美)のお見舞

だ。ただし原作では芙佐子(稲森いずみ)の役割は小さい。せいぜい大介が

鉄平を冷やかして「ああいうタイプが、お前のタイプじゃないのかい」と言う程度。

    

⑥阪神特殊鋼が突貫工事を決めたのは、製品が売れない上に値下がりして、

経営困難に陥ったから、コストダウンのためだと主張して鉄平が強引に押し通

したもの。周囲の反対の中、鉄平が必死にゴネた様子が描かれている。

ドラマでは帝国製鉄の銑鉄供給停止を理由にする事で、大介&和島の悪だく

みコンビを強調し、キムタク=鉄平を悲劇のヒーローに仕立て上げていた。

     

阪神銀行の「見せかけ融資」の方法はややこしい。一旦、阪神特殊鋼に金

を貸した後、すぐにそれを阪神銀行へと「別段預金」させて使えなくする。別段

預金とは、曖昧な金の一時的置き場で、銀行側が差し当たりは自分の金とし

て会計処理できるようだ。ただし月末だけは阪神特殊鋼に戻し、見せかけ上

は融資の形を保つ。

ドラマでは極端に単純化されてて、貸した金をすぐこっそり返金させることに

なっていた。不自然すぎるけど、脚本家・橋本裕志の気持ちも良く分かる。

          

銀平(山本耕史)は、阪神特殊鋼に対する阪神銀行の冷めた態度について、

「それでいいのじゃないでしょうか」と認め、鉄平をハッとさせている。つまり、現

実主義的な考え方が大介に似てるのだ。

ドラマでは、銀平は大介に逆らって鉄平の味方をした。ただし、中途半端に。。

        

⑨突貫工事の人手不足なんて話はないし、沖仲士・荒武玄さんの大活躍も、

作業員の大行列もない。鉄平の水難救助もない。

           

二子(相武紗季)四々彦(成宮寛貴)に、「高炉が完成するまで、お待ちし

ていてもよろしくて?」というプロポーズっぽい言葉をかけている。ドラマよりも

かなり積極的なのだ。

     

⑪二子のお見合いをめぐる、相子(鈴木京香)と鉄平の対立は、ドラマほど激

しくはない。例えば、鉄平は相子に、次のような普通の考えを示している

「正直なところ、僕は、万俵家で一人ぐらい、恋愛結婚する反逆児が出てもい

いんじゃないかという気持ちと、そのために苦労はさせたくないという気持ちと、

半々だな」

       

          ☆          ☆          ☆

久々に比較すると、あらためてドラマのストーリーの省略と単純化には驚かさ

れる。もちろん、映像と音楽という絶対的な強みがあるから、ドラマの方が遥か

にメジャーなんだけどネ。。

それでは、今回はこの辺で。また機会があれば。。☆彡

      

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cf.夢見る息子vs現実を見る父~『華麗なる一族』第1話

   鉄平と大介の心理分析~『華麗なる一族』第1話補足

   『華麗なる一族』第1話、ドラマと原作の比較

   無言で泳ぎ去った将軍~『華麗なる一族』第2話

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   腰を抜かした理想主義者たち~『華麗なる一族』第3話

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