竹田さん?
いや だから 忠弘君が とってもいい子なの だから
イチボって何ですか
エッ?
ハイ?
イチボ
ああ イチボは牛のお尻の赤みです
ああ お尻・・・(ジロッ♪)
牛じゃありません!
・・・(焼肉屋を出て)・・・
湯川先生 全然信じてないんですか?
僕は信じない ちなみにあの子が竹田さんが来ることを予言したって話
あれも足音か何かが聞こえただけだと思うね
あんなにしっかりしたいいコが いい加減なこと言うとは思えません
オカルトは信じる 子供の話は鵜呑みにする それでよく刑事が務まるな
先生って 幼稚園の頃からサンタクロースはいないと思ってたでしょ
トナカイがソリを引いて空を飛ぶ? ハハッ あり得ないよ 園長先生
(・・・沈黙・・・)
エッ ウソ?! 図星?
とにかく僕は信じないね 身体から魂が抜け出したなんて
じゃあ どうして忠弘君に赤い車が見えたの?
分からない
どうしてあの絵が書けたのよ
さっぱり分からない 実に面白い フフフフフ・・
(・・・ウンザリ・・・)
フハハハハ・・・ハハハハハ・・・
☆ ☆ ☆
じつに面白い! 色んな楽しみ方ができるドラマで、考えるのが「どぁい好き」
な私にとってはイチボの焼肉より美味しいドラマだ♪ 「考えるという行為は、
人間に与えられた最大の楽しみだ」。もちろん、「デートより考えることが好き
だとは言ってない」。
ここで、矛盾しとるやんけ!と突っ込んだ読者や視聴者は、「論理的」な人達
だ。でも、ガチガチの理系男でさえ考えることよりデートの方が好きなことは、
暗黙の大前提。言うまでもないことで、ネコがまたたびを好きなのと同じくらい
分かりきったことなのだ♪
とか言いつつ、今初めてネットで確かめたんだけどさ。そうか、ネコってホント
にまたたび好きなのか! いや、女性のブランド好きとジャニーズ好きなら知っ
てたけどね☆
さて、スポンサーの一つである旭化成のCMは、毎回ドラマとのコラボレーショ
ン(共同作業)だ。帝都大学理工学部物理学科・湯川学准教授(福山雅治)は、
第1話で「科学は様々な問題を解決するためにある」と語り、内海薫(柴咲コウ)
らしき人物がドアをノックする音に、「ほらまた問題が来た」と視線を向けてた。
続いて第2話、湯川は次のように語ってた。
「世の中には二種類の人間がいるんだ。1人は、前例をもとにいい仕事をする。
1人は前例を壊すことを仕事にする。前者が文系で、後者が理系だ。どちらを
選ぶかは、君たち次第」。
CMの意図はよく分かる。って言うか、ナレーションが入ってる。「昨日まで世界
に無かったものを。Asahi KASEI」。つまり、理系を集めたわが社は新しいも
のを作り出す素晴らしい会社ですよっていう宣伝だ。そのままだと流石にちょっ
と恥ずかしいし、多数派の文系の反感を買う恐れもあるから、文系の方にだけ
「いい」仕事っていうお世辞を使って配慮してるわけだ。
でも、前例をもとにするか壊すかなんて基準じゃ、文系と理系の区別なんて全
くできない。文系も理系も、共に前例をもとに仕事をするし、実はむしろ理系の
方が前例を重視してる。データにせよ法則にせよ、要するに前例なんだから。
一方、文系もしばしば前例を壊す。文学の文体、絵画の手法、政治学の理論、
歴史学の解釈、すべて新しさを求めるものだ。
じゃあ、理系と文系を分けるのは何か。そんなの曖昧な区別にすぎないなん
て逃げ道は使わない。たとえ厳密でなくても、理系を文系から区別する特徴
は確かにある。理系の「理」って文字の幻惑もあるのか、よく言われるのは、
理系は理屈っぽいとか論理的ってことだ。でもこれは、理系の理屈が文系に
は理解しにくいことから来る表面的な印象にすぎない。文系も凄い理屈をこ
ねることは、人文系の専門書を読めばすぐ分かることだし、文系には文系な
りの論理(=筋道)ってものもある。
では、理系が文系と違う点は何か。本質的には、集団性と精密性と実証性だ。
まず理系は、集団で仕事をする。だからこそ、ドラマでもCMでも分かるように、
大学の理系の研究室はまとまりがいい。理工学部4号館第13研究室は、助
手・栗林宏美(渡辺いっけい)、学生・村瀬健介(林剛史)・小淵沢隆史(福井博
章)・森英太(伊藤隆大)・渡辺美雪(高山都)・谷口紗江子(葵)、6人がいつも
湯川を中心にまとまって行動してる。物理じゃなく医学を見ても、『医龍2』のチー
ムや医局の姿から分かるように、やっぱり集団性が際立ってる。物理にせよ医
学にせよ、論文が共著になってることが多いのも、集団性を示す分かりやすい
証拠だろう。
もっと視野を広げると、世界中の研究者の情報交換も活発だ。たまに、1人で
新たな成果を生み出す理系の科学者もいるけど、それに先立つ大勢の仕事
が必要だし、成果が認められるのは、周囲の大勢の研究者が反復(=追試&
模倣)して認めた後の話。それがなければ、最初の成果は間違い・偶然・偽造・
無視といった扱いになるわけだ。
それに対して、文系は1人で仕事することが多い。小説とか美術とかの芸術作
品を作ったりするのがその典型だし、社会学も歴史解釈もそう。たとえ数十人
で映画を作る場合でも、作品は単独で価値を持つ。その作品を、周囲の大勢
が反復(=追試&模倣)するかどうかは関係ないのだ。
理系の二番目の特徴は、精密性。つまり、話の細かさだ。例えば、文系的発
想では「月がキレイだね」で終わる所を、理系なら「どのくらいキレイか?」追求
することになる。明るさや色が普段と比べてどうか、他の星と比べるとどうか、
月を構成する成分との関係、あるいは見る人の身体的変化などなど。
集団性と精密性という理系の2つの特徴は、理系を数学や理論と結びつけて
いく。数学なら世界共通。歴史を通じても変化は少ないから、集団的な仕事
にピッタシだし、いくらでも精密な話ができるわけだ。数学を用いて大勢の研
究を精密にまとめあげたものが、理系の理論となる。数学と理論、この2つが、
理系の新たな特徴として目立って来るわけだ。
例えば、第1話の湯川の「あのミラーを0.01度動かすだけで、レーザーの照
射点は2mズレる。それだけ精密さを要する実験なんだ」という言葉は、数学
と光学理論を使って計算して初めて可能になること。そしてさらに、半ば理系
の私がやって見せたように、「実際に計算すると約10cmにすぎない・・・約20
倍も大げさに語られてる」なんて突っ込みも可能になる。
こうして、理系の本質的特徴の集団性と精密さから、表面的特長の数学性と
理論性が浮上し、文系とのミゾも深まってしまう。数学ができるかどうか、理
論が分かるかどうかが、理系の表面的に分かりやすい特徴となって行くのだ。
最後に、理系の3つ目の特徴は実証性だ。これは、ドラマが上手く表してくれ
てる。第1話では帝都大学第二実験場を使って、大掛かりな実証が行われた。
また第2話では、実験室でレーザーポインターと砂糖水入り水槽を用いた実証
があった。こういった実験による実証の他に、数学的な実証もある。例えば第
2話で、湯川がガラス工場のドラマ缶と実験室の黒板に書いてたのは、数学
的な実証だ。後でまた触れるけど、計算によって、確かに赤い車がマンション
の3階から見えることを確認してたわけだ。
☆ ☆ ☆
さて、前置きが長くなったけど、要するに理系と文系はこんなに違いますよって
お話だ。ところで私自身は、これまでの記事を見れば分かるように、理系と文
系の両面を持ってる。それに対して読者の方は、各種の反応や情報から判断
すると、文系が圧倒的だろう。もともと文系の方が多数派だし、ドラマファンの
多くを占める女性には文系が多い。だから、記事の内容をどうするかで、私の
心は揺れることになる。
独自性を打ち出せるのは理系的内容で、前回も今回も、キッチリした物理的
解説を行ってるサイトは他に1つもない。ただ、読む人や分かる人がほとんど
いないんじゃ、流石に淋しくなる。そこで、今回もやっぱり先に文系的内容を
書いて、後で理系的内容を書くことにしよう。
まず文系的内容。つまり、数学も理論も実証も関係ないフツーのお話ってこと。
既に読者の大半が疲れてるだろうから、短めに行こう♪
最初に、記事の冒頭に引用した箇所、湯川の口癖「実に面白い」が出た辺りは、
じつに面白かった☆ 竹田(虻川美穂子)が湯川の呼びかけを勘違いして、苦
しい言い訳するのも面白かったし、湯川が全然関係ない「イチボ」を気にしたの
も理系っぽくていい。理系はどうでもいいような細かいことが気になる人種であっ
て、私はむしろ、イチボの横の「シンタマ」の方が気になった♪
検索によると、牛のウチモモよりちょっと下にあるモモの肉ってお話。ってことは、
内海が湯川の太腿辺りをジッと見るなんてことがあっても良かったわけね。編
集でカットされたか、事務所からダメ出しがあったと勝手に想像しとこう。これで
読者が1割減ったな。。
それはともかく、研究室で「むっつりスケベ」と内海にからかわれてムキになっ
てた湯川は、実はあからさまスケベみたいだ♪ 焼肉屋でイチボがお尻だと
聞くと、内海のお尻をジッと見てた。おそらく彼は、大学でも女子学生に対して
似たような事をやってるはずだけど、セクハラでクビにならないのは、キムタク
=木村拓哉に次ぐ圧倒的人気を誇ってるからだろう。物理の授業でさえキャー
キャー言われるし、全く羨ましいご身分だ。。
店を出た後、サンタクロースに関するツッコミを受けた湯川が一瞬動揺して沈
黙したのは、内海のお尻を思い出して1人で萌えてたからではなくて、痛い所
を突かれたからだろう。後の話と合わせると、湯川は、幽霊も雪男もネッシー
も超能力も信じてたけど、サンタクロースだけは信じてなかったらしい。
これは、小学校時代の私と全く同じだ。いや、もちろん最初はサンタクロース
をおぼろげながら信じてたし、今でもサンタの衣装を着た女の子は大好きだ。
そりゃ、関係ないか♪ ともかく、サンタを信じなくなったのには理由があるの
だ。「現象には必ず理由がある」。あれは小学校低学年だったかな。クリスマ
スイブに欲しいオモチャを書いた紙か何かを用意したら、親父が翌日「売って
なかったから他のにした」と衝撃の告白をしたのだ! な、なんと。。(*_*;
おそらく、湯川も同じような経験があるんだろう。サンタを信じてた、信じたかっ
た子供にとっては残酷な経験だ。おまけに、幼稚園からサンタを否定するよう
じゃ、周りの子供から冷たい視線を浴びただろうし、先生もいい顔しなかった
だろうね。そっちの方がむしろトラウマになってそうだ。
複雑な思いを抱いた湯川は、やがて超能力も信じなくなってしまう。テレビで超
能力少年がウソだと告白してしまったから。ただ、何人かの超能力者がウソを
告白したところで、超能力すべてがイカサマだって理屈にはならない。今の湯
川が超常現象(超能力、幽体離脱、予言など)も雪男もネッシーも信じないの
は、ウソだと告白した証言者の存在だけじゃなくて、理論的におかしいからだ。
例えば、幽体離脱して赤い車を見たって話は、少なくとも光学理論と合わない。
光学では、車から眼球(=身体の一部)への光の伝達がないと見えないことに
なる。また、湯川に言わせると、雪男やネッシーは進化論的に考えておかしい
らしい(これは怪しいけど・・)。
こうして湯川はガチガチの理系になってしまったけど、4つの事を指摘しとこう。
1番目。科学理論は常に未完成だから、今の理論と合わないからと言って捨
て去る態度は、科学者にふさわしくない。2番目。科学はオカルトと無縁じゃな
い。あの天才ニュートンが錬金術に夢中だったこと、ニュートンの引力の理論
に対して天才ライプニッツがオカルト扱いしたことは、余りにも有名な科学史上
のエピソードだ。オカルトとはちょっとズレるけど、欧米の科学者には神を信じ
る人が多いことも忘れてはいけない。湯川って名前の元になってるノーベル物
理学賞受賞者・湯川秀樹の本に、『目に見えないもの』(講談社)なんてタイトル
が付いてることも思い出しておこう。つまり、理系の研究者にとっても、「見えな
いもの」を求める心は重要なのだ。実際これは、湯川の台詞にも表れてた。
3番目。理論と合わない事を信じるのがなぜいけないのかっていうのは、根本
的に考え直すべき問題だ。『野ブタ』第8話の記事『信じること、本当の事』以
来、何度か書いて来たけど、人は誰でも何かを信じるわけで、何を選ぶかは
基本的には個人の生き方の問題だ。科学理論を信じる者と、素朴にサンタク
ロースや子供の話を信じる者と、どちらが幸せなのかはビミョーだし、どちらが
得かもビミョーな話だ。
4番目。ドラマレビューとしては、これが最も重要かも知れない。まだそれほど
自信はない予想だけど、おそらく湯川は最後に、科学的ではないものを信じる
んじゃないかな。例えば、最終回にサンタを信じるとか、内海との間の「赤い糸」
の存在を認めるとかね。「全く論理的ではないけど」とか、「レーザーと同じで目
には見えないけど」とか言いながら♪
彼もホントは、サンタも女の子も大好きなのだ。なるほど、物理学は精度の高
い真実を与えてくれるだろうけど、サンタは胸がときめく夢を、女の子は心温ま
る愛を与えてくれる。科学が与えてくれる問題解決の楽しさや喜びは、思わず
「ハハハハハ」と大笑いするほどだけど、サンタや女の子は静かな微笑みをも
たらすだろう。
そして、最後に勝つのはおそらく、サンタや女の子だ。科学も論理も、遠慮がち
に後ろへ下がるだろう。それは、このドラマがフジの月9だからってだけじゃなく
て、彼が人間だから、男だからなのだ。。
最後に、冒頭の引用とは関係ない話を一つだけオマケしよう。竹田のおばちゃ
んの使い方は上手かった。興奮して舞い上がってる上村(小市慢太郎)を冷静
に見つめると共に、大好きなお父さんと自分のウソを暴かれて落ち込む忠弘
(今井悠貴)を優しくフォローする。同時に、子供を介して父親の上村もフォロー
する。落ちぶれて風俗ライター(『週刊ピーチ』)になった男が、魔が差してウソ
ついて、メジャーなメディアの世界で金儲けしたところで、全てを受け入れる女
の愛には何の揺るぎもないわけだ。結局、冒頭の忠弘の「おばちゃんが来る」っ
ていう予言は深い意味で的中したわけで、全体の構成もキレイだ。竹田の背中
を押した内海も、あらかじめ実験室に呼んでた湯川も、もちろん良かった。
あの辺りは脚本家・福田靖が書き加えたのかと思ったら、ほぼ東野圭吾の原
作『探偵ガリレオ』(文芸春秋)第5章「離脱る」(ぬける)のまま。ただし、子供
を真ん中に手をつないで3人仲良く歩く姿や、上村の「忠弘、ごめんな」って台
詞は、ドラマのオリジナルだ。ちょっと恥ずかしいシーンだけど、短い時間で丸
く収めるには、あれしかないはずで、謝る言葉も説明過剰じゃなくて必要なもの。
さすがは人気脚本家と人気作家、脇役の使い方も上手いね。優しい音楽の使
い方も、教科書的だけど良かったと思う☆
☆ ☆ ☆
という訳で、文系的なお話はおしまい。お待たせ、お待たせ。いよいよ理系的
な話に移ろう。エッ、誰も待ってない? って言うか、誰も残ってない? あっ、
そう♪ 何?、この1人ツッコミだけ読んで、後はスクロール? 卓袱台投げた
くなるな。ガラガラ・ガッシャーンって、『自虐の詩』のイサオ(阿部寛)かよ!
ともかく、実は私が今回ほとんどの時間をかけたのは、ここから後の話なんだ
けど、マジメに書くと淋しくなるし、もう時間がない。簡単に済ませよう(30日追
記:別記事で細かい計算を示した)。今回の謎解きは、要するにこうゆうことだっ
た──本来なら見えるはずのないものが、光の屈折によって蜃気楼みたいに
見えることがある──。で、湯川がドラム缶や黒板で何やら計算してたのは、
赤い車がホントに見えるかどうかを物理学的に調べてたのだ。
今回は絵ばっかり映ってて、前回以上に数式の部分が読み取りにくかったし、
元の話も第1話より遥かに厄介だ。レーザーの方が凄そうに感じるけど、実は
蜃気楼の方が計算は面倒だ。
第1話の電磁気学の理論は単なる教科書的説明だし、光の進路の計算もか
なり単純だった。ところが今回は、工場内のタンクから零下200度以下の液体
窒素がもれてあわててドアを開け拡げたら中の空気の状態がどうなるかって話
で、理論を適用するのはとても困難。スーパーコンピューターがないと計算でき
ないような話だ。気象予測と比べれば単純だけど、その代わり高い精度が求
められる。だから、前回と違って細かい数値はナシで、見えるか見えないかっ
ていう大雑把な話になってた。
実験的な「実証」もなしで、その代わりに、レーザーポインターの光が砂糖水の
水槽で曲がる実験と、蜃気楼って話を持ち出しただけ。子供だましは言いすぎ
としても、物理的には視聴者だましにすぎない。そもそも空気だと、普通はほん
の僅かなカーブになるだけ。だからこそ蜃気楼は遥か遠くにしかできないのだ。
検索すると、一つだけ蜃気楼を細かく説明してる専門的サイトが見つかったけ
ど、そこでさえ、結果的には計算が上手くいかなかったってお話になってた。つ
まり、そうゆうレベルの問題ってこと。レーザーだと空気の温度差は誤差の問
題にすぎない。でも蜃気楼だと、僅かな温度差とほんの僅かな屈折率の差そ
のものが問われるから大変なのだ。
具体的に湯川の思考や説明を
解読すると、一番ポイントになる
のは図1の式。数学者スネルの
「屈折の法則」を一般化したもの
だ。つまり、n×sinθ=(一定)って理論で、n(屈折率、正確には絶対屈折率)
が大きいほど、sinθは小さくなる。よってθ(入射角や屈折角、つまり垂直方
向との角度)も小さくなる。ちなみに屈折率っていうのは、その気体(or液体)を
光が通過する時の屈折に関わる値のこと。
屈折率は濃度が高いほど大きいし、濃度は温度が低いほど高いし、温度は工
場の下に行くほど低い。結局、光が下に行く→温度が低い→濃度が高い→屈
折率が大きい→θが小さくなる。湯川の簡単な言葉だと、「濃度差があればあ
るほど屈折率は大きい。だから光は大きく曲がっていく」。
したがって、簡単のために
工場周辺(左側の外まで含
める)を上下4等分して考え
るなら、光の進路は図2のよ
うになる。黒板から推測する
と、おそらく湯川はこの4等
分で近似的に計算したんだ
ろう。物理学っていうのは、実はこの種のアバウトな計算が必要不可欠な学問
だ。ただし、本当は工場内の温度は上下方向で連続的に変化するから、光は
滑らかなカーブを描くわけ。この場合の軌道計算は一応大学1、2年レベルな
んだけど、実際の工場内の様子(温度と屈折率)が分からないし、かなり大ま
かな計算しかできない。
おそらく、湯川がやった計
算はこんな感じじゃないか
な。図3は黒板に書かれ
てたものを私が改良した
ものだ(黒板の図のまま
だと数式と合ってない)。
右端の角度80度、マンショ
ン3階の高さH=10mから、D=56.7m。また、外気の温度30度と図2を利
用して、D´=56.49m。ここから、0.21m分だけ光が曲がってることが確
認できる。色を付けて強調したのは、黒板でハッキリ示されてた数値や記号だ。
ホントはこれだけでは説明になってなくて、工場の左側の様子を示す数値が
必要なんだけど、黒板には見当たらなかった。第1話でも感じたけど、黒板に
書かれてるものは、おそらく専門家が書いたものの一部を美術スタッフが抜
き出したものだろう。専門家のチェックは、たとえあったとしても緩いはずだ。
所詮テレビドラマだし、ほとんど誰も見ないんだから。テレビ製作の実情も分
からないだろうしね。
ちなみに、黒板左下には、白い字で書かれた気温と屈折率(ともう一つ何か黄
色い数値)の表があった。1.000・・・となってたのが屈折率で、上から小さい
順(気温が高い順)に並んでたから、ここから適当な数値を選び出して計算したっ
てことじゃないかな。ただ、屈折率って言っても、普通の空気に液体窒素の気
化したものが混ざるわけで、正確な値を求めるのは無理。大体このくらいだろ
うと仮定して話を進めるしかない。。
☆ ☆ ☆
あぁ、また膨大な時間を費やしちゃったから、この辺で強引に止めてしまおう。
スタッフか専門家の方、上の説明はかなり当たってるでしょ♪ しっかりチェッ
ク入れてるから、今後も頑張ってね☆ あと、できれば黒板はもっとハッキリ映
してね。あるいは、公式サイトで公開するとか。一応、黒板の画像が1枚だけ
あるけど、毎回の板書をはっきり示して欲しいな。そうすれば、こんなに時間
使わなくても解読できるのに。。
という訳で、結局秋ドラマの激戦から勝ち残ったのは『ガリレオ』だ☆ おめでと
う! パチパチ (^^)/ ポイントは、人気(視聴率、ブロガー採用率など)、月9的
テクニック、物理学、原作との比較ができること、福山の好印象って感じかな。
いずれにせよ微妙な総合的判断だ。今回は地味だし、幽体離脱と事件や謎解
きとの結びつきも弱かったけど、個人的に十分楽しめたし、視聴率も高いまま
だからOKでしょ。残念ながら『ハタチの恋人』のレビューはこの時点で中止。
大好きな明石家さんまは、見るだけにしよう。ただ、毎週見るだろうし、最終回
は書くつもりだ。サンタもいいけど、さんまもいい♪ 秋は秋刀魚も美味しいし、
クリスマスはサンタガールが可愛い・・☆
次回は木曜くらいのアップかな。第4話からは2日遅れくらいでアップする予定。
内容は今後も、揺れる理系の男心を反映したものになるでしょ。あと、原作との
比較記事も何本か書くのでお楽しみに♪
ではまた。。☆彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.S. 旭化成のCMの最後は「ちなみに文系は、意外に理系に頼る」だった。
おそらくいずれ「理系は文系を必要としてる」なんて話になるんじゃない
かな。ドラマの進行に合わせてね。
P.S.2 インスタントコーヒーを飲むシーンは芸が細かかった。1人で飲む湯
川を見た内海が催促しても、湯川はいれてくれない。仕方なく内海は
自分でいれたけど、開封して時間が経ってたのか、「マズ!」。それ
に対して湯川は満足そう。
マイペースで理系生活を楽しむ湯川と、それが理解できない内海の
関係を象徴する細かい技だった。演出の西谷弘をホメとこう☆彡
P.S.3 ドラマでは、車の蜃気楼は上下逆転してたけど、物理的にはケース・
バイ・ケース。逆転するとは限らないし、逆転の説明にもなってない。
単に、視聴者にわかりやすく蜃気楼だと印象付けるためのものだ。
P.S.4 今回も科学監修になってた、東京大学・大島まり研究室。意外なほ
ど検索が多いんだけど、世間的には実験協力の滝川洋二(東大)の
方が有名人じゃないかな。メディアへの露出も少なくない、有名な
「ガリレオ工房」の主催者だもんね。
調子に乗って、スカッシュ指導・潮木仁とか書いたら、どのくらい検索
が入るのかな。試してみよっと♪ スカッシュってやったことあるけど、
場所が狭すぎ! テニスの方が遥かに面白いし爽やかでしょ。太陽
も風もあるし、ボールを遠くまで飛ばせるし、走り回れるしね☆ 卓球
にも負けるとか書いたら、両方のファンに叱られるかな。。^^
P.S.5 『探偵ガリレオ』『予知夢』に続く東野圭吾のガリレオシリーズ第3弾
『容疑者Xの献身』が、フジテレビで映画化されて来秋公開ってお話。
ガリレオ・プロジェクトか・・ホント、フジは商売上手だね。ま、映画の
ためにも、ドラマでしっかり視聴者をつかんでネ!☆彡
cf. 天才・湯川が示した物理学の解読と検証~『ガリレオ』第1話
ブランコとおにぎりでホカホカ~『ガリレオ』第3話
科学と恋愛、2つの円端具流~『ガリレオ』第4話
愛と矢、ひねくれた直進~『ガリレオ』第5話
遠く離れたもののつながり~『ガリレオ』第6話
つながりの中の細かい事~『ガリレオ』第7話
結果が語る過剰なプロセス~『ガリレオ』第8話
過剰な格差がもたらす劇的な出来事~『ガリレオ』第9話
サンタを信じた科学者へのプレゼント~『ガリレオ』最終回
・・・・・・・・・・・・・・・・
『ガリレオ』第1話、レーザー光線の計算式
『ガリレオ』第2話、光の屈折の計算式
『ガリレオ』第3話、共振現象の証明
『ガリレオ』第4話、超音波による泡の衝撃波に苦戦中・・
『ガリレオ』第5話、キューピッドの黄金と鉛の矢は流行るかな♪
『ガリレオ』第5話の数式、波動方程式の導出と一般解
『ガリレオ』第6話の数式「フーリエ変換」について
『ガリレオ』第7話、ER流体とトリックについて
『ガリレオ』第8話の数式、アレニウスの式と2次反応速度式
『ガリレオ』第8話の数式、2次反応速度式の計算と答
『ガリレオ』第9話、雷の放電エネルギーの数式か・・
『ガリレオ』最終回の数式1~熱伝導方程式
『ガリレオ』最終回の数式2~熱伝導方程式の計算と答
『ガリレオ』最終回、核爆弾処理シーンの数学的解説
・・・・・・・・・・・・・・・・
『ガリレオ』第1話、ドラマと原作の比較
『ガリレオ』第4話、ドラマと原作の比較
『ガリレオ』第5話、ドラマと原作の比較
『ガリレオ』第6話、ドラマと原作の比較
『ガリレオ』第7話、ドラマと原作の比較
『ガリレオ』第8話、ドラマと原作の比較
『ガリレオ』第1話の脚本チェック☆