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『ガリレオΦ』の数式、ナビエ・ストークス方程式

(☆13年4月追記: 新シリーズの記事をアップ。

    『ガリレオ2』第1話の数式、

       誘電体のマイクロ波加熱における電力半減深度&吸収電力 )

       

            

          ☆          ☆          ☆

福山雅治主演の人気ドラマ『ガリレオ』の数式や物理的説明に関する記事が、

相変わらず好調だ。検索サイト(Yahoo!、Google)にも助けられてるし、あち

こちにウチの記事へのリンクも張られてる。ブックマークしてる方も結構いらっしゃ

るようだ。既に本放送から1年経過、『ガリレオ』は完全にウチを代表するロング

セラー記事となった。

                   

そこで、先日の『ガリレオΦ(エピソードゼロ)』の数式記事で話題となった、流体

(空気や水など、流れる物体)の有名な式、ナビエ-ストークス方程式(ナヴィエ・

ストークス方程式)について、説明を補足しとこう。湯川が塩野谷(長澤まさみ)の

081009 目の前で海に

 飛び込む直前

の頭に浮かんだ難解な式を、意味も分からないまま苦労して何とか読み取った所、

流体のご専門の方から、ナビエ-ストークスだろうというご指摘を受けたので、ネッ

トで調べて、どうも納得できないから流体の参考書まで買って来て、勉強したのだ。

      

正直言うと、今日9日の時点ではまだ完全には理解できてないし、これが本当に

ナビエ-ストークスなのかどうか、確信には至ってない。書き方は色々あるものの、

どうも少しだけ違ってるみたいで、それがスタッフのミスなのか、あるいは監修を

務めた専門家のかなり特殊な書き方のせいなのか、ひょっとして似て非なる方程

だからなのか、までは分からないのだ。ちなみに、方程式の名前は、ナヴィエ

ストークスという2人の学者から来ている。

                            

さて、そもそもこの式が難解なのは、複雑な物理現象を扱う高度な数式(偏微分

方程式)だからというだけじゃなくて、物理特有の書き方(ナブラ記号:∇など)のせ

いでもある。その辺りにも注意しながら、ポイントだけを押さえて、式が出てくる過

程を大まかに追ってみよう。先に、より簡単な「オイラー方程式」から始めて、それ

をさらに変形する。必要な知識は、高校の数Ⅲの初歩で十分だけど、出てくる文

字が普通の数(スカラー)かベクトルかに注意しなければならない。

                 

まず、偏微分の計算を最低限確認しとこう。x で偏微分するとは、それ以外の文

字を定数として固定して、xで微分するということだ。

たとえば、x と y の関数 f = x³ y² の場合、

∂f/∂x = 3x² y²。また、∂f/∂y = 2x³ y となる。

       

いま、流体の微小な部分として、3辺がdx、dy、dzの直方体(体積はdV)を考え

る。6つの面に加わる圧力P(x,y,z の実数値関数)をまず合計。次に加速度

∂v/∂t (x,y,z の3次元ベクトル)を計算。さらに、微小部分の質量はρdV

ρ、つまりローは密度)。これら3つの要素を、運動方程式「質量×加速度=力」

へと代入して両辺をdVで割ったのが、流体の圧力と速度に関するオイラー方程式

だ。下で、f は単位質量あたりの外力(重力など3次元ベクトル)を表す。

              

081009b   

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

さらに、力を表す右辺に、単位体積当たりの流体に働く粘性力(摩擦力のように

面に並行に働く力を示すベクトル)η∇² v を加えると、ナビエ-ストークス方程式

になる。ここでη(エータ)は、その流体特有の粘り気を表す粘性係数だ。0度の

空気の場合、0.0171。0度の水なら、1.79だ(単位は、10⁻³ N・s/m² )。

081009c                                                   

      

ここでさらに、外力 のベクトル f をゼロとして無視。ベクトルを強調するために

印「→」をつけて、少し書き方を変えれば、次の式になる。

081009d    

  

    

この式の文字 v を u と書いて、η を μ(ミュー)と書いて、さらに間違えたか、

特殊な書き方を使ったかしたのが、冒頭に掲げたドラマの式だろう。∇(ナブラ)

の記号の右下に小さいゼロが付いてたのも気になる所。去年の本編について

何度か書いたように、専門家の監修はそれほど行き届いたものではなくて、実際

に明らかな間違いをいくつか発見しているから、スタッフが間違えてると考えるの

は、別におかしくない。映像的にも一瞬しか映らないから、チェックも当然かなり

甘いはずだ。もちろん、ここまで追求するドラマ視聴者は、全国でも僅かだろう。

ただし、似て非なる式の可能性もまだ捨てきれない。

                     

いずれにせよ、ナヴィエ-ストークス方程式は専門家にとっても扱いにくい式で、

次の「連続の方程式」(流体に関する保存法則で、入って来る水と出て行く水の

和がゼロ)と合わせて、コンピューターの数値シミュレーションとかで何とか計算

していくらしい。そこまではまだ、勉強していない。                         

081009e   

  

  

    

まあ、今日はとりあえずこれでお茶を濁しとこう。この程度でも、なかなかネット上

にないはずだ。流体の力や加速度の求め方は省略したので、気になる方はネット

か参考書で補って頂きたい。そんなに難しいものではないけど、物理特有の近似

があちこち出て来るので、それに慣れてないと引っかかるかも知れない。近似の

部分まで数学的に厳密にやると、かなり面倒な話になるはずで、物理の専門書

でもなかなか書いてない。微小なものを扱いながらも、より小さな「高次の無限小」

は直感的に無視して話を単純化するわけだ。

              

ではまた、機会があれば。映画『容疑者 x の献身』のDVDが出ればまた書くか

も。柴咲コウや、天才数学者・堤真一の活躍も見たいしね。♪☆彡

            

          

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

cf.天才・湯川が示した物理学の解読と検証~『ガリレオ』第1話

   サンタと女、揺れる理系の男心~『ガリレオ』第2話

   ブランコとおにぎりでホカホカ~『ガリレオ』第3話

   科学と恋愛、2つの円端具流~『ガリレオ』第4話

   愛と矢、ひねくれた直進~『ガリレオ』第5話

   遠く離れたもののつながり~『ガリレオ』第6話

   つながりの中の細かい事~『ガリレオ』第7話

   結果が語る過剰なプロセス~『ガリレオ』第8話

   過剰な格差がもたらす劇的な出来事~『ガリレオ』第9話

   サンタを信じた科学者へのプレゼント~『ガリレオ』最終回

   操縦ることの巧みさと難しさ~『ガリレオΦ(エピソードゼロ)』

         

         ・・・・・・・・・・・・・・・・

   『ガリレオ』第1話、レーザー光線の計算式

   『ガリレオ』第2話、光の屈折の計算式

   『ガリレオ』第3話、共振現象の証明

   『ガリレオ』第4話、超音波による泡の衝撃波に苦戦中・・

   『ガリレオ』第5話、キューピッドの黄金と鉛の矢は流行るかな♪

   『ガリレオ』第5話の数式、波動方程式の導出と一般解

   『ガリレオ』第6話の数式「フーリエ変換」について

   『ガリレオ』第7話、ER流体とトリックについて

   『ガリレオ』第8話の数式、アレニウスの式と2次反応速度式

   『ガリレオ』第8話の数式、2次反応速度式の計算と答

   『ガリレオ』第9話、雷の放電エネルギーの数式か・・

   『ガリレオ』最終回の数式1~熱伝導方程式

   『ガリレオ』最終回の数式2~熱伝導方程式の計算と答

   『ガリレオ』最終回、核爆弾処理シーンの数学的解説

   『ガリレオΦ(エピソードゼロ)』の数式と図について

   『ガリレオΦ』の数式、ナビエ・ストークス方程式

            

     ・・・・・・・・・・・・・・・・

   『ガリレオ』第1話、ドラマと原作の比較

   『ガリレオ』第4話、ドラマと原作の比較

   『ガリレオ』第5話、ドラマと原作の比較

   『ガリレオ』第6話、ドラマと原作の比較

   『ガリレオ』第7話、ドラマと原作の比較

   『ガリレオ』第8話、ドラマと原作の比較

   『ガリレオ』第1話の脚本チェック☆

                

     ・・・・・・・・・・・・・・・・

   『ガリレオ』レビュー、香港女性もウットリ♪

   『ガリレオ』民放連賞!スペシャルも映画も接近中☆

   読者&テンメイ、『ガリレオ』でエレクトーン大会出場♪

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