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なぜゴジラより先にモスラが東京タワーを壊したのか♪

ニュースというものを、テレビやネットを通じて無料で手に入れるようになった今、

新聞という古いメディアが生き残るのは大変だ。今後、部数がかなり減っていくの

は確かだろうけど、それなりの価値がある記事を載せてくれれば、一定の読者は

キープできるだろう。

    

その意味で、朝日新聞・夕刊の一面に長期連載されてる「ニッポン人脈記」という

のは優れた企画だ。帰宅してホッと一息、新聞に手を伸ばすと、紙面を開かない

まま適度に詳しくて面白い話を読むことができる。今現在やってる小シリーズは

東京タワーに乾杯」で、昨晩は第9回。「モスラ ゴジラ 事情あり」が見出しで、

二匹の有名な怪獣と東京タワーの写真に引き込まれるようにして読み始めた♪

               

1961年の東宝映画『モスラ』で、蛾の怪獣モスラの幼虫が繭を作るために東京

タワーにとりつく。砲撃を受けたモスラは、のけぞって東京タワーを折る。スチール

写真を見るだけでも迫力があるこのシーン、実は原作の小説には無かったのだ。

    

東宝の依頼を受けて、純文学者3人(中村真一郎、福永武彦、堀田善衛)が連作

した原作『発光妖精とモスラ』は、東京タワーではなく国会議事堂に繭を作ること

になってた。そこで政府は、軍事条約を結んだばかりのロシリカ国から最新鋭の

武器援助を受ける。要するに、この軍事条約とは60年調印の日米安保条約の

ことで、モスラは反安保デモの象徴。ロシリカ国はアメリカ。記事には書いてない

けど、武器とはイメージ的に核兵器(原爆)だろう。もちろん本物の核は、都心じゃ

使えないけどさ♪ 

       

政治色が強すぎるから、プロデューサーは当然拒否。そこで国会議事堂の代わ

りとなったのが、封切りの3年前、58年にテレビ局用として出来たばかりの総合

電波塔・東京タワーだった。ちょうどこの年を境に、映画からテレビへと時代が

転換し始めてる。つまり、東京タワーとはテレビの象徴で、モスラがそれを倒した

のは、映画の怒りの代弁だったという訳だ。

へぇ~~。。案外、マニアの間じゃ常識なのかも知れないけどね。。

       

一方、ゴジラはどうしてたかと言うと、2作目までは東京タワーが出来てなくて、

3作目はモスラの翌年。今さらマネは出来なかったらしくて、そのうち東京タワー

の新味も消滅。結局、ゴジラが東京タワーを倒すのは03年の27作目「コジラ×

モスラ×メカゴジラ 東京SOS」(手塚昌明監督)までおあずけとなった。手塚は

今度、新電波塔・東京スカイツリーに照準を定めてるらしい♪ 「怪獣は新し

名所を壊すものなんです」。キングコングはエンパイア・ステート・ビルを壊したん

だったっけ? 登っただけのような気もするな。ありゃ、米国映画だから別か。

                                                   

ちなみに、61年のモスラの時には、壊され役の東京タワーは非協力的で、特殊

美術チーフ助手の入江義夫も苦労したらしい。ところが03年のゴジラでは全面

協力。「最近は、壊すというとたいがい歓迎されます」。話題になれば客足が伸び

ると期待されてるって話だけど、今さら映画で東京タワーに登る人がどれだけい

るのかね。実は私は、いまだに一度も登ってない。タワーの下の道は何度も通っ

てるのに、いつもチラッと見上げるだけ。。

           

という訳で、歴史の陰に女あり。モスラの陰に政治あり。映画の陰にテレビあり

見えにくい部分を面白く描き出す記事を読ませてくれる間は、新聞が消滅するこ

とはないだろう。ただし、衰退するのは間違いなさそうだから、いずれ新聞小説

の中で、怪獣がパソコン工場を破壊するかも知れない♪ ま、フィクションの中で

の破壊活動なら構わないんだけどね。

ではまた。。☆彡       

    

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

P.S.原作の「ロシリカ」とは、ロシア=アメリカって意味かも知れないけど、新聞

    にはそこまで書かれてないし、ロシアとの軍事条約も無い。そもそも、当時

    はロシアじゃなくてソ連だ。

   

P.S.2 「モスラの歌」に関する興味深いコメントを頂いたので、別記事で応答

      させて頂いた。

          懐かしの名曲『モスラの歌』の歌詞の意味

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コメント

テンメイ様、初春のお喜びをモーしあげます。
・・・だじゃれかよっ。

モスラと聞いてすっとんでまいりました。
ゴジラやラドンも捨てがたいが
モスラ(特に幼虫)と小美人は
萌えの対象でございますからな。

先発のラドン(1956)に
前座として古代ヤゴ(トンボの幼虫)メガヌロンが
登場し・・・おそらく・・・虫がイケル!
と思った人がモス・ラを発想したのは
間違いないと考えます。
巨大なヤゴは人間を襲い恐怖を与えますが
ラドンのえさなのです。
この辺の段取が素敵。

モスラと言えばモスラの歌。
モスラ~ヤ モスラ~
なのですが
この歌には「平和こそ繁栄の道」
というありがたい教えがこめられているのですな。

くわしくはコチラへ→http://www7.plala.or.jp/edih/melody/mothra.html#jumon

まあ・・・ロシアがガスを止めたりして
きなくさい気配漂う新春ですが
今年もよろしくおつきあいください。

投稿: キッド | 2009年1月 7日 (水) 12時53分

> キッドさん
    
明けましておめでとうございます sun
わざわざご丁寧にどうもです。
バタバタしてる間に、モー7日ですね
・・・って、だじゃれかよっ♪
     
実はこの記事を書きながら、キッドさんの
好きそうな話だなぁとか思ってたんですよ。
ゴジラやラドンより、モスラ(特に幼虫)と
「小美人」に萌えるあたりがマニアック!
ちなみに小美人は英語でも「shobijin」とのこと。
     
「ヤゴ」はもちろん知ってる単語ですが、説明が
ついてるから方言かと思ってウィキをチェック。
「ヤンマのコ」(=トンボの子)って意味でしたか。
メガヌロンは流石に知らないなぁ。。(^^ゞ
虫がヌケル・・じゃなくてイケルとね♪
「モス・ラ」とわざわざ点を挟んで書いてるのは、
「蛾・怪獣」って意味なんでしょう。
人間を襲う巨大な虫が、より巨大な怪獣のえさ。
なるほど、素敵な段取りかも。。
    
さて、モスラの歌のウンチクには一瞬「ヘェ~~」と
なりましたが、やがて「アレッ・・」へと変化しました。
そこで、マニアック・サイトを自称してる者としては、
最低限の事実を素早くチェック。
別記事としてアップしましたので、ご覧くださいnote
      
ともあれ、何ともいえない不安感が漂う新春ですが、
今年もよろしくお願いいたします。。shine

投稿: テンメイ | 2009年1月 7日 (水) 20時45分

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