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各地の放射線量、文科省データと「本当」のデータの比較

RUN 14km,1時間03分59秒,心拍152(推定)

      

週刊誌というのは一般に、煽り気味の記事タイトルや内容でアピールする

わけで、その意味では、大震災以降の『週刊現代』の一連の記事も、特に

目新しい「書き方」ではない。ただ、あの書き方は、雑誌にとって得なんだ

ろうか。もっと普通に書けば、普通の人も真面目に参考にすると思うけど。

私の場合、あの文体を自分で穏やかな文体へと自動変換しながら、たま

に「参考程度」に読んでいる。

     

今週の5月28日号の「本当はこんなに高い! あなたの町の『放射線量』

という記事も、タイトルはまだしも、中吊り広告の副題は過激なものになっ

てる。「公式発『低く出る』よう細工をしていた」。本当にそんな細工を

発見したのなら見事なスクープで大問題だけど、内容は遥かに穏やかなも

のだ。正しくは、「結果的に低い数値が出るような測り方を昔から選んでい

た」という話。つまり、別に「細工」をしてたわけでもないし、「低く出る」よう

にしてたのかどうかも、よく分からない。

         

ただ、その記事は一応、参考にはなった。文科省発表の普通の放射線

量以外に、有意義な2つのデータがあることを教えてくれたから、早速ネッ

トでチェック。なるほど、確かに普通の値よりは高いものがある。ただ、少

なくとも私が済んでる街にとっては、実際上、大差無かったし、他の多く

の場所でも、あわてて対応を考え直すような情報ではない。とにかく、事

実を確認しよう。

             

           

         ☆          ☆          ☆

以前から、文科省のメインデータとなってるのは、「環境放射能水準調査

結果(都道府県別)」。以下では「文科省データ」と略記する。それに対し

て週刊現代に示されてたのは、「放射線・原子力教育関係者有志による

全国環境放射線モニタリング」(以下、有志データと略記)と、「全国大学

等の協力による空間放射線量測定結果」(大学データ)だ。大学データは

文科省データと並べるような形で、文科省で発表されている。

    

これらのデータの違いは、「低く出る」「細工」と言うより、測定方法によっ

て生じてるらしい。文科省データは一般に、地上・数m~十数mという高い

場所で測定してるのに対し、有志データ1m、大学データ1~1.5m

低い場所で測定してるらしい。「人間の生活場所は地上1m程度だから、

有志データや大学データの方が参考になる」とか言われれば、筋が通っ

てるように感じられるが、おそらく文科省データの側にもそれなりの理由

があるだろう。

         

ではまず、福島市の最新データを比較する。なぜか有志データは更新が2

日ほど遅いので、仕方なく15日のデータを見ることにしよう。単位はお馴

染み、μSv/h(毎時マイクロシーベルト)。文科省データは11-12時の

値、有志データは11時(2箇所;00分と05分)、大学データは15日14時

までの24時間の平均値だ。ちなみに週刊現代の比較は、こうした正確な

比較にはなってない。

            

   文科省データ      有志データ        大学データ

    1.6       1.738 ; 2.456      0.33

      

もともと、同じ地域内でも、測定場所によってかなりデータにバラつきがあ

るわけだが、文科省データは、有志データより多少低いものの、大学デー

タよりは遥かに高い。最も高い有志データ・2.456だと、年間の積算量に

換算しても20mSv(ミリシーベルト)を超えてしまうが、データは屋外のもの

だから、単純に24時間×365日=8760倍するのは無意味だ。普通の人

は、大半の時間を屋内で過ごすのだから。今の値が1年続くとも思えないし、

あらためて慌てるほどの違いではない。

             

         ☆          ☆          ☆

続いて、茨城県水戸市の比較。有志データの更新が大きく遅れてるので、

5月1日のものを使用。文科省データは6-7時、有志データは6時35分。

ほとんど同じ値になってる。大学データは無い。

         

         文科省データ     有志データ

          0.109        0.105

      

さらに、東京都新宿区の比較。これまた有志データの更新の遅れにより、

5月13日のものを使用。文科省データは18-19時、有志データは18時

半。大学データは無い。有志データの方が1.7倍の値になってるが、年

間積算量で考えれば、実質的に安全上の問題ほとんど無い

      

        文科省データ     有志データ

         0.063        0.108

   

最後に、宮城県仙台市の比較。5月16日のもので、文科省データは9-

10時、有志データは9時、大学データは前と同様、16日14時までの24

時間の平均値だ。大学データだけ8割近く高い数字だが、これまた安全

上の問題はほとんど無い

     

     文科省データ   有志データ   大学データ

      0.074       0.07     0.13

      

      

         ☆          ☆          ☆  

あとは省略するので、気になる方はご自分で該当箇所の比較を行ってみ

るといいと思う。私は、有志の人の努力は貴重だと思うが、それに基づい

文科省データを「細工」呼ばわりするのは、かなり無理がある。もちろん、

「細工」呼ばわりしてるのは週刊現代であって、有志の方々ではない。

   

ちなみに有志のHPには、必読の注意事項として、「放射線の測定値につ

いて」という説明がある。そこには穏やかに、こう書かれてるのだ。

       

「放射線の測定値はもともとある程度の幅を持っている上に、地質や天候

などによっても自然に変化しますので、このホームページで公表された測

がお住まいの地域の公的機関が発表している測定値と異なっていて

、それは多くの場合このような変動によるものです」。おまけに、現在ま

での結論として、福島以外では「健康に影響を及ぼすようなレベルのもの

はありません」と書かれている。

                 

そもそも文科省データ震災直後からずっと、ほぼ完全なデータを即時

表して来たが、有志データは測定時間も少ないし、バラつきがあるし、更

新も遅い。その意味でも、貴重な参考資料、セカンド or サードオピニオン

といった感じだろう。線量が高い地域の人は特に、チェックする価値があ

ると思う。測定地点に関する情報(地面の様子、高さなど)が細かい点や、

測定器が明示されてる点(「はかるくん」CP-100,アロカTCS-161)

は、文科省データより上だ。

        

以上、まとめると、文科省データ大部分の地域にとって、十分実用的

信頼できるものだろう。これを基本に、他のデータも参考にして、「本当」

のデータがどのくらいなのか、どの程度危険なのか、自分で判断すれば

いいだろう。もちろん、自己責任で、真剣に。。

        

     

P.S. 『週刊文春』5月26日号にも似たような記事があるが、遥かに穏

     やかな書き方だし、扱いも控えめだ。

    

P.S.2 局所的に線量が高い場所、「ホットスポット」についての記事

      を追加したが(6/26)、年間線量の計算には特に関係ない。  

        

         

cf.原発から各地までの距離と、放射線の年間総量(by文科省データ)

  放射線(放射能)の危険性と距離~2つの逆二乗法則(情報源明示)

  シーベルト、グレイ、ベクレル~放射線・放射能の単位について

  雨の長距離ランニングで浴びた放射性物質の計算(by定時降下物データ)

  体内摂取した物質の放射線量の計算~物理学的・生物学的半減期

  原発事故評価レベル7と、セシウムのヨウ素換算値の計算(by INES)

  福島原発レベル7の基準を読む~INES(国際原子力・放射線事象評価尺度)

  福島原発によるガン発生の厳しい試算~欧州放射線リスク委員会

  なぜセシウムのヨウ素換算値は40倍か~放射性物質の計算理論(by INES)

  被災地の被害が深刻とされる、「風評」の意味とは・・

  「想定外」という言葉の考察&リハビリラン2日目

  実効線量、等価線量、線量当量~様々なシーベルトの関係

  原発事故はみんなが無責任、だけどね・・~東電社員の息子・ゆうだい君への応答

  ランニングの呼吸で内部被曝した放射線量の計算

  被曝する全放射線量の計算方法 (自然・医療、外部・内部、屋外・屋内)

          

     

         ☆          ☆          ☆

最後に、今夜の走りについて。まだ風邪による体力低下から回復してない

し、昨夜わりと真面目に走った直後だから、軽く14km走るだけ・・・と思っ

てたのに、大きいストライド(歩幅)を意識してたら自然にスピードアップ

昨日に続いて、身体に負荷をかけた形になった。ま、休み過ぎた後だから

ちょうどいいかも知れない。

       

熱くも寒くもない、適度な気温の夜とはいえ、顔を汗が流れる時期になっ

たから、小さいタオルを持参。あまり使わなかったけど、これから9月末

くらいまでは持ってた方がいいね。トータルでは1km4分34秒ペース。昨

日より11秒遅いけど、1km5分程度でもいいと思ってたくらいだから、全

然OKだ。

    

明日は休むか走るか、まだ未定。気分的には走りたいけど、時間がある

かどうかビミョーな所かも。ではまた。。☆彡    

        

     

  往路(2.45km)  12分22秒  心拍計電池切れ 

  1周(2.14km)  10分02秒    

  2周            9分40秒      

  3周           9分46秒     

  4周            9分21秒              

  5周(0.54km)   2分26秒       

  復路           10分24秒 

  計 14km  1時間03分59秒  平均心拍152(推定)

              

                                 (計 3631文字)

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コメント

有志による公表はあたかも良識ある有志の自発的なボランティアのように見えても、文科省の意にそぐわないデータしか出せないようですよ。
サイト中の発起人、お金を出す団体の顔ぶれからもよくわかります。サイト立ち上げの真の目的は、「100ミリシーベルトまで安全だ」と、宣伝するためのようです。

案の定、データ公表は参加者が多い割には全く少なく、またサイト立ち上げ後、おおげさに騒いだ割には、測定データの公表は長くは続きませんでした。ご親切なデータの公表なんて目でなく、放射能は100ミリシーベルトまで安全だとの宣伝が、真のこのサイトの目的のようです。

投稿: 春夏秋冬 | 2011年7月26日 (火) 12時44分

> 春夏秋冬さん
  
はじめまして。コメントどうもです。
 
公表が5月末で終了したのは、ほぼ予定通りでしょう。
文科省のデータも当初より詳しくなったし、
自治体や一般の情報も大幅に増えました。
データの変化も減り、社会の関心は
外部被曝から内部被曝へと移行しています。    
100人を超えるグループ内部の事情は知りませんが、
要するに役割を終えたという事でしょう。
   
その他のご指摘については、一つの見方として
参考にさせて頂きますが、応答は差し控えます ☆彡

投稿: テンメイ | 2011年7月27日 (水) 07時45分

せっかく経産省から、原子力.保安員が環境省に移行するなら、放射線を測定するのも、環境省に一元かすべき!

投稿: 福山英雄 | 2011年8月15日 (月) 13時55分

> 福山英雄さん
   
はじめまして。コメントどうもです。
  
外部被曝の放射線測定を、環境省に一元化すると、
これまで使って来た多数の高価な測定装置を
どうするのか、ちょっと気になります。
むしろ、環境省「でも」「新たに」独立した
測定を行う方が、効率的ではないでしょうか。
単に、同じ測定装置の管理者を替えるだけなら、
おそらく実質的に違いは生じないと思います。
   
内部被曝の測定については、事の性格上、
環境省と言うより厚生労働省でしょう。。

投稿: テンメイ | 2011年8月16日 (火) 13時58分

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