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本気になったら時間なんて関係ない~『もう一度君に、プロポーズ』第3話

ゴールデンウイークの終盤に入った所で放映された、第3話。私は相変わ

らず十分楽しめたけど、ブログが無ければ見たかどうか分からない。面白

い事、やるべき事は、他にも沢山あるのだから、竹野内豊や和久井映見

らのファン以外の視聴者を1時間捕まえるには、それなりの要素が必要だ。

たとえば映画のチケットのように、2人の「麗しき夜」を映し出すとか♪

       

ドラマの視聴率というものは、キャスト、内容の出来、裏番組、番宣(広い

意味)、制作費、原作(者)や前作(パート1など)の人気に左右されるし、

放送枠(テレビ局+時間帯)の問題もかなりある。そこで今回のレビュー

はまず、竹野内の前回の主演作『流れ星』と比較しながら、放送枠と視聴

率の関係をデータで分析しておこう。

      

cf. 主役と演出家が再会、『ビーチボーイズ』の変奏~『流れ星』第1話

   クラゲ流星群のウェディングドレス~『流れ星』最終回

   

    

         ☆          ☆          ☆

『流れ星』は2010年・秋のフジテレビ「月9」で、『もう一度君に、』と同じく、

微妙な夫婦関係を本物にしていく純愛物語。初回視聴率は月9歴代最低

(当時)の13.6%だったものの、そこからジワジワと右上がりの展開。結

局、平均14.1%、最終回は15.8%で最高となったから、まずまずの数

字を残してる。レビューし続けた私も含めて、見続けてる人の評価も高め

だったと思う(これは当たり前ではない)。

          

『流れ星』が最初から持ってた、「放送枠自体が持つ視聴率」を見る上で、

ここでは直前の1年間のドラマをチェックしてみた。以下の4本で、私も全

体の半分以上は見てる。月9という枠は、個人的に都合がいいという事情

もあるのだ。      

    

   09年・秋  東京DOGS       15.8% (平均視聴率)

   10年・冬  コード・ブルー2     16.6%

   10年・春  月の恋人         16.8%

   10年・夏  夏の恋は虹色に輝く  12.3%

   

ちなみに平均視聴率とは、各回の視聴率だけでなく放送時間(15分延長

とか)まで考慮した「加重平均」のこと。すると、1年間トータルの平均を出

すのなら、上の4つの数字を単純に平均するのではなく、各ドラマの全放

送時間まで考慮する方が、筋が通ってるだろう。『コード・ブルー2』は長く、

『月の恋人』は短い。ただ、そこまでやってる分析は見たことも聞いたこと

もないので、ここでも4つの数字の単純平均を取る。すると、『流れ星』が

最初から持ってた「放送枠の視聴率」は、15.4%だ。

      

それに対して、『流れ星』の視聴率は14.1%。よって、枠が持ってた視聴

率に対する割合は、14.1÷15.4=92%。これを、月9の中での『流れ

星』の成績と見ていいと思う。つまり、平均視聴率的には少し下なのだ。

   

   

          ☆          ☆          ☆

一方、『もう一度君に、』の直前1年は、下の通り。TBSの金曜・午後10時

からだから、「金10」と言われる時間帯のドラマだ。

       

   11年・春  生まれる。    10.3%

   11年・夏  美男ですね     9.9%

   11年・秋  私はシャドウ   10.0%

   12年・冬  恋愛ニート     9.1%

   

単純平均は9.8%。これが、『もう一度君に、』が持ってた放送枠の視聴

率だ。それに対して『もう一度』は、ここまでの平均で8.6%。よって、枠が

持ってた視聴率に対する割合は、8.6÷9.8=88%。これがTBS「金

10」の中での『もう一度』の暫定的成績だ。

       

 (☆追記: 3話は8.3%だったから、平均8.5%。枠に対して87%。)

      

こうしてみると、『流れ星』と『もう一度』は、枠の中でほぼ90%の成績とい

う意味で、ほぼ同レベルと見ることも出来る。細かく見ると、92%と82%

だから、『流れ星』の方が少し上。でも『流れ星』の場合は、後続の人気長

寿番組『SMAP×SMAP』の稲垣吾郎が出演してたという特殊事情を差

し引くべきだろう。あと、『もう一度』の倉科カナより、『流れ星』の上戸彩の

方が、太腿のサービスショットが少し多いという萌え事情もある♪

       

ただ、枠の中でほぼ90%という共通の成績は、決して良くは無い。『もう一

度』のスタッフ&キャストの皆さんには、「金10」という時間帯など吹き飛

ばす気合で頑張って欲しいと思う。もちろん、視聴者の側でも本来、そん

なものは大した事じゃないのだ。「本気になったら時間なんて関係ない」。

いい作品はいつでも作れるし、いつでも見たくなるものだから。。

    

   

☆追記: 4日後に、民放のドラマ全体を調べた記事をアップした。

        連続ドラマの放送枠(テレビ局+時間帯)と視聴率

      

   

         ☆          ☆         ☆

以上、「放送枠」という意味での「時間」の問題を考えた後、今度はドラマ

の内容について見て行こう。

     

このドラマ、かなり繊細で奥行や厚みのある内容になってて、それは例え

ば、桂(倉科カナ)の印象的な台詞についてもそうなのだ。

    

   「本気になったら時間なんて関係ないんですよ」    

    

これは、桂がオンラインゲームで知り合った「勇者」と初デートした直後、同

僚たちが飲んでる居酒屋に来た時の台詞だ。これを聞いた後、波留(竹野

内豊)はしばらく沈黙して考え込んでた。

        

直接の意味は、まだ出会って間もない相手だけど、「勇者」はイケメンで

優しいから、もうすっかり夢中、というノロケ話だ。本気になった私(=桂)

にとって、出会ってからまだ僅かの時間しか経ってないなんてことは関係

ない。平凡な脚本なら、こうゆう台詞は表面的に利用するに留まる。つま

り例えば、「よし、俺も、夫婦関係を再スタートして間もないけど、本気になっ

て頑張ろう」と言うような、シンプルで分かりやすい使い方だ。

      

そもそも、可南子が倒れる直前、波留が映画の約束をすっぽかしたのは、

オモチャの修理に本気になって、待ち合わせ時間なんて関係なくなったか

らだった。それなら今度は、妻の「修理」に本気になって、5年の時間的空

白なんて関係ないものにしてしまえばいい。そうすれば愛は復活して、ア

クシデントで冷めきった時間なんて関係なくなるだろう。。

   

     

         ☆          ☆         ☆

しかし、この桐野世樹という謎の(新人 or 覆面)脚本家は、意識的か無意

識的かはともかく、もっと奥行を持つ台本を書いてる。つまり、この台詞を

妻・可南子(和久井映見)に当てはめた場合、5年間という時間的空白が

致命的にマイナスとなってるのだから、彼女は「本気になってない」のだ。

     

実際、可南子がパソコンで空白の5年間の情報をチェックしてることにつ

いて、色んな事にちゃんと向き合おうと思ってると言った時、波留は「色ん

な事の内に、俺は入ってないんだよね」と聞いてた。これに対して可南子

の返事は、暗に認める言葉で、「すみません」。流石は『いばら(姫)』の物

語で、ゆったり心地良い流れのあちこちに、いばら=トゲがあるわけだ。

         

更に突っ込んで考えると、「本気になったら時間なんて関係ない」という話

は、「2人は元々、クモ膜下出血の前から、本気になってなかった」とも受

け取れる。実際、可南子の日記や倒れる直前の2人の様子を見ると、い

わゆる倦怠期みたいな冷めたムードが漂ってて、だからこそ、先に自覚

した可南子が頑張り始めてた時だったのだ。

    

実は、もっとネガティブな含みもある。「本気で別れを考え出したら、これ

まで過ごして来た時間なんて関係ない」という意味だ。可南子の弟・裕樹

(山本裕典)が、長く付き合って来た感じの志乃(市川由衣)に見せてる、

冷たくてトゲのある態度を考えてみよう。あるいは、母(真野響子)が可南

子にあっさり言ってた、あなた達がウチを出るくらいまでは家の水回りは

もつという言葉。実家に「パラサイト」(寄生)中の可南子は、かなり動揺

してた。

     

そして、今回のラストシーン。波留を困らせてる自分自身も含めて、何もか

も嫌だから、もう会わない方がいいと思う。。そう告げる可南子に対して、

波留は一瞬の沈黙の後、優しく抱き締める。ところが、いばら姫・可南子

はトゲトゲしく突き放したのだ。「本気で嫌になったら、好きだった5年間な

んて関係ない」。

          

これは、ドラマだけでなく、女性に一般的に見られる態度だろう。男なら普

通、何度か身に滲みる体験をして来たはずだ♪ それに対して、良し悪し

はともかく、男の方が時間を長期的・連続的にとらえる生物だ。過去にせ

よ、未来にせよ。。

     

          

         ☆          ☆          ☆

ネガティブな話を強調してるように思われるかも知れないが、私は第1話

ですぐ、典型的なハッピーエンドの構図を書いてしまってる♪ もう、連続

ドラマの一番最後は「サクラ咲く☆」に決まってるわけで、桜の開花に意味

を持たせるためにも、その前の秋冬の冷え込みが必要なのだ。

      

可南子の女友達も、会社を作って苦労してることについて、飲み会で言っ

てた。「高くジャンプする前は低くしゃがむ」。ただし、低過ぎると足腰がし

んどいだけで、高くジャンプできない。だから、程々の低さが必要となる。

テレビドラマではよく、極端に低い状況を作って視聴者の関心を引こうと

するけど、『もう一度』は、大人が織りなす大人向けの落ち着いたドラマ。

ここまでの「しゃがみ方」は、連ドラの序盤として、適度な低さだろう。

      

ここから中盤・終盤にかけて、もっと低くしゃがんで行くはずだ。初回から

あからさまに強調し続けてるお金の問題。今はまだ、家賃その他の振込

が遅れる程度だけど、いずれあの広いマンションを波留が出る可能性は

十分ある。今は、可南子の給料は実家の谷村家に入る形。失礼ながら、

小さな修理工場の給料で、広めのマンションのローンを払い切れるとは

思えない。カワサキの1000ccバイク・Z1Rの支払いが済んでるのかど

うかは分からないけど、子供の養育費はかからないから、何かもっと別

の不幸がプラスして起きるんだろう。

     

一方、奇妙なこだわり方を見せてるのが、谷村家の「水回りの修理」問

題。これは、修理工としての波留の活躍と逆のものを示してる。波留は

今回も、可南子を義父(小野寺昭)に任せたまま、実家のアンテナや自

転車を修理し続けてた。本当の父でもないのに、快く引き受けて直し続

ける波留を見て、可南子は「どうしてあなたと一緒にいたのか」何となく

分かったと語る。

   

ただし、それは「想像」や「理解」であって、「気持ちはまだ」なのだ。つま

り、夫婦関係も含めて、真面目に修復し続ける波留の努力は、さほど報

われてない。

     

修理しても無駄なら、早めに諦めるという考えもある。それこそ、「水回り」

のエピソードが暗示してることかも知れない。そもそも、パソコンを始めと

して、現代の複雑なものは、直すよりも、新しく買い換える方が得なのだ。

       

私は自転車好きだが、先日、愛車の修理のために自転車屋に行くと、悪

い所だらけだから、もう全て直すより、「そのまま使う」方がいいと言われた。

これはもちろん婉曲表現であって、大がかりな修理は損だし無駄になりま

すよ、そのまま完全に壊れるのを待って買い換えた方が得ですよ、という、

ごもっともなアドバイス。私は7割くらい、頷いてた。残り3割の、割り切れな

い人間的感情はさておき。。

    

    

         ☆          ☆          ☆

ちなみに、なかなか良く出来たこのドラマの中で、私が一番不満なのは、心

療内科か心理療法系のクリニックの使い方。あるいは、もう少し広く言うと、

精神医学系の話の使い方だ。ここまでは、「心因性」、つまり「心理的原因

によるという、症状の性質」を示す難しい言葉を持ち出した程度で、実質的

には機能してない。優しくされることの重さを語る程度のことなら、わざわ

ざクリニックの医者や心理療法士を出すほどのものでもないのだ。

      

前回のレビューで話題にした秀作ドラマ、『あしたの、喜多善男』では、い

わゆる多重人格とか解離性同一性障害のような状況が、映像的に使わ

れてた。『もう一度』で、そこまでやるとは思えないが、心因性という言葉

や心療クリニックを出したからには、特殊な症状や分析を見せないと、単

なる見かけ倒しになってしまう。

     

可南子の日記、カローラ・スプリンターらしき赤い車の修理、桂のオンラ

インゲームなども含めて、謎の脚本家・桐野世樹の力を誇示して欲しい

所だ。なお、演出・演技の面だと、今回光ってると言うか、目立ってたの

は、部屋に溜まったゴミに追い詰められて泣きべそをかいてた波留=竹

野内だろう。いいとか悪いとか言うより、あのクラスのベテラン俳優として

は、斬新なカットだった。一歩間違えば、コメディーになってしまう所だ。

     

そう言えば幼い頃、私も期間限定のペットとして、ツバメの巣を見守って

たよなぁ・・とか、セピア色の過去を懐かしみつつ、それでは今夜は、この

辺で。。☆彡

   

   

    

cf. 「眠れる森の美女」ではなく「いばら姫」

                  ~『もう一度君に、プロポーズ』第1話

   いばら姫としての波留(竹野内豊)~『もう一度君に、プロポーズ』第2話

   退屈な作品とはどのようなものか~『もう一度君に、プロポーズ』第4話

   『もう一度君に、プロポーズ』第5話、軽~い感想♪

   意外にマトモな25km走♪&『もう一度君に、プロポーズ』第6話

   宮沢賢治『蛙のゴム靴』と、『もう一度君に、プロポーズ』第7話

   『ハーメルンの笛吹き男』と『もう一度君に、プロポーズ』第8話

   父の死、海への旅立ち

          ~『ビーチボーイズ』と『もう一度君に、プロポーズ』第9話

   波で留まったビーチファミリー~『もう一度君に、プロポーズ』最終回

    

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   なぜ『もう一度君に』最終回は最低視聴率7.9%に沈んだのか

   竹野内豊主演ドラマ、視聴率の推移&『流れ星』第6話

               

                                 (計 5392文字)

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コメント

面白いです。
また来ます。

投稿: 風の又三郎 | 2012年5月11日 (金) 03時28分

> 風の叉三郎さん
   
はじめまして。コメントありがとうございます。
ユニークなお名前ですね。
またのお出でをお待ちしています shine

投稿: テンメイ | 2012年5月12日 (土) 07時30分

初めまして…
熱心な読者ではないのでコメントしても良いのかどうか数日迷ってしまったのですが、図々しく初コメを入れさせていただきますm(_ _)m

『もう一度…』初回から観続けています。挫折しそうになりながら…f^_^;
[男の方が時間を長期的・連続的にとらえる生物][過去にせよ,未来にせよ]
この部分に深く頷きました。ちなみに私の性別は長期的・連続的にとらえられない生物の方です(^_^;)

投稿: きゅー | 2012年5月13日 (日) 11時50分

> きゅー さん
   
はじめまして。コメントありがとうございます♪
   
書き込みに数日も迷ったんですか(^^ゞ
ま、敷居が高いと感じる人が時々いらっしゃるようですけどね。
単なるお遊びもよく書いてるブロガーなんで、お気軽にどうぞ。
お名前と最低限のマナーさえあれば十分です。
「図々しく」どころか、模範的な感じのいいコメントですよ☆
    
「熱心な読者ではない」と言いつつ、面白い所への注目ですね。
女性に深く頷いて頂けるとは光栄です(笑)。
男と女、同じ人間なのに、面白いほど違う存在だと思いますね。。
     
ウチの記事には、ドラマ系に限らず、
この手のウンチク的な言葉がよく書かれてます。
ドラマ自体が面白くなくても、あるいは記事のテーマに
興味がなくても、それなりに楽しめるかも知れませんよ♪
当たり外れはあるでしょうが、たまに遊びに来てください。
   
ちなみに、挫折しそうなのは僕も同じこと (^^ゞ
ま、何事も辛抱が大切。ならぬ堪忍、するが堪忍でしょう♪
ではまた。。shine

投稿: テンメイ | 2012年5月14日 (月) 03時28分

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ゆっくりと・・・だが確実に時は流れて行く。 桜の木が青々と茂れば、夏のように暑い日がやってきて、夕暮れはすっかり遅くなっている。 そして、空には燕が翻る。 春はいつしか・・・過ぎ去り、五月雨の季節はすぐそこだ。 それでも・・・今年はゆっくりと春が訪れるような気がするのは・・・このドラマがあるからだろ... [続きを読む]

受信: 2012年5月 6日 (日) 03時46分

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