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確率の面白い謎(パラドクス)、「2つの封筒問題」にハマりかけて♪

(15日) BIKE 35.2km,1時間22分,平均心拍123

     

ダメだ。。どうしても、美青年のニュー・アルバム『A NUDE』のロゴ問題が

解決しない。「A」の横棒が、美脚女性のスカート(みたいな布)の裾には見

えないのだ。。

    

・・・っていう、視覚的かつ人文・社会的な話はさておき、数学のシンプルな

問題が非常に厄介なことを知ってしまった。以前、プレゼントが隠された3つ

のドアから1つを選ぶ「モンティホール問題」を扱った時にも感じたけど、やっ

ぱり確率の分野は怖いね。直感的に当たり前だと思ったことが、実はそうで

なかったりする。

    

まずは、元のネット記事(後述)から、引用させて頂こう。すごく簡単な設定

で面白いから、数学が苦手な方も含めて、皆さんお試しあれ♪

        

   2種類の小切手があり、1つの小切手には他方の4倍の金額が書き

   込まれている。中身が分からないようにそれぞれ封筒に入れられ、

   あなたはどちらか1つを選ぶことができる。

   封筒を開けると10万円の小切手が入っていた。もし不満なら残りの

   封筒と交換できるルールだったら、あなたは交換する?しない?

       

      

          ☆          ☆          ☆

私がたまたま最初にネットで見たのは、『マイナビ』の連載記事「もしも科学

シリーズ」の56本目、「もしもパラドックスに悩まされたら」だった。簡潔にま

とめた理系のコネタ記事で、執筆は関口寿/ガリレオワークス。数学系で

はなく、物理系の方だと想像する。  

      

記事の前半は例のモンティホール問題。3つのドアの代わりに、3枚のカー

ドから辺りを選ぶ設定にしてあった。記事の後半が、2種類の小切手入り、

2つの封筒問題(two envelopes problem)、または封筒パラドクスだ。

   

話のポイントは、無限現実性だろう。ちなみに「パラドクス」(paradox)とは、

「一見、論理的に奇妙(特に矛盾)だと思われる話や事態」を広く指す言葉。

「逆説」と訳されることも多いけど、むしろ「変な話」と訳す方が近いと思う。

一文字で訳すなら、「謎」。頭がウニになりそうな、超~変で不思議な理屈の

ことで、実は意外と身近な所に転がってたリするのだ。。

       

     

           ☆          ☆          ☆

ちなみに小切手というのは普通の人にとって身近ではないけど、現金だと

封筒の膨らみから推測できてしまうから、ちょっとマズイ。

          

たとえば、もう一つの封筒が非常に薄くて、たかが5枚の紙幣しか入ってな

さそうだったら、日本だと多くても5万円にしかならない。4倍ルールを考える

と、1万円札2枚と5000円札1枚で、合計25000円だと判断できてしまう。

ただし、巨大な小包とか部屋(笑)であれば、現金でもほぼOKだ♪

          

さて、これは個人の行動選択だから、色んな考えがあるだろう。例えば、10

万円でもう満足だから余計な交換せずに勝ち逃げする、とか、40万円に目

が眩むとか。それは当たり前として、数学的・論理的に考えると、封筒を交換

するのとしないのと、どちらが合理的か。

           

この話は、金額の設定が4倍だろうが2倍だろうが、同じこと。英語版ウィキ

ペディアの冒頭には、2倍と現金(money)で書いてあった(日本のウィキに

は項目が無い)。まずフツーに思い付きそうな2つの考えを挙げてみる。特に

「解答例1」のような考えが一番普通だろう。

            

   (解答例1) 交換すると、40万円になる確率と25000円になる確率が

           半々だから、

           (期待値)=(400000×1/2)+(25000×1/2)

                 =212500 (円)

           手持ちの10万円より遥か上だから、交換した方が得だ。

    

   

   (解答例2) 別の部屋(情報のやり取りが出来ない場所)にもう1人の

           参加者がいて、もう片方の封筒を手にしてると考えると、そ

           の中の小切手がいくらになってたとしても、同様の理屈で

           「交換した方が得」になってしまう。

           お互いに相手の方が得のように思ってるわけで、これは

           主観的な錯覚にすぎない(「隣の芝生は青く見える」)。

           よって、交換してもしなくても同じことだ。

     

     

           ☆          ☆          ☆  

これに対する、元の記事の正答は、説明があまり上手くないし、結論もハッ

キリ書いてないという欠点がある。それでも、1つの数学的立場であって、

要するに結論は、「交換してもしなくても同じ」、ということなのだ。

        

ポイントは、もう一つの封筒の小切手が25000円である確率40万円であ

る確率半々(=1/2)とは限らない、ということだ。よって、上の解答例1

の期待値計算は使えない。この点に関しては、青山学院大・美添泰人教授

の専門的論文(pdfファイル)でも同様。なかなか考えにくいし、正しいかどう

かの判定も迷うけど、それなりの理屈は通ってる。

       

マイナビの説明は非常に簡潔。もう一つの封筒の小切手が25000円であ

る確率を x %、40万円である確率を100-x %として、そこから方程式を

立てて、x=80(%)を導いてるのだ。以下、私の解釈で説明を分かりやす

く書き直してみよう。

            

最初に10万円の封筒を選択する前に、小切手2枚が25000円と10万円

(平均62500円)であった確率がx%(=x/100)、10万円と40万円(平

均25万円)であった確率が100-x%(=1-x/100)ということだから、

         

   (最初の封筒選択による期待値)

      =62500×(x/100)+250000×(1-x/100) (円)

    

2枚の額の平均を使うのが嫌なら、確率を半々に分けて1枚ずつ計算して

も同じになる。実際の選択の結果は10万円だったから、上の式の期待値

を100000として、方程式を立てて解くと、

      

    100000=62500×(x/100)+250000×(1-x/100)

  ∴ 100000=625x+250000-2500x

  ∴ 1875x=150000

  ∴ x=80 (%)

      

よって、仮に10万円の封筒を交換する場合、25000円になる確率は

80/100=0.8。また、40万円になる確率は1-0.8=0.2だから、

     

   (交換後の期待値)=25000×0.8+400000×0.2

               =100000 (円)

   

つまり、交換前の10万円と同じになる。だから、交換してもしなくても同じ事、

という理屈だ。     

             

    

           ☆          ☆          ☆

多少、数学になれてる人なら直ちに、x=80(%)を求める方程式や、その

確率の使い方がちょっと引っ掛かる所だろう。

            

80%というのは、最初の封筒に10万円が入ってた事実から遡って推測した

元の確率であって、ベイズの確率論的に「事後確率」と呼ばれるものだが、

元のマイナビの筆者は「事前確率」と書いてしまってる。まあ、「事後から計

算して求めた、事前の状態の確率」という意味かも知れないけど、この辺り

の理解が不十分ではないか、あらためて疑問も感じるわけだ。

           

そもそも、この80%というのは何を指す推測値なのか。現実的な実験や統

計データとの対応も厄介だ。25000円と10万円の封筒で800セット、10

万円と40万円の封筒で200セット、合計1000セットをランダムにかき混ぜ

て大量の回数の実験を行い、最初に選んだ封筒の額の平均を取ると、ほぼ

10万円になる(限りなく近づく)。これが、確率と統計をつなぐ「大数の法則」

的な発想だろう。

       

でも、800セットと200セット以外の組合せや比率で実験しても、最初に選

んだ額が10万円になることはいくらでもあるはず。無限の組合せ(例えば、

半々で500セットずつ)があるから、実験も出来ない(または、しにくい)し、

最終的な結論(封筒を交換すべきかどうか)も非常に出しにくい。「ランダム

(でたらめ、無作為)」に様々な組合せで実験するとしても、ランダムさの設

定に迷うわけだ。ほとんど誰もが納得する設定は、不可能だろう。

       

英語版ウィキでは、問題自体が色んな点でバラついてる事を指摘してるし

(金額を見て交換するのか、見ずに交換するのか、等々)、今現在、正しい

と広く認められた解答は存在しない、と書いてる。多くの論者は、自分は解

決したとか、簡単だと書いてるが、実際には異なる様々な考えが共存(また

は乱立)してるわけだ。

    

としては、とりあえず今ハマるのは回避しよう♪ 確率や期待値の定義、

あるいは現実との対応も含めて、ずいぶん難しい話だということが分かった

だけでも十分だ。もちろん、この問題の人気を知った後でも、現実にこんな

選択を迫られる確率はほとんどゼロだろうと予想するしね。

     

万が一、選択を迫られたら私は交換する。もちろん、損の可能性もある

けど、得か同じか、どちらかだとする予測理論が有力なんだから。これは、

必ずしも数学的ではないけど、一応論理的な(筋道立った)行動だろう。。

      

     

         ☆          ☆          ☆

時間が無くなったので、自転車については一言だけ。昨日は、台風18号

の雨が降り始める直前、まだ暗いうちに走って来た。今度こそランニング

にしようと思ってたのに、気温28度と湿度90%の悪条件でくじけたわけ♪

      

前日が、平均心拍わずか110のお気楽モードだから、最初から少し気を引

き締めて走ったら、スピードも1割弱上がったし、途中でポタポタ、汗も落ちた。

と言っても、たかが心拍123だし、ランナーの皆さんには申し訳なかったけど

(^^ゞ いやぁ、意外なほど大勢走ってたのだ。みんな真面目に、台風の前に

走ったわけね。超蒸し暑い中で。。

   

今日の夜には雨が上がるらしいから、出来ればランニングしたいけど、何か

予定があったっけ?(笑) 私の夏=サマーはもう乗鞍で終わったしね♪

では、また明日。。☆彡

   

   

   

cf. 全国学力調査、伝説の確率の問題が登場♪ (モンティ・ホール問題)

   ベルトランの箱のパラドクス~フランス語原文と日本語訳、確率の計算

              

                                     (計 3896文字)

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コメント

10万と2.5万で12.5万より
10万と40万で50万の方が明らかにもっともらしいので
交換したほうが得だと思いませんか

投稿: | 2014年2月22日 (土) 08時50分

> 名無しさん
   
コメントどうもです。
「もっともらしい」のはその通りだし、
交換した方が得だと「思う」のも事実。
    
ただ数学の世界では、もっともらしい事が
正しくないのは珍しくありません。
「思う」のではなく、「考えて論ずる」学問なのです。
  
なお、ここはコメントに名前を求める個人ブログなので、
よろしくお願いします。。shine

投稿: テンメイ | 2014年2月24日 (月) 08時13分

確率論ド素人ですいません。

ちょっとわからなかったのですが
(最初の封筒選択による期待値)に実際に見た値10万を代入していい物なのでしょうか?
期待値って実際の値とは異なるもののように感じるのですが

投稿: | 2015年7月31日 (金) 17時23分

> 別の名無しさん
  
コメントどうもです。
ただ、上にも書いてある通り、ここはコメントに
名前(固定ハンドル)を求める個人ブログですので、
よろしくお願いします。
      
さて、10万円を代入していいかどうか。
そこがまさに問題のポイントの一つです。
   
私が代入したのは、マイナビの元記事に合わせただけ。
自分が納得してる考えではありません。
     
ただ、発想は一応、自然でしょう。
あと、期待値も含めて、確率論的な推測値の箇所に
実際の値を代入することは、統計学においては
珍しくないことです。
      
実際の結果として、こうした値になった
(フツーは多数の値の集合)。
だから、元の状況はこうだったはず・・・と
いった感じで、遡って推測するわけです shine

投稿: テンメイ | 2015年8月 1日 (土) 12時47分

こんにちは
この問題は非常に面白いですね
私なりの考えを書いてみますが
どうでしょうか?

封筒が二つあって、片方にX、もう片方に2X、入っています
どちらかを自由選択して手に取ります
もしXの方の封筒を手に取っていたなら、もう片方は2Xです
もし2Xの方の封筒を手に取っていたなら、もう片方はXです
封筒を交換する行為を記号「⇒」で表現するなら
X ⇒ 2X ・・・(1)
2X ⇒ X ・・・(2)
の二つの状態が考えられ、交換する方がよいか、どうか迷っている状態ですね
ここで、今の置かれている状態が、(1)である確率と、(2)である確率は、ともに1/2です
なぜならそれぞれXと2Xが入っている2つの封筒から
1つを自由選択したからです、まったくの裏表になってます
ここで、今の置かれている状態の期待値を求めます
(1)と(2)は共に1/2の確立なので(1)と(2)を足して2で割ればよいです
すると、1.5X ⇒ 1.5X ・・・(3) となります
(3)の左辺の意味していることは、今持ってる封筒はXか2Xか五分五分なので
期待値は1.5Xであるということです
同様に右辺が意味しているのは、他方の封筒の期待値も1.5Xであるということです
両者ともに期待値が1.5Xであるので、交換しても、交換しなくても
期待値は同じで、どちらが得とは言えず、イーブンである、ことが分かります

ここで、手に取っている封筒を開けてみます
10000円が入っていることを確認しました
交換しなかった場合の期待値は10000円で確定します
既に(3)で期待値は求めてあるので、左辺が10000円になるようにXを調節します
1.5X=10000円であるので、X=6666.666....円であることが判明します
封筒の中身を確認したことで今回の場合のXの具体的な値が定まりましたが
逆にいえば、ただそれだけのことです
封筒を交換した場合の期待値も1.5Xですので、当然、求めるべき期待値も10000円となり
交換しても、交換しなくても、期待値は同じです、割と自明ですよね

ではなぜ間違った期待値の計算をしてしまうことがあるのかですが
(1)と(2)の左辺に10000円を突っ込んでしまうからです
(1)の左辺に10000円を突っ込むと、X=10000円となり、右辺は20000円になります
(2)の左辺に10000円を突っ込むと、X=5000円となり、右辺は5000円になります
ところがここで明らかに問題が発覚してますが、(1)と(2)でXの値が変わってしまっています
もとより(1)と(2)のXが同じ値であることを前提に数式や理論を組み立ててきたわけですから
これはおかしいです
Xが同じ値を意味していないのであれば、連立させて、足したり引いたりできないです
片方にX=10000円を入れて、もう片方にX=5000円を入れたなら、もう単純な足し引きは出来ないです
なので、右辺の20000円と5000円を足して2で割っても正しい期待値は求まらないのです
Xの値が違うことで、(1)と(2)の数式の重みとでも言いますか、意味合いといいますか
スケールが別になってしまっているわけです
20000円と5000円を安易に足すのは、mとcmを単位変換せずに足しているようなものです
だから変な答えが出るのですね

投稿: 名前は言えませんゴメン | 2017年7月23日 (日) 04時48分

> 名前は言えませんゴメン さん
  
はじめまして。コメントどうもです。
  
ここはコメントに名前を求めてるブログだと、
既に2回お知らせしてますが、「名前は言えませんゴメン」
というハンドルネームだと考えておきましょう。
    
     
「今の置かれている状態が、(1)である確率と、
 (2)である確率は、ともに1/2です」と
書いてますが、そこがまさに怪しい点なのです。
  
これから新たに、「2つの封筒から1つを自由選択」
するだけなら、確率は確かに1/2。
  
ところがこの問題は、既に
「開けると10万円の小切手が入っていた」
という条件がついています。
  
選択した後、その結果から元の選択を推測する確率は、
記事に書いた通り、「事後確率」と呼ばれるもの。
計算の仕方が変わるのです。
呼び名はともかく、高校1年~2年の内容です。

  
あと、Xと2Xを足して2で割って1.5Xと
いうのは、単純な間違いです。

そもそも(1)と(2)で、Xという文字が
表す数字が異なるので、足し算はできません。
一連の計算の中では、同じ文字は同じ数を指すことが必要です。
言い換えると、違う数なら違う文字が必要なのです。
   
もし、Xで統一するのなら、
 X⇒2X
 X⇒0.5X
  
さしあたり別の文字にするのなら、
 X⇒2X
2Y⇒Y 
とするのが正しい式の立て方です。
もちろんX=2Yだから、Yを消せば同じことになります。
  
じっくり考え直してみてください shine

投稿: テンメイ | 2017年7月24日 (月) 01時57分

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