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汚染水のトリチウム(三重水素)、実効線量係数と年間の内部被曝線量

鼻呼吸 RUN 10km,51分03秒,平均心拍144

      

今年(2013年)の春以降、福島第一原発の汚染水の問題がクローズアッ

プされるにつれて、トリチウム(tritium)という耳慣れない言葉が飛び交う

ようになって来た。普通の人には、三重水素という日本語の方が馴染みや

すいだろう。これなら、水素に似た物だろうと予想がつくし、高校の物理の

教科書にも、重水素の問題が載ってたのだ(当サイトで半年前に解説)。

       

トリチウムは、福島の放射能除去装置ALPS(=アルプス)では残留して

しまう。一応、除去できる装置は既に日本にあるが、福井県だし(原型炉

「ふげん」)、小型だから1日30kgのトリチウム水しか処理できない。おま

けに装置自体が7億円、処理にも1トン(=1000kg)あたり2000万円も

かかる。これでは、福島の大量の汚染水処理には使えないから、結局、水

で薄めて海に流すしかない。これが現在の普通の見方だろう。

          

では、海に流した後、我々にとっての影響はどの程度なのか。マスメディア

だと、計算までは書いてないから、ここではいつものように、内部被曝線量

の計算式を明示して、年間の値を求めてみる。

        

    

          ☆          ☆          ☆

130926a

  その前に、水素と重水素と三

  重水素(トリチウム)の関係を

  図3枚で確認しよう。ウィキメ

  ディアで公開されてるもので、

  Dirk Hunniger氏の作品。

   

  最初が水素原子で、陽子(p)

  1個の周りを電子(e)1個が

  回ってる。質量数(陽子数+中

  性子数)は1、原子番号(陽子

  数)も1だから、原子記号として

「1 1 H」と書いてある。Hの左上に書いてある数字が質量数だ。電子は

非常に軽いから、質量数だけで原子の質量(いわゆる重さ)がほぼ決まる。

      

130926b

  続いて、重水素。陽子1個と中

  性子(n)1個の周りを、電子1

  個が回ってる。質量数2(=1

  +1)、原子番号1だから、原

  子記号は「2 1 H」。水素の

  同位体だが、放射性ではない

  し、天然でも0.015%存在。

     

  そして最後が、三重水素(下図)。

  陽子1個と中性子2個の周りを、

  電子1個が回ってる。質量数3

130926c

  (=1+2)、原子番号1だから、

  原子記号は「3 1 H」。

  

  天然だとほとんど存在しない人

  工的な物質で、放射性同位体

  だから、今現在はもっぱら否定

  的に扱われてる。ただ、いずれ

  トリチウムを使った核融合が実

  用化されれば、プラスの側面も

  強調されるようになるだろう。50

  年後くらいだろうか。。

        

    

          ☆          ☆          ☆

では本題のトリチウムによる内部被曝の計算に移ろう。今週の『週刊新潮』

(10月3日号、9月26日発売)の記事、「『汚染水』浄化装置でとりこぼす

『トリチウム』の危険度検証」では、要するに、薄めれば問題ないという話が

書いてあった。その中で、毎度お馴染み、東大付属病院の中川恵一・准教

授が、「毎日2リットル飲んでも、年間被曝量で0.8mSv(ミリシーベルト)に

もならない」といったことを語ってた。

   

検索してみると、毎日新聞の9月19日・朝刊でも同じ事を語ってたが、私が

計算してみると、最初はもう少し大きな値になってしまった。これはどうも、ト

リチウムの経口摂取(=口からの取り入れ)の実効線量係数に、複数の値

があるからのようだ。一番しっかりした情報源は、ATOMICAだろう。

  

成人の係数として、HTO(トリチウム水)の場合は1.8×(10の-11乗)

Sv/Bq(シーベルト・パー・ベクレル)、OBT(有機結合型トリチウム)の場

合は4.2×(10の-11乗)Sv/Bq。中川准教授も、反原発団体の原子

力資料情報室も、前者の数字で計算してるようなので、以下でもそれを採

用する。ただ、後者の値で計算しても、たかが2倍強になるだけで、大した

違いではない。影響の大きい子供の場合は、3倍前後(年齢による)の係

数だと思っておけばいい。

        

    

         ☆          ☆          ☆

汚染水を希釈して(=薄めて)、日本の基準値である「1リットルあたり6万

ベクレル」以下になったと仮定する。1日に2リットル飲むと、最大でも12万

ベクレル。1年=365日で、4380万ベクレル。これに、係数をかければい

いわけだ。

  

結局、全体の計算式を書くなら、以下のようになる。

   

  (年間の内部被曝線量の最大値)

       =60000×2×365×1.8×(10の-11乗)

       =4.38×(10の7乗)×1.8×(10の-11乗)

       ≒7.9×(10の-4乗) (Sv)

       ≒7.9×(10の-1乗) (mSv)

       ≒0.79 (mSv)

      

という訳で、「0.8mSvにもならない」ことが示せた。しかも、これは最大値

だし、毎日2リットルも福島第一原発付近の水を飲むはずはない。少し離れ

るだけで遥かに薄まるし、福島の海水浴場で泳いでも、たかが年間数十日、

1日あたり0.5リットル以下のはず。実際の被曝量は0.8mSvより遥かに

少なくなる。

          

おまけに、トリチウムには「生物濃縮」もないとされてるし(ATOMICA)、セ

シウムと違って海底に溜まるわけでもなく、「海のホットスポット」も考えにく

いから、魚介類や海草などを通じた特殊な影響もほぼ心配ない。

        

結局、子供の場合も含めて、ほとんど問題なしと言っていいだろう。非常に

弱いβ線を出すだけだから、「外部」被曝も関係ないのだ。物理的な半減期

12.3年にしたがって、トリチウムは崩壊&消滅するし、それに先立って、

遥かに広い海へと拡散し、薄められて行く。

     

後は、汚染水を実際に基準値以下まで薄めることや、漁業団体その他の

理解を得ることが問題だろう。差し当たり、トリチウムが除去できないとして

も、薄めれば実害はほぼ消えることを、定量的に示しておいた。なお、反原

発の原子力資料情報室HPでさえ、似たような説明を書いてることを付記し

とこう。単純な科学的思考や計算には、思想や政治が関与する余地は少な

いのだ。。

    

cf. 福島第一原発の汚染水、現状の定量的なまとめ(13年・夏)     

   

     

          ☆          ☆          ☆

最後に、今日のランニングについて。昨日がひどい走りのハーフ21kmだっ

たから、休もうかなとも思ったけど、意外と脚は平気みたいな気がしたから、

試しに10kmだけ流してみた。

   

結果は、ほとんど問題なし♪ やっぱし、昨夜は天気も体調も異常だったん

だろう。今夜は気温19度、湿度65%、風速3mの涼しさだったから、超~

楽勝。僅か10kmとはいえ、鼻呼吸なのに昨日より10近くも低い心拍数で、

1kmあたり16秒も速いペースだった。といっても、たかが1km5分06秒

だけど (^^ゞ

     

明日、明後日は仕事が忙しいから、2日続けて休む可能性もあり。ま、その

場合は日曜と月曜でフォローすることにしよう。ではまた。。☆彡

     

         

  往路(2.40km)   13分02秒   心拍131

  1周(2.14km)   10分55秒      145  

  2周           10分39秒      151

  3周(0.92km)    4分35秒      153

  復路           11分58秒       150

計 10km  51分03秒 平均心拍144 最大心拍159(ゴール時)

             

                                   (計 2809文字)

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