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分断と混濁、怪物は日常の中に~小阪淳「論壇時評」(朝日新聞・15年2月)

朝日新聞・朝刊が月末の木曜日に掲載している「論壇時評」。ここ2年近く

記事を書いてなかったが、今朝(2月26日)の小阪淳のCG「分断と混濁」に

はゾッとしたので、ほんの一言だけブログでつぶやいとこう。他の人がつぶ

やいてたら書かないつもりだったが、今現在、ツイッターも含めて、検索では

出て来ない内容だ。

 

まず、新聞のイラスト(現代美術)を見てない方は、次のリンクをクリックし

て頂きたい。朝日新聞デジタルのサイト内に飛ぶだけなので、ご安心あれ。

何も言われなければ単なる奇妙な地図だし、1週間くらい経つと、見れなく

なる可能性もあるので、お早めにどうぞ。さて、何に見えるだろうか。新聞

の誌面だと白黒だけど、ネットでは茶系というか、赤黒く感じられる。

 

   http://www.asahi.com/articles/photo/AS20150226000168.html

 

 

         ☆          ☆          ☆

「現代をイメージした作品」ということで、作品の制作期間を考えると、1月末

から2月半ばまでの大きな出来事を扱うのが基本のはず。当然、「イスラム

150226b  国」だろうと思ってたら、日本列島の

  中央、仙台あたりから名古屋の辺り

  が描かれてる。左はウィキメディア、

  Alexrk2氏の作品を加工して、小阪

  のCGを模倣したもの。

 

  元のCGでは、陸地のあちこちに山

  脈か活断層みたいなものがあるか

  ら、「この時期にまた原発論争?」と

  不思議に思って、1回スルーした。し

かし過去の経験上、小阪の作品は必ず読解可能なのだ。その解釈が「正し

い」かどうかはさておき、意味不明な作品は一度もない。

 

そこで、もう一度見直す。どうして日本の真ん中だけをクローズアップしてる

のか。どうして地図が左回りに少し傾いて、太平洋岸が上下方向になって

るのか。東西の分断という意味ではないはず。すると。。

 

 

         ☆          ☆          ☆

30秒ほどCGをジッと見つめて、ゾッとした。「分断」された頭部、首なのだ。

右向きで口を開いた顔だ。世界に配信された、あの衝撃の動画映像を思い

出す所。

 

まあ、質問されても小阪は「ご自由に解釈を」とか語るだけだろうし、そうすべ

きだと思うが、下部が暗く「混濁」してること、「顔」のあちこちで傷のような山

脈or活断層が強調されてることから考えても、私にはそうとしか見えない。

生々しい切断を隠すためもあって、下側をボカしてるのだ。

 

どうして仙台あたりから名古屋あたりまでしか描かれてないのか。これも綺

麗に納得できるのだ。偶然なのか、ほとんど同じ時期に頭部や首が話題と

なった事件が名古屋で発生。その元をたどると、仙台だったから。

 

もちろん、「分断」とは激しい対立を示す一般的な言葉でもあるし、「混濁」と

は理解しがたい行動や思考形態も表してる。頭部の分断だけでなく、黒く焼

かれたヨルダン軍パイロットの叫びをも表してるのだろう。実際、背景は奇妙

なほど真っ暗、真っ黒になってる。。

 

 

          ☆          ☆          ☆   

ちなみに、「論壇時評」のメイン記事は、高橋源一郎の「寛容への祈り」「『怪物』

は日常の中にいる」だったが、寛容などという人間的な態度を超越した次元に、

本物の「怪物」はいる。その一方、「怪物」はある日突然、日常世界にも登場す

るのだ。ひょっとすると、もっとも身近な自分自身の内部でも。。

 

それにしても、よくこんな構想が出来るものだと、あらためて小阪の才能に感

心した。まさに「論壇時評」の「中央」、真ん中に位置する怪物的アーティスト。

単なる鑑賞者としては、とりあえず身近な怪物に注意することにしよう。

それでは、ごく簡単な感想ながら、今日はこの辺で。。☆彡

 

 

cf. あの日から2年、疎通の深化~小阪淳「論壇時評」(朝日新聞・13年3月)

 

                                     (計 1518字)

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