« 片付けはパニック、リハビリランは順調&「冷奴」の英語♪ | トップページ | 戸田マラソンの記録証、靴の泥落とし、リハビリラン4 »

テロで妻を失ったレリスさん、「憎しみという贈り物はあげない」(フランス語・英語・日本語対訳)

2015年11月13日、パリ同時多発テロが発生して1週間。殺された罪なき人

達の人数だけを考えると、他にも似たような事は起きてるし、殺人・攻撃の応

酬はできる限り避けたい。だからと言って、テロを放置する訳にもいかないが、

空爆や無人爆撃機なら放置していいのか・・という問題もある。

 

151121  さて、具体的にどうする

  か。単なる日本の一市民

  として考える時、心を打た

  れるのが、アントワーヌ・

  レリス(Antoine Leiris)

  氏のメッセージだ(11月

  16日)。テロで妻を亡くし

  た仏人ジャーナリストの

  彼が、フェイスブックに載

  せた手紙形式の文章は、

  世界中に拡散している。

  ラジオ・ネットワークの

  「France Bleu」所属、

映画愛好家というプロフィールの持ち主だ。

 

先日、Yahoo!でも「元人質が語る『ISが空爆より怖がるもの』」という記事が

話題になってたが、このレリスさんの文章はそれと似て非なるものだ。決定的

な違いは3点。自らが遺族であること、個人的な思いの詩的表現に留めてるこ

と、国や政治への言及はほとんど避けてること。

 

もちろん、なかなか真似のできることではないし、「では、今後どうするのか」

という問いも残る。ただ、一市民としては、非常に参考になる考えの一つなの

で、早速もとのフランス語と英訳をチェックしてみた。私が最初に読んだのは、

11月20日の朝日新聞・朝刊の邦訳(渡辺志帆記者)だが、やはり微妙に違

いがあるわけで、仏文・英文と比較したのは正解だった。

 

(☆追記: 11月22日の朝日・朝刊では、レリスさんへのインタビューを掲載。

       朝日新聞デジタルでは、一問一答も掲載。)

 

 

         ☆          ☆          ☆  

既に世界中に拡散してるSNSの文章であるし、好意的な引用なので、著作権

の心配は不要だと考える。ただ、全文は避け、より重要だと思われる前半のみ

を引用させて頂こう。1文ごとに、フランス語、英語、日本語の順で掲載。英語

を載せるのは、日本語よりもフランス語に近いし、世界で読まれてる言語だか

らだ。

 

現在、レリス氏の facebook はアクセス不能になってるようだから、元のフラ

ンス語(赤い字)は、フランス・インフォ(france info)が掲載してるキャプチャー

画像を利用。アクセント記号は省略。Googleのキャッシュ・データでも確認した。

(☆12月8日追記: 該当ページのみ、アクセスできた。)

 

英訳(青い字)としては、テレグラフ(telegraph)を使用。日本語訳(黒い普通の

字)は基本的に朝日に従ったが、一部は私の判断で変更。なるべく直訳に近く

してある。ただし、ここでの引用の最後は訳しにくいフランス語で、相手を軽くか

らうようなニュアンスなんだろうと想像する。それでは以下、ご参照あれ。。

 

 

           ☆          ☆          ☆

  Vous n’aurez pas ma haine.

  You will not have my hatred.

  君たちは、私の憎しみを手にすることはない。

 

  Vendredi soir vous avez vole la vie d’un etre d’exception,

  l’amour de ma vie,la mere de mon fils mais vous n’aurez

  pas ma haine.

  On Friday evening you stole the life of an exceptional 

  person,the love of my life,the mother of my son,but

  you will not have my hatred.

  金曜の夜、君たちは素晴らしい人の命を奪った。私の最愛の人であり、

  私の息子の母親だ。しかし君たちは、私の憎しみを手にすることはない。

 

  Je ne sais pas qui vous etes et je ne veux pas le savoir,

  vous etes des ames mortes.

  I don’t know who you are and I don’t want to know,

  you are dead souls.

  君たちが誰かも知らないし、知りたくもない。君たちは死んだ魂だ。

 

  Si ce Dieu pour lequel vous tuez aveuglement nous a fait

  a son image,chaque balle dans le corps de ma femme

  aura ete une blessure dans son coeur.

  If this God for whom you kill blindly made us in his

  image,every bullet in the body of my wife is wound in

  his heart.

  もし神が自らの姿に似せて我々をつくったのなら、私の妻に撃ち込まれ

  た銃弾の一つ一つは、神の心の傷となっているだろう。

 

 

          ☆          ☆          ☆   

  Alors non je ne vous ferai pas ce cadeau de vous hair.

  So no,I will not give you the satisfaction of hating you.

  だから決して、君たちに憎しみという贈り物はあげない。

 

  Vous l’avez bien cherche pourtant mais repondre a la

  haine par la colere ce serait ceder a la meme ignorance

  qui a fait de vous ce que vous etes.

  You want it,but to respond to hatred with anger would

  be to give in to the same ignorance that made you what

  you are.

  君たちは憎しみをとても欲している。しかし、憎しみに怒りで応じることは、

  君たちと同じ無知に屈することになる。

 

  Vous voulez que j’ai peur,que je regarde mes concitoyens

  avec un oeil mefiant,que je sacrifie ma liberte pour la 

  securite.

  You would like me to be scared,for me to look at my

  fellow citizens with a suspicious eye,for me to sacrifice

  my liberty for my security.

  君たちは、私が恐れ、隣人たちを疑いの目で見つめ、安全のために自由を

  犠牲にすることを望んでいる。

 

  Perdu.Meme joueur joue encore.

  You have lost.

  君たちの負けだ。私というプレーヤーはまだ健在だ。 

                                (以下、後半省略)

 

 

 

P.S. 朝日の11月30日・朝刊、天声人語でも、「君たちに憎しみという贈

     り物はあげない」は、11月の言葉の一番目として引用された。人間

     の気高さに胸を打たれた、とのこと。

 

 

P.S.2 同時多発テロでテラス席が銃撃され、客5人が死亡したパリのカフェ

      バー「ボン・ビエール」(LA BONNE BIERE : いいビール)が12

151208a  月4日に営業再開。「

  はテラス席にいます

  (JE SUIS EN 

  TERRASSE)という

  横断幕を掲げた。写

  真はフィガロHPより

 

  前置詞「EN」は、否定

  を表す接頭辞「IN」と似

  た発音だから、「私は

  テロリストではない」

という意味を読み取ることも出来なくはない。つまり、以前拡散した「私は

シャルリーだ」の変形とも考えられる。店主の意識的な意図は別として。。

 

 

P.S. 16年6月、ポプラ社から、『ぼくは君を憎まないことにした』という

     翻訳本が出版され、レリス氏も来日。日テレ、テレビ朝日などの

     取材を受けてた。例の文章の他に、色々含めたドキュメントとの

     こと。訳者は土居佳代子、税込1296円。

 

                  (追記 522字 ; 合計 3092字)                    

|

« 片付けはパニック、リハビリランは順調&「冷奴」の英語♪ | トップページ | 戸田マラソンの記録証、靴の泥落とし、リハビリラン4 »

フランス語」カテゴリの記事

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 片付けはパニック、リハビリランは順調&「冷奴」の英語♪ | トップページ | 戸田マラソンの記録証、靴の泥落とし、リハビリラン4 »