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小学校・道徳の教科書の物語『はしの上のおおかみ』、軽い感想(1・2年、奈街三郎作)

森友・籠池問題と築地・豊洲問題が大揺れになる中、来年(2018

年度)から使われる小学校の道徳の教科書も地味な話題になって

る。文部科学省の検定の指摘を受け、細かい変更が行われたらし

い。パン屋が和菓子屋に、おじさんがおじいさんに、アスレチック

公園が和楽器に、etc。。

   

私はパン屋が和菓子屋になったという話を朝日新聞デジタルで読

んだ時、思わず笑ってしまったけど、文科省の言い分によると、こ

の箇所だけ見た修正ではなく、教科書全体の構成の問題とのこと。

    

そう言われると、教科書全体をチェックしたくなるけど、当然まだ公

開されてないし、「道徳」に反する裏情報を探し出すつもりもない。

   

というわけで、合法的に教科書(教材)の内容を読もうとすると、文

科省がネット公開中の副読本『わたしたちの道徳』が参考になる。

この中に、全社が採用したお話が色々入ってるらしい。

  

170325a

     

とりあえず今日は、1・2年用の副読本の序盤に載ってた読みもの、

『はしの 上の おおかみ』を軽く見ておこう。「橋の上の狼」ではな

く、ひらがなを使ってるし、文節で1マス空けてある。

  

巻末の注によると、著者は児童文学者・奈街(なまち)三郎。出典

は、『読んでおきたい物語 やさしいの話』(ポプラ社)。ウィキペディ

アが正しいのなら、初出は『はしのうえのおおかみ』(鈴木出版、

1991)なのかも。

   

副読本は、以前から全文無料公開されてる公的配布物なので、

縮小画像を2枚入れさせて頂いた。出典、著者名も明記してるし、

著作権の問題は生じないと考える。普通にいいお話なので、基本

的には好意的な引用だ。

   

   

     ☆        ☆        ☆

170325b

  

この読みものが挿入されてるのは、第2章「人と ともに」、第2節

「あたたかい 心で 親切に」。p.70~p.73の4ページ。

  

「おおかみは人ではありません」とか、いきなり先生に突っ込む生

徒もいるだろうけど、なぜか子ども向けのお話では、言動が人間み

たいな動物がよく使われる。擬人法ならぬ、擬獣法。子どもウケが

いいし、人間よりキャラ設定がしやすいからだろうか。たとえば、悪

役にはオオカミ、善玉にはクマさんとか。

  

あらすじを短くまとめると、次の通り。

  

1人しか渡れない山の1本橋で、おおかみが意地悪して遊んでる。

うさぎ、きつね、たぬきなど、他の動物が通れないように通せんぼ

して、いばってると、橋の真ん中で大きなクマとぶつかった。

     

おおかみが慌てて引き返そうとすると、クマはおおかみを抱き上げ

て、後ろへそっとおろした。橋の上で、クマの後ろ姿を見続けたおお

かみは、次の日、クマの真似をして、ウサギを抱き上げて通してあ

げた。おおかみはいい気持ちになった。。

    

    

     ☆        ☆        ☆  

まるで『水戸黄門』型のテレビドラマみたいなお話で、6才~8才

くらいの子どもには分かりやすくて教訓的。ちょうどいいと思う。

   

ただ、ちょっと頭の回る子どもなら、「先生、おおかみはおかしいと

思います」とか発言しても不思議はない。例えば、「おおかみは自

分がいい気持ちになりたいために、わざと橋をふさいだんだと思い

ます。温かい心や親切などではありません」とか。

   

もちろん、元のお話に、「わざと」という話は書かれてない。

 「つぎの日です。1本ばしのまん中で、おおかみは

  うさぎに出会いました」

と書かれてるだけ。だから、たまたま橋で一緒になったということか。

   

  

     ☆        ☆        ☆

あるいは、「おおかみに抱き上げられるとウサギは怖いので、余計

なお世話だと思います。おおかみが本当に優しい気持ちを学んだ

のなら、むしろ引き返してあげるべきだと思います」という意見が出

ることも考えられる。

  

そうすると、別の子どもが、「これは、たとえ話だから、そのまま読む

のはおかしいと思います。他人に良いことをしてもらったら、自分も

すぐ見習おうということを言いたいのです」と反論するとか。

   

「おおかみはちゃんと、クマにありがとうと言うべきだったし、うさぎ

もお礼を言うべきです」。

「先生は、クマさんみたいにお手本を示してください」。

「みんなで橋をもう1本作る方がいいはずです」、etc。

   

おそらく既に大量の授業データが蓄積されてるはず。それほど変

な方向に議論が向かうこともなさそうだから、先生の側も余裕を

持って授業に使えると思う。

    

  

      ☆        ☆        ☆

ちなみに私自身がすぐ思い出すのは、中学のホームルームでの

細かい表現論争。

   

他人に対して、「可哀想(かわいそう)」と言うのは偉そうで失礼だか

ら、「気の毒」という言葉を使うべきだという意見が出て、私は直ち

に反論した気がする。反論内容までは覚えてないけど、この同級

生とは今でも一応、連絡を取り合ってる仲で、関係はわりと良好だ。

     

まあ、教科書や教材よりも、先生や生徒の能力が問われることに

なるわけで、教科書の細かい部分は枝葉の問題にすぎない。小学

校の先生は大変だな・・とか思いつつ、今日はこの辺で。。☆彡

        

                    (計 1995字)

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