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ドラマ『わたしを離さないで』第1話、ノーベル賞記念再放送の軽い感想

ノーベル文学賞2017を受けて、直ちに再放送となったTBSドラマ

『わたしを離さないで』。深夜2時35分からという時間帯だけど、

即断即決に敬意を表して、録画で軽くチェックしてみた。下はTBS

の告知ページより

 

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一言でまとめると、予想より良い出来で満足。かなり特殊で重い

物語だから、去年の本放送で平均視聴率6.8%に終わったのは

仕方ないとして、もっと光が当たっていいドラマだと思う。

 

残念ながら今、私は体調が悪いので、レビューではなく簡単な感想

でお茶を濁しとこう。ちなみに、英語の原作小説については記事を

アップしてある。土屋政雄による日本語訳はまだ見てない。

 

 カズオ・イシグロ『Never Let Me Go』

  (わたしを離さないで)、英語原書と英語版ウィキのあらすじ

 

 

     ☆        ☆        ☆

さて、第1話だけ見た限りだと、ドラマの物語はほぼ原作に沿った

ものになってた。

 

ノーベル賞受賞の前にも関わらず、英国在住の日系人作者とは

かなり緊密に連絡を取ったようで、公式サイトの「イシグロ先生から

のコメント」もきっちりした内容になってる。海外の大物作家がこれ

ほど真面目にテレビドラマにコメントするのは珍しいと思う。合計で

2500字ほどで、受賞後の丁寧なインタビューを思い出した。

 

171020b

 

主人公キャシー(Kathy、ドラマの恭子=綾瀬はるか)を演じるのは、

非常に優秀な役者である必要がある。物語の大部分で、自分自身に

対してさえトミー(Tommy、友彦)への深い愛を隠したまま、微妙な

表現で伝えることになるから・・といったメッセージが書かれてた。

 

脚本家の森下佳子についても、単なる社交辞令を超えた言葉で

賛辞を贈ってた。ちなみに、森下脚本、綾瀬主演、麻生祐未共演

というキャスト&スタッフの構成は、名作ドラマ『白夜行』と同じで、

ちょっと懐かしい。森下は、綾瀬の出世作『世界の中心で、愛を

さけぶ』の脚本も担当してた実力派。

 

ちなみに『白夜行』は当サイトの初期の全編レビュー対象。『野ブタ。

をプロデュース』に続く2作目で、12年近くも前のことだ。。

 

 cf. 愛がもたらす夜の太陽~白夜行第1話

 

 

     ☆        ☆        ☆

さて、それでは本題。まだ見てない方にとっては、かなりのネタバレに

なるのでご注意あれ。

 

驚いたのは、初回冒頭からクライマックス(最後)のシーンが映された

こと。『白夜行』のパターンに合わせたわけか。原作小説も、ヒロイン

の記憶と回想から始まるけど、いきなり衝撃的結末を書くことはして

なかった。

 

何と、恭子(綾瀬)が友彦(三浦春馬)を始末するシーンから始まる

のだ。まあ、あれが現実なのか幻想なのかはまだ分からないけど、

友彦から移植用の臓器を取り出す手術が終わった後、担当介護人

の恭子が注射で友彦を安楽死させる。お互い、普通の人への移植

のためだけに作られた、哀しい人造クローン人間。。

 

安楽死の後は直ちに火葬。これを表す英単語「incineration」

も映し出される。単なる偶然なのか、発音は「イン死ねレーション」。

死なせることを表す日本語になってるのだ。殺される友彦の側は

『白夜行』とは違って、麻酔で眠ったまま無反応。

 

硬く重い表情のまま、恭子は自宅に戻って、懐かしいCDを聴く。

何も知らなかった子ども時代に、友彦がプレゼントしてくれて、

2人きりで聴きながらダンスした曲。『Never Let Me Go』、

わたしを離さないで。あるいは、私を行かせないで(逝かせないで)。

 

原作のタイトルとなった架空の曲を、ドラマではわざわざ創作した

ということか(未確認)。歌詞も公開してた。綺麗なバラードだ。

 

 I don’t wanna sleep on this night 

 I recall the day our love was born

   ・・・・・・

 Baby baby,never let me go

     (作詞 Yutaka Yamada)

 

 今夜は眠りたくない

 私たちの愛が生まれた日を思い出すの

   ・・・・・・

 ねえ、わたしを離さないで

 

 

     ☆        ☆        ☆

そして、歌詞に合わせるかのように、恭子の回想らしき映像が延々と

続いて行く。全寮制学校(原作だとヘールシャム)の時代。

 

「陽光学苑」という名前だが、森に囲まれて隔離された場所で、そこ

から逃げ出すと殺人鬼に内臓を取り出されてしまうとかいうウワサ

(みたいな真実)も流布されてる。社会の授業は無い代わりに「心」

の授業がある。

 

心の授業か、国語の授業か、「たった一つしかない赤いクレヨン」を

与えてくれた優しさが強調される。何気ないシーンだが、これは移植

用に心臓を提供するという象徴的な表現。素直なドナー(提供者)

を効率よく生産するための洗脳教育。

 

もちろん、そういった事は今現在の世界だと、(おそらく、ほとんど)

無い。ただ、人間のために身体を提供する動物たちなら無数にいる。

食糧用、実験用。いずれ、特殊な人間たちか優秀なAIロボットが、

遺伝子操作された移植用の人間を創り出そうとしても不思議はない。

その際には激しい争いが生じるはずで、それ自体も悲惨な光景だ。

 

身近で愛して来た生き物を、自分たちの都合で殺すということも、

捨てられたペットの処分という形で実際に行われてる。目立たない

形で、淡々と。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

心の教育では、なぜか絵の才能ばかりが特別視される。大人しい

人間をつくりたいということか。音楽や体育だと、反抗につながる

可能性があるから。

 

絵が下手で、おまけにカンシャク持ちの幼い友彦(子役・中川翼)は、

みんなにいじめられてるが、恭子(子役・鈴木梨央)は優しく味方する。

美和(子役・瑞城さくら、後に水川あさみ)たちにからかわれながら。

美和は原作だとルース(Ruth)。

 

他に、新任の保健体育の先生・龍子(原作のLucy、伊藤歩)も、

友彦のサッカーの能力などを評価。さらに、彼らの本当の運命も、

少しほのめかす。

 

そしてある日、遂に神山恵美子校長(原作のEmily、麻生祐未)

が生徒を集めて、大切なお話をする。あなた達は選ばれた存在で、

普通の人に身体を与える存在。「天使」だから、素晴らしい使命を

立派に果たそうと。

 

他の教師の拍手につられて、生徒たちも校長の演説に拍手する。

そんな中、顔がひきつる龍子と恭子、微妙な表情の友彦。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

幼少期を演じる子役の演技が可愛くて素晴らしいし、ロケーションも

お見事。確かに英国の全寮制学校のイメージになってて、閉鎖的で

暗いけど、暗すぎることもない。子どもの無邪気な明るさもしっかり

表現されてた。謎めいた存在「マダム」(真飛聖)も、原作に合ってる

気がする。

 

今後の展開にも期待できるけど、深夜の放送が厳しい。とりあえず、

ドラマの出来にも拍手を贈って、今日の所は終わりにしよう。

ではまた。。☆彡

 

               (計 2738字)

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