« 全記事一覧(18年1~3月) | トップページ | 微妙に揺れ動く、市場と皇室・・&リハビリ・ハーフ »

ひらめきの鍵、ボーッとしてる時の脳(デフォルト・モード・ネットワーク)~NHKスペシャル『人体』第5集

去年(2017年)の秋にスタートした、NHKスペシャル『人体』第4

シリーズ。臓器の複雑なつながりを情報「ネットワーク」としてクローズ

アップするというのが、今期のシリーズのテーマだ。

 

これまで、腎臓とか筋肉とか、意外な物の重要性を強調して来た

のに、今回は予想通り、「やっぱり脳」という話になった。脳はお飾り

社長(タモリ)ではなく、腸・・じゃなくて超優秀な社長(山中)なのだ♪

「腸」を強調した第4回との2本撮りだったのかも。

 

当サイトでは過去4回、記事を書いてる。最初のプロローグの回だけ

は無い。

 

  腎臓、赤血球・血圧・寿命の肝「腎」かなめ~『人体』第1集

  身体の大半を占める脂肪&筋肉、

   命を守るメッセージ物質伝達~『人体』第2集

  骨(オステオ)が出す若返り物質~第3集

  腸の免疫コントロールと腸内フローラ(細菌)~第4集

 

 

で、2018年2月4日に放映された第5回のサブタイトルは、

 “脳”すごいぞ! ひらめきと記憶の正体

 

このタイトルだけでも、この番組がバラエティに近いのが感じ取れる。

実際、タモリと『火花』又吉直樹の細かい掛け合いが笑えた今回は、

民放みたいな軽いノリが散りばめられてた。真面目に教養番組と

して見てると、スルーしてしまうかも知れないけど、あのアドリブも

身近な「ひらめき」の実例だろう。

 

ちなみにオープニングのタイトルバックは縦書きだから、漢数字で

「第五集」。番組最後では横書きだから、アラビア数字で「第5集」。

国営放送らしい使い分けになってた(細かい・・)。

 

 

      ☆        ☆        ☆

180207a

 

冒頭、お笑い界の天才・又吉のCG(?)に対してタモリが突っ込み。

「ルー大柴かと」♪ 画像はNHK公式サイトより引用。試しに検索

してみると、私の清き一票も含めて、そっくり率78%。これはかなり

高い部類だ。

 

180207b

 

又吉の脳を世界最高性能のMRIで検査すると、明らかに違う点

が分かった。「発言が少ない」、「俺を1回も笑ったことない」とか

タモリが突っ込みを入れる中、正解は、縁上回(えんじょうかい)と

呼ばれる部分が大きいこと。脳の真ん中のやや後ろ辺りで、言語を

司る縁上回が、平均データより3割増しの大きさらしい。

 

この場面での又吉の反応が、非凡な頭脳を表してた。いいとこもある

けど、少ないとこもあったんでしょうね、と冷静にコメントしたのだ。

 

これはメディアや広告、日常会話に限らず、学術研究でも見られる

ことで、自分の主張にとって都合の良い点だけ強調する。都合の

悪い点はスルー。番組のこのシーンは、又吉の素晴らしさだけを

わかりやすく主張したいから、大きい所だけ指摘してた。

 

 

     ☆        ☆        ☆

又吉を使った実験では、小説のストーリーを考えてもらって、いい

ひらめきが生じた時にボタンを押してもらう。10分で3回押して、

そのうち2回で興味深い活動があった。

 

3回の内、2回というのは、少な過ぎて統計学的にほとんど意味が

ないデータだが、テレビだから良しとしとこう。

 

180207c

 

上図が、又吉がひらめいた時の脳の様子で、世界初の可視化との

こと。美しいイメージング(画像化)なのは確かで、国際電気通信基礎

技術研究所HPは、お知らせでPRしてた。

 

この脳活動の形が、ボーッとしてる時の脳と似てるらしい。だから、

ひらめきはボーッとした状態から生まれる。。

 

 

     ☆        ☆        ☆

学問的にはかなりビミョーな論理だけど、実際「又吉調べ」によると、

芸人がひらめく時は散歩とお風呂が多いとのこと。本人も夜、散歩

するらしい。今の監視社会、夜中だと通報リスクもあるはず♪ 何か

事件が起きたら、監視カメラの映像から不審者リストに入れられる。

 

タモリは一応、早稲田大学で西洋哲学を専修してたから、すぐに

「逍遥学派」という言葉を出してた。逍遥とは散歩のこと。古代

ギリシャの大哲学者アリストテレスは、散歩しながら弟子たちに

講義してたから、逍遥学派(=お散歩グループ)と呼ばれてた。

 

ここで又吉かiPS・山中伸弥教授が、NHKの人気シリーズの1つ、

『ブラタモリ』を話題に出せば良かったのに、誰も出さず。番組に

集中し過ぎた状態で、ひらめきが生まれなかったようだ♪

 

その代わり、山中教授は、iPS細胞のアイデアはお風呂でハッと

思いついたと話してた。人生でたった1回だけの閃(ひらめ)きだと

自嘲してたけど、ノーベル賞に輝けば十分過ぎるだろう。

 

20年前のそのアイデア自体はひらめきだけど、今回の番組のこの

場面で話すことはひらめきではない。視聴者にとってはなるほどと

思う話だけど、本人にとっては昔から分かってた事で、ハッとする

ような直感的な新しさはないから。

 

 

     ☆        ☆        ☆

散歩、お風呂、朝の起床後など、ボーッとしてる時の脳の状態は、

デフォルト・モード・ネットワーク」(初期状態のつながり)と説明

されて、ドレクセル大学のジョン・クーニオスという研究者の映像が

登場。

 

この人は別に、この概念の提案者とか発見者ではないし、日本では

ほとんど無名のようだ。めぼしい記事は、ウォール・ストリート・

ジャーナル(WSJ)のこの記事くらいか。ジョン・クーニ「ア」スと表記

されてる。とにかく、世界的にもメジャーではなさそうだし、英語の綴り

もなかなかネットで発見できなかったほど。

 

綴りはJohn Kouniosで、おそらく下の論文が最初の

重要な業績だと思う。『Neuropsychologia』(神経心理学)

電子版で2007年、雑誌で2008年に発表。

 

180207d

 

 The Origins of Insight in

 Resting-State Brain Activity

 (安静状態の脳活動における、ひらめきの起源

 

 

     ☆        ☆        ☆   

ここでは、「ひらめき」という言葉は、「Insight」(インサイト、

直感)とか、「Aha!」(ア-ッ)と表記されてる。

 

英語版ウィキで「default mode network」の項目を

読むと、この人の名前は見当たらないし、ひらめきにピッタリ相当

する英単語もなかなか見当たらない。

 

公平にまとめると、ボーッとした初期状態の脳に色んな活動や機能

があるのは昔から分かってたけど、ひらめきに注目したのが、この

人達の研究。ただし、広く共有された主張ではないし、ボーッとした

状態こそ素晴らしいというような話にもなってない。

 

まあ、眠ってる間でさえ脳が活動してるという話もあるし、何かに

意識的に集中することだけが大事ではない、といった感じか。

 

私の場合、ランニングが脳活動を支えてる気がする。走ってる途中

とか、走った後のボーッとした時にひらめくというより、普段の脳の

動き全体へと、静かにパワーを与えてると思うのだ。体調管理という

側面も含めて。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

なお、脳のネットワークを織りなす神経細胞のつなぎ目、シナプス

は、こんな図で説明されることがほとんどだろう。

 

180207e

 

たまねぎみたいな形が神経細胞(ニューロン)の端で、その接合部

あたりをまとめてシナプスと呼んでる。隙間だけならシナプス間隙だ。

英語版ウィキを見ると、シナプスの他のタイプも色々と載ってた。

 

180207f

 

番組では、神経に切れ目が入ってる理由として、ヴァリエーションを

もたらすためだと説明してた。1000億個の細胞が数十~百種

のメッセージ物質をやり取りすることで無限の組合せができると。

1回の時間は僅か1万分の1秒程度。

 

しかし、メッセージ物質をどれか一つ選択するためには、その直前

の電気信号(その他)に違いがあるはず。それなら、その電気信号

などのヴァリエーションだけで十分な組み合わせ数になるはずだ。

 

 

     ☆        ☆        ☆

したがって神経の切れ目と伝達物質には、組合せの多様化以外に、

複雑な役割や意義があるはず。問いを投げてたゲストの菅野美穂

も、その辺りがまだしっくり来てない様子にも見えた。

 

まあ、単なる進化プロセスの偶然で、遠い将来には神経はつながる

のかも知れないけど。実際、人工知能やコンピューターの配線は

基本的につながってるはずで、つながってても非常に優秀な活動が

可能だ。他にも、機械と人間が融合していけば、全体としてはかなり

つながってることになる。

 

とりあえず、今日はもう時間も字数も残ってないから終わりにしよう。

ではまた。。☆彡

 

 

 

cf. 母と子のネットワーク、生命誕生~『人体』第6集

  ガン細胞のメッセージを逆用、健康長寿~最終回

 

             (計 3351字)

     (追記 48字 ; 合計 3399字)

|

« 全記事一覧(18年1~3月) | トップページ | 微妙に揺れ動く、市場と皇室・・&リハビリ・ハーフ »

健康」カテゴリの記事

医学・医療」カテゴリの記事

「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 全記事一覧(18年1~3月) | トップページ | 微妙に揺れ動く、市場と皇室・・&リハビリ・ハーフ »