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赤い絶望の闇に光った、緑の蛍としての指輪=子ども~映画『昼顔』(上戸彩&斎藤工)

当サイトでは2014年(4年前)から、『人妻』・・じゃなくて『昼顔』

関連の記事を10本以上アップして来た。あえて4種類の記事に

しぼると、以下のようになる。

 

 人妻蝶の炎、新たな束縛の快楽へ~『昼顔』最終回

 ドラマ『昼顔』ノベライズ本、別の結末のあらすじ&感想♪

 映画『昼顔』(Belle de Jour)

    ~あらすじ、感想、ドラマとの比較

 映画『昼顔』ノベライズ、軽~い感想(ネタバレ少なめ♪)

 

上の4本目が、日本のドラマの続編映画『昼顔』について書いた

ものだけど、なぜか月曜夜の地上波オンエア以来、上から2本目

ばかりにアクセスが集中。検索フレーズは何なのか、色々試して

みたけど分からない。18年6月25日~27日のウチのページ

ビュー順位は下の通り。1位が圧勝、ココログ全体でも17位だった。

 

180627a

 

 

    ☆       ☆       ☆

で、どれほど視聴率を取ったのかと思ったら、平均で7.8%

(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。控えめに言ってもビミョーな

数字だね♪ まあ、逆境が続くフジテレビの月曜・夜9時は、去年

秋からその程度の数字だし、番組改変期でW杯真っ最中だから、

フツーの数字かも。

 

ただ、視聴者にはかなりインパクトがあったってことだと思う。特に、

物語の最後=最期、哀しく切ない衝撃的結末が。

 

180627b

 

ちなみに、公開された去年(2017年)の映画興行収入ランキング

を見ると、邦画13位で23億円となってる。洋画を含めても24位

で、まずまずの健闘。アニメを除く実写の邦画に限れば、トップ

クラスの成績だった。

 

 

      ☆       ☆       ☆

さて、前置きはこのくらいにして、私の感想に入ろう。一言でまとめる

なら、良かった♪ ランニングとバイク(自転車)で始まったから(笑)。

そうゆう理由か! いや、このブログは「RUN&BIKE」なもんで。

 

真面目な話、映画として上手く作ってたと思う。流石は西谷弘監督。

テレビドラマと違って、ゴタゴタした細かい枝葉や過剰な説明は省略。

木下紗和(上戸彩)、北野裕一郎(斎藤工)、北野乃里子(伊藤歩)

の3人に絞り込んで、映画らしい静かな映像美で表現してた。

 

ストーリーは予想以上に、去年の記事で扱ったノベライズ本の通り。

つまり、脚本家・井上由美子が書いた通りで、最初から最後まで

脇役も含めてほとんど同じだから、私としては普段以上に映像や

演出の側に目を向けることになった。

 

もちろん、映画だけ見ても、序盤で既に結末への伏線は張ってる。

紗和が極端なモノローグ(独白)をつぶやいてたのだ。

 

 いっそ、あの人も死んでしまえばいいのに・・・

 そうすれば、会いたいなんて思わずに済むのに・・・

 

 

     ☆       ☆       ☆

そういった台詞(セリフ)や物語については、誰でも書くことだから、

ここでは映像表現や英語歌詞を中心に解説して行こう。

 

縮小画像を控えめに引用させて頂くが、非営利の個人ブログの

レビューなので著作権法の許容だと考える。肖像権には別に配慮

してある。

 

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映画の最初は、ドラマの最後、法的な取り決め(会うこと、話すこと

の禁止など)を確認した後、明るく爽やかな海の光景を映す。

 

映画全体としては、光が少しずつ強まって、突然の闇が訪れ、最後

に薄明かりがさし込む、という流れ。起承転結の基本に沿った展開。

 

 

     ☆       ☆       ☆

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海やウインドサーフィンが出て来るのは、紗和が海辺のショップで

働き始めて、オーナーのバツイチ男性(平山浩行)がウインドを

やってるから。ただ、実は連続ドラマでも使われた挿入歌の歌詞

にあるのだ。

 

青木カレン作詞、菅野祐悟作曲、「Never Again」。  

 you are sailing away with

 nowhere else to stray

 他にさまよう場所もなく、あなたはセーリング(帆走)してる

 

要するに、あなたは風まかせに生きてるけど、他の女性に寄り道

することなく私の所に来てね・・というラブソング。もちろん、正妻の

乃里子から見れば、私(紗和)自身が寄り道の浮気だったりする♪

ウインドサーフィンによるセーリングは、オーナーだけでなく、裕一郎

の象徴。

 

曲の英語は意味深で、タイトルを直訳すると「もう二度と・・ない」。

歌詞を普通に読むと、あなた以上に愛する人は「もう二度と現れない」

という意味だけど、明らかに裏の意味がある。「もう二度と逢えない」。

 

実際、歌詞の最初から「away」(離れて)、「end」(終わり)と

いう単語が繰返し出て来るし、一番最初の単語は「drown」

(溺れさせる)。

 

普通は溺死に使う単語がトップに入れられてるのだ。自動詞も

他動詞もあるから、溺れて、溺れさせてという意味で、不倫の不幸

な結末を暗示してある。風や海のスポーツは、死と隣り合わせだ。。

 

 

     ☆       ☆       ☆

続いて、紗和が裕一郎と再会するキッカケとなった、彼の講演の

パンフレット。「ホタルの光の不思議と人との関わり」。今は横浜

理科大学の非常勤で、変な問題さえ起こさなければ、常勤講師に

推薦してもらえそうな状況らしい。

 

パンフレットに気づいたキッカケは、部屋に入り込んで来た緑色の

虫。カナブンだった。同じ緑色でも、蛍と違って不気味だから、紗和

は追い出そうとする。さらに、薄い緑色のパンフもクシャクシャに

丸めて、窓から捨ててしまう。不倫と同じく、反社会的ルール違反。

 

ところがしばらく後、紗和が外に出ると、ゴミ監視員がにらんでる♪

コメディか! そうじゃなくて、丸まったパンフが道の上で目立ってる

のだ。まるで蛍みたいに、小さく緑っぽい色で。

 

神様に試されたと感じた紗和はそれを拾ってしまう。

 「あっちの水は苦いぞ」。

苦いと分かっていても止められない思い。蛍が欲しい。。   

 

 

    ☆       ☆       ☆

結局、あっという間に2人は接近してしまう。会話はせず、触れ合う

こともなく、たまたま同じ日時に同じ場所で蛍を見るという口実で。

三浜自然の森公園の、古い百葉箱の辺り。

 

すぐ異変を感じた妻・乃里子が裕一郎に問いただすと、「蛍がいた」。

修羅場の3年後の妻にとってはバレバレの表現で、2人がバス停

で降りると車のクラクションを激しく鳴らしてた。これも結末に向けての

伏線だ。狂ったように車を操作する乃里子。鳴り響く警告音。。

 

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ところが、乃里子はその後、2人の仲を認める方向に進む(ように

振舞う)。紗和と裕一郎は海辺で2人暮らしを開始。

 

下半身不随で車椅子となった乃里子のもとに紗和が乗り込むと、

乃里子は別れた後も「裕一郎」と呼んでいいかとたずねる。紗和は、

「・・・嫌です」。

 

 

     ☆       ☆       ☆

それで逆に吹っ切れたと語った乃里子は、離婚届に押印。裕一郎

が受け取りに行くと、乃里子は車で送ると言い出す。

 

ところが、「北野くん」と言うべき時に「裕一郎」と口にした途端、

隠された強い思いが抑えきれなくなった。

 「裕一郎、裕一郎・・・、裕一郎・・・」。

 

そして最期は、なぜ私でなく紗和なのか問いただしつつ、コーナーの

外側に飛び出してしまう。ミルキーウェイ、天の川が蛍みたいに輝く

夜空に向かって。観念したように、あるいは予期してたように、目を

閉じる裕一郎。drowning away、sailing away。。

 

 

     ☆       ☆       ☆

その頃、上手く踊るといいことがあるとか言われてる盆踊りに参加

してた紗和は、職場の元・先輩の絹江(黒沢あすか)に借りた昼顔

模様の浴衣を着て、裕一郎の帰りを待ち続けてた。明日はもう、

籍を入れて、自然の森公園で2人きりの結婚式。。

 

ところが帰って来たのは、遺体の彼と、赤い血に染まったシャツ。

絶望の闇の中、駅の踏切でつまづいて、遠くの緑色の光に向かって

フラフラ歩き始める。2匹の蛍だ。彼と私の小さな光。。

 

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実は遠くの踏切の信号だった光は、赤色に点滅し始める。カンカン

カンカン、警告音。これはフランスの映画へのオマージュ(敬意を

込めた模倣)だし、連ドラだと消防車の鐘の音として強調されてた。

 

線路のレールの間に横たわって、夜空を見上げると、手に一匹の

蛍がとまる。小さな緑色の光、1つのかすかな希望。。

 

 

      ☆       ☆       ☆

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一匹のホタルによって、あるいは神によって生かされた紗和。背後

の赤い光も、2つの明るい緑色に変わった。もう大丈夫。1つの光

は紗和、そしてもう1つは、彼の生まれ変わり。幻想の彼ではなく、

現実の新たな命。「そして母になる」。。♪

 

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こうなるともう、映画のエンディングは決定する。彼が残した蛍を、

予定されてた結婚式場、自然の森の百葉箱辺りで結びつけること。

結婚指輪と、子ども。遊びに来てた女の子の指に、ブカブカの緑の

宝石が輝いた。エメラルドだろうか。。

 

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    ☆       ☆       ☆

そういえば私も以前、エメラルドをプレゼントしたよな・・とか、甘く

切ない思い出と感傷に浸りつつ、そろそろレビューを終わりとしよう。

 

自殺未遂で車椅子、回復しかけた時に事故で重傷。子どもも多分

なし。本当に可哀想なのは乃里子の方なのに、どうして紗和に感情

移入してしまうんだろう・・とか思いつつ、今日の所はこの辺で。。☆彡

 

         (計 3654字)

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