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第2回・大学入学共通テスト試行調査(プレテスト)、国語・第1問(記述式、ヒトと言語、指差し)の解説・感想

センター試験に代わって2020年度(正確には2021年1月)

に始まる大学入学共通テスト。主導してるのが大学入試センター

だから「センター試験」と言いたくなるし、「共通」という言葉を聞くと

「共通一次」と言いたくもなる。

 

いまだに馴染まない名前だから、まずは、この名前を一般市民に

たずねるテストから始めた方がいい気もする。軽口はさておき、

既に1週間遅れだが、1年ぶりに簡単な記事を書いておこう。

 

去年の記事2本は以下の通り。

 

 「大学入学共通テスト」試行調査(プレテスト)、

    国語・第1問(部活動)の解説・感想

 数学ⅠA・第3問(高速道路の確率)の解説

 

なお、問題と正解、ねらい等は、公式サイトで公表中

 

 

     ☆       ☆       ☆

第一問(記述式)は、まことさんが「ヒトと言語」の探求レポートを

書くときに参考にした文章3つ読んで答える。文章Ⅰ、Ⅱ、資料。

著者名と書名しか示されてなかったので、出版社と出版年度を

調べて補足しとこう。

 

181116a

 

文章Ⅰの出典は、

 鈴木光太郎『ヒトの心はどう進化したのか

   ──狩猟採集生活が生んだもの』(筑摩書房、2013年)

 

181116b

 

文章Ⅱの出典は、

 正高信男『子どもはことばをからだで覚える

  メロディから意味の世界へ』(中央公論新社、2001年)

 

181116c

 

資料の出典は、

 川添愛『自動人形(オートマトン)の城 人工知能の

  意図理解をめぐる物語』(東京大学出版会、2017年)

 

3人の専門は、実験心理学、ヒト&サル(霊長類)、言語学&

コンピューター。

 

一見、3人目だけが最新の研究に感じられるが、要するにすべて

言語活動の基本を探っているわけだ。人間の基本が子どもとサル。

言語の基本からインプットする必要があるのが、コンピューター。

 

 

     ☆       ☆       ☆

問1は、文章Ⅰの傍線部「指差しが魔法のような力を発揮する

の説明。句読点を含む30字以内だから、ポイントになる言葉を

入れるだけで終わりになる。

 

直前から直後までの文章は以下の通り。

 「ことばのまったく通じない国に行って、相手になにかを

 頼んだり尋ねたりする状況を考えてみよう。この時には、

 指差しが魔法のような力を発揮するはずだ。なんと言っても、

 指差しはコミュニケーションの基本なのだ。」

 

私なら、正答の条件に「指差し」とか「ポインティング」という言葉

を入れたくなる。「ことばが通じなくても、指差しでコミュニケーション

できること。」(30字)。

 

コミュニケーションという言葉の代わりに、頼んだり尋ねたりと書いて

いるのが、公式の正答例2。私の感覚なら、3つの例の中でこれ

だけが満点だ。例1は、「指差し」という言葉が入ってなくて字数が

少ない(21字)。例3はさらに、「注意を向けさせる」と書いているが、

それは段落の最初の言葉であって、説明がやや曖昧になる。

 

実際の「正答の条件」はもう少し緩くなっているが、要するにその

段落の主要な言葉をつないで答える形。朝日新聞の取材では、

受験生が、「答えを抜き出すよう求めている設問ばかり」と話して

いた(11月11日・朝刊)。

 

受験者も採点者も多い中で客観性を持たせるためには、仕方ない

ことではあるが、これで大学入学者の思考力・表現力を問うとか

言われても微妙なところだ。記述式導入への批判には、一理ある。

 

なお、採点評価はまず各問4段階(a~d)で行った後、組合せで

5段階(A~E)にする。問3重視の複雑な「総合段階」だ。

 

 

     ☆       ☆       ☆

問2は、ヒトの「初期の指差しと言語習得」についてまとめたノート

の空欄補充、40字。文章Ⅱの内容を基に、と指示されている。

 

 ある単語を耳にする。

 →子供は無数の候補の中から適切な一つを選ぶ必要が生じる。

   しかも大人は・・・(大きな空欄)・・・

 →だから子どもは積極的に指差しをする。

 

私なら、ほとんど文章Ⅱと同じ文で答える。“英語の先生のように、

本を手にとって「これはブック」と教えてはくれない。”(35字)。

 

この「ブック」の代わりに「本」と書いているのが、公式の正答例3

だが、英語の先生が「これが本だ」と教えるというのは変な話。

原文の英文は気が引けるから、カタカナのブックが妥当だろう。

 

正答例1と2は、指示対象とか対象という言葉を使っているが、

設問のノートで、原文の「対象」という言葉をわざわざ「候補」と

書き直しているのだから、私なら「対象」という言葉は避けたい。

というより、そもそも設問のノートに「対象」という言葉を入れておく。

 

 

     ☆       ☆       ☆

最後の問3は、80字以上、120字以下で、2文に分けて答える。

ちょうど、受験生も好きそうなツイッターのつぶやき1本分。

 

レストランのメニューで料理を指さすと、その写真自体ではなく、

本物の料理のことだと理解できる。つまり、「指さされたものが、

話し手が示したいものと同一視できないケース」もある。

 

資料を読んでその事に気づいたまことさんは、「話し手が地図上

の地点を指さす」行為もそのケースだと気付いて、なぜ理解できる

のか、考えをまとめた。そのまとめを答えるわけだが、そう言えば

単純な「まとめ」というのも、若者がネットで好むものだ。

 

私なら、丁寧すぎるほどの親切な指示に従って、次のように答える。

ピンク色の部分は、指定された言葉。

 

 「話し手が地図上の地点を指さす時、示しているのは地図

 そのものではなく、地図が表している現実の場所である。

 それが理解できるのは、聞き手が、話し手と同一のイメージ

 や関心、文化を共有し、相手の立場に身をおけるからである。

 (106字)。

 

 

      ☆       ☆       ☆

本来なら80字ほどで書けるが、120字以内という指定だから、

わざわざ少し伸ばしておいた。これは、公式の正答例2に近い

もので、例1と例3はあまり賛成できない。

 

というのも、その2例は相手の「視点に立つ」という文章Ⅰの主張

を取り入れているけれども、それでは限定が狭すぎるからである。

視点に立つという表現を、文字通り視覚的な狭い意味で使って

しまっている上に、そもそも指差しに関して半ば事実誤認している

と思われる。

 

指差しの理解に、相手の視点に立つことは「必要」ではない(部分

否定)。例えば、外国のお店で買いたい商品の数センチ手前を

指さす時、相手は指の位置だけから直ちに商品を確定できるし、

実際それは反射的な機械的反応のはず。

 

ロボットの設計でも単純に可能だろう。指のすぐ先に小さな物体が

ある時は、それを対象の第一候補とみなせばよい。他にも、自分と

相手と指が同一直線状にある時は、自分の視点のままでよいこと

になる。「相手の視点」でもあるが、わざわざ「相手の視点に立つ」

わけではなく、むしろ相手が私の視線に合わせて指差している。

 

 

     ☆       ☆       ☆

そうした簡単な反例、例外を考慮していない文章の説明を、自分で

改善する行為や能力こそ、思考の名に値する重要なものなのだ。

相手の言葉を抜き出すだけでは、コミュニケーションにも値しない。

 

とはいえ全体的に見ると、無難に完成された記述式問題だろう。

「それが理解できるのは、読み手の私が作り手の立場に身をおく

からである」。

 

書き手の私が、問題作成者と文体を共有したところで、それでは

今日はこの辺で。。☆彡

 

         (計 2911字)

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