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数学甲子園2018本選Math Battle(マスバトル)、解き方4(問題8~12)

☆追記: 予選記事2本目もアップ。

 2018予選、解き方と感想2 )

 

 

   ☆    ☆    ☆

数学甲子園2018本選から既に

1ヶ月半が経過。ようやく本選マス

バトルの記事が完結した。

 

今年は難しめで、特に問題5、7、12

には苦戦。予選の正答率から考えると、

本選参加者もこれら3問の正答率は

かなり低かったと思う。

 

ちなみに、既にアップ済みの今年の

数学甲子園記事4本は次の通り。

 

 数学甲子園2018予選、

  正答率の低い3つの問題

 

 数学甲子園2018本選Math

 Battle(マスバトル)、問題と

 解き方1(英語の問題)  

 

 2018(マスバトル)、解き方2

 (問題1~6)

 

 2018(マスバトル)、解き方3

 (第7問、白黒タイル

 

   ☆    ☆    ☆

第8問

ある電子式抽選機から当たりが出る

確率は0.2であることが公表されて

います。この抽選機を400回引くとき、

当たりが出る回数が76以上84以下

である確率を、抽選回数400が十分

大きいとして、正規分布で近似する

方法で求めなさい。

 

解答の際には、下の正規分布表の

値を用いなさい。答えは小数第3位

を四捨五入して小数第2位まで求め

なさい。

 

181102a_2

 

解答

当たりが出る回数Xの確率分布は、

n=400、p=0.2、q=0.8

の二項分布となり、正規分布

N(np,npq)=N(80,8²)で

近似できる。

さらに、Z=(X-80)/8とおくと、

標準正規分布N(0,1)となる。

 

∴ P(76≦X≦84)

 =P(-0.5≦Z≦0.5)

 =2×P(0≦Z≦0.5)

 =2×0.19146 (表より)

 ≒ 0.38 ・・・答

 

感想

考え方も計算も、あまりにヒネリが無い

ので逆に不安になる。基本知識さえ

覚えてたら、教科書の例題レベルだろう。

ただし、正規分布表の区間の取り方

(ここでは0≦X≦u)は、数種類ある

ので注意。

 

 

   ☆   ☆   ☆

第9問

フィボナッチ数列{f n}は、

f ₁=1,f ₂=1,

f n₊₂=f n₊₁ + f n

(n=1,2,3,・・・)

によって定義されます。

f₁,f₂,f₃,・・・をフィボナッチ

数といいます。

 

次の数列の和を、フィボナッチ数

どうしの2数の積の形に表しなさい。  

∑f k f k₊₁ (k=1~n)

 

解答

f₃=2,f₄=3,f₅=5,f₆=8。

∑の値をn=5まで計算すると、

 n=1で1 (=1×1)

 n=2で3 (=1×3)

 n=3で9 (=3×3)

 n=4で24 (=3×8)

 n=5で64 (=8×8)

 

よって

nが奇数の時、∑=f n₊₁×f n₊₁、

nが偶数の時、∑=f n×f n₊₂

  ・・・答

(証明は帰納法で簡単にできる

 ので省略。)

 

感想

一見、テクニカルな変形が必要な難問

かと身構えてしまったが、実験してみる

とすぐに分かってしまった。帰納法の

証明もすぐ成功。

 

 

    ☆    ☆    ☆

第10問

右の図1のように、x²+y²=36

で表される円Oに、半径1の円P

が点A(6,0)で内接しています。

このとき、点Aと重なっている円P

の周上の点をQとします。

 

181102b

 

この状態から円Pは円Oに内接

しながら、円Oの周にそってすべる

ことなく矢印の方向(x軸と正の

角度をなす方向)に回転していき

ます。

 

図2のように、円Pが円Oの周上

を回転したときの円Oと円Pとの

接点をRとし、弧ARの長さをθ

とします。このとき図1で点Aと

重なっていた点Qは図2のような

位置にきます。

 

θが0≦θ≦πの範囲を動くとき、

点Qが動いてできる曲線の長さを

求めなさい。

 

 

解答

∠AOR=弧/半径

    =θ/6

円Pの中心Pの座標は、

(5cosθ/6,5sinθ/6)

 

(半径6の弧)AR

  =(半径1の弧)QRだから、

∠QPR=6×(θ/6)=θ

 

よって点Qの座標は、

(5cosθ/6+cos-5θ/6,

 5sinθ/6+sin-5θ/6)

=(5cosθ/6+cos5θ/6,

 5sinθ/6-sin5θ/6)

 

∴ (求める曲線の長さ)

=∫√{(dx/dθ)²+(dy/dθ)²}dθ

   (0≦θ≦π)

=(5/6)∫√(2-2cosθ)dθ

=(5/6)×4

10/3 ・・・答

 

感想

数Ⅲのやや面倒な積分だけど、キレイ

に √ が外れる設問。試しに無料AIの

ウルフラム検算すると、1秒で確認

できた。

 

181102c_2

 

Qの軌跡は、ハイポサイクロイド

とか内サイクロイドと呼ばれる曲線。

 

181102d

 

ウィキメディアの図を見ると、Qの軌跡

(赤い弧の半分)は、外側の黒い弧の

半分(長さπ=3.14)より少しだけ長い。

よって図形的にも答(約3.3)は支持

される。

 

 

    ☆    ☆    ☆

第11問

右図のように、地面に沿ってx軸をとり、

鉛直上方にy軸をとります。

 

181102e

 

原点Oから物体をx軸からθの角度で

斜め上方に10の速さで投げ上げると、

物体は放物線をえがいて運動し、その

放物線はおよそ

y=(tanθ)x

  -{1/(20cos²θ)}x²

という式で表されます。ただし、

0<θ<π/2 とします。

この放物線の頂点は、θを動かすと

ある曲線をえがきます。この曲線の

方程式をx,yを用いて表しなさい。また、

x,yのとり得る値の範囲も明記しなさい。

 

 

解答

放物線の軌跡を平方完成すると、

y=-1/(20cos²θ) (x-5sin2θ)²

  +5(1-cos2θ)/2

 

よって、頂点の座標は

(5sin2θ,5(1-cos2θ)/2)

 

θを消去して、曲線の方程式は

(x/5)²+{(y-5/2)/(5/2)}²=1

 ・・・答

 

0<θ<π/2より

0<2θ≦π。

よって、x,yの範囲は

 0<x≦5,0<y<5 ・・・答

 

感想

最後の不等号の「=」の有無が減点

ポイントだからこそ、問題文の最後に

強調してある。xの不等式につられて、

yの右側の不等号に「=」を付けて

しまうのがありがちなミス。

 

要するに、楕円の右半分で、縦軸上の点

を除いた部分になる。楕円の右端になる

のはθ=π/4の時、つまり45度の時。

ちなみに物理的に考えると、この問題は

重力加速度gを10として、空気抵抗を

無視した斜方投射だ。

 

 

    ☆    ☆    ☆

第12問 (超高校級の難問か?)

1辺の長さがLの立方体に含まれる

正八面体(頂点は立方体の面や辺上に

あってもかまいません)について、その

体積の最大値を求めなさい。

(注. Lは原文では小文字。)

 

 

解答 (というより学問的な説明)

H.T.Croftの研究(1980年)

より、最大になる時の正八面体の

1辺の長さは、立方体の1辺の長さ

の(3√2)/4倍

この問題では、(3√2)L/4。

 

以下の図と表は、M.Firching

論文より(2014年)。

 

181102f

 

181102g

 

立方体(Cube)の中に、

正八面体(Octahedron)が

微妙な形で含まれている。

正八面体の辺12本の内、

6本だけ立方体の面上にある。

正八面体の頂点は、立方体の

辺の3:1の内分点

 

一般に、

(正八面体の体積)

 =(√2/3)×(辺の長さ)³

 

∴ (最大の正八面体の体積)

 =(√2/3)×(3√2/4)³

 =9L³/16 ・・・答

 

 

感想

証明は必要としないとしても、高校では

超難問だろう。直感が通じない。

 

まさか出題者が、「明らかに立方体の

6面の中心を結ぶ正八面体」だと誤解

してしまったのではないと思うけど、

はたしてどうか。

私は、少しだけズラした場合が最大

だろうとは感じたけど、空間図形の

計算や論証が難しくて途中でパス。

 

ネットを探し回って、ようやく結論らしき

ものを発見した。ただし、まだほとんど

理解してない。

 

国内では、アマチュア研究者として

名高いらしい佐藤郁郎氏のサイト

詳しいけど、複数ページの解説を

合わせても完全ではないと思う。

場合分けの際に省略がある。

 

181102h

 

クロフトの英語論文は有料みたいなので、

無料公開されてる最近の別の論文を使用。

興味深いことに、クロフトの間違いまで

指摘してある。ということは、それに今まで

他の研究者は気づかなかったわけか。

 

『数学セミナー』2013年4月号の

「エレガントな解答を求む」1番解答で、

クロフトの論文について触れてた。大阪

経済大学のpdfファイルで部分的に

公開中。

 

今年の数学甲子園の記事は大幅に

遅れてしまったが、これで後は予選の

残り17問だけになった。

今日のところはこの辺で。。☆彡

 

 

 

cf.数学甲子園2017予選、

   全20問の問題、解き方、感想

  同・本選Math Battle、

    問題と解き方(abema動画)

  同・問題と解き方2

  同・問題と解き方3

 

 2016本選1st Stage、全問題

 16予選、全20問の解き方、感想

 16(Abemaライブ)、前半感想

 2015準々決勝、全問コメント

 15予選、全20問の解き方、感想

 14準々決勝、全問コメ&問題10

 13予選ポイント、問題15解説

 12、予選問題&3日ぶりのラン

 数学選手権にチャレンジ (11)

 

          (計 3413字)

  (追記35字 ; 合計3448字)

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