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「右では殴らない」理由、右手は愛と敬礼、殴るなら言葉で~『ストロベリーナイト・サーガ』第4話

(天国の佐田倫子

 玲子ちゃん、

 負けちゃダメでしょ!

 自分で闘って、勝ち取るの。

 あなたの人生を!

  

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玲子 ナイフで脅された後、また刺されて

 殺されるんじゃないかって、

 抵抗あきらめたのが、

 どうして合意になるんですか?

  

 だったら命がけでその人を捕まえた

 佐田さんも、殺される覚悟をしてた。

 だから死んで当然だったってことですか?!

  

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裁判官 証人、落ち着いてください。

  

玲子 もしあなたの奥さんや恋人や姉妹が

 私と同じような目にあっても、

 あなたは本気で合意のもとだった

 なんて言えんの?!

  

 佐多さんに覚悟があったから

 死んでも文句ないだろって言える?

 殉職して二階級特進で、警部補に

 なれたんだから良かったなって!

 

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裁判官 静粛に!

 

玲子 佐田さんだけじゃない。

 警察の人達全員に、危険な仕事だから、

 殺されても文句ないよなって、

 本気でそう言う覚悟があんのかって

 聞いてんの!!

  

(傍聴席の警官全員起立、右手で敬礼)

  

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     ☆       ☆       ☆

涙、涙。。 誉田哲也の原作『シンメトリー』第3章はまだ読んでないから、ベテラン・関えり香の脚本との比較ができないけど、とりあえず女性刑務官(?)も熱演だった♪ そっちか! 知らんぷりし続けてた犯人・・じゃなくて容疑者も、いいね。

  

いや、もちろん、女子高生時代の玲子を演じた八木優希の熱演が素晴らしかったのだ☆ あの、傍聴席から隠すついたてをはみ出して顔出しで絶叫するシーン、何回リピートしても涙を誘われる。特に、感情を直に揺さぶる声。気持ちと魂が入ってるのだ。

             

私はほとんど見たことなかったけど、18歳で芸歴17年! 普通の20代の女優より、長い経験を積んでるわけか。『薔薇のない花屋』の娘役ね・・とか言いつつ、全く思い出せないから画像を検索。それでも思い出せないのは当時、竹内結子と本仮屋ユイカを見てたからかも♪

   

   

     ☆       ☆       ☆

個人的には、あのレイプ犯&弁護士との法廷対決シーン。最後の全員起立の敬礼がちょっとやり過ぎだと感じたけど、演出の石川淳一はたぶん、原作と脚本を忠実に再現してるんだろうと想像する(未確認)。

   

もちろん、11年前の黒スーツ&ネクタイの警官たちの右手を強調して、現在の玲子(二階堂ふみ)の墓参りの伏線にしてあった。玲子をレイプした男を逮捕する際、殉職してしまった女性警官・佐田倫子(吉谷彩子)のお墓。かつて彼女に熱く握ってもらった右手で敬礼、お見舞いにもらった地元産の豆腐アイスをお供えして。

  

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このビシッと決めたシーン。欲を言えば、右手の方向から映したかった所だけど、そうすると主演女優の顔が隠れてしまう。だからと言って、斜めから取ると、今度は墓石の側が映らなくなる。まあ、背筋も脚も綺麗に伸びて、あごを引いた立ち姿だけで十分か。細身のフォーマル・スーツのおかげで、シルエットも綺麗。女優名のテロップもズバリ、このカットに入れてた。

  

ちなみに脚本にはおそらく、ちょうど執筆時期と重なる3月の無罪判決が影響してると想像する。女性脚本家でもあるし、物語にも実話にも本気で感情移入しやすいだろう。下は朝日新聞デジタルより、判決に抗議する女性たち。

  

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      ☆       ☆       ☆

さて、「右では殴らない」という風変わりなサブタイトル。当然、意味や理由が知りたくなる所だろう。

  

原作小説は7章構成で、第3章が「右では殴らない」、第5章が「左だけ見た場合」。そして中央の第4章が、全体のタイトルと同じ「シンメトリー」(対称性、つり合い)となってる。目次だけで、左右対称になってるのだ。どうせなら「左だけ見たとき」とした方が、漢字とひらがなまで完全につり合いが取れてた。

  

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原作はさておき、右手で殴らないのはアイスを食べにくくなるから、と答えても間違いじゃない♪ もちろん、玲子の右手は11年前、佐田刑事に握ってもらった箇所。そして最近、倒れて入院した母と握り合った手でもある。アイスと、愛す。右手は愛の象徴、中心であって、憎しみをこめる武器ではない。

  

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     ☆       ☆       ☆

一方、「右では殴らない」とわざわざ佐田の墓前に誓ったのは、右で壁を殴った直後だったから。直接的には、拳を骨折して痛かったのだ(多分♪)。初回冒頭のハッタリ成功シーン以来の、ヘナヘナになる姿が可愛かった。この血は、玲子自身の心の痛みの象徴。一方、レイプシーンの出血は、少女の純潔性のシンボルになってた。

     

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それでも殴ったのはなぜか。売春した相手の男2人にドラッグを渡して劇症肝炎で死なせてしまった女子高生・下坂美樹(山田杏奈)の、生意気でふざけた態度に激怒。社会やルールの厳しさを叩き込むためだった。少なくとも、建前上は♪ 以下、現在の玲子の大演説。女子高生時代と違って、暴走しても止める者はいない。

   

  

    ☆       ☆       ☆

美樹 社会、社会って、うちら関係なく

 ないですか。そんなん?

 

玲子 社会とは無関係。だから自分の

 身体で何をしようが、誰にも迷惑を

 かけていないし自由。

  

 ホントにそう思うなら、私があなたの

 社会性をメチャクチャにしてあげる。

 まずは学校にバラすわ。下坂美紀が

 売春をしていますって。

 ・・中略・・

 もし結婚でもすることになったら、

 そのお相手にもお伝えしなきゃ。

 だけどあなたは社会性なんて

 かまわないんだから、

 気にしないわよね?♪・・・

  

美樹 それでもあんた警察官?!

  

玲子 社会性を否定したはずよね。

 なのに私が社会的に何者かなんて

 関係ある?・・

 未成年だろうが関係ない。

  

 この社会の一員として生きたいなら、

 ちゃんとルールを守って。

 もし守らないなら、社会から排除

 される覚悟を持ちなさい。

  

 当たり前の事をバカにしない。

 当たり前の事には、それが当たり前

 になるだけの理由があるの。

   

  

上司の暴言にエーッ・・と驚きつつ、止めずに見守る部下たち。見方によっては、冤罪にもつながりかねない怖いシーンでもある。

  

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     ☆       ☆       ☆

ここで、気合いが入った犯罪者なら、「覚悟の上に決まってんだろ!♪」と不敵に言い返すかも。ところが、たかが出会い系でお気軽に小遣い稼ぎする程度のお嬢様は、ペシャンコ(死語)に言い負かされたようで、その後はわりと素直に応答。

  

ところがその後、殺人を軽く扱うような態度を見せたから、ついに玲子の右ストレートがさく裂したのだ。壁かドアに♪ 人殺しを軽く見る態度は、美樹にクスリを渡して殺そうとしたイケてない医大生やレイプ犯にも共通のもの。

  

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ところで、「右では殴らない」と書いてるけど、「右手では」とは書いてない。おそらくこれは、政治社会的な「右」の意味も含めてると解釈できる。

  

つまり、特に今回は、警察がほぼ善として描かれてるけど、全員起立するような規律重視、統一感重視の姿勢は、「右」寄りの危なさもはらんでるわけだ。例えば、玲子が目の前で過激な言動を見せても、菊田(亀梨和也)らは何も見てないと答えてた。暴言を止めることもなし。刑事訴訟法か何か、法律に抵触する人権無視の取り調べだろう。

   

ただし、全員が上司の命令で一斉に「右手で殴る」かというと、そんな事はない。たかが、多少の行き過ぎを見て見ぬふりするだけ。たかが、裁判所の傍聴席で一斉に敬礼するだけなのだ。

   

   

     ☆       ☆       ☆  

殴りたい時は、個人的に「左手で殴る」。つまり、軽く身体にプレッシャーをかける。あるいは、「口で殴る」のなら、罪も軽い。玲子は11年前、強引に容疑者の罪を軽くしようとする弁護士を「言葉で殴った」。あの程度なら、たかが裁判官に怒られて、刑務官か誰かに抑えつけられるだけなのだ。

 

そして、警官たちの心はガーンと殴られたように衝撃を受けて、次の仕事のパワーにつながる。生意気な女子高生もちょっとは大人になったと思っとこう。最近の基準だと、当てないパンチも言葉だけの脅迫も「体罰」とか「暴力」の範囲に入るはず。それでも、世の中は気にせずガツーンと動き続けるのであった。

   

型にはまった取り調べで女子高生を笑わせたいのなら、かつ丼を出せばウケたのに・・とか思いつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

  

  

  

cf. 不幸な精神疾患の患者の(犯罪的)行為をどう扱うか~『ストロベリーナイト・サーガ』第1話

 『ストロベリー』第2・3話つぶやき&小雨ジョグ

  

        (計 3290字)

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