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『ストロベリーナイト・サーガ』第8話、一言つぶやき

なるほど。誉田哲也の原作小説『インビジブルレイン』だと、invisible rain(見えない雨)というタイトルの意味はまず、柳井(寺西拓人)の心に降り続く雨なのか。

  

その雨は、他人から「見えない」し、その雨のせいで、柳井は現実の世界が「見えない」。さらに、既に死んでる姉は、弟・柳井の雨が「見えない」。3重の意味で、見えない雨。知らない俳優だし、単なる脇役かと思ってたら、実はある意味、彼が物語の主役。悲劇のヒーローか。

     

ただし、フジのドラマだと、姫川玲子(二階堂ふみ)と堀北真希の旦那・・じゃなくて暴力団会長・牧田(山本耕史)の許されない恋愛関係に焦点が当てられてた。突然の雨で、たまたま軒先で雨宿りして遭遇した、暗い過去を引きずる2人の男女。

   

そこに横から軽く嫉妬する菊田(亀梨和也)が加わって、ビミョーな三角関係が成立。やっぱりテレビだと、主役級キャラと有名タレントが重視されると。。

   

    

     ☆       ☆       ☆

さて、今日はもう本当に時間が無いから、一言で済ませよう。月・火とトップページ上段の更新だけで、既に5000字近く書いてる。

   

まずは、kindleの原作本無料サンプル(光文社)の引用から。冒頭、序章の一番初めはこう書かれてた。

  

 姉さんは、知らないだろうけど。

 あの夜も、ちょうどこんな感じの雨が、降っていたんだよ。ぼつぼつと街中を鳴らす、大粒の雨がね──。

   

雨の夜に、最愛の姉の絞殺死体を発見した時のことを、父の話もまじえて淡々と振り返った後、こう続く。

  

 あれから九年。

 僕はいまだに、あの雨の中にいる。

 どうしたらいいか分からなかった。警察になんていっていいのかも分からなかった。あの夜のままなんだ。

 だから、雨が降ると、なんだかほっとする。あの夜からやり直しができるような、別の人生が作れるような──。

 いや、違うな。あの雨の夜で、すべて終わりにしてしまえばよかったんだ。姉さんと、父さんと、一緒に終わってしまえれば。なのに、よく分からないまま、僕は今日まで生きてきてしまった。・・・・・・

   

   

     ☆       ☆       ☆

柳井の母が急に亡くなった後、忘れられない父は、柳井の姉を妻の代わりにして愛する。姉もそれをしばらく許容。その後、ヤクザ者の男・小林(古野陽大)にすがるような形で、姉は家を脱出したものの、その男は父との関係を知った途端に激怒して、姉を絞殺。雨の夜、柳井は変わり果てた姿を発見する。

  

警察やマスコミに、この殺人事件の犯人と疑われてしまった父は、すぐ自殺。警察の上層部は、この冤罪事件の汚点にフタをするために、柳井の身辺に触れることを禁止する。しかし姫川たちは勝手に捜査。一方、柳井と深く関わる暴力団会長・牧田も柳井を追いかける。姫川と牧田は、以前、雨宿りで一緒になった相手との再会で、禁断の恋に陥る。

   

こうしてみると、過激な殺人や暴力、血しぶきや刃物がスプラッター的に舞う中、実は全編、屈折した愛の物語だと分かる。娘を亡き妻の代わりに愛する父。姉を(母の代わりに)愛する弟。真実を知った途端、姉を殺してしまうほど惚れてた、小林。そして、愛し合う女性警察官とやくざ者、さらには女上司を密かに愛する部下。

  

結局、牧田に小林殺しを頼んだ柳井は、別の殺人事件の犯人を装う形で自殺。牧田の悪事も暴かれる(追記:原作では部下2人の悪事とされてた)。ところが、チンピラのナイフから姫川を守ろうとして、牧田は即死(追記:原作では病院で死亡)。その身体を抱いたまま、姫川は号泣。ジ・エンド。

    

「見える雨」が溢れた後、姫川の心の中の「見えない雨」はますます大粒になる。女子高生時代のレイプの時から降り続く雨が、一段と激しい豪雨に。すると、菊田が差し出す愛の傘も、ますます大きく包み込もうとするはず。。

     

   

      ☆       ☆       ☆

ドラマだけだとよく分からないけど、実は姫川を(?)刺そうとした暴力団員も、牧田を愛してたわけだろう(追記:原作を確認、推測はほぼ正しくて三角関係だった)。組長としてだけでなく、一人の魅力的な男としての牧田を。

   

原作は確認してないけど、姫川について不満をもらすチンピラの姿や、姫川のせいで車から降ろされた姿は、嫉妬に狂う姿にも見えた。嫉妬の苦悩は、同性愛でも異性愛でも同じこと。

    

身近な人を愛するがゆえの殺しといえば、つい先日の、元・事務次官の息子殺しを思い出す。自分が息子に殺されたくないだけなら、自分が逃げるだけで良かったはず。ところが、そうすると息子が周囲の人達を殺してしまうかも知れないから、そして、愛する息子を川崎の大量殺傷みたいな事件の犯人にしたくないから、自分の手で始末する。父親の責任として、すべて終わりにしたい。

   

これでまた一段と、引きこもりを取り巻く状況は厳しくなってしまったし、ゲーム依存症やゲーマーにも飛び火した形だ。結局、雨が降るのを止めることはできないから、なるべく小雨に留めること。雨による災害を少しでも減らすこと。そして、しっかりした傘を用意すること。それくらいしか、できる事はない。

  

とりあえず、見えない雨を見ようとすること。その意識だけは持ちたいと思う。他人や社会の雨であれ、自分の雨であれ。二階堂ふみと山本耕史の演技力に拍手しつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

   

       (計 2142字)

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