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心のメッセージ、伝わる幸運を信じて・・~『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』

There's a remote hemorrhage.(遠隔出血がある)

I'm going to make a burr hole.(バーホール〔脳の穴開け手術〕を行う)

・・cool・・. If I recall correctly, you bacame a neurosurgeon after much experience in emergency.(冷静だな。僕の記憶が正しければ、君は脳外科医になる前、救急で沢山の経験を積んだんだよね)

Yes, I used to be a flight physician.(うん。僕はフライト・ドクターだったんだ)

 (脚本・安達奈緒子)

   

    ☆     ☆     ☆

なるほど。最後の藍沢(山下智久)の台詞は過去形だし、「used to」は過去と現在の違いを強調する表現だから、これで『コード・ブルー』は終了だと♪ 新シリーズは『脳外科医・藍沢耕作』。「俺、失敗しないから」(笑)。ないだろ!

  

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面目な話、映画が予想以上の大ヒット(2018年・邦画第1位)になったから、苦境が続くフジテレビとしてはむしろ、あと2本は撮りたい所。まず、テレビSPで藍沢と白石(新垣結衣)が接近。盛り上げといて、2本目の映画とか。

   

実際、今回の映画の中で、藤川(浅利陽介)の後に続くとかいう思わせぶりな話が繰り返し出てたから、あり得る展開だとは思う。ここまで藍沢と白石、2人の主役だけ恋愛話から遠ざかってる。

   

   

    ☆     ☆     ☆

それにしても悔しい。。 英語ペラペラの美青年と違って、単なる小市民ブロガーの能力だと、最後の英会話の「cool(クール)」の前後が聞き取れない (^^ゞ 何で英語の字幕が無いんだよ。ブルーレイとかだと付いてるのかな。どれどれ。いや、字幕は日本語としか書いてないね。代わりに色々、特典がオマケされてると。

   

トロント医科大学の同僚に、慣れてるねとか言われた時、どうせなら「いや、僕のリアクションは薄いから、3倍増しで考えてくれ」とか言えばウケたのに(笑)。『A-Studio』か!

   

その前の英語は、「What's going on?」(どうなってるんだ?)。「She has cerebellum edema」(小脳に腫れがある)とか。blood pressure(血圧)、calcium(カルシウム)とか、断片的には聞き取れた。

     

ついでに冒頭の西条(杉本哲太)とトロント大の英会話も書き起こしとこう。あれは発音がゆっくりハッキリしてて、内容も簡単で親切だった。

  

「I'm really surprised to hear that you're not going to perform this operation, Dr.Saijo」(君が手術しないと聞いて本当に驚いたよ、西条先生)。「I'm glad that one of our young colleague has made very big progress」(幸い、若い同僚の1人が凄く実力を伸ばしたんだよ)。「That's great. I'm jealous」(いいね。羨ましい)。

  

で、いよいよ美青年のご登場かと思ったら、スカして新海(安藤政信)♪ いきなり目立ってたから、今後も仲良しライバルとして共演するって意味かも。

   

    

    ☆     ☆     ☆

さて、最初に総評的な感想を一言書いとくと、予想より良かった♪ というか、あの西浦正記(笑)が監督なのに、シャカシャカした早回し映像を使わずに、最後までじっくり撮ってたのが素晴らしい!

   

マニアックなブロガーの長年の突っ込みが届いたということか(笑)。ドラマ・レビューというのも、作者や出演者へのメッセージなのだ。直接的にはほとんど届かないにせよ。

   

今まで、私の声が直接届いた相手は多分、2人だけ。『野ブタ』バンドー(水田芙美子)のブログにコメントした時は、遠回しのまとめリアクションがあった(14年前♪)。あと『ルート66』の時は、読者が制作サイドにウチの記事を伝えてくれて、温かい言葉を頂いた(7年半前)。15年近く毎日書き続けて、制作サイドに思いが直接伝わったのはそれだけだ (^^ゞ

       

見えない心というものを相手に 私達にできることはあるのか。伝えるしかないんだと思う。思いを言葉にして。でもきっと 思いの半分も伝わらない。言葉という道具は曖昧で その上使いこなすのは難しいから。それでも伝え続ける。いま伝わらなくてもいい。いつか心に届く日があれば。そう信じて 言葉にし続ける」(白石)。

   

   

    ☆     ☆     ☆

映画の全体的内容は、相手に思いを伝えることの難しさと、大切さ。「メッセージを届けよう」というのが、映画から観客・視聴者へのメッセージだ♪

  

誰でも経験してるように、大切な人へのメッセージほど、実際にはなかなか伝えられない。自分が何とか伝えたつもりになっても、相手には伝わってなかったりする。むしろ逆のメッセージとして受け止められてしまうとか。

  

緋山(戸田恵梨香)は、事故の後遺症で腕が麻痺してしまった料理人の恋人・緒方に対して、「自分で作れば?」と言ってしまう。打ち明けられた白石も返事に詰まるほど、最低の言葉。

  

人は厄介だ。理解し合いたい。そう思うくせに 実際は衝突ばかりだ。親・兄弟・夫婦 大切な人間関係はいくつもある。だがそのほとんどで 人はすれ違う。それはきっと 心というものが目には見えないから。ケガや病には敢然と立ち向かう外科医も 心という手強い相手に悩み 疲れ 最後は逃げ出す

    

   

    ☆     ☆    ☆

そんな中で、実は病気とか大ケガというものは、本心を素直に伝えるキッカケになる。

   

富澤未知(山谷花純)は、ガンで余命3週間の頃、さらに飛行機事故にも遭遇。すると、逃げ出してたらしい婚約者・岩田彰生(新田真剣佑)が見舞いに訪れて、未知も早めに受け入れて、結婚式。藤川が冴島(比嘉愛未)との結婚式の予約を譲ったおかげで、美しい思い出を作ることが出来た。あのシーンの映像も美しくて、直後の吐血のイメージも消えるほど。

    

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終盤の藤川&冴島の病院結婚式で、彰生は結婚指輪を2つはめてたから、未知は既に他界したのかも知れない。仮にそうだとしても、未知の思いは彰生の胸の中でずっと生き続けるはず。。

  

  

    ☆     ☆     ☆

まだ突っ張った感じが残る剛志(平埜生成)も、虐待を受けてた父親との久々の再会中、フェリーの衝突事故に遭遇。藍沢・白石・雪村(馬場ふみか)のおかげで、父親は助かったような感じに見えたから、複雑な思いをあらわに出来たはず。

   

あのシーン。突き刺さった金属の柱から助けるために、藍沢がお腹を切り開く未経験の手術だったけど、照明が暗くていま一つ迫力が伝わらなかったのは惜しかった。今日のテレビ視聴者は、映画公開1ヶ月後に起きた関西空港のタンカー激突事故を思い出したはず。現実は悲惨だったけど、フィクションの映像は今回最大の見せ場。ドクターヘリは、海の上の飛行が映える。

   

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海の上と言えば、藍沢が感電&墜落でドクターヘリで搬送される時の映像も、凝ってて良かった。こういった芸術的な作りの映像は、フジテレビ系ならではのものだと思う。

     

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瀕死の藍沢の映像に、海上のヘリを重ねて行く。

   

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ヘリを、海に反射する光の中に溶け込ませた後、右から左へ飛び去る小さなヘリの影へとつないでるのだ。テクニカルな編集。こうした技巧を評価する声はほとんど出ないから、私が応援メッセージを送っとこう♪ ちゃんと味わってるよ、と。

   

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藍沢が転落した直後、水紋に歪むネームプレートも、ちゃんと見てますよと。水紋を作った雫は、白石の涙の象徴だと分かってますよ、と♪

   

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     ☆     ☆     ☆

フィクションだからこそ、ちょっと笑えたのは、雪村のアルコール依存症の母親、紗代(かたせ梨乃)♪ キャスティングもピッタシ。頭に包丁が突き刺さったまま、雪村の姉・若葉(田中えみ)と一緒に翔北病院へ。予測不能な酔っ払いの振舞いに、担当の横峯(新木優子)も大変。

   

あれも要するに、立派になった娘の雪村への身体的メッセージなのだ。過激なボディー・ランゲージ。こんなどうしようもない母親だけど、たまには遠くの娘にも会いたいんだと。その後、みんなに自慢話をしたいんだと。

      

母親の命がけのメッセージは感心しないけど、そのおかげで雪村は姉ともちょっとだけ和解できた。あそこで一気に姉妹が和解してしまうと、リアリティが無くなる。当然、姉には、母を押し付ける形で逃げ出した妹への不満が溜まってるし、妹の雪村もそんなにすぐには母を受け入れられない。たまに会いにいくぐらいから、少しずつ近づけばいい。

  

雪村は藍沢にも、私の気持ちは絶対分からないとか叫んでしまってたけど、それは何もしなくても藍沢が理解してくれる。そしてその包容力は、雪村も感じ取ってる。

   

「message(メッセージ)」の語源は、「送る」という意味のラテン語だけど、さらに遡ると「交換」という意味になるらしい(英語版ウィクショナリー)。命のかかった職場で力を合わせて働く中で、基本的な気持ちの交換が出来てるのだ。

   

意味はややズレるけど、移植手術を受けて助かった橘の息子・優輔(歸山竜成)の心臓も、交換によるメッセージを伝えるもの。ドナーから、自分の分まで生きて欲しいというメッセージを優輔に伝えて、さらに優輔から脳死少年の両親へと、メッセージを伝える役割を果たしてた。かけがえのない命のリレー、大切につないでるから安心してください、と。。

   

脳死少年を発見するシーンでは、灰谷(成田凌)と中国人(?)とのメッセージ伝達も登場。中国語らしき言葉をやり取りする有能な姿には、横峯もキュンとしたかも♪

  

   

    ☆     ☆     ☆

そしてもちろん、藍沢・白石・緋山・藤川・冴島の5人は、10年という年月の中で、奇跡的に思いが伝わってるのだ。プライベートでも仲良しらしいし♪ そんな中でも緋山は、白石の部屋から引っ越す前に、親友だとハッキリ伝えてた。言わなくても十分伝わってることを、さらに口に出してみる。これも価値あることだし、恥ずかしくてやりにくい事でもある。

   

「でも稀に 本当にごく稀に 多くを語らずとも 思いが伝わることもある。努力を続けると そんな幸運なプレゼントがあったりする。慣れない幸運は 恥ずかしさに似た感覚を呼び起こす。だが遠慮することはない。そんな時は 幸運に身を任せればいい。普段伝えられない思いを伝えることができるはずだ」(藍沢)

  

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さらに彼らの「父親」である田所(児玉清)も、兄弟・姉妹5人の結束を深めるために、天国の理想郷・・じゃなくて南海の離島(沖縄・波照間島=はてるまじま?)からメッセージを届けてくれてた。最初は、病院の庭の藤川・冴島結婚式に橘(椎名桔平)が届けてくれたもの。ただ、全部引用してると長くなるので、終盤の藍沢への絵葉書だけに留めとこう。

   

「さらに高い夢に向かって 旅立とうとしていると聞きました。思い切って 挑戦して来てください。ただ 時々休むことも忘れずに。今のあなたには 戻るべき場所があります。そこには仲間がいます。すぐにまた 出発する力をもらえるはずです。いつまでも 何度でも 挑み続けてください」。

  

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ウチのブログの夏のトップ写真に似てるかも♪

  

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    ☆     ☆     ☆

そして、映画の一番最後のビデオ・メッセージ。JVCケンウッドの防水・防塵ビデオカメラ(細かっ・・)がとらえた、白石の映像が笑えた。後ろでゴソゴソと引っ越しの準備をする緋山を振り返って、「緋山先生、うるさい!」♪ 緋山は何気に、ダンボール箱の底が抜けて途方にくれてた(笑)。映画館だと、細か過ぎて伝わらなかったかも。

  

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緋山の引っ越しは、白石のジャマをするだけじゃなくて、名取(有岡大貴)の裏返しのメッセージも呼び込んでた。緋山が自分に気遣うことなく周産期医療センターに移動できるよう、わざと冷たい態度で好意と感謝を表現してたわけだ。

   

話を戻して、あのメッセージ・シーン。黒い背景にドクターヘリをうっすら写し込んでたし、右側にはわりと大きめにエンドロール。映画だけど、最後の最後まで観客が着席したまま、スタッフ&キャストの名前を見届けるように作られてた。私たちが大勢で力を合わせて作りましたという、地味ながら素敵なメッセージだ。

   

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なお、私自身も今年の3月、大切な人にメッセージを伝えた。遅すぎたけど、大声で叫んだから、きっと遠くまで伝わったと信じてる。それでは、『コード・ブルー』継続への祈りも伝えつつ、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

   

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cf.強敵エボラと手をつないで仲良く生活、「衛生仮説」の功罪~『インハンド』最終回

 仲間と共にトンネルウォーク、光さす出口を探して~『コード・ブルー3』最終回 

 神は死んだ、そして運命は水がもたらす~『ボク、運命の人です。』第1話

 ハエ、灰、Hi・・、足裏から目指すハイ(High)~『5→9 私に恋したお坊さん』第1話

 Yesterday Once More♪~『アルジャーノンに花束を』最終回

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 僅かな積極的休養ラン&『コード・ブルー2』第1話

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 ドクターヘリを取り巻く腕~『コード・ブルー』第1話

 『コード・ブルー』のヘリコプターMD902について

 ブカブカの大きな愛に包まれて~『ブロポーズ大作戦SP』

 遠い夜明け~『クロサギ』最終回

 生きる場所を求めて~野ブタ再考  

 リアルな人間との向き合い方 野ブタ原作

  

     ・・・・・・・・・・

 山P=山下智久『ルート66』、男のアメリカ横断一人旅が熱い☆

 山P=山下智久、薄いリアクションは3倍増しで考えて♪~TBS『A-Studio』2019

   

    (計 5500字)

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