井上荒野「キュウリいろいろ」2~長編小説『キャベツ炒めに捧ぐ』全体を読んで

ふと考えてみると、私は物心ついて以来、ごく身近な人のお葬式以外

で泣いたことはない(と思う)。大人の男性なら、普通かも知れない。

でも、この長編小説を読んでる間はずっと、目の奥で涙がにじんでた

気がする。全編がたまらなく切ない。哀しくて、愛しいのだ。

 

文学の名作とか傑作というより、上質の連載コラムをまとめたような

小説。大人の女性の心に沁みそうな、一般向けの佳作だろう。私は

ほとんど料理をしない男性だし、本来なら読む機会は無かったけど、

2018年センター試験・国語で出題されたので、運良く遭遇できた。

 

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センターの記事は例年通り、すぐにアップしてある。

 

 自転車というキュウリに乗って、馬よりゆったりと♪

  ~井上荒野『キュウリいろいろ』(2018センター試験・国語)

 

しかし去年に引き続き、今年もあらためて作品全体の感想をまとめる

ことにしよう。以下、ネタバレになるのでご注意あれ。ちなみに去年の

記事2本は次の通りで、地味にアクセスが続いてる。おそらく高校生・

受験生以外も多いと思う。

 

 「春」の純粋さと郷愁が誘う涙、野上弥生子『秋の一日』

   ~2017センター試験・国語

 野上弥生子『秋の一日』2

     ~センター試験の省略箇所も含めた全文を読んで

 

 

     ☆        ☆        ☆          

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さて、井上荒野『キャベツ炒めに捧ぐ』(角川春樹事務所)は、初出が

角川PR誌『ランティエ』、2010年1月号~11月号。加筆・訂正後の

単行本が2011年(上の画像)。装画・あずみ虫、装幀・大久保明子。

 

文庫本は2014年(下の画像)。装画・高井雅子、装幀・藤田知子、

表紙イラストレーション・門坂流(出版の数ヶ月前に他界してるはず

だが詳細不明)。

 

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内容をそのまま可愛いイラストにまとめたのが上で、色鮮やかな

デザインにしたのが下ということか。文庫本は小さいし、数が非常に

多いので、単行本よりハッキリした目立つデザインが多い感がある。

 

毎月11ヶ月間の連載だから11章の構成。「章」とは書かれてないし、

番号も付いてないけど、センター試験直後の作者のツイッターに、

“「キュウリいろいろ」は・・章タイトルで・・長編の一部”と書かれてた。

全体は次の通り。番号は私が順に付けただけなので、念のため。

 

1.新米  2.ひろうす  3.桃素麺  4.芋版のあとに

5.あさりフライ  6.豆ごはん  7.ふきのとう  8.キャベツ炒め

9.トウモロコシ  10.キュウリいろいろ  11.穴子と鰻

 

ほぼ全ての章タイトルが、それぞれ1つの食べ物を表してるのに、

最終章だけ2つの食べ物になってるのには、隠された意味がある

(後述)。各章を単独で読んでも、それなりに楽しめるとは思うけど、

やはり基本的には長編小説だった。テレビ番組にたとえると、1話

完結の連続ドラマに近い。

 

 

     ☆        ☆        ☆

先日のセンター試験記事の時点では、私は第10章の半分くらい

しか読んでなかったわけだが、主張のポイント2つは合ってるのが

確認できた。

 

つまり、問題文で「自転車」が「キュウリ」を表してたように、食べ物が

その章の中心的なものの象徴、比喩になってる。あるいは、両者が

強く結び付いてる。また、個人と家族の物語であると同時に、恋愛や

「性」の物語にもなってるのだ。

 

逆に、長編を読んで初めて分かったのは、試験問題の主人公である

郁子(いくこ)が、必ずしも全体の主人公ではないこと。

 

主要人物は小さな総菜屋「ここ屋」で仲良く働く3人の女性で、郁子

(予想通り60代半ば)、江子(こうこ、オーナー、冒頭61歳)、麻津子

(まつこ、冒頭60歳)。かなり高齢だけど、内容的にはアラフォー

(40歳前後)でも不思議はない。この3人が順に各章の中心となる。

 

1.郁子  2.江子  3.麻津子  4.郁子  5.江子

6.麻津子  7.郁子  8.江子  9.麻津子

10.郁子  11.江子&麻津子

 

全体を読んでる間も、私は郁子が主人公だろうと思い込んでたけど、

最終章の最重要人物は麻津子だし、ラストは江子のエピソードで

終了。長編全体のタイトルに使われてる「キャベツ炒め」が最も強く

関連するのも江子だし、単行本の帯に引用されてる文章は江子の

元夫である白山(しろやま)の描写だ。

 

というわけで、郁子1人を主人公と考えるのは難しい。郁子&江子

と考えることは可能だけど、やはり3人が主人公だろう。話の語り手

も、その時々で交替してるのだ。

 

江子(こうこ)が「来る」、麻津子が「待つ」、郁子が「行く」。これに

アイドル的、ジャニーズ的な若い男の子「進」(すすむ、米屋の新米

=しんまい)を合わせると、みんな移動を表す名前ということになる。

 

郁子だけは、「逝く」という意味も強く感じられるだろう。彼女だけが

毎日、死(息子と夫)と向き合って生きてるし、最年長でアルコール

中毒(キッチンドリンカー)気味だから、自分の死にも一番近いのだ。

 

 

     ☆        ☆        ☆

続いて、主人公の思いや記憶と料理について、一人ずつ見てみよう。

 

まず、「きゃははは」と陽気に笑う江子。身内の若い女性と浮気して

離婚&再婚した元夫への未練を断ち切れない彼女にとって、彼が

作ってくれてた美味しいがんもどきは特別な料理。京都出身の彼は

「ひろうす」と呼んでた(2章)。

 

別れを切り出された時に食べ続けたのが、あさりフライ(5章)。この

章の冒頭、あさりにナイフを差し込んで貝柱を断ち切る描写がある。

そして章末には、元夫の悲し過ぎる嘘をこっそり確認して、自分の

未練を断ち切ることにする。

 

そのために、今度は彼女自身が哀しいウソをつく(8章)。すっごい

年下の彼(=進)と結婚することになった。彼の得意料理はキャベツ

炒め。元夫の白山は半信半疑だったけど、自分への特別な思いが

まだ残ってるのは感じたはず。というのも、キャベツ炒めは彼らが

昔結婚した日の夜、江子に作ってあげた思い出の料理だから。

 

 

      ☆        ☆        ☆

次に、2歳年下で幼馴染のダーリン・旬が別の女性と結婚して、すぐ

離婚。ずっと微妙な関係を延々と続けてる、麻津子。

 

母が亡くなった直後、母の思い出の失敗作「桃素麺(ソーメン)」を、

旬にプレゼントする。母に向けてた複雑な思いを、旬へと移し変える

(転移させる)ように(3章)。

 

その後、2人のお花見で、さや付きの豆をむいて別ゆでして作った

豆ごはんを食べながら、いきなり「なんで結婚したの」と問い詰める。

その直前、麻津子が「豆はやっぱ未通子(おぼこ)」と言って、江子が

「いやあねえ」とからかったから、花見の豆は「処女」麻津子の象徴だ。

逆に、普通の炊き込み豆ごはんは妻の象徴で、嫉妬の対象(6章)。

 

旬は、麻津子でない女性と結婚した理由がトウモロコシだと告白。

八重歯のせいで屋台のトウモロコシを食べられない麻津子を見て、

そんな女性を丸ごと引き受けるのが怖くなったらしい(9章)。

 

今は麻津子も八重歯を抜いて、トウモロコシを丸かじりできる。旬も

流石に大人の器が出来てきた。あれからもう、40年近く経ってる。

今夜こそ、お互いに丸かじりしよう。まだ少しかじっただけだから。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

最後に、郁子は総菜屋のバイトとして「新米」(第1章)。お米屋さん

の新米である進を見て、死んだ息子と重ね合わせる。

 

続いて、喪中なのに届いた年賀状を見ると、「鹿島郁子」という同姓

同名の他人へのものが混ざってた。届けに行くと、去年亡くなった

とのことなので、渡さずに帰宅。亡き夫との思い出が詰まってる芋版

をまた作って、差出人への年賀状を作って自宅に飾る。自分は元気

ですと書いて、彼岸からのメッセージに答えるように(4章)。

 

その後、去年亡くなった夫・俊介の妹から2年ぶりにふきのとうが

送られて来たので、進の車で信州旅行。義妹の案内でふきのとう

の採取場所を見て、俊介が「君みたいな景色だ」と言ったのを思い

出す(7章)。

 

夏の緑と、冬の雪の白がまざった状態。それは、俊介に対する郁子

の接し方でもあった。仲が悪いわけではないが、心の底では俊介を

憎んでる。風邪を悪化させた息子を見て、すぐ病院に連れて行こう

としたのに、俊介はまだ大丈夫だと言ったから。あなたのせいで息子

の草(そう)は死んでしまったのよ。

 

しかし、前のセンター試験記事で書いたように、過去の写真を見ると

実は自分と夫は思ったより仲良く暮らしてたようだ。自分の心象風景

が暗すぎた事に気づかせてくれたのが、夫の同窓生が乗せてくれた

自転車。それは、お盆にキュウリの馬でやって来る仏様みたいな、

懐かしくて大切な訪れだった。

 

さらに、亡き息子・草と進が似てるというのも、自分の思い込みに

過ぎないことに気づく。私は自分だけの内省的世界に浸り続けて

来たようだ。真実と向き合おう。そして前に「進」み出そう。。(10章)

 

 

      ☆        ☆        ☆

長編の最後、第11章については、あえて書かないことにする。

麻津子も江子も、それぞれの道で新たな一歩を踏み出すのだ。

 

なお、前の記事の終盤に、私は一言こう書き添えてた。

 

 「キュウリという細長い野菜には、男性的な意味合いもあるが、

  ここではもう触れないことにしよう」。

 

これが単なる考え過ぎでないことは、長編を読み始めてすぐに推測

できたし、後半を読む内に確信できた。60代前半の女性3人は、性

の露骨な話でキャーキャー楽しくはしゃいでるのだ。まるで女子高生

みたいなノリで。

 

おまけに、最終章のタイトルだけ、「穴子と鰻」の組合せ。鰻とは、

麻津子の彼氏である旬が、男性的なスタミナをつけるために用意

した食材。それと穴子が組み合わされて、最後のエピソード(省略)

を考えると、「女と男」というセクシャルな意味があるのは明らかだ。

もちろん、それだけとは言わないが、無視できない遊び心でもある。

 

その直前、10章の始めに、郁子はキュウリをかじる。キュウリ=夫

=夫の友人の自転車、とつながって、最後に郁子は、鰻を買う。その

鰻が最終章で文字通りの「男性性」の象徴になってるのだ。江子なら

「キャハハハ」と笑う所だろう。

 

 

      ☆        ☆        ☆

ベテラン女性作家が性とか恋愛を描くと、例えばこのような語り口

になるのか。あらためて男女の違いに驚きつつ、この簡単なレビュー

を終わりとしよう。

 

なお、井上荒野は直木賞受賞作家だが、今年の芥川賞を獲得した

若竹千佐子(63歳)は、受賞作『おらおらでひとりいぐも』について、

青春小説とは対極の玄冬小説だと語ってるらしい。それなら井上

の『キャベツ炒めに捧ぐ』は、玄冬青春小説とでも言うべきかも。

 

それでは今日はこの辺で。。☆彡

 

                (計 4170字)

       (追記 55字 ; 合計 4225字)

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慢心=警護(security)は人間の最大の敵(『マクベス』第3幕)~『BG~身辺警護人~』第1話

面白かった☆ 保険勧誘のおばちゃん(濱田マリ)と、マラソン大会の

スタートで無駄に猛ダッシュするエキストラの方々が(笑)。そこか!

 

荒川市民マラソンを何度も走ってる市民ランナーとしては、荒川の

支流で開催されてた第18回隅田川都民マラソンを温かく見守ってた

のだ。観客が16000人には見えないなとか思いつつ♪ コラコラ!

 

いや、真面目な話、久々に文学的な教養を感じるドラマを見た気が

する。単なるコネタの羅列じゃない、奥深い教養。シェイクスピアの

使い方もあまりに凝ってたから、「細かすぎて伝わらない」状況に

なってるほど♪ 英語の原文を知ってたんだろうね。

 

流石は立命館大学・文学部卒の脚本家、井上由美子のオリジナル

作品だ。『人妻』・・じゃなくて『昼顔』も『同窓会』もよく出来てた。

『まっしろ』は初回の途中で真っ白になってリタイアしたけど(笑)。

 

設定や台詞(セリフ)のあちこち(特に終盤)に、自衛隊とか安保の

香りがしてたけど、とりあえず『テレビ朝日』らしいかもと指摘する

だけにしとこう。政治や防衛は、軽く匂わせるだけにした方がいい。

官と民、拳銃(武器)と丸腰の対立も、微妙なお話なのだ。。

 

 

     ☆       ☆        ☆

さて、キムタク=木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』。今回の

ストーリーのポイントは、何度も強調してたシェイクスピアの台詞、

慢心は人間の最大の敵だ』。女子アナ政治家の追っかけ記者、

『週刊時論』の犬飼(勝地涼)が昔、愛を込めて贈ってた言葉。

 

過信してはいけない、うぬぼれてはいけないとか、自分だけは安全

で正常の範囲内だと思ってしまう「正常性バイアス」に注意せよとか、

普通の意味だけなら、文字映像付きであれほど繰返すはずはない。

 

別の意味が裏側で何重にも重なってるからこそ、繰り返してたのだ。

例えば「警護は人間の最大の敵だ」とか♪ シェークスピア四大悲劇

の1つ、『マクベス』の原文をウィキソースで確認してみよう。

 

400年前、1606年頃の戯曲、第三幕(Act Ⅲ)・第五場

(SCENE Ⅴ)のラスト。魔女の親分みたいな存在が、主人公

マクベスを追い詰める計略を話してるシーンだ。

 

 

     ☆        ☆        ☆    

 He shall spurn fate,

 scorn death,

 彼は運命を蹴飛ばし、死を馬鹿にして、

 

 and bear his hopes ’bove

 wisdom,grace,and fear:

 智恵や神の恵み、そして恐れをも上回る

 望みを抱くだろう。

 

 And you all know,

 security is mortals’

 chiefest enemy.

 もう、お分かりだよね。

 安心は人間の最大の敵なんだよ。

 

 

     ☆        ☆        ☆

もうお分かりだよね(笑)。そう。「慢心」と訳されてた言葉は、元の

英語だと「security」(セキュリティ)なのだ。

 

この言葉は、直前の「fear」(恐れ)を受けてのもの。恐れを忘れて

安心しきってる状態こそ、最も危ないと言ってるのだ。マクベスという

人間をそそのかそうとしてる自分たちにとっては、シメシメと笑う状況。

「慢心」(おごりたかぶること)と訳すのは、誤訳ではないけど、多少

ズレてるし、含蓄が足りない。

 

今回のドラマだと、若い沢口(間宮祥太朗)が「安心」しきってた。

それに対して、元・自衛官の高梨(斎藤工)は「慢心」に近い。人妻

との不倫に没頭してるからだろう♪ 『昼顔』か!

 

一方、島崎章(木村拓哉)の場合は、6年前にボルト(=ネジ)が

絡む大きなミス(?)をして、「警護」という仕事を恐れてる。その意味

では、「警護は自分という人間の最大の敵だ」という事になる。最終回

辺りでは、「身辺警護人の誰かが最大の敵」になるかも知れない。

 

さらに、原文の「人間」は、「mortal」(死すべき運命の存在)と

いう単語になってる。だから、「警護は死の最大の敵だ」、つまり、

警護は生の最大の味方だ」という意味にもなる。

 

こう考えて来ると、この『マクベス』の台詞を多用した井上の実力

がよく分かるだろう。大学の文学部で鍛えた英語の解釈力が発揮

されてるのだと想像する。

 

島崎が高梨に、「怖くない人と組むの、怖い」と言ってたのも、安心

より恐れが大切だということ。1行の名言だけでなく、『マクベス』の

直前の文脈も理解してるからこそ書ける台詞だろう。

 

なお、国立国会図書館デジタルコレクションで公開中の坪内逍遥

の訳(1923年)だと、「油断は人間の大敵だらう」となってた。慢心

と訳すより正確。著作権は消滅済み。

 

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      ☆        ☆        ☆

一方、島崎がランニングや斜め懸垂する時、上に着てたスウェット

(パーカー)のロゴも上手かった。実在するブランドの名前で、

「CARPE DIEM」(カルペ・ディエム)。

 

ブラジリアン柔術道場のショップだから、ポルトガル語かと思ったら、

ラテン語だった。古代ローマの詩人ホラティウス(Horatius)

の有名な文より。

 

 carpe diem,

 今、この日をしっかりつかめ、

 

quam minimum credula postero

 そして、先のことはほとんど信用するな。

 

まさに、いつ死ぬか分からないボディガードにぴったしの言葉だろう。

まして、島崎は過去に大きなトラウマ(傷)を抱えてるらしいのだ。

 

 

     ☆        ☆        ☆

最後に、「用心棒」というものの使い方。「敵から身を護るために

用心する棒」が最初に出たのは、冒頭の警備員シーンだった。

 

通行止めに突入しようとする車を止める横棒は、用心棒の一種♪

自分が車にひかれないように誘導する、光る棒も用心棒。だから

こそ、最後も警備員シーンで終わってた。ちなみに立原愛子(石田

ゆり子)が出てるキリン・ファイアのコーヒーCMでも警備員が登場。

案外、ドラマの予告のタイアップかも♪

 

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個人的にふと思い出したのは、私の田舎の実家。そういえば寝る前、

両開きの扉の下に、太くて長い棒を差し込んで開かないようにしてた。

あのつっかえ棒も用心棒だったのか。鍵はついてなかったけど(笑)。

不用心だろ!

 

まだ書くべき事が沢山あるけど、マクベスでかなり時間を取られた

ことだし、今回は短めのレビューで済ませとこう。たぶん今後、ドラマ

と関係ない出典探しの検索も稼げるはず♪ セコッ!

 

いや、SNS全盛時代、ブログには「安心」してる余裕はない。常に、

ツイッターとかに書いてないマニアックな解説を書かないと、消える

ことになる。ブロガーは「用心坊」でないと生き残れないのだ♪

 

まあ、生き残る必要があるかどうかはさておき(笑)。生き物はみな、

mortal、やがて死すべき運命の存在だから。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

とにかく、キャラが立ってる登場人物ばかりで、今後の展開も楽しみ。

ヒーロー役が多いキムタクが、素うどんみたいな自然体だったのも

好感触。若い犯人に苦戦する姿も新鮮でリアルだった。年を重ねると

肉体は衰えるから、知恵と経験で補うしかない。

 

今回なら、壊れたベンチの板を使えることまで計算ずみ。転んでも

タダでは起きない。あの細長い板ももちろん、用心棒なのだ。女性

BG・まゆ(菜々緒)の細い脚も、悪者を蹴る用心棒♪ 無理やりか!

美女の周りに男だらけだから、用心・棒。まだ言うか!

 

警視庁SP・落合(江口洋介)と村田(上川隆也)もカッコ良かったなと

思いつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡

 

 

 

P.S. 初回の視聴率は15.7%となった(ビデオリサーチ調べ、

   関東地区)。まずまずだから、安心せずに水準を警護すべき♪

 

 

cf.窮屈からの自由、オーダーメイドのフットガード

     ~『BG~身辺警護人~』第2話

 緊縛かのん、谷底へのバンジージャンプ~第3話

 ウェディング・イブ、涙は夜更け過ぎに雪へと・・♪~第4話

 捨てるな!、新たなマイウェイへの出発~第5話

 安全が一番と言いつつ、危険に向かう人間~第6話

 

       ・・・・・・・・・・

  奇跡のリターンがもたらす輝き~『ロングバケーション』第1話

  夢見る息子vs現実を見る父~『華麗なる一族』第1話

  『華麗なる一族』最終回、ドラマと原作の比較

  キムタクは素うどんかたぬきで♪~『CHANGE』第1話

  脳科学コメディーの綱渡り~『MR.BRAIN』第1話    

  国際映画ドラマというチャレンジ~『月の恋人』第1話

  キムタク=木村拓哉主演ドラマ、視聴率の推移&『月の恋人』第4話   

  鉄の悲劇から、犬の感動物語へ~『南極大陸』第1話

  Jumpin’ Jack Flash、あやつり人形の閃き

      ~『Priceless』第1話

  制作費70分の1、SF映画に挑戦するドラマ~『安堂ロイド』第1話

  LIE STOPS HERE(嘘=夢はここにある)

      ~『HERO 2』最終回

  人生崩壊の原作から、復活ヒーローのドラマへ~『アイムホーム』第1話

  切ってつないで治す、心の穴、頭の影~『A LIFE~愛しき人~』第1話

 

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』、軽~い感想♪

  『宮本武蔵』ドラマ第二夜と原作小説(by吉川英治)、感想と比較   

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・

  木村拓哉の『全力坂 完全版』、アスリートにもお勧め☆

  SMAP×SMAP『いま僕たちに何ができるだろう』、軽~い感想♪

  『スマスマ』通常最終回、タモリのモロッコ「マラケシュ」♪&休養ジョグ

  『SMAP×SMAP』(スマスマ)最終回、

     スタッフとFAXのお花畑でさよなら・・「じゃないよな」♪

 

     ・・・・・・・・・・・・・・・

  SMAP『世界に一つだけの花』、オンリーワンという歌詞の意味ほか

  『さんま&SMAP 美女と野獣2015』、45分だけ見た感想♪

 

                 (計 3730字)

       (追記 142字 ; 合計 3872字)

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自転車というキュウリに乗って、馬よりゆったりと♪~井上荒野『キュウリいろいろ』(2018センター試験・国語)

(☆18年1月22日の追記: 続編記事を新たにアップした。

  井上荒野「キュウリいろいろ」2

   ~長編小説『キャベツ炒めに捧ぐ』全体を読んで )

 

 

      ☆        ☆        ☆

今年(2018年)の大学入試センター試験・初日の問題が公開された

のは、夜21時半ごろ。河合塾その他で確認した。

 

寝不足だから、問題を読むだけで寝るつもりだったが、いい小説だと

感心したから、簡単な感想と解説だけサラッと書いとこう。レビュー

とか批評というほどのものではない、3000字の記事だ。

 

ちなみに当サイトでは、2011年と13年~17年にセンター試験・

国語の記事をアップして来たから、これで6年連続、7本目になる。

この記事の末尾に一覧あり。他に数学の記事もある。

 

例年、国語の問題については大量のツイートが流れてお祭り状態

になるけど、今年は数だけ多くて、内容的に盛り上がってなかった。

去年までと違ってフツーだったというような感想が大多数。その中で、

一部の受験生は、いい小説だなと素直に感動してた。

 

実は私も、居眠り気分で小説を一読した直後、「何、これ?」と思って

しまった。「さっぱり分からない」(by ガリレオ福山)。そこで文字通り、

この小説は何だったかな?と思って、先頭のページに戻った途端、

一気に視界が明るく開けた。あっ、題名は『キュウリいろいろ』か!

なるほど。「実に素晴らしい」♪

 

ガリレオ湯川が書きなぐる物理学の数式の代わりに、日本語の題名で

一気に謎が解けた。今年の第1問(評論)、有元典文・岡部大介の

『デザインド・リアリティ──集合的達成の心理学』を踏まえて言うなら、

小説のタイトルが読み方や解釈をデザインしてくれてたのだ。

 

 

     ☆        ☆        ☆

もちろん、書き手のデザインが、読み手にそのまま受け入れられる

とは限らない。授業において、「後でテストをする」と言われた学生

なら、フツーはちょっと気合いを入れて暗記・理解しようとするだろう。

 

ただ、『キュウリいろいろ』を読んだ高校生・浪人生達が、自転車とか

電話・手紙とか電車とか、いろいろなキュウリを探そうとするかどうか

はビミョーな所。そもそも、お盆のキュウリという古い慣習を知らない

受験生が多そうだからこそ、文末の注1で説明してくれてたわけだ。

 

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実際、当日の深夜の時点で「キュウリいろいろ 自転車」のツイッター

検索をかけると、1つもヒットしない。「キュウリ 自転車」でも、関係

ないつぶやきが2つヒットしただけだった。

 

 

     ☆        ☆        ☆

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ところが、作者・井上荒野(あれの)のツイッターを見ると、センター

試験のつぶやきの僅か1時間前に、クロスバイク(街乗り用スポーツ

自転車)で転倒した話が書かれてるのだ。私のこのブログ自体が、

クロスバイク日誌からスタートしてるので、すぐに気づいた。

 

自転車の比喩に気づいてもらえなかったという事を暗示してるのか

と本人にたずねれば、否定するはず。ただ、単なる偶然なら恐るべき

シンクロニシティ(同時性=共時性)。いずれにせよ、恐るべき存在に

「戦(おのの)きながら」、さらに記事を書き進めよう♪

 

ちなみに問1(イ)の意味の答が5番なのは、「おびえ」という説明が

ポイント。2番の「驚いてうろたえ」とかだと、意味がちょっと弱いのだ。

 

なお、問題作成者がキュウリ=馬=自転車という関係、イメージの

連鎖を理解してるのは明らかだろう。問題文はキュウリの馬から

始まって、自転車に乗るシーンで終わってる。おまけに、「キュウリ」

という言葉は冒頭で本物の野菜を指した後、使われてないのだから。

 

 

     ☆        ☆        ☆

一応、あらすじを超簡単にまとめておこう。35年前に息子の草(そう)

を亡くし、去年には夫・俊介も亡くした郁子(いくこ or ゆうこ)。60代

半ばくらいの女性らしい。昔なら「未亡人」と言われたと思うけど、

最近はこの言葉を聞かなくなってる。

 

ちなみに著者は今現在56歳だから、自分の人生をそのまま描写

した私小説ではない。

 

はじめて一人きりで迎えたお盆。郁子は楊枝をキュウリに刺して、

2頭の馬を作り、息子と夫の写真の前に置く。お盆に仏様2人が

馬に乗って、速く来てくれますように・・との願いを込めて。ただ、

今年は仏様がゆっくり帰るための牛は作ってない。帰らずそのまま、

自分のそばにいて欲しいから。

 

そんな時、たまたま同級生から、名簿用に夫の写真が欲しいと依頼

を受ける。おそらく最初は手紙で、次に電話で話したのだろうと思う。

郁子は直接、写真を持って行くと告げて、関係ない写真まで色々と

見てる内に、ようやく気付く。実は私たち夫婦も、哀しみに沈んでた

わけじゃなく、笑顔で仲良く暮らしてたのだ。少なくとも表面的には。

 

夫の実家があった辺りで、相手に待ち合わせ。白髪の上品な男性・

白井さんは自転車で、2人乗りさせてくれた。夫の母校まで行くと、

かつて聞かされてた高校時代の様子を思い出して、目の前の現在

の風景と重なって幻のように見えた。夫の過去は、無意識の内に

自分の心の中へと保存されてたようだ。。

 

 

     ☆        ☆        ☆

さて、「キュウリ」を「いろいろ」探す問題が出題されてたら、受験生も

当然、自転車とか、お盆に訪れた手紙や電話を挙げてただろう。

 

その意味では、出題者のデザインが物足りない感もある。小説という

対象とそれに向き合う読者に、「異なる秩序を与える」企画・構成が

あっても良かった。まあでも、できるだけ客観的な問題と解答を作る

ためには仕方なかったのかも知れない。

 

自転車について言うなら、夫の記憶を呼び戻してくれたと同時に、

ひょっとすると新たな夫を連れて来てくれたのかも知れない。2人で

夫について語る内に、より親密になっても不思議はない。キュウリに

乗った夫を待ってると、自転車に乗った上品な男性に遭遇。まるで

恋愛小説みたいな出会いだろう♪

 

ただし、年齢と状況もあるので、スピードはゆったりと。馬の速度は

時速40kmくらいだけど、高齢者・・と言うより60代の自転車2人乗り

なら、時速10km以下だろう。新しい人生の最後の訪れなら、その

くらいのスピードでちょうどいいのだ。

 

 

      ☆        ☆        ☆

依頼の手紙や電話というものも、そのおかげで素早く夫に「再会」

できたのだから、「キュウリ」と言っていい。

 

他には、高尾山駅に向かう京王線だろうか、郁子が席を譲られて

古い記憶が甦った電車もキュウリ。譲ってくれた人もキュウリだし、

共学になってる夫の母校でハードルの練習をしてた女生徒の姿も

キュウリと言える。そのおかげで、男子校時代の夫が女子校の生徒

と交換日記をつける姿も思い起こせたのだから。

 

なお、キュウリという細長い野菜には、男性的な意味合いもあるが、

ここではもう触れないことにしよう。また記事が長くなって来たし、既に

今週は15000字制限を超えてしまった。

 

 

     ☆        ☆        ☆

180114c

 

180114d

 

この小説が短編集『キャベツ炒めに捧ぐ』(角川春樹事務所

2011)に収録されてるのは国立国会図書館で確認できたが、まだ

初出の年や雑誌は確認できてない。題材は古いけど、普遍性の

ある新しい小説なのは確かだろう。

 

(☆追記: 初出は角川PR誌『ランティエ』2010年1~11月。

      加筆・訂正して単行本出版。)

 

今週は15588字で終了。今日はそろそろこの辺で。。☆彡

 

 

 

P.S. 問題文には、“小説「キュウリいろいろ」”と書いてたが、

   作者はツイッターでこう書いてた

   “「キュウリいろいろ」は小説のタイトルではなく章タイトルで、

    「キャベツ炒めに捧ぐ」という長編の一部です。”

   なお、“「キャベツいろいろ」って間違えている人がいる”との事♪

 

 

cf.「春」の純粋さと郷愁が誘う涙、野上弥生子『秋の一日』

              ~2017センター試験・国語

 キャラ化されない戦後の人々、佐多稲子『三等車』~16センター

 啓蒙やツイッターと異なる関係性、小池昌代『石を愛でる人』

       ~15センター国語

 昭和初期の女性ランニング小説、岡本かの子『快走』~14センター

 幻想的な私小説、牧野信一『地球儀』~13センター・国語

 鷲田清一の住宅&身体論「身ぶりの消失」~11センター・国語

 

             (計 3183字)

    (追記 114字 ; 合計 3297字)

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カラスを襲うイカ(烏賊)、漢字語源の出典・中国語原文と日本語訳(『南越志』、本草綱目の引用)

年末の忙しい時に限って、どうでもいいコネタにハマってしまう♪

またマーフィーの法則か! いや、マニアの哀しい性(さが)なのだ。

 

細かすぎて伝わらない雑学だけど、私自身はかなり面白かったし、

日本中で100人くらいは興味を持ってくれるだろう♪ 少なっ!

 

「烏賊(いか)」という読みにくくて変な漢字の由来。日本語で簡単に

説明してるサイトは多いけど、マイナーな古書『南越志』の中国語

原文まで示してるサイトは現在Google検索で一つも見当たらない。

 

私も探し回って、諦めかけた時にようやく原文を発見。小市民の

ささやかな幸せを味わったのであった♪ 小さっ。。

 

 

      ☆        ☆       ☆

これは記事なので、そもそも私がなぜ烏賊(イカ)に惹かれたか、

事情を説明しとこう。

 

直接のキッカケは、珍しく1年半も聴き続けてるNHK英語講座

『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』に登場したからだ。下は、

キッコーマンの美味しいお醤油で味付けした写真を借用♪

 

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落語編の英会話が流れた後、ナビゲーターの肘井美佳が、お祭り

の楽しみは「grilled squid」(イカ焼き)だと話したから、

「スクウィッド」という発音と綴りが気になって検索。

 

その時、「烏賊」という漢字が目に入ったから、これは調べなきゃ

イカんと思ってすぐ検索。中国の古書が出典だという話はあちこち

に書かれてて、その内の少なくとも1つは信頼できそうだったけど、

残念ながら原文までは引用してない。そうなるとマニアは反射的に

中国語の検索を始めてしまうのだ♪

 

他の理由としては、私もイカを食べるのが好きだし、高校陸上部

時代の最大のライバルのことは「イカ」と呼んでる♪ 実名とキャラ

がイカに似た奴なのだ(笑)。どうゆうキャラだよ!

 

 

     ☆        ☆        ☆

では、いよいよ本題。「烏賊」(イカ)という漢字の説明が載ってる

という中国の古書『南越志』は、まだ直接的には発見できてない。

例えば、『旧唐書』志・地理の一部分のことかと思って、中国語の

ウィキソースを確認したけど、ページ内検索でも出て来ないのだ。

171228b

 

諦めかけた時ようやく発見したのは、大阪府立大学『人文学論集』

第27集(2009年)の表紙のことば(表紙の裏かも)。

 

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たぶん編集者の遊び心だろうけど、誰なのかは書いてない。イカの

墨の話をする前のツカミとして、「烏賊」の由来を「『本草綱目』所引

の『南越志』」と書いてたから、私が中国語ウィキソースで探し出した

のだ。執筆者の半数以上が中国人の研究者みたいだし、信頼して

いいと思う。

 

 

      ☆        ☆        ☆

それでは『本草綱目』烏賊魚の項目の原文と、大阪府大の翻訳

比較対照してみよう。端末の環境によっては、漢字が文字化けする

かも知れないので悪しからず。自動翻訳はGoogleもエキサイトも

Weblioも役に立たなかった。

 

 其性嗜烏,  イカは烏を食べるのが好きで、

 每自浮水上,  いつも水の上にぽっかり浮かんでいる。  

 飛烏見之,以為死而啄之,  

      烏はイカが死んで浮かんでいると思い、

      それを啄(ついば)もうとするところを、

 乃卷取入水而食之,  

    巻き付いて水の中に引きずりこんで食べてしまうので、

 因名烏賊,言為烏之賊害也  烏の賊と名づけた。

 

 

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大阪府大は「これはかなり、あやしい」と論評してたけど、真偽は

さておき、流石は表意文字の漢字。素人の日本人が読んでも、

ある程度は意味が分かる所が、いいね♪

 

以前、新幹線で隣に座った中国人女性と漢字の筆談を楽しんだ

のを思い出した。お互い、大体のコミュニケーションは出来てた

気がする。富士山を見て、「富士」とか書いてた。これは繁体字も

簡体字も同じらしい。

 

 

      ☆        ☆        ☆              

なお、大阪府大の表紙のことばが言いたかったのは、イカの墨は

消えると言われてるけど論集はリポジトリ(データ貯蔵庫)に載せ

られるから「消えることはない」、ということ。

 

確かに、デジタル・データはイカの墨より長持ちするけど、消える

ことはあるし、読めなくなることもある。メディアの種類や品質、保存

状態にもよるけど、DVDで数十年、HDDで10年程度とされるから、

書き換えによる再保存が必要なのだ。

 

データも油断してるとジカン(時間)という名のイカに襲われるので、

注意しなければイカン! こんなまとめで、イイカ♪ 本仮屋なら、

ユイカ。ICカードなら、西瓜(笑)。

 

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東宝映画にはイカ怪獣・ゲゾラなんてものもいるわけね。いイカお

(いい顔)してる♪ 大映のガメラ・・じゃなくてカメーバを襲撃中。

「亀賊」か! それでは、今日のところはこの辺で。。☆彡

 

              (計 1881字)

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作家・本谷有希子のコラム「間違う日々」、笑える♪(朝日新聞)

昨日の記事で、まさかの時間と字数を費やしてしまったから、今日

はもう軽~い記事で済ませよう。

 

朝日新聞ネタの連発になるけど、本谷有希子のコラム「間違う日々」

は面白い♪ 漫画家・伊藤理佐の緩いコラム「オトナになった女子

たちへ」と共に、いつも楽しみだ。・・とか言いつつ、いつも読んでる

わけでもなかったりする(笑)

 

 

      ☆        ☆        ☆    

本谷のコラムは月曜の朝刊・文芸欄に連載中。かなり前からたまに

読んでたはずだけど、名前までは覚えてなかった。最初に思い切り

ウケて名前を覚えたのは、17年9月18日。タイトルは、

 “「しない」ことを「やって」いた”。

一部、引用しよう♪

 

  別に用があるわけではないのにスマホを弄(いじ)くってしまう。

 この事態に危機感を覚えた私は、画期的なアプリを教えて

 もらった。なんでもスマホを触らないでいるぶんだけ、画面上

 に植えた苗木が、立派な大木に成長するという。木を集めて

 森も作れる。

  私は夢中になった。・・・・・・人からスマホを借りる機会は

 みるみる増えた。・・・・・・これでは何の意味もないことに、

 ようやく気がついたのである。

  私は周りの人々に、木を育ててくれないかと懇願した。

 

 

ここで私は爆笑!☆ まず、他人のスマホを借りるのが軽いオチ

で、その無意味さに気づいた直後、周りの人に木を育ててもらうと

いうのが本当のオチだ♪

 

 

       ☆        ☆        ☆  

171220a

 

ちなみにこのアプリ、検索すると「FOREST」(森)という名前で、

240円という強気の価格。カテゴリが「仕事効率化」というのが

また笑える。販売元はShaokan Pi、アプリ評価は高い。iPad

でAppStoreを検索すると、最初出なかったけど、iPhone用

のアプリを探したら出て来た。そうゆう仕組みだったのか (^^ゞ

 

なお、コラムのタイトルは、二重の読み方が可能。普通に読むと、

 スマホを「しない」ことを「やって」いた

 

ただ、下のヒネった読み方の方が話の本質を突いてる♪

 スマホ断食を「しない」ことを(ウッカリ)「やって」いた

 

他にも断食ソフトは色々あるようだけど、そもそもスマホを止める

ためにスマホアプリを使うという発想自体がギャグだろう。

 

 

     ☆        ☆        ☆

で、この本谷有希子。私は昨日まで、「ほんたに」と読んでたけど、

もとやゆきこ」と読むらしい・・・とか書いとけば、「ほんたにゆきこ」

の検索アクセスを3つくらい稼げるかも♪ 少なっ! ほんじゃあ、

「本谷有紀子」っていう変換ミスも入れとこうか(笑)。コラコラ!

 

ウィキペディアによると、鶴屋南北戯曲賞(2007年)、岸田國士

戯曲賞(2009)、野間文芸新人賞(2011)、大江健三郎賞

(2013)、三島由紀夫賞(2014)、芥川龍之介賞(2016)。

 

凄い受賞歴なのに、全く知らなかった私も凄いかも♪ 自慢か!

もう38歳だけど、童顔で可愛いアラフォー。演出家、女優、声優も

こなして、女の子の母親でもあるわけね。スーパーウーマンか。

これだけ華やかに目立つ活躍してると、大変な部分もあるかも。

 

 

     ☆        ☆        ☆

続いて、2週間前(17年12月4日)のコラム、

 “「閉」ボタン、押し続ける”。

 

  信じられない話を聞いてしまった。エレベーターの「開」ボタン 

 を押すと本当に延長するが、「閉」ボタンはただの暇つぶしに 

 飾りとして付いているだけだという話だ。 

  ・・・・・・これまで繰り返してきた無駄に、私は気が遠くなり 

 かけた。そして「もう二度と押すものか」と心に決めたその翌日、 

 私は未練がましく・・・・・・指を伸ばさずにいられないのである。

 

 

これは私も意表を突かれたから早速調べてみると、ニューヨーク・

タイムズが1年前に書いた話のようだ

 

 「閉じるボタンを押すと気持ち良くなるかも知れないが、

 少しも早くならないだろう」。

 

171220b  

 

少なくとも、昔の日本のエレベーターでは、閉じるボタンに意味は

あった。実際、押して遊ぶ感心しない子供もいたわけだ(誰?♪)。

ただ、最近は確かに、押してもすぐ閉じない気はしてた。

 

そこで念のため、日本エレベーター協会HPもチェックしてみたけど、

そんな話は書いてない。当たり前か♪ どなたかお暇な方、電話で

厳しく問い合わせて、結果を発表して頂きたい。ボタン工事談合事件

に発展するかも。リニア工事か!

 

 

      ☆        ☆        ☆

あぁ、もう時間だから、12月18日の「募金の瞬間 心の声が」に

ついては、ちょっと引用するだけに留めよう。

 

 いっそ「親切する気持ち良さを売ります」と募金箱に書いて

 くれれば、後ろめたさも薄れるのに。   

 

まあ、大活躍で印税が余ってるだろうから、「親切する気持ち良さ」

をたっぷり買って頂きたい。親切しない気持ち悪さをタダで買う人々

のためにも♪

 

嫉妬する後ろめたさをタダで買いつつ、それではまた明日。。☆彡

 

              (計 1940字)

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ドラマ原案、イプセンの戯曲『民衆の敵』のあらすじ&英語・ノルウェー語原文

今季(17年・秋)は珍しく、2つも連続ドラマを見始めたが、どちらも

すぐ、記事を書く気がしなくなった。過去12年間で初めてのこと。

『陸王』は単純だし、『民衆の敵』は脚本のバランスがビミョー。共に、

萌え要素はゼロ♪

 

とはいえ、私は一応ランナーだし、月曜の夜は気が緩む時だから、

どちらのドラマも大部分は流し見し続けてる。全く見なかったのは、

『陸王』が1回で、『民衆』は2回くらいか。

 

 

     ☆        ☆        ☆

『民衆』の最近のストーリーは妙に暗くて重いものに変質して来たな

と思ってたら、朝日新聞の寸評が目に留まった。朝日は普通、フジ

月9には冷たい反応かほとんど無視なのだが、今回は意外なほど

好意的にプッシュしてる。記者でなくライターだからか(和田静香)。

 

171212a_2

 

コラム名は「TVがぶり寄り」、タイトルは、「民衆の真の敵とは?」。

 

 ・・・回を重ねるにつれ、見る側が試されるすごいドラマだなぁ

 と感じている。・・・ドラマは後半にきてガラリと変わる。・・・

 主人公は、社会を替えるには権力こそが大切で・・・市長選に

 立候補、当選する。当然、操り人形にしたい派閥に利用され、

 信頼は失墜して孤立する。

 

  ドラマのタイトルは、腐敗を正そうとした男性が民衆に敵の

 烙印を押される、イプセンが19世紀に書いた政治が大罪の

 戯曲と同じ。

 

全く知らなかった私は意表を突かれて、直ちに戯曲(演劇の台本)の

英語原文と英語版ウィキペディアをチェック。真っ直ぐな正論過ぎて、

私の趣味ではないけど、ちょっと興味深かったのも事実だから簡単に

まとめとこう。

 

 

      ☆        ☆        ☆

第8話の視聴率(関東地区、ビデオリサーチ)が5.3%で、最低記録

を更新したと伝えられた今日、ネットで「民衆の敵 原作」を検索すると、

かなりの数のサイトがヒットする。

 

しかし、原作というほどの関連でもないので、むしろ「原案」というべき

だろう。ただし、公式サイトのイントロダクションを見ると、イプセンの

戯曲には触れてなかった。題名だけ借用した、オリジナル脚本だと

言いたいわけか。

 

171212b

 

上は元のノルウェー語の原書で、中央に著者の名前(HENRIK

IBSEN:ヘンリック・イプセン)、一番下には1882年と書いてある。

インターネット・アーカイブで公開中、著作権は消滅済みのはず。

 

題名の『EN FOLKEFIENDE』をGoogle翻訳

すると、「AN ENEMY OF PEOPLE」。つまり、

「民衆の、1人の敵」。

 

1つを表す不定冠詞が付いてるので、「民衆という敵」と解釈する

のは難しそうだ。要するに、主人公のことで、戯曲ならストックマン

(男性医師)。ドラマなら、佐藤智子(篠原涼子)。

 

ちなみに、原題を語順までそのまま直訳すると、

「AN PEOPLEENEMY」(民衆・敵)だから、専門

レベルだと、いくつかの解釈が可能なのかも。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

それでは、英語版ウィキのあらすじ(5部構成)をまとめてみよう。

主人公以外の登場人物の名前を入れると、逆に分かりにくいだろう

から、省略する。

 

 第1幕 ストックマン夫妻の自宅の夕食会に、兄弟でもある市長、

     新聞編集者が集まる。街の温泉(健康浴場)が汚染されてる

     という噂について話してる時、噂を裏付ける手紙が届く。

     編集者は新聞記事を書くことに同意。ストックマンは、自分

     が街の救世主だと信じる。

 

 第2幕 ストックマンの家で、編集者との連帯関係が深まる。編集者

     としては、汚染問題を街の政治腐敗をあばく出発点にしたい。

     そこへ市長が来訪。街の破壊につながるわがままで、大きな

     視野を持ってないから、もっと穏やかな方法を勧める。しかし

     ストックマンが拒否したので、市長は、彼と家族に悲惨な結果

     が生じるだろうと言う。

 

 第3幕 新聞社では議論の末、行政の闇の暴露はマイナスの効果

     が大き過ぎて疑問だと、態度変更。ストックマンは、それなら

     自分一人で戦おうと決意。街の集会を開いて情報を広めよう

     と考える。彼の妻はリスクを感じつつも、彼のそばに寄り添う。

 

 第4幕 ストックマンは集会で、汚染情報や、街のリーダーの腐敗、

     街全体の堕落について語る。街の人々は侮辱されたと感じ、

     怒りの声が響き渡る。やがてストックマンは「民衆の敵」という

     烙印を押され、街から追放される。

 

 第5幕 家の窓は割られ、娘は学校から追放される。浴場ビジネス

    の利権を獲得した義父からもアドバイスされたが、ストックマン

    は無視。正しい事を行うのに必要なのであれば、「民衆の敵」と

    しての役割を引き受けようと決心する。

 

 

       ☆        ☆        ☆

あらすじを見た所で、ポイントとなる箇所だけ、英語の原文で読んで

みよう。ここでは、電子図書館グーテンベルクを利用した

 

まず、ストックマンの告発に民衆が激怒する場面。第4幕の終盤。

日本語訳は一番下のみ。

 

171212c

 

 The whole crowd(shouting).

  Yes,yes! He is an

  enemy of the people!

  He hates his country!

  He hates his own people!

 

 群衆全体(叫びながら)

   そうだ、そうだ! 彼は民衆の敵だ!

   彼は自分の国を憎んでる!

   彼は自分の国の民衆を憎んでる!

 

 

ちなみに、ノルウェー語原文は次の通り。単語も文法も英語に

ちょっと似てるので、雰囲気は感じ取れる。

 

 「Han er en folkefiende!

彼は である 一人の 民衆の敵

 

171212d

 

 

      ☆        ☆        ☆

最後に、戯曲のラスト。翻訳は中盤から。

 

171212e

 

 Dr.Stockmann. 

  Yes.(Gathers them round him, 

  and says confidentially:) 

  It is this,let me tell you ─ 

  that the strongest man in the 

  world is he who stands most 

  alone.

 

 Mrs.Stockmann 

  (smiling and shaking her head)

  Oh,Thomas,Thomas!

  

 Petra (encouragingly,as she 

  grasps her father’s hands). 

  Father!

 

 

 ストックマン 

  それは、こうゆう事だよ。 

  世界で最も強い男とは、ほとんど一人で立ってる男なんだ。

 

 ストックマン夫人 

  (笑いながら、頭を振って) 

  あぁ、トーマス、トーマス!

  

 ペトラ

  (父の手を握って、激励しつつ) 

  お父さん!

 

 

ノルウェー語のポイント(世界で最も強い男・・・)は、

 den staerkeste mand i verden,

det er han,som star mest alene.

 

171212f

 

 

      ☆        ☆        ☆

最後の最後は、女性2人の愛情溢れる言葉で締めくくってる。

悲劇か喜劇かはともかく、古き良き時代のヒーロー物語。

 

現代日本だと、ドラマでも現実でもあり得ないだろう。むしろ、身近な

女性2人に冷たく非難されて、思い切り凹んで淋しい終了とか♪

 

実は元の戯曲も、真面目な正論というより、シニカル(皮肉)な笑い

を誘うコメディのような気がする。

 

ともあれ、ノルウェー語が意外と読みやすいのを確認したところで、

今日はそろそろこの辺で。。☆彡

 

               (計 2872字)

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又吉直樹『火花』、吉祥寺の安アパートで思うこと~『いつか見る風景』(朝日be)

お笑い芸人・又吉直樹の大ベストセラー小説『火花』は、発行部数

300万部とか言われる。芥川賞受賞後の第二作『劇場』も、初版

だけで30万部(その後は不明)。

 

ただ、こうした数字の大部分は単なる流行現象であって、一瞬の火花

とまでは言わないにせよ、「作家」又吉の評価とは違ってると思う。

 

というのも、『火花』の舞台について本人が語ったエッセイが、17年

11月4日の朝日新聞・別刷beに掲載されたのに、全くと言っていい

ほど話題になってないからだ。

 

171105b

 

バズるとかトレンドとは、かけ離れた反応になってる。今をときめく人気

俳優をキャスティングした映画『火花』も、11月23日公開予定なのに。。

 

171105c

 

 

      ☆        ☆        ☆

丸1日近く経った時点で、コラム名と著者名を入れてツイッター検索を

かけると、わずか7つしかツイートがヒットしない。しかも、リツイートを

除いて検索してるはずなのに、朝日新聞関連の同じツイートが4つ

も入ってるから、実質的にはたった3、4人しかつぶやいてない。

 

171105a2

 

爆発的に売れた後でさえ、こんな状況だから、売れる前の淋しさや

悔しさ、自己嫌悪は悲惨だったはず。まあ、だからこそ悲惨な様子を

描いた小説が審査員の目に留まって、出版界のプッシュが成功した

とも言えるから、人生は皮肉なものだと思う。

 

ちなみに私自身は又吉の文章を評価してるから、既に2回、連載に

ついて記事を書いてる。ただ、他の記事と比べても、アクセス数が

少なめなのは事実。「インスタ映え」しないからか♪ 文章だろ!

 

cf. 横浜競馬場の「老いた3人の賢者」

     ~又吉直樹のいつか見る風景(朝日be)

  なにも書けない孤独な夜を・・

    ~又吉直樹 in 旧江戸川乱歩邸(朝日be)

 

 

      ☆        ☆        ☆

さて、月1回の長めの連載コラム、「又吉直樹の いつか見る風景」。

今回の「風景」は、吉祥寺(東京都武蔵野市)。

 

都内でも人気の街だけど、私はちょっと苦手で、数回しか行ったことが

ない。又吉の描写を引用してみよう。

 

 吉祥寺は魅力的な街だ。デパートや飲食店が立ち並ぶ

 エリアのすぐ近くに井の頭公園があって、街と自然が 

 共存している。普段から学生がたくさんいて、休日には 

 家族連れや若者で溢れかえる。流行に敏感な店も多いし、 

 この地に根を張った実力派の喫茶店や書店もある。

 

 

私の第一印象は、ゴチャゴチャして分かりにくいなという感じだった

(失礼♪)。井の頭公園も、池の形からして分かりにくいし、実際、池の

底を探るとゴミだらけだったというニュースもあった。もちろん今行けば、

そうした共存とか混沌の魅力を味わえると思うけど、何事も第一印象

の影響力は大きい。

 

自然と足が遠のいて、居心地のいい渋谷あたりに行くことが増えた。

あるいは、大都会の新宿、夜遊びの六本木、大人の街の銀座とか。

どこも、一つのイメージでつかみやすくて、スッキリしてる気がした。。

 

 

     ☆        ☆        ☆

又吉自身は、私とは別の意味で、吉祥寺に屈折した思いを持ってた

らしい。昭和とか昔の話ではなく、ほんの数年前のことだ。

 

 夕暮れ時に学生や会社員とすれ違うとき、なぜか後ろめたさ

 があった。喫茶店に行く時は小銭を数えて扉を開いた。眩しい 

 吉祥寺の風景は、何者でもない自分の存在を際立たせた。

 

 

実は人気者になった今でも、彼の基本的な感覚はあんまし変わって

ないだろうと想像する。まあでも、売れない時代、恵まれない境遇

だと、一段と身に沁みるものはあっただろう。

 

とはいえ、だからこそ貴重な体験も可能になるし、笑いのネタも手に

入る。お笑い芸人・又吉は、単に暗い生活を暗く思い出してるのでは

ない。エッセイの冒頭、風呂なし、トイレ・水道共用、築六十五年の

安アパートのことも、ヒネったオチで笑い飛ばしてる。

 

 その頃、不動産屋の前を通るたびに、他に安くて良いアパートは

 ないかと店頭に貼り出された物件情報を眺めることが多かった。

 たまに吉祥寺駅から徒歩十分圏内で家賃二万円台の物件が

 あって、自分が住んでいるアパート以外にも格安の物件がある

 のだなと驚かされることがあったが、写真をよく観察すると、それ

 は必ず綺麗な雰囲気で撮影された自分のアパートだった。 

 

 

      ☆        ☆        ☆

そうした情景は、私にとって、「いつか見た風景」だ。高校卒業後、

田舎から首都圏に出て来た時、アパートは自分で選んだものじゃ

なく、機械的に紹介されて決まった物件だった。

 

ハッキリ言ってボロくて、見た目も名前もさえないけど、最初だから

こんなものかと、逆に闘志を燃やすキッカケにもなった。街自体が

おそろしく地味だったけど、それもまた18歳の少年にとってはいい

刺激になったのだ。今に見てろよって感じで、文字通り、青い春♪

 

又吉は、「安いからなのかアパートの住民は変わった人が多かった

と書いてる。より正確には、「すごく安いから」と言うべきかも。

 

エアコンが無くて開けっ放しの窓から見えた部屋の中には、「世界征服」

と書かれた大きな紙(笑)。実話なんだから、本人が名誉棄損で又吉を

訴えれば、億単位で稼いだ印税の一部が手に入るかも♪

 

あるいは、お経を唱えながら歩いているおじさんを見て、変わった人

だなと思ってたら、そのまま自分と同じアパートに入ったとか(笑)。

駅前で、猫の絵が描かれた旗を自転車にくくりつけて、ギターを弾き

ながら猫語で歌うおじさんとか♪

 

 

      ☆        ☆        ☆

そうそう。私の最初のアパートにも、変わった人が多かった。部屋に、

「世界征服」とちょっと似た言葉を大きく書いた紙を貼ってる、可愛い

少年とか(笑)。自分か!

 

LGBTらしき方々を初めて身近で見たのも、このアパート。聞き取る

のが困難な日本語を初めて聞いたのも、ここだった。皆さん、今どう

してるのかね。そのアパートは既に無くなってるらしいけど、街の様子

はあんまし変わってない気がする。何しろ、首都圏なのに全く話題に

ならない街なのだ♪

 

その後、私はわりのいいアルバイトを始めて、収入がかなり増えた

こともあって、住みやすい街に引っ越した。その時初めて、街の格差

というものを思い知らされたのだ。家賃は遥かに高くても、圧倒的に

住みやすい。何しろ、街を歩いてていきなり因縁をつけられることが

なくなったから(笑)。普通だろ!

 

・・・って感じの回想録を書き始めたら長くなるから、今日はそろそろ

終わりにしよう。今週は計15328字で終了。制限オーバーだけど、

削るのが面倒だからスルーしとこう♪ ではまた来週。。☆彡

 

               (計 2610字)

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カズオ・イシグロ『Never Let Me Go』(わたしを離さないで)、英語原書と英語版ウィキのあらすじ

(☆17年10月20日の追記: ドラマ記事をアップ。

  『わたしを離さないで』第1話、ノーベル賞記念再放送の軽い感想 )

 

 

     ☆        ☆        ☆

最初に正直に言うと、この記事はもともと文学レビューにするはず

だったのに、挫折してしまったものだ。半ば、日記・つぶやきの類の

記事なので、悪しからず♪ 昨日の記事を詳しく書き直した感じだ。

 

本人も含めて全く意外な受賞となった、日系英国人カズオ・イシグロ

(石黒一雄)のノーベル文学賞。金曜日(2017年10月6日)に2つ

の書店で探してみたけど、どちらにも全く見当たらないし、品切れや

売り切れを示す掲示もない。店員に聞こうとしても、たまたま(?)

誰も店内を歩いてないし、サービスカウンターも他の客が占有中。

 

そこで、英語原書の冒頭を読み始めたものの、何とも分かりにくい。

そう言えばイシグロの叔母か誰かの感想も、「難しい」の一言だった。

文体や言葉が凝ってるわけではないし、理屈が難しいわけでもない

けど、雲をつかむような主人公のモノローグ(独白)が延々と続く。

 

状況も人間関係も分かりにくいし、事実と幻想、客観的描写と主観的

思いの区別も意図的にボカされてる。過去を回想してるのか、現在

の思いをつぶやいてるのか、その辺りも微妙。

 

日本語訳で読んでも苦労しそうだから、英語の原文をサラッと読み

流すのは無理だった。仕方なく、途中で英語版ウィキをカンニング

すると、筋書き自体は日本のライトノベルやマンガでもありそうだ。

実際、ヒロイン・綾波レイが複合的なクローンだった人気アニメ、

『新世紀エヴァンゲリオン』ともちょっと似てる。

 

ということは、イシグロ独特の書き方、表現の仕方が、ノーベル賞に

値するということか。。

 

 

     ☆        ☆        ☆

さて、著作権的に違法な情報を除くと、英語の原文を読みたい時の

スタート地点は、amazonかgoogle booksだ。

 

両方を調べると、冒頭は読めることが多いし、グーグルだとかなりの

部分を無料で読めてしまうこともある。特に、英語や古典の場合。

 

171007a

 

Kazuo Ishiguroの『Never Let Me Go』

(邦訳: わたしを離さないで)だと、アマゾンもグーグルも冒頭の

20ページほどが公開されてた。ここでは、アマゾン(英国)の電子

書籍kindle(キンドル)から見てみよう。

 

全体は三部構成で、第一部(1章~9章)、第二部(10章~17章)、

第三部(18章~23章)。2010年のペーパーバックだと、304

ページ。分量的には、普通の長編小説だ。

 

171007b

 

31歳の「介護者」(carer)、キャシー(Kathy)が、自らの経歴

を振り返る形で物語がスタート。既に11年以上で、周囲にはあと

8ヶ月いて欲しいと思われてるらしい。

 

この長さだけなら自慢にはならないけど、自分が担当する「ドナー」

(実は臓器提供用のクローン人間)については、上手く扱って来た

つもり。だから、仕事ぶりに関してはちょっと自慢にはなる。

 

しかし、上手く仕事すること、特に、ドナーを「静か」にさせたことは、

私にとって大きな意味を持つ(means a lot to me)。

もちろん、単なる誇りではなく。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

この後まもなく、ヘールシャム(Hailsham)と呼ばれる寄宿学校で

一緒だった仲間、ルース(Ruth)とトミー(Tommy)の話になる。

妙な学校名は、「hail」が「歓迎する」、「sham」が「偽物」だから、

「偽物歓迎」。つまり、クローン歓迎という皮肉。

 

全体の流れが見えない宙づり状態に疲れてしまったので、私は

ここで英語版ウィキのあらすじ(Plot)、人物紹介などを読んで

しまった♪ 『Never Let Me Go』はキャシーが学生時代

に好きだった曲のタイトルらしい。

 

171007c

 

日本語ウィキの3倍くらい詳しい説明になってるけど、ここでは

手短にまとめとこう。以下、内容のネタバレになるのでご注意あれ。

 

ちなみに上の冒頭。小説を直接読むと11年4ヶ月弱の経歴なのに、

ほとんど12年と説明してある。そうした細かい部分についてはあまり

信頼できないかも。

 

 

     ☆        ☆        ☆

 以下、あらすじ(英語版ウィキのプロット)のまとめ。

 

 臓器提供者の世話係であるキャシーは、よく学校(ヘイルシャム)

 時代を思い出す。そこでは、健康の大切さが強調され、芸術作品

 を創ることも重要だった。「マダム」と呼ばれる女性に選ばれた

 ベスト・アートは、ギャラリーに飾ってもらえる。

 

 物語は3人の生徒をめぐって展開される。キャシーの他に、ルース

 とトミー。キャシーはいじめられっ子のトミーの相手をしながら、彼

 への思いを募らせるが、トミーはルースと恋愛関係になる。

 

 ルーシーという保護者(=教官)は生徒たちに、あなた達は臓器

 提供者として生み出された存在だと話したが、みんな静かに運命

 を受け止めた。ルーシーは学校を去ることに。

 

 16歳で、キャシー、ルース、トミーの3人はコテージと呼ばれる

 住居に移動。キャシーは男性と浅い関係を持ってて、自分の性的

 衝動が異常ではないかと心配する。

 

 2人の年上の同居者(クリシーとロドニー?)が、ルースに似た

 女性を見かけて、彼女のクローンとしてルースが作られたのでは

 ないかと話した。5人で探す旅に出かけると、年上の2人が噂話を

 する。ヘイルシャムの生徒だけに特権があって、本当に愛し合う

 カップルは臓器提供を遅らせることができるとか。その後、ルース

 に似た女性を発見したものの、表面的に似てるだけだった。

 

 旅行中、キャシーとトミーは、キャシーが学校時代に失くした音楽

 テープを別々に探す。どうもトミーは、キャシーに特別な思いを

 持ってるようだ。 彼らはテープを発見。さらに、マダムが芸術作品

 を選んでたのは、本当に愛し合うカップルを決めるためではないか

 と考えるようになる。そうした事に気づいたルースは、妨害工作で

 キャシーとトミーの仲を引き裂く。キャシーは一人、去って行き、

 介護者となった。

 

 やがて10年の月日が経過。キャシーはルースの介護者となった。

 もうすぐルースは終わりを迎えるので、トミーも誘ってまた旅に出る。

 そこでルースは、キャシーとトミーの仲を引き裂いたことを後悔し、

 マダムの住所(アドレス)を教える。そして、臓器提供をした後、

 死を迎えた。

 

 その後、キャシーはトミーの介護者になり、愛を育み始める。トミー

 のアートをマダムの家に持って行き、臓器提供の延期を求めた

 けど、無理だった。実は、そんな延期の規定など無かったのだ。

 

 トミーの最後の臓器提供の前に、キャシーは辞めて、彼の前から

 消え去る。小説の最後はキャシー一人で、トミーは既にいない。

 キャシー自身の臓器提供もまもなく始まる。。

 

                 (あらすじ終了)

 

 

      ☆        ☆        ☆

何とも悲しい物語で、SFというより近未来の予測みたいだし、既に

ある程度は現実のものとなってることだ。

 

生殖医療や遺伝子操作技術は、倫理的な歯止めのきかない流れ

になりつつある。より良い人体を求める、果てしない欲望のたわむれ。

 

「マダム」とは明らかに、救い主のように見える存在のことだろう。神

にせよ、最高権力者にせよ。そこに微かな希望を持って、真実の愛

と共に助けを求めると、何の救いも無かった。この辺り、イシグロの

宗教観を示してるのかも。

 

ちなみに去年(2016年)のTBSドラマだと、キャシーは保科恭子

(綾瀬はるか)、トミーは友彦(三浦春馬)、ルースは美和(水川

あさみ)へと変更されてるようだ。公式サイトの相関図より

 

受賞後の放送なら、平均視聴率が6.8%に留まることはなかった

はず。かと言って、今さら再放送しても、時すでに遅しか。。

 

(☆追記: 10月18日から深夜に再放送されることになった。)

 

 

      ☆        ☆        ☆

なお、「Never Let Me Go」の「Go」には、「死ぬ」と

いう意味もある。つまり、タイトルには、「わたしを死なせないで」とか

わたしを逝かせないで」という意味もある。

 

ひょっとすると、「Go」には「役立つ」という意味も込められてるかも

知れない。「わたしを役立たせないで」。つまり、わたしの臓器提供

を止めて、という解釈や深読みも一応可能。

 

まあ、原作を読まずに語るのはこのくらいに留めとこう。

それでは今日はこの辺で。。☆彡

 

 

               (計 3267字)

     (追記 89字 ; 合計 3356字)

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夏目漱石『自転車日記』、100年前のイギリスで猛練習♪&多摩川

BIKE 59.6km,2時間11分,平均心拍 131 

消費エネルギー 1210kcal (脂肪 351kcal)

 

吾輩は「吾輩は猫である」に挫折した少年である・・・っていう話は

以前、思い出記事に書いたことだけど、今回は短いエッセイだから

何とか読み通せた♪ まあでも、100年以上前の文章だし、かなり

苦戦したけど (^^ゞ

 

さて、かの有名な文豪、夏目漱石が、「自転車日記」というエッセイを

書いてるなんて話は、聞いたこともなかったけど、先日ドラマ記事の

下調べをした時にたまたま知ったのだ。「呵責」(かしゃく)という言葉

の、「良心」と関係ない用例を調べてたら、面白い例文があった♪

 

 「この二婆さんの呵責に逢てより以来・・・」

 

漱石が英国留学中、2人の婆さんに「自転車責」めでイジメられて、

嘆いてるのだ(笑)。漱石のユーモアの原点はこんな所にも表れてた

のか。

 

 

     ☆        ☆        ☆

折角の機会だから、彼がメジャーな小説を書く前、『ホトトギス』第6巻

第10号に発表されたエッセイの感想とまとめを書いとこう。

 

170903e

 

レビューというほどのものではないので、悪しからず。著作権は消滅

済みで、無料の電子図書館「青空文庫」で公開中。元になった本は、

筑摩書房の夏目漱石全集。

 

170903d

 

1902年の秋だから、2年間の留学の終わり頃の話。神経衰弱

に苦しんでた彼に、下宿のおばさんが自転車を勧めたらしい。

自転車に御乗んなさい」。

 

親切なアドバイスのようにも感じられるけど、漱石にとって「呵責」

だった。おばさんの巨体から心理的圧力を受けたのかも♪ 二十

貫目というのは、20×3.75=75kgの体重という意味だろう。

それにしては漱石の表現が大げさだけど、これも文学か。

 

 

     ☆        ☆        ☆

自転車のコーチとして、誰か男性が付き添ってくれたようで、まず

自転車を選ぶ所からスタート。買ったのか借りたのか不明だけど、

帰国前だし、借りたのかな。コケまくりでボロボロの返却とか♪

 

 「悄然たる余を従えて自転車屋へと飛び込みたる彼はまず 

  女乗の手頃なる奴を撰んでこれがよかろうと云う、その 

  理由いかにと尋ぬるに初学入門の捷径はこれに限る・・」

 

初めてだから女性用の自転車を勧められて、漱石は屈辱を感じる。

わかりやすい男子だね♪ ここで当時の自転車を見ておこう。

 

まず、1889年のレディース安全自転車。既に、今のママチャリに

似たスタイルになってる。上のフレーム(トップチューブ)が無いから

乗りやすいし、チェーンのカバーが付いてるから洋服が汚れない。

英語版ウィキペディアより。

 

170903b

 

一方、1900年を過ぎた頃の男性用が次の写真(または絵画)。

今でも売れそうなクラシック・スタイルで、半円形チューブがオシャレ。

 

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     ☆        ☆        ☆

漱石は結局、もっとカッコ悪い男向け自転車で妥協となった。古くて

ギーギー「関節」が音を立てるほど♪

 

全くの初めてだった漱石は、あぁ、もうダメだと大げさに嘆くことで、

間接的に手助けを頼む(笑)

 

 「さあ、僕がしっかり抑えているから乗りたまえ、おっとそう真とも 

  に乗っては顛り返る、そら見たまえ、膝を打たろう、今度は 

  そーっと尻をかけて両手でここを握って、よしか、僕が前へ 

  押し出すからその勢で調子に乗って駆け出すんだよ、と

  怖がる者を面白半分前へ突き出す、然るにすべてこれらの

  準備すべてこれらの労力が突き出される瞬間において砂地

  に横面を抛りつけるための準備にして・・・」

 

というわけで、敵の狙い通り、漱石は落車したようだけど、ケガや

出血の話は書いてない。それより、周囲の見物人の視線が気に

なったわけか♪ かなり自意識とか自尊心が強い日本男児。

 

 

     ☆        ☆        ☆

その後、別の日には、早くも激坂にチャレンジしてる。ただし、下り♪

 

 「坂の長さ二丁余、傾斜の角度二十度ばかり、路幅十間を

  超えて人通多からず

 

今の単位に直すと、長さ200m、道幅18mくらいだから、スキー場

のゲレンデみたいな坂だ。二十度というのは大げさ過ぎ! 勾配

20%としても急過ぎて危ないから、これも文学的誇張だ♪ 客観的

描写ではなく、主観的な心理描写。ブレーキ性能も貧弱だろうし。

 

たまたま「女学生が五十人ばかり」向こうからやって来たというのは、

事実かね? 案外、抑圧的な異国生活で歪曲された性的欲望に

よる、幻想かも(笑)

 

実際、その下り坂特訓を切り抜けた直後に、「妙齢なる美人」から

サイクリングのお誘いを受けて、動揺してるのだ♪ 「細君」という

ことは、人妻かな? この時、漱石は結婚してるから、W不倫もどき

になる。まあ、週刊文春の登場は半世紀後だから大丈夫か(笑)

 

 

      ☆        ☆        ☆

で、自転車に乗れないから人妻不倫サイクリングは丁重にお断り

した後、今度は急ハンドルを切って、後続車を転倒させたらしい♪

 

 「ハンドルをギューッと捩ったら、自転車は九十度の角度を

  一どきに廻ってしまった

 

九十度回転を一瞬で行うのは物理的に不可能だけど、要するに

後ろを確認したり合図を出したりせず、いきなり直角に曲がったと。

ダメなサイクリストの典型だね♪ あっ、当時は自動車が走ってない

から、安全の意識が弱いのかも。

 

とにかく、婆さん2人に笑われながら悪戦苦闘するハメになったから、

仕返しとして、「下宿の飯を二人前食いし」(笑)。まあ、安くてまずい

パンだろうから、反撃としては弱すぎたかも。追加料金を取られた

とか♪

 

 

      ☆        ☆        ☆

そろそろ、この辺で時間も字数も無くなって来たから、終わりにしよう。

興味のある方は、青空文庫で格調高き原文をお試しあれ。

 

漱石と違って本物のサイクリストの私は今日、多摩川を60kmほど

走って来た。気温18度前後、湿度90%、風速2mは快適な

条件♪ トータルの平均時速27.3km。ウェアはあんまし濡れて

ないけど、ボトルの水は全部飲んだし、汗はかなりかいたと思う。

東京都と調布市の合同防災訓練が大々的に開催されてた。

 

なお、今週は計18408字で終了。ブログ公開12周年の特別な週

だったから、週間字数制限15000字を大幅にオーバーした。ま、

たまにはいいでしょ。それでは、また来週。。☆彡

                  (計 2481字)

 

170903a

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なにも書けない孤独な夜を・・~又吉直樹 in 旧江戸川乱歩邸(朝日be)

今夜は意外と早く雨が降り出して、予定が狂ってしまった。天気予報

の降水確率は、月曜未明まで10%~20%。一時的に天気が崩れる

としても、日曜の午後という情報だったんだけどね。

 

わざわざタイヤに空気を入れた自転車には乗れなくなったし、ランに

切り替える気にもなれない。あぁ、今日の分のブログ記事は自転車

日誌+α(アルファ)のつもりだったのに、どうしよう。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

・・って感じで、毎日更新マニアック・ブロガーはたまに追い詰められ

てるのだ♪

 

1日も休まずに12年間も書き続けるには、その日に何を書くか、前日

までに決めとくのがフツー。その予定を自分で積極的に変えるのなら

いいとして、何らかのアクシデントで変えるハメになると、パソコンを前

にして悩むことになる。って言うか、そもそもPCの電源を入れる気に

ならないことも珍しくない。

 

だから今夜は、昨日(17年7月1日)の朝日新聞・別刷beの又吉の

コラムを思い出してしまった。初回にウチで感想記事を書いてる、月

1回掲載のシリーズ、「いつか見る風景」。今回の長いタイトルはこう

なってた。

 

  なにも書けない孤独な夜を 

   いつか誰かが乗り越えてゆく

 

 

      ☆        ☆        ☆

上の1行目だけなら平凡な書き手のつぶやきだけど、2行目が秀逸

で文学的。やっぱり、単なるタレント作家の枠を越えた才能を感じる。

 

文章にせよ、お笑いのネタにせよ、自分が何も書けなくて困ってる

状況を、他人が困ってる状況と重ね合わせてる。私という一人称と、

不特定多数の三人称・複数形。重ね合わせの媒介となるのが、本棚

にズラッと並ぶ本。写真は時津剛撮影。

 

170702a

 

本棚というのは、「誰かが夜を乗り越えて作品を完成させた証拠が 

並んでいることが心強い」。

 

そこには、本という物体の重みや厚みも関係してるだろう。背景にある

歴史や体験を感じさせる手触りや外観。ネットや電子書籍だと、やはり

軽いのだ。

 

芸人になるための修行時代、授業で講師に見せるためのネタ作りで

苦しんだ経験を思い出して、こうも書いてた。「かつて養成所の同期達 

に対して感じたなにかを共有できているような得体のしれない感覚と 

よく似ている」

 

 

      ☆        ☆        ☆

ちなみに上の2つの短い引用文は、直接的には、又吉自身の部屋

の本棚を眺める感じを書いたもの。

 

ただ、今回のコラムは一応、旧江戸川乱歩邸(東京都豊島区、立教

大学・大衆文化研究センター)の訪問記という建前であって、上の

写真も(一般非公開の?)土蔵「幻影城」の内部。

 

写真の下には、「お気に入りの短編『人間椅子』に読みふける」と

書き添えてあったけど、土蔵に乱歩の名作小説があるのかどうか

不明だし、手に取って読んでいいのかどうかも不明。又吉が持参

したのか、あるいは全然関係ない本とか♪

 

とにかく「趣のある家」で、「乱歩が書庫として使った土蔵の本棚

には、あらゆる種類の本が並んでいる」。

 

下はセンターHPより、乱歩邸の外観の写真。

 

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      ☆        ☆        ☆

コラムの最後は、芸術的で美しい文章で締めくくられてるので、やや

長めに引用させて頂こう。

 

 その本棚を眺めると、原稿に向かう乱歩の姿が容易に想像 

 できた。乱歩は、この本を入口としてどこの時代のどこの街 

 にでも行けたのではないか。そして、僕も自分の部屋の本棚 

 にある乱歩全集を入口として、ここに来たことがあるような

 気がした。

  「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」という幻想的な乱歩 

 の言葉も、ここでは妙に生々しく響き、自分の身体に浸透して 

 くる。 

 

 

自分の本棚から乱歩の本棚へと話を展開させた後、時空を超えて2つ

の本棚を結びつける発想は、お笑いやテレビのものではないだろう。

もはや文学とか、芸術系の映画の領域。

 

 

      ☆        ☆        ☆

なお、乱歩の言葉は色紙に書いてたもののようで、鈴木貞美氏の

論文『江戸川乱歩、眼の戦慄』によると、昭和の簡易映写機「幻燈」

とのつながりを読み取ることも可能。

 

170702b

 

現実世界と夜の夢と、どちらが「まことか」という問いかけは、もう少し

ひねると、『荘子』(斉物論)の「胡蝶の夢」という挿話になる。引用は

中国語版ウィキソースより

 

170702c

 

荘周という人が、蝶になって飛んでたが、やがて目が覚めた。荘周が

夢の中で蝶になったのか、蝶が夢の中で荘周になったのか、どちらか

分からない。。

 

 

       ☆        ☆        ☆

又吉が幻影城の中で乱歩になったのか、あるいは、乱歩が幻影城の

中で又吉になったのか。そもそも、それら2つは別の事なのだろうか

・・とか思いつつ、今夜はそろそろ終わりにしよう。

 

乱歩はNHKの英語講座『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』にも

登場してるので、いずれ別記事を書くかも。なお今週は計14863字

となった。本降りになった雨音を聞きつつ、ではまた来週。。☆彡

 

 

 

cf. 横浜競馬場の「老いた3人の賢者」

      ~又吉直樹のいつか見る風景(朝日be)

  又吉直樹『火花』、吉祥寺の安アパートで思うこと

 

                    (計 1968字)

         (追記 23字 ; 合計 1991字)

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