又吉直樹『火花』、吉祥寺の安アパートで思うこと~『いつか見る風景』(朝日be)

お笑い芸人・又吉直樹の大ベストセラー小説『火花』は、発行部数

300万部とか言われる。芥川賞受賞後の第二作『劇場』も、初版

だけで30万部(その後は不明)。

 

ただ、こうした数字の大部分は単なる流行現象であって、一瞬の火花

とまでは言わないにせよ、「作家」又吉の評価とは違ってると思う。

 

というのも、『火花』の舞台について本人が語ったエッセイが、17年

11月4日の朝日新聞・別刷beに掲載されたのに、全くと言っていい

ほど話題になってないからだ。

 

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バズるとかトレンドとは、かけ離れた反応になってる。今をときめく人気

俳優をキャスティングした映画『火花』も、11月23日公開予定なのに。。

 

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      ☆        ☆        ☆

丸1日近く経った時点で、コラム名と著者名を入れてツイッター検索を

かけると、わずか7つしかツイートがヒットしない。しかも、リツイートを

除いて検索してるはずなのに、朝日新聞関連の同じツイートが4つ

も入ってるから、実質的にはたった3、4人しかつぶやいてない。

 

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爆発的に売れた後でさえ、こんな状況だから、売れる前の淋しさや

悔しさ、自己嫌悪は悲惨だったはず。まあ、だからこそ悲惨な様子を

描いた小説が審査員の目に留まって、出版界のプッシュが成功した

とも言えるから、人生は皮肉なものだと思う。

 

ちなみに私自身は又吉の文章を評価してるから、既に2回、連載に

ついて記事を書いてる。ただ、他の記事と比べても、アクセス数が

少なめなのは事実。「インスタ映え」しないからか♪ 文章だろ!

 

cf. 横浜競馬場の「老いた3人の賢者」

     ~又吉直樹のいつか見る風景(朝日be)

  なにも書けない孤独な夜を・・

    ~又吉直樹 in 旧江戸川乱歩邸(朝日be)

 

 

      ☆        ☆        ☆

さて、月1回の長めの連載コラム、「又吉直樹の いつか見る風景」。

今回の「風景」は、吉祥寺(東京都武蔵野市)。

 

都内でも人気の街だけど、私はちょっと苦手で、数回しか行ったことが

ない。又吉の描写を引用してみよう。

 

 吉祥寺は魅力的な街だ。デパートや飲食店が立ち並ぶ

 エリアのすぐ近くに井の頭公園があって、街と自然が 

 共存している。普段から学生がたくさんいて、休日には 

 家族連れや若者で溢れかえる。流行に敏感な店も多いし、 

 この地に根を張った実力派の喫茶店や書店もある。

 

 

私の第一印象は、ゴチャゴチャして分かりにくいなという感じだった

(失礼♪)。井の頭公園も、池の形からして分かりにくいし、実際、池の

底を探るとゴミだらけだったというニュースもあった。もちろん今行けば、

そうした共存とか混沌の魅力を味わえると思うけど、何事も第一印象

の影響力は大きい。

 

自然と足が遠のいて、居心地のいい渋谷あたりに行くことが増えた。

あるいは、大都会の新宿、夜遊びの六本木、大人の街の銀座とか。

どこも、一つのイメージでつかみやすくて、スッキリしてる気がした。。

 

 

     ☆        ☆        ☆

又吉自身は、私とは別の意味で、吉祥寺に屈折した思いを持ってた

らしい。昭和とか昔の話ではなく、ほんの数年前のことだ。

 

 夕暮れ時に学生や会社員とすれ違うとき、なぜか後ろめたさ

 があった。喫茶店に行く時は小銭を数えて扉を開いた。眩しい 

 吉祥寺の風景は、何者でもない自分の存在を際立たせた。

 

 

実は人気者になった今でも、彼の基本的な感覚はあんまし変わって

ないだろうと想像する。まあでも、売れない時代、恵まれない境遇

だと、一段と身に沁みるものはあっただろう。

 

とはいえ、だからこそ貴重な体験も可能になるし、笑いのネタも手に

入る。お笑い芸人・又吉は、単に暗い生活を暗く思い出してるのでは

ない。エッセイの冒頭、風呂なし、トイレ・水道共用、築六十五年の

安アパートのことも、ヒネったオチで笑い飛ばしてる。

 

 その頃、不動産屋の前を通るたびに、他に安くて良いアパートは

 ないかと店頭に貼り出された物件情報を眺めることが多かった。

 たまに吉祥寺駅から徒歩十分圏内で家賃二万円台の物件が

 あって、自分が住んでいるアパート以外にも格安の物件がある

 のだなと驚かされることがあったが、写真をよく観察すると、それ

 は必ず綺麗な雰囲気で撮影された自分のアパートだった。 

 

 

      ☆        ☆        ☆

そうした情景は、私にとって、「いつか見た風景」だ。高校卒業後、

田舎から首都圏に出て来た時、アパートは自分で選んだものじゃ

なく、機械的に紹介されて決まった物件だった。

 

ハッキリ言ってボロくて、見た目も名前もさえないけど、最初だから

こんなものかと、逆に闘志を燃やすキッカケにもなった。街自体が

おそろしく地味だったけど、それもまた18歳の少年にとってはいい

刺激になったのだ。今に見てろよって感じで、文字通り、青い春♪

 

又吉は、「安いからなのかアパートの住民は変わった人が多かった

と書いてる。より正確には、「すごく安いから」と言うべきかも。

 

エアコンが無くて開けっ放しの窓から見えた部屋の中には、「世界征服」

と書かれた大きな紙(笑)。実話なんだから、本人が名誉棄損で又吉を

訴えれば、億単位で稼いだ印税の一部が手に入るかも♪

 

あるいは、お経を唱えながら歩いているおじさんを見て、変わった人

だなと思ってたら、そのまま自分と同じアパートに入ったとか(笑)。

駅前で、猫の絵が描かれた旗を自転車にくくりつけて、ギターを弾き

ながら猫語で歌うおじさんとか♪

 

 

      ☆        ☆        ☆

そうそう。私の最初のアパートにも、変わった人が多かった。部屋に、

「世界征服」とちょっと似た言葉を大きく書いた紙を貼ってる、可愛い

少年とか(笑)。自分か!

 

LGBTらしき方々を初めて身近で見たのも、このアパート。聞き取る

のが困難な日本語を初めて聞いたのも、ここだった。皆さん、今どう

してるのかね。そのアパートは既に無くなってるらしいけど、街の様子

はあんまし変わってない気がする。何しろ、首都圏なのに全く話題に

ならない街なのだ♪

 

その後、私はわりのいいアルバイトを始めて、収入がかなり増えた

こともあって、住みやすい街に引っ越した。その時初めて、街の格差

というものを思い知らされたのだ。家賃は遥かに高くても、圧倒的に

住みやすい。何しろ、街を歩いてていきなり因縁をつけられることが

なくなったから(笑)。普通だろ!

 

・・・って感じの回想録を書き始めたら長くなるから、今日はそろそろ

終わりにしよう。今週は計15328字で終了。制限オーバーだけど、

削るのが面倒だからスルーしとこう♪ ではまた来週。。☆彡

 

               (計 2610字)

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カズオ・イシグロ『Never Let Me Go』(わたしを離さないで)、英語原書と英語版ウィキのあらすじ

(☆17年10月20日の追記: ドラマ記事をアップ。

  『わたしを離さないで』第1話、ノーベル賞記念再放送の軽い感想 )

 

 

     ☆        ☆        ☆

最初に正直に言うと、この記事はもともと文学レビューにするはず

だったのに、挫折してしまったものだ。半ば、日記・つぶやきの類の

記事なので、悪しからず♪ 昨日の記事を詳しく書き直した感じだ。

 

本人も含めて全く意外な受賞となった、日系英国人カズオ・イシグロ

(石黒一雄)のノーベル文学賞。金曜日(2017年10月6日)に2つ

の書店で探してみたけど、どちらにも全く見当たらないし、品切れや

売り切れを示す掲示もない。店員に聞こうとしても、たまたま(?)

誰も店内を歩いてないし、サービスカウンターも他の客が占有中。

 

そこで、英語原書の冒頭を読み始めたものの、何とも分かりにくい。

そう言えばイシグロの叔母か誰かの感想も、「難しい」の一言だった。

文体や言葉が凝ってるわけではないし、理屈が難しいわけでもない

けど、雲をつかむような主人公のモノローグ(独白)が延々と続く。

 

状況も人間関係も分かりにくいし、事実と幻想、客観的描写と主観的

思いの区別も意図的にボカされてる。過去を回想してるのか、現在

の思いをつぶやいてるのか、その辺りも微妙。

 

日本語訳で読んでも苦労しそうだから、英語の原文をサラッと読み

流すのは無理だった。仕方なく、途中で英語版ウィキをカンニング

すると、筋書き自体は日本のライトノベルやマンガでもありそうだ。

実際、ヒロイン・綾波レイが複合的なクローンだった人気アニメ、

『新世紀エヴァンゲリオン』ともちょっと似てる。

 

ということは、イシグロ独特の書き方、表現の仕方が、ノーベル賞に

値するということか。。

 

 

     ☆        ☆        ☆

さて、著作権的に違法な情報を除くと、英語の原文を読みたい時の

スタート地点は、amazonかgoogle booksだ。

 

両方を調べると、冒頭は読めることが多いし、グーグルだとかなりの

部分を無料で読めてしまうこともある。特に、英語や古典の場合。

 

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Kazuo Ishiguroの『Never Let Me Go』

(邦訳: わたしを離さないで)だと、アマゾンもグーグルも冒頭の

20ページほどが公開されてた。ここでは、アマゾン(英国)の電子

書籍kindle(キンドル)から見てみよう。

 

全体は三部構成で、第一部(1章~9章)、第二部(10章~17章)、

第三部(18章~23章)。2010年のペーパーバックだと、304

ページ。分量的には、普通の長編小説だ。

 

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31歳の「介護者」(carer)、キャシー(Kathy)が、自らの経歴

を振り返る形で物語がスタート。既に11年以上で、周囲にはあと

8ヶ月いて欲しいと思われてるらしい。

 

この長さだけなら自慢にはならないけど、自分が担当する「ドナー」

(実は臓器提供用のクローン人間)については、上手く扱って来た

つもり。だから、仕事ぶりに関してはちょっと自慢にはなる。

 

しかし、上手く仕事すること、特に、ドナーを「静か」にさせたことは、

私にとって大きな意味を持つ(means a lot to me)。

もちろん、単なる誇りではなく。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

この後まもなく、ヘールシャム(Hailsham)と呼ばれる寄宿学校で

一緒だった仲間、ルース(Ruth)とトミー(Tommy)の話になる。

妙な学校名は、「hail」が「歓迎する」、「sham」が「偽物」だから、

「偽物歓迎」。つまり、クローン歓迎という皮肉。

 

全体の流れが見えない宙づり状態に疲れてしまったので、私は

ここで英語版ウィキのあらすじ(Plot)、人物紹介などを読んで

しまった♪ 『Never Let Me Go』はキャシーが学生時代

に好きだった曲のタイトルらしい。

 

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日本語ウィキの3倍くらい詳しい説明になってるけど、ここでは

手短にまとめとこう。以下、内容のネタバレになるのでご注意あれ。

 

ちなみに上の冒頭。小説を直接読むと11年4ヶ月弱の経歴なのに、

ほとんど12年と説明してある。そうした細かい部分についてはあまり

信頼できないかも。

 

 

     ☆        ☆        ☆

 以下、あらすじ(英語版ウィキのプロット)のまとめ。

 

 臓器提供者の世話係であるキャシーは、よく学校(ヘイルシャム)

 時代を思い出す。そこでは、健康の大切さが強調され、芸術作品

 を創ることも重要だった。「マダム」と呼ばれる女性に選ばれた

 ベスト・アートは、ギャラリーに飾ってもらえる。

 

 物語は3人の生徒をめぐって展開される。キャシーの他に、ルース

 とトミー。キャシーはいじめられっ子のトミーの相手をしながら、彼

 への思いを募らせるが、トミーはルースと恋愛関係になる。

 

 ルーシーという保護者(=教官)は生徒たちに、あなた達は臓器

 提供者として生み出された存在だと話したが、みんな静かに運命

 を受け止めた。ルーシーは学校を去ることに。

 

 16歳で、キャシー、ルース、トミーの3人はコテージと呼ばれる

 住居に移動。キャシーは男性と浅い関係を持ってて、自分の性的

 衝動が異常ではないかと心配する。

 

 2人の年上の同居者(クリシーとロドニー?)が、ルースに似た

 女性を見かけて、彼女のクローンとしてルースが作られたのでは

 ないかと話した。5人で探す旅に出かけると、年上の2人が噂話を

 する。ヘイルシャムの生徒だけに特権があって、本当に愛し合う

 カップルは臓器提供を遅らせることができるとか。その後、ルース

 に似た女性を発見したものの、表面的に似てるだけだった。

 

 旅行中、キャシーとトミーは、キャシーが学校時代に失くした音楽

 テープを別々に探す。どうもトミーは、キャシーに特別な思いを

 持ってるようだ。 彼らはテープを発見。さらに、マダムが芸術作品

 を選んでたのは、本当に愛し合うカップルを決めるためではないか

 と考えるようになる。そうした事に気づいたルースは、妨害工作で

 キャシーとトミーの仲を引き裂く。キャシーは一人、去って行き、

 介護者となった。

 

 やがて10年の月日が経過。キャシーはルースの介護者となった。

 もうすぐルースは終わりを迎えるので、トミーも誘ってまた旅に出る。

 そこでルースは、キャシーとトミーの仲を引き裂いたことを後悔し、

 マダムの住所(アドレス)を教える。そして、臓器提供をした後、

 死を迎えた。

 

 その後、キャシーはトミーの介護者になり、愛を育み始める。トミー

 のアートをマダムの家に持って行き、臓器提供の延期を求めた

 けど、無理だった。実は、そんな延期の規定など無かったのだ。

 

 トミーの最後の臓器提供の前に、キャシーは辞めて、彼の前から

 消え去る。小説の最後はキャシー一人で、トミーは既にいない。

 キャシー自身の臓器提供もまもなく始まる。。

 

                 (あらすじ終了)

 

 

      ☆        ☆        ☆

何とも悲しい物語で、SFというより近未来の予測みたいだし、既に

ある程度は現実のものとなってることだ。

 

生殖医療や遺伝子操作技術は、倫理的な歯止めのきかない流れ

になりつつある。より良い人体を求める、果てしない欲望のたわむれ。

 

「マダム」とは明らかに、救い主のように見える存在のことだろう。神

にせよ、最高権力者にせよ。そこに微かな希望を持って、真実の愛

と共に助けを求めると、何の救いも無かった。この辺り、イシグロの

宗教観を示してるのかも。

 

ちなみに去年(2016年)のTBSドラマだと、キャシーは保科恭子

(綾瀬はるか)、トミーは友彦(三浦春馬)、ルースは美和(水川

あさみ)へと変更されてるようだ。公式サイトの相関図より

 

受賞後の放送なら、平均視聴率が6.8%に留まることはなかった

はず。かと言って、今さら再放送しても、時すでに遅しか。。

 

(☆追記: 10月18日から深夜に再放送されることになった。)

 

 

      ☆        ☆        ☆

なお、「Never Let Me Go」の「Go」には、「死ぬ」と

いう意味もある。つまり、タイトルには、「わたしを死なせないで」とか

わたしを逝かせないで」という意味もある。

 

ひょっとすると、「Go」には「役立つ」という意味も込められてるかも

知れない。「わたしを役立たせないで」。つまり、わたしの臓器提供

を止めて、という解釈や深読みも一応可能。

 

まあ、原作を読まずに語るのはこのくらいに留めとこう。

それでは今日はこの辺で。。☆彡

 

 

               (計 3267字)

     (追記 89字 ; 合計 3356字)

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夏目漱石『自転車日記』、100年前のイギリスで猛練習♪&多摩川

BIKE 59.6km,2時間11分,平均心拍 131 

消費エネルギー 1210kcal (脂肪 351kcal)

 

吾輩は「吾輩は猫である」に挫折した少年である・・・っていう話は

以前、思い出記事に書いたことだけど、今回は短いエッセイだから

何とか読み通せた♪ まあでも、100年以上前の文章だし、かなり

苦戦したけど (^^ゞ

 

さて、かの有名な文豪、夏目漱石が、「自転車日記」というエッセイを

書いてるなんて話は、聞いたこともなかったけど、先日ドラマ記事の

下調べをした時にたまたま知ったのだ。「呵責」(かしゃく)という言葉

の、「良心」と関係ない用例を調べてたら、面白い例文があった♪

 

 「この二婆さんの呵責に逢てより以来・・・」

 

漱石が英国留学中、2人の婆さんに「自転車責」めでイジメられて、

嘆いてるのだ(笑)。漱石のユーモアの原点はこんな所にも表れてた

のか。

 

 

     ☆        ☆        ☆

折角の機会だから、彼がメジャーな小説を書く前、『ホトトギス』第6巻

第10号に発表されたエッセイの感想とまとめを書いとこう。

 

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レビューというほどのものではないので、悪しからず。著作権は消滅

済みで、無料の電子図書館「青空文庫」で公開中。元になった本は、

筑摩書房の夏目漱石全集。

 

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1902年の秋だから、2年間の留学の終わり頃の話。神経衰弱

に苦しんでた彼に、下宿のおばさんが自転車を勧めたらしい。

自転車に御乗んなさい」。

 

親切なアドバイスのようにも感じられるけど、漱石にとって「呵責」

だった。おばさんの巨体から心理的圧力を受けたのかも♪ 二十

貫目というのは、20×3.75=75kgの体重という意味だろう。

それにしては漱石の表現が大げさだけど、これも文学か。

 

 

     ☆        ☆        ☆

自転車のコーチとして、誰か男性が付き添ってくれたようで、まず

自転車を選ぶ所からスタート。買ったのか借りたのか不明だけど、

帰国前だし、借りたのかな。コケまくりでボロボロの返却とか♪

 

 「悄然たる余を従えて自転車屋へと飛び込みたる彼はまず 

  女乗の手頃なる奴を撰んでこれがよかろうと云う、その 

  理由いかにと尋ぬるに初学入門の捷径はこれに限る・・」

 

初めてだから女性用の自転車を勧められて、漱石は屈辱を感じる。

わかりやすい男子だね♪ ここで当時の自転車を見ておこう。

 

まず、1889年のレディース安全自転車。既に、今のママチャリに

似たスタイルになってる。上のフレーム(トップチューブ)が無いから

乗りやすいし、チェーンのカバーが付いてるから洋服が汚れない。

英語版ウィキペディアより。

 

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一方、1900年を過ぎた頃の男性用が次の写真(または絵画)。

今でも売れそうなクラシック・スタイルで、半円形チューブがオシャレ。

 

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     ☆        ☆        ☆

漱石は結局、もっとカッコ悪い男向け自転車で妥協となった。古くて

ギーギー「関節」が音を立てるほど♪

 

全くの初めてだった漱石は、あぁ、もうダメだと大げさに嘆くことで、

間接的に手助けを頼む(笑)

 

 「さあ、僕がしっかり抑えているから乗りたまえ、おっとそう真とも 

  に乗っては顛り返る、そら見たまえ、膝を打たろう、今度は 

  そーっと尻をかけて両手でここを握って、よしか、僕が前へ 

  押し出すからその勢で調子に乗って駆け出すんだよ、と

  怖がる者を面白半分前へ突き出す、然るにすべてこれらの

  準備すべてこれらの労力が突き出される瞬間において砂地

  に横面を抛りつけるための準備にして・・・」

 

というわけで、敵の狙い通り、漱石は落車したようだけど、ケガや

出血の話は書いてない。それより、周囲の見物人の視線が気に

なったわけか♪ かなり自意識とか自尊心が強い日本男児。

 

 

     ☆        ☆        ☆

その後、別の日には、早くも激坂にチャレンジしてる。ただし、下り♪

 

 「坂の長さ二丁余、傾斜の角度二十度ばかり、路幅十間を

  超えて人通多からず

 

今の単位に直すと、長さ200m、道幅18mくらいだから、スキー場

のゲレンデみたいな坂だ。二十度というのは大げさ過ぎ! 勾配

20%としても急過ぎて危ないから、これも文学的誇張だ♪ 客観的

描写ではなく、主観的な心理描写。ブレーキ性能も貧弱だろうし。

 

たまたま「女学生が五十人ばかり」向こうからやって来たというのは、

事実かね? 案外、抑圧的な異国生活で歪曲された性的欲望に

よる、幻想かも(笑)

 

実際、その下り坂特訓を切り抜けた直後に、「妙齢なる美人」から

サイクリングのお誘いを受けて、動揺してるのだ♪ 「細君」という

ことは、人妻かな? この時、漱石は結婚してるから、W不倫もどき

になる。まあ、週刊文春の登場は半世紀後だから大丈夫か(笑)

 

 

      ☆        ☆        ☆

で、自転車に乗れないから人妻不倫サイクリングは丁重にお断り

した後、今度は急ハンドルを切って、後続車を転倒させたらしい♪

 

 「ハンドルをギューッと捩ったら、自転車は九十度の角度を

  一どきに廻ってしまった

 

九十度回転を一瞬で行うのは物理的に不可能だけど、要するに

後ろを確認したり合図を出したりせず、いきなり直角に曲がったと。

ダメなサイクリストの典型だね♪ あっ、当時は自動車が走ってない

から、安全の意識が弱いのかも。

 

とにかく、婆さん2人に笑われながら悪戦苦闘するハメになったから、

仕返しとして、「下宿の飯を二人前食いし」(笑)。まあ、安くてまずい

パンだろうから、反撃としては弱すぎたかも。追加料金を取られた

とか♪

 

 

      ☆        ☆        ☆

そろそろ、この辺で時間も字数も無くなって来たから、終わりにしよう。

興味のある方は、青空文庫で格調高き原文をお試しあれ。

 

漱石と違って本物のサイクリストの私は今日、多摩川を60kmほど

走って来た。気温18度前後、湿度90%、風速2mは快適な

条件♪ トータルの平均時速27.3km。ウェアはあんまし濡れて

ないけど、ボトルの水は全部飲んだし、汗はかなりかいたと思う。

東京都と調布市の合同防災訓練が大々的に開催されてた。

 

なお、今週は計18408字で終了。ブログ公開12周年の特別な週

だったから、週間字数制限15000字を大幅にオーバーした。ま、

たまにはいいでしょ。それでは、また来週。。☆彡

                  (計 2481字)

 

170903a

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なにも書けない孤独な夜を・・~又吉直樹 in 旧江戸川乱歩邸(朝日be)

今夜は意外と早く雨が降り出して、予定が狂ってしまった。天気予報

の降水確率は、月曜未明まで10%~20%。一時的に天気が崩れる

としても、日曜の午後という情報だったんだけどね。

 

わざわざタイヤに空気を入れた自転車には乗れなくなったし、ランに

切り替える気にもなれない。あぁ、今日の分のブログ記事は自転車

日誌+α(アルファ)のつもりだったのに、どうしよう。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

・・って感じで、毎日更新マニアック・ブロガーはたまに追い詰められ

てるのだ♪

 

1日も休まずに12年間も書き続けるには、その日に何を書くか、前日

までに決めとくのがフツー。その予定を自分で積極的に変えるのなら

いいとして、何らかのアクシデントで変えるハメになると、パソコンを前

にして悩むことになる。って言うか、そもそもPCの電源を入れる気に

ならないことも珍しくない。

 

だから今夜は、昨日(17年7月1日)の朝日新聞・別刷beの又吉の

コラムを思い出してしまった。初回にウチで感想記事を書いてる、月

1回掲載のシリーズ、「いつか見る風景」。今回の長いタイトルはこう

なってた。

 

  なにも書けない孤独な夜を 

   いつか誰かが乗り越えてゆく

 

 

      ☆        ☆        ☆

上の1行目だけなら平凡な書き手のつぶやきだけど、2行目が秀逸

で文学的。やっぱり、単なるタレント作家の枠を越えた才能を感じる。

 

文章にせよ、お笑いのネタにせよ、自分が何も書けなくて困ってる

状況を、他人が困ってる状況と重ね合わせてる。私という一人称と、

不特定多数の三人称・複数形。重ね合わせの媒介となるのが、本棚

にズラッと並ぶ本。写真は時津剛撮影。

 

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本棚というのは、「誰かが夜を乗り越えて作品を完成させた証拠が 

並んでいることが心強い」。

 

そこには、本という物体の重みや厚みも関係してるだろう。背景にある

歴史や体験を感じさせる手触りや外観。ネットや電子書籍だと、やはり

軽いのだ。

 

芸人になるための修行時代、授業で講師に見せるためのネタ作りで

苦しんだ経験を思い出して、こうも書いてた。「かつて養成所の同期達 

に対して感じたなにかを共有できているような得体のしれない感覚と 

よく似ている」

 

 

      ☆        ☆        ☆

ちなみに上の2つの短い引用文は、直接的には、又吉自身の部屋

の本棚を眺める感じを書いたもの。

 

ただ、今回のコラムは一応、旧江戸川乱歩邸(東京都豊島区、立教

大学・大衆文化研究センター)の訪問記という建前であって、上の

写真も(一般非公開の?)土蔵「幻影城」の内部。

 

写真の下には、「お気に入りの短編『人間椅子』に読みふける」と

書き添えてあったけど、土蔵に乱歩の名作小説があるのかどうか

不明だし、手に取って読んでいいのかどうかも不明。又吉が持参

したのか、あるいは全然関係ない本とか♪

 

とにかく「趣のある家」で、「乱歩が書庫として使った土蔵の本棚

には、あらゆる種類の本が並んでいる」。

 

下はセンターHPより、乱歩邸の外観の写真。

 

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      ☆        ☆        ☆

コラムの最後は、芸術的で美しい文章で締めくくられてるので、やや

長めに引用させて頂こう。

 

 その本棚を眺めると、原稿に向かう乱歩の姿が容易に想像 

 できた。乱歩は、この本を入口としてどこの時代のどこの街 

 にでも行けたのではないか。そして、僕も自分の部屋の本棚 

 にある乱歩全集を入口として、ここに来たことがあるような

 気がした。

  「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」という幻想的な乱歩 

 の言葉も、ここでは妙に生々しく響き、自分の身体に浸透して 

 くる。 

 

 

自分の本棚から乱歩の本棚へと話を展開させた後、時空を超えて2つ

の本棚を結びつける発想は、お笑いやテレビのものではないだろう。

もはや文学とか、芸術系の映画の領域。

 

 

      ☆        ☆        ☆

なお、乱歩の言葉は色紙に書いてたもののようで、鈴木貞美氏の

論文『江戸川乱歩、眼の戦慄』によると、昭和の簡易映写機「幻燈」

とのつながりを読み取ることも可能。

 

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現実世界と夜の夢と、どちらが「まことか」という問いかけは、もう少し

ひねると、『荘子』(斉物論)の「胡蝶の夢」という挿話になる。引用は

中国語版ウィキソースより

 

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荘周という人が、蝶になって飛んでたが、やがて目が覚めた。荘周が

夢の中で蝶になったのか、蝶が夢の中で荘周になったのか、どちらか

分からない。。

 

 

       ☆        ☆        ☆

又吉が幻影城の中で乱歩になったのか、あるいは、乱歩が幻影城の

中で又吉になったのか。そもそも、それら2つは別の事なのだろうか

・・とか思いつつ、今夜はそろそろ終わりにしよう。

 

乱歩はNHKの英語講座『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』にも

登場してるので、いずれ別記事を書くかも。なお今週は計14863字

となった。本降りになった雨音を聞きつつ、ではまた来週。。☆彡

 

 

 

cf. 横浜競馬場の「老いた3人の賢者」

      ~又吉直樹のいつか見る風景(朝日be)

  又吉直樹『火花』、吉祥寺の安アパートで思うこと

 

                    (計 1968字)

         (追記 23字 ; 合計 1991字)

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最近の車のライト、反抗期みたいな顔つき♪&右膝リハビリラン

(14日) RUN 10km,50分30秒,平均心拍 149

   消費エネルギー  540kcal (脂肪 97kcal)

 

数あるネットメディアの中でも、IT mediaは面白くてマニアックな

記事が多い複合サイトの一つで、安心して楽しめる。サブカルチャー

とかのコネタに特化した「ねとらぼ」は、誰でも見たことあると思う。

 

一昨日、たまたまどこかのポータルサイトで見かけた配信記事も

面白かった。題名だけの釣り記事じゃなく、しっかりした取材記事

(執筆・山口恵祐)。本来のサイトの記事にリンクを張っとこう。

 

 最近のクルマ、顔つきが“反抗期”っぽいのはなぜ?

  カーデザインのプロに理由を聞いた

 

現在、ニュース・ランキング2位。ちなみに1位は、アダルト系を装った

釣り記事もどきだ♪(実際はIT関連)。

 

 

      ☆        ☆        ☆

最近の車のヘッドライト回りが、ずいぶん突っ張ってるなと感じた

のは、トヨタのプリウスがモデルチェンジした頃だった。

 

170615a

 

内心、「こんなツッパリ系デザイン、普通の人が買うの?」と思った

けど、口に出したことはない♪

 

そうゆう事を言うと、古臭い感覚の持ち主だと思われそうなことくらい

は、ちゃんと分かってるのだ(笑)。まあでも、単なる一時期の流行だ

とは思う。過去、とんがったデザインが長続きしたことはないはず。

 

もちろん、デザインする側からすれば、それでいいのだ。流行が次々

に変われば、商品の買い替えにも、デザインのお仕事にもつながる

から♪

 

普通の消費者も、新しいファッションを取り入れてるような満足感に

浸れるし、普通じゃない人も冷めた視線を楽しめる(笑)。地球環境

が喜んでくれるかどうかはビミョーだけど、そんなものは二の次か三

の次の話。人間あっての環境というのが本音、本質なのであった。。

 

 

     ☆        ☆        ☆

百聞は一見に如かず。トヨタ・ヴィッツの初代(1999年)から4代目

(2014年)までの変遷を引用させて頂こう。

 

170615b

 

 

170615c

 

非常に分かりやすい変化で、元記事では幼少期・小学生・中学生・

高校生にたとえてる。ということは、そろそろ反抗期は終了のはず♪

で、20年後くらいにまた、ちょいワル親父になるとか(笑) 

 

 

     ☆        ☆        ☆   

有名な専門学校・HAL東京の坂口善英教官、内藤則明教官の話

だと、女性のお化粧のトレンドも関係してるとか。

 

目がつり上がったような化粧は確かにあるけど、トレンドと呼べる

ほどの大きな流れなのかどうかは不明。今回の記事でもそこまでは

解説されてない。

 

プラスチック素材とかLEDライトとか、車の材料や技術の進歩も当然

関係ある。ただ、そこから「反抗期」デザインまでは距離があるわけ

で、要するに感覚的、主観的なものだろう。素材に似合うとか、時代に

合わないとか。

 

「軽薄短小」が技術発展の典型なのはその通りとしても、そこから

反抗期デザインまでの距離もかなりある。そもそもツッパリの制服

はあまり軽薄短小ではない。都会のツッパリ女子高生のスカートを

除いて♪

 

 

      ☆        ☆        ☆  

私がすぐ感じたのは、カーデザインのスタジオ自体が鋭いデザイン

になってること。文字通り、「鋭角」(90度未満の角度)が多いのだ。

やっぱり、教官も認める通り、車は特に男の世界という部分が大きい

と思う。

 

170615d

 

ただ、男の草食化もあるし、女性の社会進出もある。それどころか

AIがデザインする時代も遠くないはず。

 

おそらく最近の尖った反抗期デザインは、将来の人たちにとっては

笑えるレトロになるだろう。バブル前の昭和が、平成の今そうなってる

ように。

 

さて、20年後のクルマはどうなってるのか。空を飛ぶ話も具体的に

進む一方、超小型化の動きもある。そもそも乗客が人間である保証

さえない♪ 案外、作るのも乗るのもAIやロボットだけになるかも。。 

 

 

     ☆        ☆        ☆

最後に一言、昨日の走りについて。前日の傘ジョグで右膝を痛めて、

変な走りになったから、昨日はずっと右脚全体が痛くて、左足も変な

疲れがあった。

 

1日、休もうかな・・とか思いつつ、試しにそろそろ走り出してみると、

右膝を深めに曲げれば何とかなる。そのまま徐々にスピードアップ。

途中、2回だけ右膝がミシッと痛んだけど、大したことはなかった。

 

トータルでは1km5分03秒ペース。中途半端だけど、まあ、良しと

しようか。右脚をかばってたから、またかなり疲れを蓄積したかも。

気温19度、湿度85%、風速1.5mの条件は、途中から蒸し暑く

感じて、僅か10kmで汗ビッショリになってしまった。

 

英国のタワー火災が気になりつつ、ではまた明日。。☆彡

 

 

          時間  平均心拍  最大

往路(1.2km)   6分38秒 118 128

LAP1(2.2km) 11分37秒 141 147

  2        10分55秒 150 156

  3        10分41秒 158 164

復路(2.2km) 10分39秒 161 169

計 10km 50分30秒 心拍平均149(83%) 最大169(94%)

 

                  (計 1991字)

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パノプティコン(一望監視装置byベンサム)と、安倍首相の一強体制

先日、朝日新聞でちょっと面白い連載が始まった。興味深いという

よりも単純に、色んな意味で面白い内容だ。2017年4月18日

から朝刊に掲載されてる、「パノプティコンの住人」。

   

大型企画「1強」の第2部のタイトルで、第1回の大見出しは「首相

から電話 質問を封印」、「意をくみ、自ら縛る議員たち」となってる。

  

この2つの見出しだけでも、

 「パノプティコンの住人」=「安倍一強に支配された世界の人々

という意味だろうと想像できる。記者は、二階堂友紀、中崎太郎。

  

ちなみに言葉的には、パン(pan)が「すべての」、オプティコン

(opticon)が「目の、視覚の」というような意味だから、パノプ

ティコンとは「すべてを見るもの」といった感じの意味になる。

     

   

      ☆        ☆        ☆

170422a

     

知る人ぞ知る言葉だが、ほとんどの人は知らない「パノプティコン」

(panopticon)。朝日は3面に上図を掲載すると共に、1面で

こう説明してた(1面担当は二階堂記者だけかも)。

     

  パノプティコン 権力による社会の管理・統制システム

 パノプティコン。もともとは監視者がいてもいなくても囚人が

 監視を意識する監獄施設のこと。転じて20世紀にフランス

 の哲学者フーコーが、権力による社会の管理・統制システム

 の概念として用いた。

  

 独房で権力のまなざしを常に意識する。パノプティコンの

 監獄に閉じ込められた囚人のありようは、権力に分断され、

 従属し忖度(そんたく)する「1強」の政治状況で起きている

 現象に似ている。

  

 自民党、野党、官僚、メディア。それぞれが「1強」のもとで、

 「パノプティコンの住人」のように支配されていないだろうか。

 連載第2部で探っていく。

   

   

    ☆        ☆        ☆

3面には、フーコーの専門家として、石田英敬・東大教授の説明

もあった。

  

パノプティコンとは、「権力が支配される側を『自己規制させる技術』

のことだ」。「権力がどんな手法で、支配しようとしているのか。それ

を認識することが、パノプティコンの構造から解放される第一歩だ」。

   

この説明を普通に読むと、まるで権力とは向こう側にあるもので、

自分たちとは別の強者のように感じてしまうが、フーコーの権力論

というのは、そうした古い単純な構造にはなってない。

   

権力とは、メディアや国民の側にもあるものであって、問題は大小

さまざま、無数に存在する権力が織り成す複雑な構造と作用なの

だ。専門家は、そうした基本は理解してるはずだが、朝日の記事に

は反映されてない。今後の連載内容にも注目するとしよう。

      

    

     ☆        ☆        ☆

ここで、ウィキメディアから、写真と図を引用しておく。まずは、パノ

プティコン的な施設の典型的な実例。キューバの写真らしい。

   

170422c

   

一方、フーコーの著書『監獄の誕生』(原書の主たる題名は「監視

と処罰」)に掲載されてた図の1つは、下の通り

      

170422b

  

英語版ウィキペディアによると、哲学者ベンサムのアイデアに合わ

せて、建築家ウィリー・レヴェリーが描いたものらしい(共に英国)。

ベンサム全集・第4巻所収。横から見た図(左上)とその断面(右

上)、さらに上から見た断面(下側)を組み合わせた設計図だ。

18世紀の末、1791年の作品とのこと。

   

   

     ☆        ☆        ☆

続いて、フーコーの著作の日本語訳(新潮社)から引用してみよう。

   

 「見られてはいても、こちらには見えないのであり、ある情報の

  ための客体ではあっても、ある情報伝達をおこなう主体には

  けっしてなれないのだ」(p.203)

  

 「権力の自動的な作用を確保する可視性への永続的な自覚

 状態を、閉じ込められる者にうえつけること」(同上)

    

上の二番目の内容を実現するだけなら、別にパノプティコンなど

必要ない。監視人や監視の回数を増やすとか、現代なら監視カ

メラを多数設置するとか、色々な方法がある。

   

「一強」が単独で監視するには、パノプティコンが好都合なのは確

かだが、一強が人間一人の場合には、実はパノプティコンの効果

は薄れてしまう。一人で24時間、すべての部屋と囚人を監視でき

るはずはないからだ。

   

私が囚人で、何かたくらむとすれば、ランダムな時間をおいて少し

ずつ何度も行う。それらの行為の大部分が、ただ一人の監視者に

見つかってしまう確率は非常に低いからだ。

   

さらに、決定的な行為に踏み切った時、ただ一人の監視者がそれ

に気づいて止めに来たとしても、間に合わない可能性が十分ある。

中央の監視塔(の上部)と囚人の個室が遠すぎるからだ。

    

要するに、パノプティコンを全能視するのは、単なる政治的主張へ

の利用などであって、現実的で客観的な分析ではない。

    

    

      ☆        ☆        ☆

さらに、上のフーコーの引用の一つ目を見てみよう。「見られては

いても、こちらには見えない」と書いてある。

    

普通にパノプティコン的な建築を作れば、中央の監視者は周囲の

囚人から見えてしまう。監視者=一強は見えないどころか、全員

から逆に監視されてしまうわけだ。

   

そこで、監視する側には、見られないための工夫が必要になる。

フーコーの著作だと、例えば次のように書いてるのだ。

  

 「ベンサムは、監視者が塔に居るかどうかを人には確定しがた

  くするために、また囚人たちには独房から一つの人影を認め

  ることも一つの逆光を捕捉することもできなくさえするために、

  あらかじめ次の措置をとった。中央部の監視室の窓によろい

  戸をつけるだけでなく、さらには、その室内を直角に区切るいく

  つかの仕切壁を設けて・・・」(p.203-204)

   

この辺りまできっちり具体的に考察する所に、フーコーの価値があ

る。あるいは、細部まで理解して初めて、フーコーを読む意味があ

るのだ。大まかに要点だけ読んでしまうと、直ちに反論や疑問が生

じてしまうだろう。様々な先入観を持っていない状態なら。。

     

    

     ☆        ☆        ☆

こうして、実際の監視施設やフーコーの著作と比較しながら考える

と、安倍首相の一強体制をパノプティコンとする見方に足りない部分

や側面が分かるのだ。

     

つまり、実は首相の側は、自分を隠す仕組みが十分無いどころか、

周囲の「囚人」(=政治家)よりも遥かに細かく監視されてるわけだ。

直接会ってる人や機会の数も圧倒的だし、メディアその他の注目度

も圧倒的。

    

おまけに、周囲の政治家の側は、何かを安倍首相に発見されたとし

ても、あまり厳しい罰を受けない可能性が高い。厳しい処罰を乱発

すると、一強体制を維持できなくなるリスクが高まってしまうからだ。

  

パノプティコンの塔の中は、囚人から見えないし、塔の維持には、

囚人は必要ない。

   

しかし、首相は周囲の政治家その他からかなり見えてるし、監視体

制の維持には政治家たちの協力や支持が必要となる。首相のすぐ

そばに常にいる首相夫人の側から、一強体制に亀裂が入る可能

性も高い。

   

   

      ☆        ☆        ☆

果たして、朝日の記事がその辺りまで考えた上での現実的な内容

になるかどうか。面白い着眼点でもあるし、今後に期待しよう。

  

ちなみに、安倍一強よりもっとパノプティコンに似た例を挙げるな

ら、マイナンバー制度がある。こちらからは監視者が見えないし、

国民一人一人は孤立して個人情報を守ってる。おまけに、監視者

の視線を何となく前提として、内在化して行動するのだから。

   

それでは今日はこの辺で。。☆彡

       

                   (計 2908字)

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夏目漱石『夢十夜』の第六夜、問題と正答への疑問~全国学力調査2017中学・国語A

この記事は2500字くらいは書こうと思ってたが、残念ながら仕事

その他に追われて余裕が無い。仕方がないので、ごく簡単に全国

学力調査の「正答」例を批判しとこう。2017年4月18日に実施さ

れたテストで、19日の朝日新聞・朝刊に掲載されてた。

    

当サイトでは5年前、中学数学Bの問題の解答例を批判する記事

をアップ。地味なアクセスが集まり続けてる所を見ると、私と同様の

疑問を感じた人は少なくなさそうだ。

    

 全国学力調査2012・中学数学B、

    スキー・ジャンプの問題(原田vs船木)

  

その時は、大まかに言うと論理的な疑問が生じたわけだが、今回

は半ば、文芸作品鑑賞のセンスに対する疑問だ。ただし、それ以外

にも色々な事がからんでると思う。解釈力、出題の仕方、等々。。

   

    

      ☆        ☆        ☆ 

中学・国語Aの問題6の出典は、一番最後に丸カッコで、(夏目漱

石「夢十夜」による)、とだけ書かれてる。実際は、短い「十夜」の内

第六夜で、ほぼ全文だが、そういった説明は無い。ちなみに『夢

十夜』は、無料の電子図書館「青空文庫」で全文公開中。

    

問題文の第六夜のあらすじは次の通り。主な登場人物は3人で、

1200年ごろに活躍した彫刻の天才・運慶と、見物人の若い男と、

自分」。自分は夢を見ていて、運慶の仕事ぶりを見に行く。非現実

的で幻想的なストーリー。

     

運慶が仁王を彫る様子を、自分が感心しながら見物してると、若い

男が言った。

   

 「あれは眉や鼻を鑿(のみ)で作るんじゃない。あのとおりの

  眉や鼻が木の中に埋まっているのを、鑿と槌(つち)の力で

  掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなもの

  だから決して間違うはずはない」。

    

 「自分はこの時はじめて彫刻とはそんなものかと思いだした。

  はたしてそうなら誰にでも出来ることだと思いだした」。

  

だから自分は家へ帰って彫り始めたが、

  

 「不幸にして、仁王は見当(みあた)らなかった。・・・・・・自分

  は積んである薪(まき)を片っ端から彫ってみたが、どれも

 これも仁王を蔵(かく)しているのはなかった。」 

                   (問題冒頭の文章終了)

      

    

      ☆        ☆        ☆

さて、問1は、主な登場人物3人の関係をたずねる簡単な選択肢

付きのもので、異論はない。それに対して、問2はかなり疑問だ。。

  

 「どれもこれも仁王を蔵しているのはなかった」とありますが、

  この部分の意味として最も適切なものを次の1から4までの

  中から一つ選びなさい。

  

 1. 木挽(こびき)が隠した仁王を見付けられなかった。

       (注. 木挽とは薪を切り出した人)

 2. 木が堅くて鑿では仁王を掘り出せなかった。

 3. 薪が小さすぎて仁王が入っていなかった。

 4. 仁王を彫刻することはできなかった。

   

   

    ☆        ☆        ☆

一読してすぐ、出題者が4番を正答と考えてるのは分かる。しかし、

それが正答とか模範解答とはとても思えない。

     

まず、あまりに平凡な解釈で、漱石の短編の内容や言葉遣いの面白

みを消してしまうものになってしまってる。

   

また、これはあくまで夢であって、700年も前の彫刻師を見物しに

行くような物語なのだ。「どれもこれも仁王を蔵しているのはなかっ

た」という言葉も、夢の中の自分の思いを表してる。

  

「自分」が若い男の言葉を、「彫刻は実は簡単だ」といった感じで普

通に解釈した証拠は書かれてないのだから、本気で文字通り、仁王

を探したと考える方が自然。実際、終盤の描写は全てそうなってる。

    

   

      ☆        ☆        ☆

ここでおそらく出題者や解答制作者はこう反論したくなるだろう。選択

肢の他の3つは選べないから、消去法で残るのは4番だけだと。

   

確かに、1番は「木挽が隠した仁王」という文が言い過ぎになってる。

若い男の説明に木挽は出てないし、その後の文章にもその木挽が

隠したと示す部分は無い。2番は「堅くて掘り出せなかった」という

部分がおかしい。自分は勢いよく彫り続けたのだから。

     

ただ、3番はいい線行ってる。出題者の側は、「薪が小さすぎて」とい

う文がおかしいと考えてるのだろうが、この問題には絵が載ってて、

人間の背丈ほどの大きな木を運慶が彫る姿が描かれてるのだ。

   

それに対して、「自分」が彫った木は薪だから、当然小さいはず。さ

らに、問題文の最後に3番を付加すると、夢独特の滑稽さも増す。

    

というわけで、どれか選ぶのなら3番か4番だろうけど、どちらも正答

とか模範解答と呼べるほど明らかではない。それなら根本的に、出

題の仕方がおかしいということだろう。むしろ例えば、簡単な記述問

題にして、答え方にある程度の広がりを持たせる方が良かった。

    

    

      ☆        ☆        ☆

人によって色々な見方があるのは当然として、選択肢から正答を

一つ選ばせるのなら、それなりに飛び抜けた説得力や優越性が必

要だ。義務教育で全員参加のテストなんだから、出題の際はもう

少し熟慮すべきだろう。

  

それでは今日はこの辺で。。☆彡

         

                     (計 1970字)

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横浜競馬場の「老いた3人の賢者」~又吉直樹のいつか見る風景(朝日be)

「3人の賢者」とか「3人寄れば文殊の知恵」とか、人間の知性を

称賛する言葉はもう「老いた」ものになってしまったかも。

 

遂に今日、2017年4月1日、将棋の佐藤天彦名人がソフト「ポナ

ンザ」(ponanza)に負けてしまった。毎度お馴染み、ニコニコ

動画の電王戦で、失礼ながら、少しも惜しくない完敗。エイプリル

フールの嘘ではなく、真実らしい。

 

衝撃だったのは、名人がAIに負けてもほとんど衝撃が無いこと♪

逆説的だが、衝撃が無かったことこそ最大の衝撃だ。つまり、若き

名人も負けるんじゃないの?と思ってたわけ。囲碁の井山六冠も

先日、負けてしまったし。

 

そう言えば、「名人」という言葉にも「人」という文字が入ってる。今

後は、「1台あれば文殊の知恵」とか、「名機」という表現を使うべき

だろう。間違って「名器」と書くのは避けるべきかも♪ コラコラ!

 

 

      ☆        ☆        ☆

さて、人間を超える知性について書くところから始めた理由は、私

が隠れ将棋ファンだからという事だけではない。今回扱うエッセイ

が、人間を超えた知性を思い描いてるからだ。

 

今日から月1回掲載の予定で始まった、朝日新聞・土曜朝刊別刷

beのコラム、「又吉直樹の いつか見る風景」。

 

芥川賞に輝いた小説『火花』が大ベストセラーになって、一躍有名

になったお笑い芸人の、真面目で芸術的な文章だ。私はニュース

番組『ZERO』のキャスターをやってる姿しか知らない。

 

よく読むと、このタイトル自体も意味深になってる。いつか「見た」風景

ではなく、いつか「見る」風景。過去形ではなく、未来形。

 

実際に話題にしてるのは、歴史を感じる古い遺跡、「横浜競馬場一

等馬見所跡」(横浜市・根岸森林公園内)。ただ、自分は今まで見

たことがないし、読者の多くも見たことないはず。それでも、身近に

ある存在で、いつでも見れるし、いつか幻想の中で見ることも可能。

そんな感じの意味だろう。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

私が一番気になったのは、2つある小見出しの内の後者。「老いた

る3賢者」。これは編集者(担当不明)が付けたものだろうけど、本文

にもそれに対応する文章がある。エッセイの終盤近く。

 

 「旧一等馬見所の脇にまわると蔦を絡ませた大きな佇まいが

  どこか寂しげで、椅子に座る老いた3人の賢者が家族連れ

  で賑わう広場とその奥の海を眺めているようにも見えた」。

 

句読点の少ない、独特のリズムの芸術的文章なのはいいとして、

「3人の賢者」が何を指してるのか分からない。前後の文章を読み

返しても分からないから、仕方なく「現代の賢者」Google検索を使

用♪ 一瞬で分かってしまった。恐るべし。。

 

 

      ☆        ☆        ☆   

170401a

 

この建物の突き出た部分3つのことね。分かりにくっ! なるほど、

それぞれにちゃんと、「目」が2つずつ付いてる♪ 2008年(平成

20年度)経済産業省pdfファイル、「近代化産業遺産群 続33」。

 

いつか『火花』を読む機会があったら、この独特の比喩に注意し

よう。まだ本屋で3ページ立ち読みしただけなもんで。連続ドラマは、

途中の1回だけ音声のみで聞き流したら、ほとんど内容が分か

らなかった♪

 

 

      ☆        ☆        ☆

話を朝日新聞に戻すと、ネタバレの後で見直せば、確かに上手い

形容だし、ピッタリの写真が添えられてると言えなくもない(撮影・

時津剛)。

 

170401c

 

ただ、前に大きく写ってる又吉にピントが合ってるし、高い木もジャ

マしてるから、「3人の賢者」だと気付くのは難しい。経産省のファ

イルの解説によると、外国の圧力に譲歩した日本の哀しい歴史も

刻まれてるようだ。「生麦事件」なんてものまで関係して、外国人

居留地の住民向けに作ることになったわけか。。

 

170401b

 

ちなみにエッセイ全体としては、競馬をめぐる両親との思い出や、

白昼夢みたいな幻想をまじえながら、超越的な知性や世界に思い

を馳せてる。

 

なるほど、単なる売れ線狙いのキワモノ作家じゃなくて、本物の

アーティストのようだ。知的な顔と落ち着いた語り口は、見せかけ

じゃなかった。

 

なお、次回は4月29日掲載で、栃木県益子町を訪れる予定。今週

は残り字数が僅かになってるので、今日は早くもこの辺で。。☆彡

 

 

 

cf. なにも書けない孤独な夜を~又吉直樹in旧江戸川乱歩邸

  又吉直樹『火花』、吉祥寺の安アパートで思うこと

 

          (追記 52字 ; 合計 1739字)

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小学校・道徳の教科書の物語『はしの上のおおかみ』、軽い感想(1・2年、奈街三郎作)

森友・籠池問題と築地・豊洲問題が大揺れになる中、来年(2018

年度)から使われる小学校の道徳の教科書も地味な話題になって

る。文部科学省の検定の指摘を受け、細かい変更が行われたらし

い。パン屋が和菓子屋に、おじさんがおじいさんに、アスレチック

公園が和楽器に、etc。。

   

私はパン屋が和菓子屋になったという話を朝日新聞デジタルで読

んだ時、思わず笑ってしまったけど、文科省の言い分によると、こ

の箇所だけ見た修正ではなく、教科書全体の構成の問題とのこと。

    

そう言われると、教科書全体をチェックしたくなるけど、当然まだ公

開されてないし、「道徳」に反する裏情報を探し出すつもりもない。

   

というわけで、合法的に教科書(教材)の内容を読もうとすると、文

科省がネット公開中の副読本『わたしたちの道徳』が参考になる。

この中に、全社が採用したお話が色々入ってるらしい。

  

170325a

     

とりあえず今日は、1・2年用の副読本の序盤に載ってた読みもの、

『はしの 上の おおかみ』を軽く見ておこう。「橋の上の狼」ではな

く、ひらがなを使ってるし、文節で1マス空けてある。

  

巻末の注によると、著者は児童文学者・奈街(なまち)三郎。出典

は、『読んでおきたい物語 やさしいの話』(ポプラ社)。ウィキペディ

アが正しいのなら、初出は『はしのうえのおおかみ』(鈴木出版、

1991)なのかも。

   

副読本は、以前から全文無料公開されてる公的配布物なので、

縮小画像を2枚入れさせて頂いた。出典、著者名も明記してるし、

著作権の問題は生じないと考える。普通にいいお話なので、基本

的には好意的な引用だ。

   

   

     ☆        ☆        ☆

170325b

  

この読みものが挿入されてるのは、第2章「人と ともに」、第2節

「あたたかい 心で 親切に」。p.70~p.73の4ページ。

  

「おおかみは人ではありません」とか、いきなり先生に突っ込む生

徒もいるだろうけど、なぜか子ども向けのお話では、言動が人間み

たいな動物がよく使われる。擬人法ならぬ、擬獣法。子どもウケが

いいし、人間よりキャラ設定がしやすいからだろうか。たとえば、悪

役にはオオカミ、善玉にはクマさんとか。

  

あらすじを短くまとめると、次の通り。

  

1人しか渡れない山の1本橋で、おおかみが意地悪して遊んでる。

うさぎ、きつね、たぬきなど、他の動物が通れないように通せんぼ

して、いばってると、橋の真ん中で大きなクマとぶつかった。

     

おおかみが慌てて引き返そうとすると、クマはおおかみを抱き上げ

て、後ろへそっとおろした。橋の上で、クマの後ろ姿を見続けたおお

かみは、次の日、クマの真似をして、ウサギを抱き上げて通してあ

げた。おおかみはいい気持ちになった。。

    

    

     ☆        ☆        ☆  

まるで『水戸黄門』型のテレビドラマみたいなお話で、6才~8才

くらいの子どもには分かりやすくて教訓的。ちょうどいいと思う。

   

ただ、ちょっと頭の回る子どもなら、「先生、おおかみはおかしいと

思います」とか発言しても不思議はない。例えば、「おおかみは自

分がいい気持ちになりたいために、わざと橋をふさいだんだと思い

ます。温かい心や親切などではありません」とか。

   

もちろん、元のお話に、「わざと」という話は書かれてない。

 「つぎの日です。1本ばしのまん中で、おおかみは

  うさぎに出会いました」

と書かれてるだけ。だから、たまたま橋で一緒になったということか。

   

  

     ☆        ☆        ☆

あるいは、「おおかみに抱き上げられるとウサギは怖いので、余計

なお世話だと思います。おおかみが本当に優しい気持ちを学んだ

のなら、むしろ引き返してあげるべきだと思います」という意見が出

ることも考えられる。

  

そうすると、別の子どもが、「これは、たとえ話だから、そのまま読む

のはおかしいと思います。他人に良いことをしてもらったら、自分も

すぐ見習おうということを言いたいのです」と反論するとか。

   

「おおかみはちゃんと、クマにありがとうと言うべきだったし、うさぎ

もお礼を言うべきです」。

「先生は、クマさんみたいにお手本を示してください」。

「みんなで橋をもう1本作る方がいいはずです」、etc。

   

おそらく既に大量の授業データが蓄積されてるはず。それほど変

な方向に議論が向かうこともなさそうだから、先生の側も余裕を

持って授業に使えると思う。

    

  

      ☆        ☆        ☆

ちなみに私自身がすぐ思い出すのは、中学のホームルームでの

細かい表現論争。

   

他人に対して、「可哀想(かわいそう)」と言うのは偉そうで失礼だか

ら、「気の毒」という言葉を使うべきだという意見が出て、私は直ち

に反論した気がする。反論内容までは覚えてないけど、この同級

生とは今でも一応、連絡を取り合ってる仲で、関係はわりと良好だ。

     

まあ、教科書や教材よりも、先生や生徒の能力が問われることに

なるわけで、教科書の細かい部分は枝葉の問題にすぎない。小学

校の先生は大変だな・・とか思いつつ、今日はこの辺で。。☆彡

        

                    (計 1995字)

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小保方晴子日記2、涙の逃避行にも笑いあり♪&リハビリ6・7、腰痛との闘い

(27日) JOG 10km,58分50秒,平均心拍 145

    消費エネルギー 576kcal (脂肪 127kcal)

   

(28日) JOG 10km,54分18秒,平均心拍 147

    消費エネルギー 552kcal (脂肪 116kcal)

      

「高校生の自作飛行機、初飛行 製作7年・・・」という見出しに

釣られて、朝日新聞デジタルの記事をクリック。文章を読まずに

すぐ動画を再生したら、苦笑してしまった (^^ゞ

   

ほんのちょっと宙に浮いた後、すぐ滑走路に降りて終わりなの

だ♪ やられた・・と思いながら文章を読むと、「約3秒間、

高さ1メートルほど飛行」。う~ん、さすが朝日、客観的デー

タは正確だね。

  

ちなみに私の走り高跳びの記録でさえ、確か1m50cmだっ

たと思う(笑)。鳥人間コンテストとの比較は止めとこうか。ともあ

れ、名古屋市立工業高校の皆さん、おめでとう。動画がウケて♪

そっちか!

      

    

     ☆        ☆        ☆

とうとう飛行した話の後は、逃避行の話だ♪ 寒っ! いや、小

保方さんの2年前も、心身ともに寒い状況だったらしい。 

   

『婦人公論』で連載が開始された「小保方晴子日記」。初回の特

別編(連載開始までの流れ)については先週、記事をアップした。

予想通り、地味な反応だが、今の彼女にはこれでいいと思う。

  

 「小保方晴子日記」(婦人公論)、初回・特別編の感想

    

今回は記事を書くつもりは無かったが、予想以上に面白かったの

で、もう1回プッシュしとこう。科学者としての才能や倫理はさてお

き、人間的には間違いなく、光るものを持ってる女性だ。淋しくて

哀しい逃避行の告白なのに、あちこちでクスッと笑えた♪

    

    

      ☆        ☆        ☆

『婦人公論』2017年2月24日号(1月24日発売)に掲

載された第2回は、見開き2ページで、「辞表、ぽんちゃん、

仲居さん」というサブタイトル。“「あの日」からの記録”として

は、これが実質的に初回ということになる。

  

理化学研究所に辞表を出した10日後の、2014年12

月31日。まだ自宅はずっと、記者に張り込みされてる状況だ

けど、「気まぐれ先生」のアドバイスに従って、車で脱出して逃

避行。大晦日の夜、記者も油断してる時を狙ったらしい。わざ

わざフジテレビのカメラが怖いと、局名まで書いてた。

      

心身ともにボロボロの状況でも、ペットのカメ「ぽんちゃん」の水槽

はしっかり両手で運んでる♪ 他の荷物は?! おまけに、本名

「ぽんすけ」まで書き添えてた(笑)。そこ、重要なわけね。あっ、

ひょっとして、お菓子の「ポンスケ」と重ねてるのかも。

   

   

      ☆        ☆        ☆   

その後は高速で西に向かって長距離移動したようで、運転は大

丈夫なの?と心配してしまったけど、しっかり途中のPAでカメの

えさを購入♪ ホントに1人きりだったのかな。そばで誰か1人、

密かに付き添ってるような雰囲気もある。

       

予約した宿(名古屋経由で関西か岐阜辺りか)に着いて、貸切の

露天風呂に入ってたら、大粒のひょうが降って来て、わざわざそれ

を浴び続けたらしい (^^ゞ。「全裸の受難」とまで自分で書くのなら、

写真が欲しかったかも。自撮り棒使うとか(笑)。キリストも天上界

でやさしく微笑んでるだろう。

     

その後は、折角のお正月の料理もノドを通らないし、何をすれば

いいのかも分からないまま1月3日まで過ごして、いざ宿を出

る時。仲居さんが「あなた綺麗ね。幸せになってね」と声をかけ

てくれたから、顔を見ると、泣いてたそうだ。

     

にも関わらず、何も言えなかった自分に、後で落ち込む小保方さ

ん。しかし、仲居さんは小保方さんだと分かったのかね? あるい

は単に、正月に一人で宿泊して食事もほとんど残してる女性を見

かねて、声をかけたのか。カメの水槽だけ持ってるし(笑)

      

   

     ☆        ☆        ☆

まだ発売されて5日目だから、あんましネタバレにならないように

配慮しとこう。

  

その後、宿を替えた後は、1月5日まで外国人客たちと妙なやり

取りが続く。じっくり読んでイメージすると、何とも味わい深いのだ。

たとえば、今回の本文ラストは、隣部屋の外国人客の会話♪ 盗

み聞きか! 

   

日本料理のおせちに驚いて、「さっぱりわからない」とか言ってる

のが聞こえたらしい(笑)。これ、人気ドラマ『ガリレオ』の有名な台

詞だから、意識して書いてるんじゃないかな♪ さすがリケジョ、

何気にガリレオ福山のファンだったのか。。

     

本文以外に、「最近の私」の状況もオマケしてて、これがまた、すっ

とぼけた味があるのだ。おみくじを楽しんでるらしい♪ 彼女、天然

ボケが7割、意図的お遊びが3割くらいか。是非、独特の文章で描

かれた珍道中を直接味わって頂きたい。

     

今後の日記も活躍も楽しみだね。作家としても、科学者としてもそ

うだけど、いずれはテレビのバラエティ進出かも。とにかく、お餅が

大好きなことだけはよく分かった(笑)。そこか!

  

   

cf. 小保方晴子日記3、わずか650字の感想

    

   

     ☆        ☆        ☆

一方、単なる一般市民ランナーの方は、インフルエンザの後遺症

に苦しみつつ、リハビリジョグを継続。

   

連続6日目となった1月27日は、腰の痛みと仕事の疲れで、

一気にスピードダウン。それでも、かなり痛くて、止めようかな

と悩むほどだった。トータルでは1km5分53秒。ものすごく

遅いのに、心拍は高め。気温7度、湿度55%

風速1mの適度な条件だから、言い訳不能。

  

ただ、連続7日目の28日は腰の痛みがちょっと和らいでくれ

たし、足の疲れもかなり消えて、わりとラクにスピードアップ。

厚着を止めてみたのも正解だったか。

   

トータルでは1km5分26秒で、後半はしばらく1km5分

ペースも維持してみた。ただ、まだまだ腰は痛いし、右胸の

痛みも「さっぱりなおらない」♪ 気温7度、湿度65%

風速1m。帰宅後のクールダウンは、汗が冷たかった。

   

なお、今週は計14778字で終了。ではまた来週。。☆彡

   

       

(27日)   

          時間  平均心拍  最大

 往路(2.4km) 14分51秒 138 148

LAP1(約2.1km) 12分36秒 142 149

  2         12分29秒 146 150

復路(約3.3km) 18分53秒 150 159

計 10km 58分50秒 心拍平均145(80%) 最大159(87%)

          

(28日)

           時間  平均心拍  最大

 往路(2.4km)  14分03秒 139 142

LAP1(約2.1km) 11分22秒 145 154

  2         10分54秒 153 160

復路(約3.3km) 17分58秒 149 156

計 10km 54分18秒 心拍平均147(81%) 最大160(88%) 

    

                     (計 2590字) 

         (追記 22字 ; 合計 2612字)

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