不細工な生身の人間~『コード・ブルー』第3話
何か用か? 患者はなぁ お前の練習台じゃない
黒田先生までキレイごと言わないでください
何?
先生だってさんざん切りまくって来たんでしょ
危険な賭けも一杯して来たはずです 外科医は練習が全て
ピアニストやスポーツ選手と同じように 違いますか?
その通りだよ ただ一つ その練習台が生身の人間だってこと除けばな
好きにやれ ただし 賭けには勝ち続けろ
一度でも負ければ お前の医者としてのキャリアは終わりだ
患者の死はなぁ 患者や家族だけじゃない 医者の人生を変える
(スタスタ・・・)
☆ ☆ ☆
いやぁ、あの演説内容で22分もたせて高視聴率まで取った『CHANGE』最終回
のキムタク=木村拓哉も凄いけど、このドラマで視聴率取る山P=山下智久にも
感心するよな。それほどまでの美しい少年ってことなのか。生身の人間を超えた、
作り物のような美しさ。ただし、髪型は除いてネ♪
「仏の顔も三度まで」とはよく言ったもんで、3回まではこんな出来でも何とか我
慢できた。エライぞ、自分♪ さすがは心優しい甘口ブロガーだ。でも、流石に
四度目にはお釈迦様でも怒り出すぞ!・・・と書きながら、試しにこの諺を検索し
てみると、面白い出典が出てきた。何と、4回目に怒ったんじゃなかったのか!
詳しくは省略するけど、要するにお釈迦様は、相手と4回顔を合わせた時、初
めて心を通じ合わせたとも解釈できるエピソードなのよ。へぇ~~。。
ってことは、来週の第4話まで粘れば、私も『コード・ブルー』と心を通じ合わせら
れるのかも。う~む。単なる趣味のタダ働きで、そこまで努力しなきゃなんないと
は、ブログの道は何と厳しいものなんだ。海と共に育った私としては、『太陽と海
の教室』で織田裕二の暑苦しい顔と喋りと演技を見る方が、夏っぽくていいよう
な気もするけどなぁ。『シバトラ』も『ヤスコとケンジ』も面白いし、アクセスも好調
だったし。。
☆ ☆ ☆
さて、今回は記事のタイトルに悩んでしまった。元のサブタイトルをほとんど無
視して、独自のタイトルを付けるからには、当然それなりの水準が要求される。
私の場合は、その回の中心テーマ、あるいはモチーフを持ってくることが多くて、
第1話は腕、第2話は鼻。だから、今回は足とかが分かりやすかったけど、見
終わってすぐは正直言って考えがまとまらなかった。「ゴチャゴチャの寄せ集め
かよ!」って感じ。
最初に浮かんだのは、「治すこと、治ること」。これは今でも、そこそこ核心を突
いてるとは思う。つまり、藍沢(山P)や緋山(戸田恵梨香)を見てると、患者を治
してあげたいという優しさや人間愛よりも、自分自身の露骨な向上心とか知的
好奇心を強く感じる。医者が患者を治すということは「キレイごと」じゃないのだ。
もちろん、大手術の現場もキレイごとではない修羅場だったし、当直の徹夜明け
の「不細工」な緋山&白石(新垣結衣)も、治すことの実情を具体的に表してた。
さらに、緋山が担当するムカつく女性患者・若杉(鳥居かほり)が言ってたように、
医者も弁護士も人の不幸がメシの種。医者は、人の健康や幸福そのものを願っ
てるというよりも、人の病気を治したい、不幸を和らげたい職業なのだ。
一方、前頭葉の脳腫瘍で、爪を手のひらに食い込ませるほどの頭痛に苦しんで
るにも関わらず、手術の同意書にサインしなかった本山由希子を見てると、治り
たいというよりも、息子の「ナオヤ」を忘れたくないという思いの方が優ってる。腫
瘍をそのままにしとけば、幻覚とか一過性せん妄を通じて、死んだナオヤに「会
える」し、何で自分はこんな痛みを我慢してるのかと考えるたびに、ナオヤのこと
を思い出さざるを得ないだろう。とにかく、自分が治るよりも、ナオヤを忘れない
ことの方が大切。これが、治ることの現実なのだ。
という訳で、「治すこと、治ること」というタイトルはそこそこ核心を突いてるものだ
けど、治療や治癒の現実を再考するってテーマだと考えると、色んなものが抜け
落ちそうになってしまう。
例えば、フィギュア・オタクのあぶないストーカーに狙われてた、急性虫垂炎(い
わゆる盲腸)の患者・雪村のオナラ。藤川(浅利陽介)が担当した彼女の術後の
生理現象に、オタクが幻滅したことも含めて、病気が治ることの現実を表してる
と見れるけど、考えてみればオナラは病気ではなく、単なる日常だ。
あるいは、意外なことに、強気の黒田(柳葉敏郎)が見せてたバツイチ男の弱い
部分も、治療とは関係ない。さらに、妙なアイ・キャッチ(視線捕捉)シーンになっ
てた、CS(コミュニケーション・スペシャリスト)・轟木聖子(遊井亮子)の網タイツ
のアップ。あの生々しい脚の魅力と温かい挨拶で、フライトドクター・森本(勝村
政信)は一気に元気を取り戻してた。これもまた、治療とも病気とも関係ないこと
だ。「発表会の失敗でうつになってた心の治療」なんて説明だと、治療って言葉
を拡大解釈しすぎだし、男独特のみっともなさという側面が無視されてしまう。
したがって、ドラマ内の印象的な言葉を引用して全体を統一するなら、「不細工」
な「生身の人間」ということになる。これだと、治療をめぐるキレイごとでない現実
の話はすべてカバーされるだけでなく、可愛い雪村の生理現象も、別れた女房
と息子に頭が上がらなくてポリポリしてた黒田も、一瞬の網タイツの挨拶で元気
を取り戻す森本も、カバーできることになる。患者を一人一人ちゃんと本名で呼
ぶ姿勢にもつながるわけだ。本名とは、個々別々で尊厳を持つ生身の人間を
表すものなんだから。
そう言えば、ドラッグでラリって運ばれるハメになったワガママな患者・小倉が、
冴島はるか(比嘉愛未)に怒鳴りつけられてシュンとしてしまった姿も、思い切り
不細工だった。あるいは、オタク男が包丁で自分を刺した姿を見て腰を抜かして
しまったフェロードクター・藤川も、何とも不細工な生身の人間だったわけだ。死
なせてしまった患者のお墓(?)に手を合わせる三井(りょう)を不細工と形容す
るのは酷だろうけど、黒田の言葉を借りれば「医者としてのキャリアは終わり」か
けてるようだから、目を覆いたくなる状況なのは確かだろう。。
☆ ☆ ☆
という訳で、先週と同様に、やっぱり『コード・ブルー』は『野ブタをプロデュース』
の裏返しに思えてくる。と言っても、山P&戸田(&亀梨和也&堀北真希)が出
演した名作ドラマではなく、白岩玄の原作小説の方だ。野ブタの修二が、生身の
人間の不細工さに耐えられなかったのに対して、『コード・ブルー』はその醜さを
真正面から受け止めようとしてるように感じられるのだ。それを象徴してたのが、
ナースに「顔、ひどいですよ」と言われて「ありがとう」とハモってた、白石&緋山
の仲良しコンビだろう。
人間の醜さを真正面から受け止めるには、病院とか救急現場というのは、まさ
にピッタリの舞台だ。時間的にも精神的にも、自分を着飾る余裕のない場所だ
し、醜く見えても実は美しいというドラマ的な枠組みに持っていきやすい。まあ、
ドクターヘリまで使う必要があるかどうかはともかくとして。今回、ヘリにカバー
がかけられてたのは、自虐ネタっぽくて笑っちゃったな♪ お荷物とかお蔵入り
かよ! 全体の構成が散漫すぎるから、こうゆう事になるわけだ。映像も音楽
も、依然として『医龍』に負けてる状況だし、脚本・林宏司、プロデューサー・増本
淳、演出・西浦正紀の巻き返しに期待しよう・・・なんて言葉を書くのがちょっと虚
しのは、私だけじゃないでしょ。。
最後に一言。不細工な生身の人間を映すには、新垣と戸田は可愛すぎたし(特
に新垣)、山Pなんて相変わらず美しき人工物って感じだった。それらをちょっと
でもフォローしたかったのが、藤川の背中の「バカ」って貼り紙なわけか。う~ん、
やっぱ藤川を応援すべきだな。いまだにヘリから仲間外れにされちゃってるしね。
ともかく、仏の顔の四度目、あるいは「四度目の正直」に一応期待しよう。ただし、
ダメならもうリタイアだ。聞きづらい専門用語の連発も我慢の限界に近いし、これ
ならキッチリしたドキュメンタリーでも見た方が遥かに面白いだろう。ま、最終回
くらい書くかも知れないけどさ。
それでは。。☆彡
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P.S.白石がこっそり勉強してた『当直医マニュアル 2008 第11版』って、
実在するロングセラーなんだね。小畑達郎ほか編、医歯薬出版、4200
円。携帯しやすい小型(A6)だけど、597ページもあるようだ。ま、やっぱ
り医者は優秀なんだよな。原則としては。。☆彡
P.S.2 エンドロールに奥貫薫って名前があったけど、ひょっとして本山由希子
なのかな。『クロサギ』早瀬の魅力的なたたずまいから、「不細工」へと
一気にメイクし直したってことかね。やっぱ、女はコワイ。。♪
(☆追記:やっぱり違ったみたい (^^ゞ 失礼発言だったかも♪ じゃあ、
黒田の奥さん役ってことかね。。)
P.S.3 医師が患者を「実験台」にするのは、仕方ないことでもあるし、別に構
わない。実力と誠意とインフォームド・コンセントさえあればOKだ。もち
ろん、誠意とは、不幸にも失敗してしまった際の対処や賠償金、善後
策まで含めた言葉だ。
P.S.4 2007年の新潟県中越沖地震からちょうど丸1年。上越大学出身で、
地震発生当時は長岡救命センターに勤めてた藍沢と、結び付けてくる
のかどうか、乞うご期待。。☆彡
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