白石麻衣、田中みな実、生田絵梨花・・・写真集ブームに思うこと

TBSの女子アナからフリーアナになって大ブレイクした、田中みな実、33歳。初写真集『Sicerely yours・・・』(シンシアリー・ユアーズ、宝島社、19年12月、伊藤彰紀撮影)が僅か1ヶ月で50万部突破と話題になってる。アマゾンでも現在、大きな「本」カテゴリーの中で、ベストセラー第1位☆

  

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英語の書名を辞書的に訳すと『敬具』(手紙の最後の言葉)とかだけど、直訳に近い解釈なら、「心からあなたのものです」という意味だろう。写真集もわたし自身も、誠実にあなたに向けられた存在だから、どうか大切にしてください。親愛なるあなた。。

  

   

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さて、50万部という数字は、公称の累計「発行」部数であって、「販売」部数とか「実売」部数とは違うけど、記録的な大ヒットなのは間違いない。

   

税込1980円ということは、税抜き価格で1800円。印税10%として、1冊180円。180×50万=9000万円! 撮影の契約料とか抜きにして、印税だけで1億円近い稼ぎだけど、彼女にとっては正直、それほどの金額でもないのかも。お金より、こんなに好意的に受け入れられたことの方が嬉しいと思う。

  

彼女は、2014年までのTBS女子アナ時代にはかなり叩かれてたわけで、何なの、この変わりようは?・・と驚かされる。特に女子の反応が激変。私は、前からわりと好意的というか、同情的だった。テレビで見ることはほとんど無くて、ネットの芸能ニュースと写真ばっかだけど、フツーに可愛くてフツーに身体を張って頑張ってるなって印象。

    

そう控えめに思ってたら、14年にフリーアナウンサーになって以降、どんどん人気が上がって、いつの間にかトップクラスの女優と並ぶくらいの存在に。遂に、記録でも記憶でも日本の出版史上に残る女性まで登りつめた。

   

ネットとスマホの影響で出版不況が続く中、偉業だと素直に感心する。まあ、私は買わないけど(笑)。ツイッターで画像検索すると、あちこちで数枚ずつ中身が見れるから、全体を合わせれば十分なのだ♪ 別に1980円が惜しいわけではない(後述)。

  

  

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それにしても、ちょっと前まで、乃木坂46の白石麻衣の2nd写真集『パスポート』(講談社、17年2月、税込1980円、中村和孝撮影)が凄い売れ行きだと話題になってたのに、一気にかすんでしまった感もある。ただ、白石の場合、既に数十回も増刷してるから、累計発行38万部という数字はわりと実売部数に近いはず。印税7000万円くらいか♪

  

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去年だけなら、同じ乃木坂の生田絵梨花の2nd写真集『インターミッション』(ひと休みという意味、講談社、19年1月、税込1980円、中村和孝撮影)が記録的な売り上げで、年間「売上」29万部とされてる(オリコンBOOKランキングによる推測値)。印税5000万円♪

  

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正直、生田はさっきまで知らなかったし、名前しか知らなかったけど、可愛い系の顔のお嬢様なわけね。白石は正統派美人。田中はキレイなお姉さんって感じか。他にも、色んな写真集が数万部~数十万部の発行部数になってるらしい。ほとんどが若い女性タレントなのがちょっと不思議だけど、私もフツーの男子だから、男性タレントの写真集は興味ない♪

    

    

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歴代で見ると、おそらく断トツの1位が、宮沢りえ『Santa Fe』(サンタフェ、朝日出版社、91年、篠山紀信撮影)。2003年までの累計売上で165万部とされてる(ウィキペデイアによると、出典は出版科学研究所)。

   

2位は菅野美穂『NUDITY』(ヌーディティ、ルー出版、97年、宮澤正明撮影)という噂で、03年までに54万部とのこと(ウィキによると出典は出版科学研究所)。

   

菅野は82万部という数字も出てるけど、いずれにせよ、田中の写真集は歴代で2位とか3位になる。おまけに、宮沢と菅野はヘアヌード写真集だから、ヌードにはなってないものだと、田中が歴代1位! ある程度以上話題になると一気に拡散・ヒートアップしていく、最近の日本を表す社会現象だ。多分、お尻と大きめの胸のサービスショットが少しあるだけなのに。

     

ちなみに、歴代の写真集のランキングをネットで検索すると、正確で信頼できる出典を示してるサイトはほとんど無い。ウィキペディアも、雑誌記事の引用データを示してるだけで、元の出版科学研究所の文献をきっちり示してるわけではない。オリコンのブック・ランキングも、2008年の開始だから、ここ10年ちょっとの記録しかない。

   

ウチで正確な出版情報を集めてマニアックな記事を書いてもいいけど、残念ながら、写真集にあまり興味がなくなってる。以前はフツーに買ってたし、大部分は自宅か貸倉庫のどこかに残ってるだろうけど。。♪

   

   

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というわけで、個人的な話に移ろう。過去14年半のブログ毎日更新の中で、写真集というものを記事タイトルに掲げたことがあったかな?・・と思って、ブログ内検索をかけると、5000本以上の記事の中で1本だけあった。何と13年以上も前! 平成ブロガーはまだ中学生くらいか♪

  

完全に忘れてたけど、そうそう。長澤まさみ『セーラー服と機関銃』の公式ビジュアルブックを買ったんだった。その数か月前には、当時ハマってた藤木直人&戸田恵梨香らのドラマ、『ギャルサー』のビジュアルブックも買ってた。さらにその少し前にはドラマ『白夜行』のガイドブック。古っ!・・っていうか、懐かしい。。

   

どれも、ブログをやってなかったら買ってないと思う。当時はまだブログ1年目で、ネットの世界でブログというものの存在感も大きかったから、ちょっとだけ投資してみた感じだ。その後13年間は、たぶん1冊も買ってないような気がする。その前は?♪

   

   

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私が買わなくなった理由は、主に2つ。まず、インターネットで簡単に画像が手に入るようになったから。あと、正直、写真集はハズレが多いのだ(個人の感想)。買ってよかったと心底満足したことはほとんど無い。「そんなに買ったの?」っていう突っ込み、どうもどうも(笑)。何冊かは買ったと思う。例外的に満足した本については、個人情報保護ってことで♪

    

写真集は、SNSが流行る前まではほとんど中身が分からなかったから、宝くじを買うような感じだった。1000円~2500円くらいで、凄い写真をこっそり見れるんじゃないかと。もちろん、紙質や本の装丁も、雑誌よりは立派。

      

ワクワクしながらフィルムシートを開封してペラペラめくると、ほとんど「使えない」のだ♪ コラコラ! ツイッターを見てると、実用性について語る男子に対して、ごく一部の女子が怒ってる(笑)

   

まあ確かに、私も最初、実用性なんて話は考えもしなかったけど。周りから聞いて、エッ、写真集ってみんなそうなの?って感じで驚いたら、本気でバカにされたのをよく覚えてる。バイト先の先輩のMさんが、「他に何すんだよ? ジーッと真面目に見るのか?」と鼻で笑ってた(実名イニシャル♪)。

  

ただ、白石や田中の場合、買ってるのは女性が多いとも言われてる。女性は、どう使うのかね? こんな風にステキ女子(死語♪)になりたいと思いつつ、ダイエットやヨガ、筋トレ、エステに励むわけか。スイーツやタピオカを別腹で味わいつつ。。

    

   

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とにかく、今では写真集なんて文字通り「お荷物」になってるから、処分したいんだけど、ゴミ捨てに出すのは抵抗があるし、ごくたまにゴミ袋を開けられてるようだから恥ずかしい(笑)。古本屋に持ち込むのも、ネットで依頼するのも無理。折角メルカリに登録したんだから、販売も初体験してみようかな。もちろん、キレイな写真集を選んで・・って、他は?!

   

試しにAMAZONとメルカリで、田中みな実や白石麻衣の写真集の相場を見ると、あんまし値下がりしてない。白石はいまだに1000円以上くらいをキープ。田中はまだ出たばっかだから、1500円くらいだった。やっぱり、大切に保存しなきゃダメだね。

       

本当に好きなファンは、2冊か3冊買って、1冊は完全に保存するという話も聞いたことがある。それを考えると、「何人」の人が買ったのか?・・というアンケート調査も欲しいところだ。のべ人数じゃなくて、実際の人数。中古本の統計は無理だろうから、新品だけでもデータが欲しい。

  

あぁ、ほんの一言だけ書くつもりだったのに、いくらでも感想を書いてしまうね (^^ゞ やっぱり、何となく興味はあるってことか。アマゾンのkindle unlimited(電子書籍キンドル読み放題)には、有名タレントの写真集はほとんど無いよな・・とか思いつつ、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

   

        (計 3506字)

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闇の山頂にきらめく黄色い光~梶井基次郎の短編小説『檸檬』(レモン)

これはクリスマスとお正月の直前にピッタシの小説だ♪ 米津玄師・・じゃなくて梶井基次郎(かじいもとじろう)の代表作、『檸檬』(レモン)。妙に華やいだ時期にこそ、この暗さがバランス的にちょうどいい。

  

現代日本のカリスマ・米津の大ヒット曲『Lemon』の歌詞を見ると、レモンという言葉は1回しか使われてない。それに対して、明治・大正・昭和の作家・梶井の短編小説『檸檬』には、後半にレモンのエピソードが登場。強烈な印象を残して、そのまま終わってる。

  

いずれにせよレモンは、鮮やかな黄色、柑橘類の酸味、適度な硬さの手触りなどで独特の個性を放ってる、身近な果物の代表。あるいは最高峰だろう。

   

    

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私が今回、この小説を読んで感想を書こうと思ったのは、NHKのラジオ英語講座『エンジョイ・シンプル・イングリッシュ』で英語の翻訳文を聴いたのが直接のキッカケ。上は2019年6月のテキスト(半年後の現在、再放送中)。切り絵風の可愛いイラストは、丹野杏香。

 

 

ただ、よく考えてみると、実家のイメージが無意識に影響を及ぼしてたのかも。正月前だから、実家が心の底で浮かんでて、庭のレモンの木と子供時代のレモン石鹸へと連想がつながったとか。

    

試しに今、検索してみると、昭和21年(1946年)発売のカネヨレモンは、70年後の今でもまだ販売されてた♪ 化粧石けんという位置づけだったのか。「レモン果汁は入っておりません」という説明が微笑みを誘う♪

    

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果実のレモンも硬いけど、レモン石鹸も硬かった記憶がある。表の車庫の前と、台所の裏に、赤いネットに入れて吊るされてた。特に父親が、仕事帰りとかに車庫の前でよく手を洗ってた。そのせいもあって、レモンには大人の世界を感じるのだ。冬の夜、たまに母親が作ってくれた熱いレモネードも美味しかった。

  

瀬戸内海という地域も関係してたのかも。そう言えば米津も、四国の徳島県出身。昨年末のNHK紅白歌合戦でも、故郷の美術館で歌う姿が生中継されてた。

    

    

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さて、梶井の『檸檬』は国語教育の世界で有名という話があるけど、私の記憶には残ってない。本当は教科書に載ってたのに、授業で扱わなかったのか、当時の私には硬質の文学作品の味わいが全く分からなかったのかも。

  

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初出は大正14年(1925年)で、同人誌『青空』の創刊号にひっそりと発表。ただ、全く知らなかった私が英語で聴いてもすぐに興味を持ったくらいだから、読者を惹きつける魅力は光ってる。

    

上は国立国会図書館デジタルコレクションより(著作権は消滅済み)。たまたまレモン石鹸と同じ年に、東京楽譜出版から出た版だ。旧字・旧仮名の表記がレトロな雰囲気。読みやすさなら、無料の電子図書館・青空文庫がおすすめ

   

冒頭の出だしでいきなり、暗くて陰鬱なムードが漂って来る。「えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧(おさ)えつけていた。焦燥と云(い)おうか、嫌悪と云おうか ── ・・・」。

   

ちなみに、魂(たましい)ではなく、塊(かたまり)で、やがてこれに取って代わろうとする救世主こそ、黄色い塊、檸檬(レモン)なのだ。

    

英訳(全訳ではなく抄訳)だと、こうなってた。「Something strange and dark pushed down on my heart and didn't stop pushing.」。

    

正直、耳にした途端、あまりの暗さに顔をしかめたほど♪ すべて英語だけで聴くから、重い私小説だと、こちらも「圧えつけ」られてしまった♪

   

   

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主人公は心身の調子も悪くて、金もほとんど無い様子だ。作者である梶井基次郎本人も、肺結核のために31歳で早逝。家庭環境も複雑で、貧乏と言うより、父親の金遣いが荒いために苦しんでたような感じだ。当時の東京帝国大学(今の東大)の英文科も、病気で中退。ブリタニカ国際大百科事典の解説はこちら

    

物語の後半、主人公がお気に入りの果物店で、檸檬を1つ買う。その店としては、檸檬を置いてるのが珍しかったからとされてるが、本人の側の変化によって、元々あったレモンに目が留まったのかも知れない。

  

いったい私はあの檸檬が好きだ。・・・── 結局私はそれを一つだけ買うことにした。・・・不吉な塊がそれを握った瞬間からいくらか弛んで来たとみえて、私は街の上で非常に幸福であった」。

  

英訳だと、「The black feelings pressing down on my heart were lighter after I held the lemon in my hands.So I was really happy walking in town」。

  

     

     ☆     ☆     ☆

そこで、昔好きだったのに最近はプレッシャーを感じてたお店、丸善へ入ってみる。「しかしどうしたことだろう、私の心を充たしていた幸福な感情はだんだん逃げていった」。「I went to Maruzen. But the happiness in my heart gradually began to escape from me.」。

   

この理由はハッキリと説明されてないが、要するに、現実社会の方が、遥かに重くて大きいことを思い知らされたからだろう。レモン1個の色、重さ、値段など、丸善の様々な商品と比べると吹き飛んでしまう。実際、この辺りの文章では、重さというものが強調されてる。手で持てないほど、画集が重いのだ。

   

そこで最後、主人公は幻想的にその重さを消す遊びを試みる。色とりどりの画集を積み上げて、「奇怪で幻想的な城」(The mysterious castle of books)を構築。その一番上に、檸檬を置いて、その店を出てしまうのだ。英文では、日本語原文に無い「tower」(タワー)という単語を使用してた。ツリーやピラミッドの類義語だ。

    

もし梶井の実話だとしたら、とんでもない迷惑客♪ ただ、時代的には、そうした軽犯罪は笑って見逃してもらえるゆとりがあったはず。現代社会だと、そういった許容度は低い。

   

下はオリオンブックスの電子書籍の表紙(AMAZON)。イラストの作者の名前は無いが、かなり原作に忠実な絵だ。

   

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たまたまなのか、間接的な関連性があるからか、今日(ハッピーホリデー)のGoogleのロゴが似た画像になってた。ロウソクの上側で黄色い円形が光を表してた。

  

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梶井が作り上げた城は、精神分析的には男性的な象徴、ツリーだと解釈できる。現実社会の巨大なピラミッド構造の重さに去勢されてしまったような自分を、想像的なファロスで一時的に支えようとする振舞いだ。先端のレモンこそ、欠如している自分の存在の核を指し示すメタファー。主人公が愛する「花火」みたいに一瞬で消え去る、つかの間の逃避的な自己防衛。

      

実際、小説の冒頭には、「神経衰弱」という言葉もあった。より正確には、当時の言葉で不安神経症に近い状態で、少し躁うつ病も混ざってたのかも知れない。普段はずっと憂鬱で、たまに妙に元気が出るとか。

    

ただし、この城作りは病的というより、遊び心のようなストレス発散を感じるのが救いだ。意外と、この後も彼を支える心象風景として残ったのかも。「今でもあなたはわたしの光」(米津『Lemon』)。

   

いつの間にか、時間も字数も無くなってしまったので、今日の所はこの辺にしとこう。もしセンター試験(新テスト)で出題されたら、改めて感想&解説記事をアップするけど、客観テストだと問題が作りにくいかも。それでは、また明日。。☆彡

   

     (計 3025字)

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オー・ヘンリー『賢者の贈りもの』(The Gift of the Magi)、英語で再読した感想

なるほど。これは普通の高校生には辛い英文だ♪ 『The Gift of the Magi(メイジャイ)』。今でも授業で使ってる先生、いるのかね?

    

私が読んだというか、無理やり読まされたのは、高校1年か2年の英語の授業だった気がする。平成ブロガーにとっては、10年くらい前か♪ 同じ作者オー・ヘンリー(O.Henry、米国)の『最後の一葉』の記憶とごちゃ混ぜになってるかも。下は英語版ウィキペディアより

  

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多分あの先生の授業だったな・・と、名前と顔は何となく浮かんで来る。同級生もみんな忘れてるだろうね。目立たない先生の、目立たない授業(失礼♪)。辞書引きまくりで直訳くらいは出来ても、色んな意味でピンと来ないし、最後のオチの中身も語り口も分かりにくい。唐突な断定に見えてしまう。

       

教室内は沈んだ空気が立ち込めてて、まるでこの物語の冒頭みたいな雰囲気かも。俗世間の小市民の世界なのだ。

    

   

    ☆     ☆     ☆

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さて、この記事を書こうと思ったキッカケは、毎日更新のネタに困ったから(笑)・・ではなくて、朝日新聞で見かけたから(HPの記事はこちら)。19年12月4日の夕刊、「時代の栞」シリーズで、見出しでは「1952年刊の短編集収録」と書いてるけど、それは岩波文庫の翻訳本の出版日付け。下はアマゾンの中古本(価格は1円+送料etc)。

  

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原作は1905年の新聞小説だから、100年以上も前の短編小説だ。現代日本とは全く違う背景のストーリーで、その点に注意する必要がある。貨幣価値だと10倍~20倍くらいの違いか。20ドルは今の日本円で2000円ほどだから、仮に15倍すると3万円。給料や家賃の話を考えても、ほぼ合ってると思う。

  

下は英語版ウィキペディアより。初版本(1906年)のカバーではないけど、色合いも渋くて分かりやすいイラストだと思う。この絵だけでもう、文章は要らないほど♪ 悲しみを内に秘めた、男女の深い愛なのだ。女性の髪はもうちょっと短くて奇妙な方が話に合ってるだろうけど、イメージ的に美化された姿ということで。。

   

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     ☆     ☆     ☆

さて、どうして朝日がこの小説や本を選んだかというと、クリスマスの前だからだろう。あらすじはどこにでも書かれてるけど、何も見ずに私自身の言葉でまとめると、次の通り。

   

─── クリスマス前日の若くて貧しい夫婦。宝物は2つだけ。妻・デラの美しく長い髪と、夫・ジムが祖父から受け継ぐ懐中時計。妻は愛する夫のために、素敵なプレゼントを贈りたいのに、ほとんどお金が無くてしばらく泣く。その後、髪の毛を売りに行ってバッサリ切り落とし、その代金で夫の時計に合う上品なプラチナの鎖を購入。

   

やがて夫が帰宅。妻の姿を見て、言葉を失う。彼は彼女へのプレゼントとして、長髪に合う高価な櫛(くし)を買ってたのだ。櫛を見て泣き叫ぶデラをなだめた後、今度は彼女がプレゼントの鎖を見せる。するとジムは、櫛を買うために時計を売ったと伝え、行き場を失ったプレゼント2つはしばらくしまっておこうと話す。そして、普通のチョップ(骨付き肉)でクリスマスイブのお祝いを静かに始めた。

   

ところで、クリスマス・プレゼントの始まりは、生まれたばかりのイエス・キリストに贈り物を持って来た東方の賢人たち(マギ)だった。若夫婦は愚かだったが、最も賢明なのだ。彼らこそ、東方の賢人たちなのである。 ───

  

   

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では、この英語の読みにくさ、難しさを確認してみよう。著者の死後、作品の公開後、いずれも100年経ってるから、著作権は消滅済みで、原文はウィキソースで公開中。日本語訳は青空文庫にあるし、この物語だけならamazonの電子書籍(kindle本)の無料サンプルで全文読めてしまう。

   

全文が読みにくいけど、最初にハッキリ引っかかるのは上の箇所とか。

・・人生は、むせび泣き、すすり泣き、そして微笑みからできてる。ただし、すすり泣きが圧倒的に多いけど。

家の女主人が、第一段階から第二段階へと移って行く中・・

(以下の訳文も含め、私の翻訳)。

  

要するに、激しくむせび泣きした後、ちょっと落ち着いてすすり泣きに変わる間に、という意味だけど、一読して「stage」(ステージ)が泣き方の種類や段階を表してると理解するのは難しい。私も最初は、意味を保留したまま先に進んだ。そもそも大人の男は滅多に泣かないから、泣き方をレベル分けする発想がない。

   

   

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そんな箇所より遥かに難しいのは、しばらく先の上の箇所。作者本人が「dark assertion」(謎めいた主張)と書いてるほど♪

  

週8ドルと、年100万ドル ── その違いは何か? 数学者や才人は、あなたに間違った答を与えるだろう。例の東方の賢人たちは価値ある贈りものを持って来たが、違いの正解は贈りものの中にもない。この謎めいた主張は、後で明らかにされるだろう」。

   

私は数学好きだから、週8ドルなら年400ドルとすぐ暗算。年100万ドルとの違いは、2500倍♪ これこそ、間違った答の典型か。

   

一方、聖書に登場する東方の賢人たちが、生まれたばかりのイエスに贈ったのは、黄金と香(乳香:frankincense)と薬(没薬:myrrh)。その中に、週8ドルと年100万ドルの違いの正解なんてあるわけない♪ 下は英語版ウィキソースの新約聖書(米国標準版)、マタイによる福音書・第2章11節。

  

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私の解釈だと要するに、“あの賢人たちでさえ贈らなかった最高のものを夫婦はプレゼントしあった。だから、週8ドルと年100万ドルの違いなんて無いどころか、週8ドルの人生の方が遥かに価値あるものなのだ”、ということだろう。

     

    

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そう解釈してはじめて、物語のラスト、唐突な大絶賛の断言も何とか理解できる。夫婦を愚かな未熟者(foolish children)と呼んだ直後、一転して、最も賢い(wisest)と繰り返して終わるのだ。

  

贈り物を与え、受け取る者たちの中で、彼らのような者こそ最も賢明だ。どんな場所でも、彼らが一番賢い。彼らこそ、東方の賢人たちなのだ」。

  

この直前には過去形で書いてたのに、ここでは現在形。つまり永遠の真理として書かれてる。若夫婦は、自分の最も大切な物を売ってでも相手に素晴らしい贈りものを与えた。つまり、例の賢人たちにさえ(直接的には)見られない、最大の自己犠牲を実行して、お互いの愛を深めたからこそ、最も賢いのだ。

  

ちなみに、ちょっと似た話が、NHKの人気番組『チコちゃん』で話題になってたが(仏教説話)、あの場合のウサギの自己犠牲は、一般市民にとってはやり過ぎだ♪ 自分が死んでしまったから。それに対して、髪の毛はまた伸びるし、時計もまた買える。もしかすると、質屋から買い戻せるかも知れないから、やり過ぎではない。

   

   

     ☆     ☆     ☆

とはいえ、東方の賢人たちにも、独自の賢明さがある。救世主の誕生をあらかじめ認識したし、贈り物をした後は、キリストの身に配慮して、余計な事を言わなかったらしいから。

   

結局、東方の賢人たちにせよ、若夫婦にせよ、最も困難で最も価値あることを成し遂げたことになる。だから、共に「the Magi」(賢人たち)なのだ。もちろん、こんな読解や理由の説明は、話題の大学入学共通テストの記述式問題には使えないけど♪

    

フルマラソンの影響で、いまだにすぐ眠くなってしまうから、私はそろそろ自分に眠りをプレゼントしよう。これこそ、最も賢い贈り物だろう。今現在、個人的には♪ 現代日本の全体だと、朝日新聞の小見出しのように、「相手思う気持ち 多彩に」ということか。特に、無理しない範囲での個人的なプレゼントやお祝いが主流。派手で豪華だったバブル期からは激変した。

    

ごく一部の超富裕層は、バブル期どころじゃない凄いプレゼントをしてるんだろうな・・とか想像しつつ、ではまた明日。。☆彡

  

     (計 3197字)

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国立国会図書館の本・雑誌のコピー(遠隔複写)、ネット利用者登録で郵送してもらう方法

知らなかった・・と思うことは山ほどあるけど、これは驚いた。国立国会図書館のサイトが沢山あったのだ♪ そこか!

   

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いや、これは重要なことだと思う。私が今まで使ってたのは、検索の「国立国会図書館サーチ」と、古い資料をネット公開してる「国立国会図書館デジタルコレクション」がほとんど。だから、一部のデジタル資料を他の図書館に送信してもらうことくらいしか、オンラインサービスに気付かなかった。

    

それだと、普通には見ることができない本や雑誌を見ようと思ったら、わざわざ行きにくい国立国会図書館まで出かけたり、別の特定の図書館へのデジタル化資料送信サービスを使うしかない。どちらも面倒だから、今までずっと色んな文献を諦めてた。

  

もちろん、その種のものは、ネットの古本や個人売買・オークションにも無いのが普通だし、日本語の文献はGoogle Booksとかの無料公開も少ない。マニアとしては、不自由な思いをして来たのだ。

  

  

     ☆     ☆     ☆

ところが最近ようやく、国立国会図書館HPが色々と分かれてることを発見。そこから先はわりと簡単で、ネットの操作だけでコピーを手に入れることが出来た。実に素晴らしい! ちょっと料金の総額が高いけど♪

  

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手続きのスタートは、一番メインのHPで「サービス・・」のメニューを選択する所から。遠隔複写サービスと、複写料金表の項目が表示される。

   

個人が使うためには、「個人の登録」利用者になるか、「インターネット限定登録」利用者になるか。ここでは、地方の方にも便利で簡単な、インターネット限定登録を見てみる。実はこれがちょっと分かりにくくて、挫けそうになった♪

   

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苦労したのは、上のログイン画面がなかなか出なかったから。似たHPが色々ある中で、「国立国会図書館オンライン」にアクセスして、右上のログインをクリックとかタップすればいい。そして、上図の左下の「新規利用者登録」を選択。

  

後はよくあるパターンで、メールアドレス入力→自動返信メールを受信→返信メールのリンク先にアクセス→登録完了。スムーズに進んだ。

  

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     ☆     ☆     ☆

最後はいよいよ本題の遠隔複写サービス申込。ログインして、文献を検索。書誌詳細画面の右下に、「遠隔複写」のボタンが表示されてるから、押して入力すればいい。ただ、ログインしてないとボタンは出ない(多分)。

  

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後はコピーする箇所を正確に入力。さすが国会、細かい指示がある。

 

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(合計金額)=単価23円×数量+手数料200円+消費税10%+送料。

  

例えば10枚で送料が180円とすると、

 23×10+200+43+180=653円。

  

支払い用紙が同封されて来るから、コンビニで後払いするだけ。手数料は消費税込みでも100円以下だった。まあ、自分でわざわざ国会図書館に行ったとしても、旅費やコピー代はかかるから、単なるコピーなら遠隔複写の方がお得だと思う。

   

   

     ☆     ☆     ☆

申込から到着までの日数は1週間くらいで、途中の作業の進行状況はネットで確認できた。時間的には、国立国会図書館まで直接出かける方が遥かに早いけど、そこまで急ぐ人は僅かだろう。

   

あぁ、ノーベル生理学医学賞に続いて、ノーベル物理学賞も日本人は受賞できなかったのか・・とか思いつつ、ではまた明日。。☆彡

   

       (計 1349字)

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『M 愛すべき人がいて』~浜崎あゆみ&エイベックス会長・松浦勝人(マサ)の「事実に基づくフィクション」

amazonの電子書籍サービスkindleを使うようになって、売れ線の本の立ち読みは無料サンプルで済ませることが増えてる。ログインしてれば、ボタンを1回押すだけでダウンロード。あまりに手軽だから先日、間違えて購入ボタンを押してしまったほど (^^ゞ 慌てて取り消すのに苦労したって話はまた後ほど、別記事にまとめる予定(セコッ・・)。

   

ただ、売れ線でない本や古い本は無料サンプルが無いから、本屋で立ち読みするか図書館で借りるか、洋書ならGoogle booksとかで無料公開を探すか♪ 無料ばっかか! いや、本を買うことには抵抗ないんだけど、だからこそ買い過ぎて家がパンク状態になってる。マジでヤバイから、最近は極力、本を買わないようにしてるわけ。

   

それでいて、本より遥かに邪魔くさい新聞の購読は続けてる (^^ゞ マジメに全体を読むと、1ヶ月4000円の価値は十分あるし、電子版だけにしてもほとんど安くならないから、紙で契約した方がお得。最近は記事内容に引っかかることも多いけど、毎日の忍耐力トレーニングってことで♪

   

   

    ☆     ☆     ☆

さて、浜崎あゆみなんて今までブログに書いたかな?・・と思ってブログ内検索をかけてみると、過去14年間、5000本超の記事の中で数本がヒット。ただし、レビューは無し、単なるコネタ中心で、正直今まであんまし興味は無かった(失礼)。

  

同時代の大物ライバル・安室奈美恵と違って、曲もほとんど知らない・・っていうか、曲名もメロディーも一つも浮かばないほど♪ 紅白歌合戦のやたら後ろが長いウェディングドレスなら覚えてる(古っ・・)。 

   

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ただ、歌姫の顔と名前はあちこちで目にするから、自然と頭にインプットされてる。先日からは、暴露本(?)出版とかいう話がネット上で溢れてたから、ブログのコネタに使えるかな?・・って程度の興味で無料サンプルをダウンロード。「日本文学」カテゴリーでベストセラーランキング1位☆  

  

売れ線の企画が上手い幻冬舎による、『M 愛すべき人がいて』。著者は浜崎あゆみ・・じゃなくて小松成美(こまつなるみ)。19年8月9日現在、浜崎のインスタやツイッターには情報が見当たらないけど、小松のツイッターでは軽くPRされてる。

  

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驚いたのは、暴露(?)されたエイベックスの代表取締役会長CEO、松浦勝人(まつうら・まさと)のインスタグラム。本の表紙に使われた写真が堂々と、直近の投稿になってた(上図)。コメントは何もつけてないけど、本人提供の写真って話は事実なわけか。

   

それどころか、過去記事を探ると、本の中に出てたわりと最近の「壁ドン」写真もあった。2018年秋に壁ドンっていうのは、恐ろしく流行遅れだと思うけど、それを逆手に取ったレトロギャグなのかね♪ まったく社長っぽくない、むしろ少年みたいな感じが彼のウリの一つらしい。ちなみに現在、松浦54歳、あゆ40歳♪

      

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     ☆     ☆     ☆

本題に入ろう。ノンフィクション小説の冒頭、序章よりも前の扉には、「事実に基づくフィクションである。」と一言だけ書いてた。

   

一方、本の末尾には1ページだけ、浜崎自身の言葉がある。リアルとファンタジーの融合で、どこまで本当かは自分たちだけが分かってればいい。ただ、一生に一度、自分の身を滅ぼすほど、ひとりの男性を愛したと。

     

ということは、私は無料サンプルだけじゃなく、実物の本も立ち読みしてしまったのだ。しかも超珍しく、最初から最後まで(コラッ・・笑)。20分くらい、書店員の冷たい視線を背中に浴びながら♪

   

いや、浜崎にあんまし興味がなかった私でも、面白くて止まらなかったわけ。平成の全体を駆け抜けた超有名人2人の恋愛話として。また、浜崎本人による心情豊かな自伝として。1ページあたり、38文字×15行=570文字。200ページちょっとだから、11万字ちょっと。空白部分がかなりあるから、実質的に7~8万字かな(細かっ・・)。

    

マニアック・ブロガーとして気に入ったのは、フィクションと言いつつ、簡単に確認できる本当の年月や具体的エピソードが溢れてる点。ウィキペディアの来歴と比較しても完全に合ってるし、本に書いてた銀座のお店でのお食事も、本人のインスタで確認できた。確かに、会長を「マサ」と呼んでる。マサは少年みたいな服装なのに、あゆは大人の女のミニドレス。

  

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     ☆     ☆     ☆

無料サンプルで読めるのは、「序章 Mとの再会」。何気なく、こんな分かりやす過ぎる説明もある。「Mは、マサの頭文字。マサは、私の愛した人」。Mが携帯の登録名だということも、エイベックス取締役会長CEOという肩書も書いてたから、完全に名指し状態。

  

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日本に帰国した時、思いがけずマサが空港で一人で出迎えてくれたのを見て、「嬉しさの涙がせり上がるのを止められなかった。この人のために、この人と過ごすために、私は生きている。そう考え呟いた歳月は昨日のことのようだ」。。

  

そこまで書いていいの? 私はすぐ、マサの家族関係を調べたけど、再婚して子ども3人かな。おまけに奥さん・畑田亜希の写真は、浜崎ソックリと言っても言い過ぎじゃないほど、よく似てる。奥さんの許可は得てるのかね? 子どもがどう思うのかも、ちょっと心配。お父さんに似た人の小説というより、お父さん自身に関する現在進行形の恋愛ノンフィクションだから。

    

浜崎は2回結婚して離婚してるようだから、現在はバツニの独身、子ども無しが事実か(ハーフの隠し子とかの噂あり)。まあ、新しい恋人のウワサは流れてるけど、仮にそれが本当として、その彼はこの本をどう思うのかね。本人から直接聞いてるから驚きは無いのかな? それも個人情報保護的にちょっとビミョーかも。

   

そう言えば、浜崎のお父さんの思い出もちょっとだけ書いてあった。小さい頃、突然いなくなったお父さんの代わりがマサ。ファザコン的な愛だったからこそ、別れて間もない頃、心理的ストレスも加わって内耳性突発難聴になったのかも。

   

   

     ☆     ☆     ☆

男の私が読んで一番インパクトがあったのは、松浦氏が本名・濱﨑歩(はまさきあゆみ)を見初めてからの、遠大なプロデュース。ちょっと可愛いコがいたから試しに売り出してみたって程度の話ではない。

  

ジュリアナ東京の後を継ぐ形の巨大ディスコ・ヴェルファーレのVIPルームで出会ってから、足かけ3年(!)もかけてCDデビューさせてる。その間に、ニューヨークで単身修行させたり、歌手としてのレッスンを積ませたり、大掛かりなプロデュースを企画・実行したり。マサは最初、あゆの顔も名前も忘れてたらしい(笑)。いくらでも周囲に若い女の子がいたと。

    

ところが途中、浜崎の方から実名の手紙で告白すると、離婚直後だったマサは当時の彼女とも別れて、いきなり双方の親に交際宣言までしたらしい。完全に本気モード。ちょっと、小室哲哉と華原朋美の関係を思い出す所でもある。身分の差も年齢差もほぼ同じ。

                

面白いのは、浜崎の自虐ネタみたいなものもかなり入ってること。子どもの頃から協調性がないし、友達も少ないし、歌も下手だったし、「バカ」扱いされたし(笑)。当初は業界内で、周囲の人達の評価も低かったような話も繰り返し書かれてた。あのコは売れないよ、ハズレだよ・・って感じ。

     

そんな中で、強烈にプッシュし続けてくれたのがマサだったからこそ、後のエイベックス内部の争いでも、浜崎は松浦擁護に回ったわけか。意外とあっさり別れた後も、浜崎はアルバムのクレジットに、「max matsuura」のプロデュースだと書き続けてたらしい。それがマサの心の支えにもなってたと。

   

要するに、ある意味、ずっと愛し合って来たわけだ。どっちも、その時々で家族や恋人がいたにも関わらず。四半世紀、足かけ25年もの大恋愛。。

   

   

     ☆     ☆     ☆

ちなみに去年の秋、安室奈美恵は惜しまれつつ引退したけど、浜崎はこれからもずっと歌い続けるつもりらしい。マサが今後もずっと(20年後の還暦まで?)支えてくれるとの事。

     

いずれ、松浦氏の側からも「事実に基づくフィクション」が出版されると興味深い。例えば、子ども(後継者)に対する価値観の相違とか。 ひょっとすると、あゆのプロデュースが軌道に乗ったから自分は身を引いた・・って感じの話が出て来るのかも。経営者としても一回り年上の男性としても、納得できる選択だと思う。

  

そんな想像もできるような良好で親密な関係に戻れたからこそ、こんな詳細な打ち明け話も出版できたわけだろう。恨みや不満なんて微塵もなくて、むしろ信頼や深い愛を感じる物語だった。

   

私は全く知らなかったけど、自作とされる歌詞がたっぷり掲載されてたから、その時々の恋愛模様と比較するのも面白い。もちろん、個人的な背景とは別の独立した詩として、独創的イマジネーションとして純粋に味わうのもアリ。その種の話は、芸術・アートの解釈に付き物だ。例えば、ダヴィンチのモナリザは実は・・って感じの蘊蓄(ウンチク)的説明とか。

   

   

     ☆     ☆     ☆

というわけで私としては、自慢とか痛いどころか、予想外に面白かったし、浜崎あゆみに対する印象が大幅に良くなった。(安室と違って)最初からビビリつつグループ活動やユニットを断ってるのも潔いと感じた。その意味では、エイベックスの再プロデュース戦略に見事にハマってしまったのかも♪ まあ、今のところ、無料サンプルと立ち読みで応援するのみだけど(笑)

    

それにしても、超大物の男は何でも手に入るんだなと改めて嫉妬・・じゃなくて感心しつつ、単なる小市民の感想はそろそろこの辺で。。☆彡

   

       (計 3890字)

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大森兵蔵『オリンピック式陸上運動競技法』&『いだてん』第9話

名作ドラマ『ビーチボーイズ』のファンとしては、竹野内豊というと、

旅する孤独なエリート青年・海渡のイメージがある。

 

初回は電車で田舎のビーチに到着・・というより漂着♪ 最終回

はまた一人で、わざわざ広海(反町隆史)と反対方向に旅立つ。

その後のSP(スペシャル)でも、南の海でイルカと旅を続けてた。

 

ところが『いだてん』第9回だと、遥かなシベリア鉄道の旅に出る

のはいいとして、愛妻・安仁子(あにこ : シャーロット・ケイト・

フォックス)とイチャイチャ、ベタベタ♪ おまけに咳はゴホゴホ。

金栗四三(中村勘九郎)じゃなくても、単なる変なおじさんに見える。

 

「とつけむにゃあ」(とんでもない)変人だなと思ってたら、ちゃんと

大河ドラマの最後のミニコーナーでフォローが入ってた。実は

やっぱり、当時のスポーツ系知識人として優秀だったらしい。

 

早速、主著を読んでみると、なるほど確かに中身のある解説書で、

今読んでも十分役に立つと思った。一部の妖しい箇所を除けば♪

 

 

      ☆       ☆       ☆

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上が『オリンピック式陸上運動競技法』。明治45年(1912年)

6月の発行だから、ちょうどストックホルム五輪に合わせた出版。

案外、本の宣伝もあって選手2人の付き添いになったのかも♪

運動世界社とは、今の社名ならスポーツワールドとか。

 

値段は20銭。貨幣価値は数千倍ほどの違いだから、500円

~1000円くらいで、今のマニュアル本の価格とほぼ同じだ。

白黒で90ページほどの小冊子だけど、「国際競技会委員

米国体育学士」の肩書も付いてるから需要はそれなりにあった

はず・・・とか書きたい所だけど、自信はない(笑)

 

今だと、国立国会図書館デジタルコレクションで公開中

無料で登録不要。便利すぎて逆に怖い時代かも。昨夜のNHK

でも、速くて手軽で大量の情報が悲劇を生んでしまった実例を

紹介してた。。

 

 

      ☆       ☆       ☆

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上図は短距離走で使うスタート地点。「地面」に斜めのくぼみを

掘って、「後崖」と書いてる後ろ側の壁面を蹴ってスタートしてた

らしい。

 

今は地面の上側に器具(スターティングブロック)を取り付ける

のが普通かな。いや、そろそろ、陸上トラックの面の下側から

器具が自動で浮上しても不思議はないけど。。

 

 

      ☆       ☆       ☆

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前置きの「運動家気質」(スポーツマンシップ)の項に、面白い

ことを書いてる。当時の一般社会だとまだ、かけっこは相手に

勝つのが目的だから、相手の邪魔をするのも珍しくないらしい。

 

「かぶせる」とは、身体を相手のちょっと前側にピッタリ寄せて、

走りを妨害することじゃないかな。テレビや映画のカーチェイス

で、逃げる車を強引に止めるような感じ。

 

もちろん論外で、勝利よりもレコード(記録)への挑戦が重要。

競技会は個人間の競争でなく競技者全部の協同事業

と明記してある。今の感覚でも立派すぎて、単なるキレイ事

に聞こえるかも♪コラコラ!

 

そう言えば、東京マラソン2019でまさかの棄権に終わった

大迫傑選手は、記録より勝負が信条だったね。そう言いつつ、

記録で1億円もらって、マラソンの勝負は勝ててなかったりする♪

理想と現実は違うのであった。

 

 

      ☆       ☆       ☆

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この写真(?)、CG合成ではないわけね♪ 無いだろ! いや、

ずいぶん極端な前傾だから。モデルが三島弥彦(生田斗真)

だったりして。

 

画質は荒いけど、今とそれほど違わない姿に見える。陸上は

最も原始的なスポーツなのだ。特に短距離。次が、レスリング

やボクシング、重量挙げかな。マラソンはビミョーだね♪ 原始

時代には給水所もないし、貴重な食糧の浪費だし。

 

 

     ☆       ☆       ☆   

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笑えるのが、上の「百米突」(100m)の漢字♪ そこか! いや、

それよりも、徒歩競走の説明。

 

・・・出発直前の瞬間に於て最も新鮮なる空気を充分に吸入 

 貯蔵して置くのは、殊に確守す可き要件である。而して 

 出発後に於ては、途中僅かに一回の呼吸を以て百米突 

 全距離を走了し得るやうにならなければならない。稀に 

 一呼吸もしないものさへあるが。

 

息を止めて走れと♪ そのまま「息が止まる」人もいると(笑)。

オイオイ! 瞬発系の「無酸素運動」でも、無呼吸ではないこと

くらい分かりそうなものだけど、実は検索してみたら今でも誤解

は少なくないみたいだ。「短距離は無酸素運動だから息を止めて

走る」とか。

 

無酸素とは、酸素の代謝が(ほとんど)間に合わないことを指す

表現で、呼吸しないわけじゃないし、呼吸に意味がないわけでも

ない。そもそも、走らなくても呼吸は必要なんだから。

 

口をふさいで実験すればすぐ分かる・・とかテレビでコメントしたら

炎上するかも(笑)。危ないわ! まあでも、私も平泳ぎの潜水で

25m泳いだ記憶はある(1回か2回、飛び込み無し)。ただ、自分

で危ないと感じたから、すぐ止めた。賢明な判断で、いいね♪

 

 

     ☆       ☆       ☆

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最後に、1500mを超える「長距離競走」の「概則」。

 

・・・週約2回の野外横断走を行って耐久力の維持発達に 

 努める外は、短距離競走を練習して速力増加に主力を 

 注ぐべきである」。

 

ロードとかクロスカントリーに加えて、短距離トレーニング

をしろと。そう言えば私も高校陸上部時代、短距離ダッシュの

練習してたな。あと、100m飛ばして100mジョグでつなぐ、

インターバル・トレーニングとか。今やると、足を痛めそう (^^ゞ

情けない。。

 

そうそう。100年前にもう、「ジョグ」という言葉が使われてた。

考えてみると、走る競技で一番変わったのは靴で、他は結構

変わってないのかも。。

 

 

      ☆       ☆       ☆

時間が無くなったから、そろそろ終わりにしよう。ドラマのサブ

タイトルの『さらばシベリア鉄道』は、昭和歌謡曲へのオマージュ

(敬意を込めた模倣)ね。作曲は5年前に他界した大瀧詠一、

歌は太田裕美。歌詞は別れた直後の男女のやり取りなのか。

 

シベリア鉄道の長旅、トイレはどうにでもなるとしても(コラッ♪)、

洗濯物はどうしたのかな・・とか心配しつつ、ではまた明日。。☆彡

 

          (計 2451字)

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白田(シロだ)作の青春小説『府中 三億円事件を計画・実行したのは私です』、新人PRを計画・実行したのはポプラ社です♪

 「あり得ぬ話と知りながら もしやもしやに

  もしやもしやに 読まされて~♪」

 

『岸壁の母』か!(作詞・藤田まさと)。古っ。。 いや、そもそも

平成ブロガーは、岸壁とか昭和43年(1968年)三億円事件

とか言われても、それほどピンと来ない。モンタージュ写真と時効

&未解決くらいなら一応知ってる程度だ。

 

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ところが昨日(18年12月10日)の朝日新聞・夕刊をボーッと

流し読みしてると、50年目にして解決したような記事がデカデカと

載ってる♪ 本物の朝日の記事まで組み込んでるから、理解する

まで5秒くらいかかった(笑)。単なる全面広告か!

 

そう言えば、前日(12月9日)の朝日新聞・天声人語も、「あす

10日で発生から50年」と書いてた。朝日の広告部門と編集部門の

共犯か♪ タクシー会社が先月から5回開催してる現場探訪ツアー

には、定員の8倍の応募があったらしい。マニアックで、いいね。

 

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ただ、三億円事件がそれほど大きな未解決事件かというと、

ビミョーな部分もある。今の貨幣価値で10億~20億円としても、

被害や不安感に大きな社会的広がりがあるわけじゃない。試しに

NHK『未解決事件』のリストを見ても、最新7番目まで登場せず。

オウム真理教なんて、3回も登場してるのだ。

 

 

      ☆       ☆       ☆

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そんな感じで、冷めた思いも強かったけど、「もしやもしやに」と

思って、ネットの無料公開サイト「小説家になろう」にアクセス。

ところが、作者・白田の他の小説はあったけど、肝心の小説は

検索しても出ない。完全に削除済みか。恐るべき、資本の論理。。

 

違法な海賊版を探し回る気もしないし、個人のネタバレ系サイトも

あんまし役に立たなかったから、アマゾンの電子書籍の無料サンプル

を取得。iPadのkindleアプリを超久々に開いたら、勝手

にアップデートされてて、使い方が分かるまで2分かかった(笑)。

以下の感想は軽いネタバレなので、ご注意あれ。

 

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無料サンプルの内容量は少ないけど、目次だけでも雰囲気は

つかめる。少年S、一人の女性、省吾。。 このSと省吾は同一

人物で、作者・シロだ・・じゃなくて白田の親友&仲間。今も無料

公開されてる追加エピソードの小説にも書かれてた

 

男子としてはやっぱり、女が気になるね♪ 「高値」の花に大金を

貢いだとか。分かりやすっ! ただし、今の時代、不用意に「犯罪

の陰に女あり」とか口にすると、ごく一部の女子にMe Too

攻撃を浴びるから、ブログに書いたりはしない(笑)。書いとるわ!

 

・・っていうか、陰に女ってことは表に男だから、むしろ男性差別的な

言葉だったりする。まあ、男が圧倒的に多いのは統計的事実だけど♪

 

 

      ☆       ☆       ☆

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で、サンプルの本文。「府中三億円事件を計画・実行したのは

私です」・・。冒頭はまあいいとして、第二節「現在の私について」

を4行読んだところで、素人が書いた若者向けライトノベルか・・

と思ってしまった。まあ、ライトノベルなんて読んだことないけど♪

 

 ・・・私は現在、息子夫婦と暮らす一人の老人でございます。

 孫にも恵まれ、人並みではありますが慎ましい幸せを享受

 しております。昨年の十月に行われた孫の運動会では、

 年甲斐もなくはしゃいでしまい、息子夫婦には大変に

 恥ずかしい思いをさせてしまいまして・・・・・・。

 ・・・・・・申し訳ありません。話が逸れました。

 

やれやれ、偽物の素人小説には付き合いきれない・・と思い

つつも我慢して読み進めると、先日、69歳の妻が事故で他界した

のが告白のキッカケとの事。う~ん。。 作り話にしてはあまりに

ベタ過ぎるから、逆に本物に感じてしまうほど♪

 

息子に告白したら、「世の中に発表しよう」と言われて、普通の

メディアは「諸事情により断念」。インターネットサイトを見つけたと。

人生において最も大切だった親友を失った」から(?)、「罪の意識

が一切無いのです」。

 

この事件は、私の青春そのものなのです」。ユーミン『卒業写真』か♪

古っ! 「あなたは私の 青春そのもの」。。

 

女だけじゃなく、男にも強い愛があると。ゲイというか、バイなのか?

50年前の日本だと、バイクは人気でも、バイはかなり珍しい存在だと

思うけど。

 

ちなみに、この小説を批判する別の情報を見ても、真犯人は白バイ

隊員の息子で男性同性愛者とされてる。その後、自殺に見せかけて

他殺されたとか。もちろん未確認、妖しいサイトTOCANA

の記事にすぎないので、念のため。

 

 

     ☆       ☆       ☆

それにしても、特設サイトでPR動画まで公開するとは、ポプラ社

も気合が入ってる。フラッシュの点滅、多過ぎ!(^^ゞ ますます

怪しい雰囲気。 人気アニメの『エヴァンゲリオン』か! 学生運動

って言葉が目新しいけど、高齢者向けキャッチフレーズかも。

 

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とにかく、限りなく怪しい小説だけど、どうもまだしばらく話が続く

らしい。続刊もポプラ社かな。現在6万部とか書いてたけど、その

程度の売り上げだと会社としては赤字かトントンかも。

 

作者の白田だけは、早くも

 1000円×10%×60000

  =600万円

程度の印税を手に入れたのであった。話の核心は、この平成の

「600万円事件」かも♪

 

というわけで、出版社の宣伝戦略に見事に踊らされたところで、

今日はそろそろこの辺で。。☆彡

 

          (計 2158字)

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ウン、この算数ドリルもいい♪、文章題ぎらいの小学生でもウケるかも

「ウン、この漢字ドリルはいい♪」という記事を書いてから、もう

1年半も経つのか。

 

最近は話題にならなくなってるけど、アマゾンの売れ筋ランキング

を見ると、今でも売れてるらしい。いわゆる肛門期(2歳前後)に近い

低学年には、特に売れてるようだ。案外、親や先生が面白がってる

のかも知れないけど(笑)。

 

うん、このアイデアなら他の教科にも使えるだろうと思ってたら、

遂に登場。『う ・ こ算数ドリル』♪ とりあえず、小学1年生と2年生

の文章題(文響社)。

 

 

     ☆       ☆       ☆ 

ウン、こくごならともかく、算数であの単語やイラストを入れるには、

文章題が自然だろう。ところが文章題というのは、算数・数学好きの

生徒でさえ嫌うことが多くて、出来も悪いはず。

 

もうすぐ始まる大学入学共通テストの試行調査(第1回)でも、簡単な

数式処理に少し文章読解をからめるだけで、高校生のほとんどが

解けないという事態が生じてしまったほど。

 

それだとテストとして機能しないので、先日の第2回は一気に単純な

問題になってしまった。文章や図形も含めた数学好きとしては淋しい

限りの状況だ。。

 

 

      ☆       ☆       ☆

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ただ、11月22日発売の1年生向けドリルは、早くもアマゾンの

ベストセラー1位を獲得(小学生の算数カテゴリ)。中身の画像5枚

を見る限り、私の感覚だと良い出来だと思う。アイデア頼みの適当

な作りではなく、よく考えられてる。

 

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もくじを見ただけでも、しっかりした出来だと分かる。大文字で面白い

ことを書いて、下の小文字の副題で教科書的な説明を書き添える形。

 

「ふえると いくつ?」、「あわせて いくつ?」。自然数の足し算の

2つのパターンから入ってる。続いて、「のこりは いくつ?」、「ちがい

は いくつ?」で引き算の2パターン。第4章だけあの単語が入って

ないのはなぜなのか、本屋で立ち読みしたくなる♪

 

 

     ☆       ☆       ☆

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第1章、もらったう ・ こ ~ふえるといくつ?~。いいなと思った

のは、あのシールを貼れること。足すという操作を手で感じ取れる。

これは楽しいね。買おうかな、自分のために(笑)。

 

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別に、あのシールだけ並んでるんじゃなくて、ちゃんと人間や動物

のシールもある。何ページで使うのか書いてるのも親切で、いいね。

 

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れんしゅうもんだいで、えんぴつを刺してるのを見て、そういえば

木の枝とか刺して遊んでたな・・と思い出した。下手に差し込むと、

ポキッと折れて、手につくこともある(笑)。

 

そういった経験を通じて、身体コントロールやリスク管理も学んだ

わけか。鼻呼吸と口呼吸の使い分けも♪ ライオンのは見たこと

ないけど、犬ならたまに見てたね。

 

 

      ☆       ☆       ☆

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解答らしきものの画像もちゃんとついてたけど、まさか解説書が

別売りになってるとか(笑)。教科書ガイドか! 税込1242円

はそれほど高くないと思う。子どもがホントにやってくれるのなら。

あるいは、大人のお遊び用なら♪

 

3ヶ月後の2月下旬には、計算ドリル版も発売予定。どっちが

売れるのかも興味深いところ。この後、中学ヴァージョンや高校

ヴァージョンが出たら爆笑だけど、流石に大学ヴァージョンはない

と思う♪ 大人の再教育ならアリか。

 

というわけで、月曜の仕事をひかえた大人が日曜夜にアレの話

をずっと書くのもなんだから、この辺にしよう♪ ではまた明日。。☆彡

 

        (計 1350字)

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日テレ『イッテQ!』ラオス自転車・橋祭りのやらせ疑惑(by文春砲)、英語・ラオス語検索や現地写真など

たまたま数日前、日本テレビが月間視聴率三冠王の座から滑り

落ちたニュースが出てた。これは裏を返すと、それだけ日テレが

テレビ界の王座に君臨し続けて来たということだ。同系列の読売

新聞が世界最大の発行部数だから、両者で日本のマスメディア界

のトップをキープしてることになる。

 

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その日テレの看板番組の1つが、『世界の果てまでイッテQ!』。

今回、8日発売の『週刊文春』11月15日号で批判された2018年

5月20日の放送は、平均で世帯視聴率19.2%。この週の「その他

の娯楽番組」部門でトップの人気を誇ってた(ビデオリサーチ調べ、

関東地区)。

 

番組内で色々ある企画の一つ、宮川大輔「世界で一番盛り上がる

のは何祭り?」がその回で訪れたのは、東南アジアのラオス。番組

公式サイトの過去記事には今でも、「年に一度の祭りとあって 町中

の人が集まって来た ・・・・・・橋祭り開幕!」と書いてある。

 

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     ☆       ☆       ☆

実は上の宣伝文句は、よく読むと、完全な間違いとは言えない。

ただ、非常にミスリーディングな(誤解を招く)ものになってる。

 

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町中の人のほとんどは、自転車で泥水の細い橋を渡る「橋祭り」

というより、それを脇に含む大規模の「コーヒー・フェスティバル」に

集まってたのに、それを伝えてないのだから。「橋祭り」とは、実は

「端祭り」だ。

 

下の写真は、文春が引用してるラオス・コーヒー協会facebook

のもの。左の端に見えるのが、橋祭りのセット。会場全体から見ると

完全な端で、番組の制作サイド(日テレ&ラオス)が今年初めて

作ったもの。日テレ公式見解も、初めての開催だと認めてる。

 

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ちなみにコーヒー協会の写真は今現在、文春が引用したものばかり

が拡散してるから、別角度の画像も載せとこう(4月14日)。もともと

東南アジア情報の配信TVサイト「MALIMAR」の動画で、静止画

キャプチャーが出回ってるのだ。左上のロゴが同社のシンボル。

 

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お祭りの賑わいから完全に外れてた場所なのは、一目瞭然。

実際、日テレが放置してるYouTubeの海賊版ビデオを見ると、

セットの周囲は映さないようになってて、ごく一部で階段に座る

僅かな人が目に留まる程度だった。スタッフと参加者らしき人達

ばかりが目立ってる。

 

文春によると、観客は僅か30人程度。コーヒー協会の夜の写真

が象徴的だった。

 

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     ☆       ☆       ☆ 

日テレの公式見解は、次のように弁明してた。「現地のコーヒー

フェスティバルの敷地で開催されることは、事前に承知しており

ましたが、これまでにもイベントとセットで催しが行われるケースは

珍しいことではなく、意図して紹介しなかったわけではありません」。

 

明らかに意図的な撮影と編集だが、今の時点ではそう書くしか

なかったのだろう。どうせ半年近く前の単なるバラエティ番組の内容

だし、話題になるのは今だけだろうから。

 

ただ、文春はかなりの手間隙をかけた取材で裏付けてる。現地の

日本人、ラオス情報文化観光省(名前と顔出し)、駐日ラオス大使館、

在ラオス日本大使館、現地と日本(?)の制作コーディネイト会社。

「橋祭り」などラオスやビエンチャンで(ほとんど)話題になってないし、

この街にも無かった。だから直ちに、日テレ見解に反論してる

 

日テレも「現地からの提案を受けて成立した」と認めてるのだから、

直接的な関与の有無や程度に関わらず、かなり苦しいのは確か。

おまけに文春によると、参加者20人の内、10人が地元のサッカー

クラブから意図的に集められた少年達とのこと。彼らやクラブ側に

渡った賞金や賞品、紹介料はどこから出たのか、明らかだろう。

 

 

     ☆       ☆       ☆

日テレ側に残された最後の言い訳は、「東南アジアのテレビ局でも

取り上げられるなど各地で人気となっている催しとの事で、番組

サイドでも資料映像等を確認した上で、企画決定に至りました」と

いう文章。

 

国際的な話題が気になった時、私はすぐ英語で検索してるが、

今回はそれに加えてラオス語(=ラオ語、ラーオ語)でも検索。

色々と言葉を変えてググってみても、「橋祭り」の類は全く出て

来なかった。見落としがあるのせよ、ほとんど話題になってない

のは間違いない。

 

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ラオス語での検索は、本当は方法が特殊なのかも知れない。

あまりに的外れな結果が表示されるから。下は「自転車 祭り

橋」の一例。英語からラオ語へのGoogle翻訳利用。

 

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     ☆       ☆       ☆

ただ、以前記事に書いたオーストラリアの企画なら、英語圏とは

いえ、すぐ現地情報が確認できた。単なる小さな村のイベントだ。

それに対して今回は番組関連以外の情報が(ほとんど)何一つ発見

できないわけで、企画の詰めの甘さを問われても仕方ないと思う。

 

もちろん、これ自体はハッキリ言って、些細な問題にすぎない。

ただ、王者・日テレの看板番組だから、他の回や他の番組の印象

にもじわりと影響を与えかねないと思う。その意味で、同系列の

読売HPが素直に非を認めてたのは潔い姿勢だった。

 

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テレビにせよ、ネットや口コミにせよ、メディアを扱う能力(リテラシー)

が問われる時代だと再確認した所で、今日はそろそろこの辺で。。☆彡

 

           (計 2105字)

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うつ発病から1年、回復に向かう将棋のプロ棋士~先崎学『うつ病九段』

たまたま今日、2018年10月17日、昨年春から大注目の

将棋界の天才児・藤井聡太七段が新人王のタイトルを獲得した。

 

まだ16歳、あどけない顔つきの高校1年生で、プロ棋士という

より将棋大好き少年といったイメージの方がピッタリ来る。羽生

竜王以来かそれ以上、数十年に一人の逸材と言われるほど。

 

スマホ使用疑惑事件で大揺れだった将棋界と日本将棋連盟は、

彼の活躍をはじめとして、ネットの動画配信、SNS、映画、漫画

などのおかげで、倍返しの人気を獲得。一部の女流棋士たちは、

ちょっとしたアイドル的扱いにもなってる。

 

こうしたV字型の盛り上がりの中で、まるで逆行するかのように、

うつ病の谷底に沈んでいた将棋指しが1人いた。先崎学・九段、

現在48歳。羽生世代の有名棋士で、今回の著書でも同期の

大棋士を「羽生」と呼び捨てにしてるのが目立つ(同学年)。

 

スマホ騒動の火消しにも尽力したらしい先崎が、将棋界から2年

ほど遅れてV字回復を目指す姿を描いたのが、『うつ病九段』

(文藝春秋)だ。副題は、「プロ棋士が将棋を失くした1年間」。

すぐ読み終えた友人から頂いたので、さっそく拝読。簡単に感想

その他をまとめてみよう。

 

ちなみに私も田舎の少年時代は微かにプロを夢見たことがあるし、

このブログには精神医学関連の記事も多い。個人的にも身近な

話だった。

 

下は奥様の囲碁棋士、穂坂繭・三段のツイッターより。『週刊現代』

の「泣けるインタビュー」と、2人で1年前から経営する囲碁将棋

スペース「棋樂」もPR。

 

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     ☆       ☆       ☆

この本を知ったのは、先月の朝日新聞の書評欄(9月29日朝刊)。

「売れてる本」(7月刊行で28000部)として、タレント精神科医・

香山リカが好意的にレビューしてたのを読んでたのだ。題して、

「発病から詳述した“心の良書”」。

 

このレビュー・タイトルには、香山自身の考えも少し反映されてる

と思う。反論というほどではないけど、著者・先崎とは微妙にズレた

見解で、わりと普通のものだ。

 

本文後半で香山はこう語る。「著者は何度も繰り返す。『うつ病は

脳の病気』」。その後で香山は、心やそのふれ合いも大切だと

強調。おまけにタイトルに「心の良書」と書いてるわけだ。「脳の

良書」ではなく♪

 

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上は先崎が精神神経科に1ヶ月間(17年7月末~8月末)入院

した、慶応大学病院。「綺麗という一言・・・看護師さんたちも

綺麗」で、先崎が「顔で面接をしてるんですか?」とたずねたら、

そうなんですよ、分かります?」と即答されたそうだ(笑)。

美女は金と力のある場所に集中する。古今東西、変わらぬ真理♪

 

 

     ☆       ☆       ☆            

話を戻そう。先崎は心の揺れ動きや微妙なひだをわかりやすい

言葉で記録してるが、脳の具体的な話や写真・図解はないし、

薬の名前も作用メカニズムの話もない。脳の病気を引き起こした

のは心のストレスでは?、といった本質的な問いかけもない。

 

にも関わらず、彼が「脳の病気」だと繰り返すのは、基本的に兄の

精神科医(先崎章、埼玉県総合リハビリテーションセンターか)の

影響だし、現代精神医学の主流(の強調)とも言える。

 

先崎の数ヶ月前に同じ文藝春秋社から出た、歴史学者・與那覇潤

の『知性は死なない 平成の鬱をこえて』も、その路線で学術的

に論じた著作。

 

薬と休養(休職、入院)で脳の機能を回復させれば治る、あるいは

実生活が可能な程度に緩和されるというのが、「うつ病(大うつ病

性障害)」の標準的考えだ。正確には、軽症は別として、中等症・

重症のうつ病に対するもの(日本うつ病学会・治療ガイドライン)。

 

脳内物質セロトニンを、SSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)

で実質的に増やせばいい、とか。商品名なら、ルボックス、パキシル、

ジェイゾロフトなど。もともと自分の脳にあった物質を、薬の助けで

有効活用する。改良版のSNRIなら、トレドミンとか。

 

 

     ☆       ☆       ☆

ただ、医学以外の社会的現実もあるようだ。それほど具体的には

強調してないものの、心の病、精神の病に対する偏見のようなもの

を感じてるらしい。こちらには薬物療法は効かない。

 

ここ20年ほど、有名人が続々と告白する時代になってるが、まだ

近寄りがたい雰囲気は残ってるし、閉鎖病棟や拘束に限らず、

治療の現実の問題も報道されてる。ヨーロッパの先進的で共生的

な動きに対する、日本の現場の遅れも指摘される。

 

先崎は本の末尾近くでこう語る。もちろん、かなりの実績とプライド

を持つ自分自身に跳ね返ることも承知の上で。

 

 「医者や兄は、今は理解がある世の中だし、精神病なんて 

  ものは昔のことばであるという。だが、実際はそんなに 

  単純なものではあるまい。 

  ・・・偏見がある・・・。他者に優越感を持つことによって 

  快感を得る人間が多いことを知っている」。

 

 

     ☆       ☆       ☆

「精神病」という言葉は伝統的に、重くて治りにくい病(分裂病=

統合失調症など)を意味して来た。

 

だから医学の世界ではここ数十年、その言葉を避け、「精神疾患」、

「精神障害」といった言葉に置き換えてる。やわらかい表現なら、

「心の病」。

 

しかし、まだ一般社会では、この使い分けが理解されてない。

 「うつ病 → 精神病 → 治らない・リスクが高い・遺伝する」

といったネガティブ思考で、うつ病を必要以上に恐れる傾向は

残ってる。だから、うつ病患者を何となく遠ざけることにもなる。

 

より正しくは、

 「うつ病 → 精神疾患

     → かなりの場合、治療と周囲のサポートで実生活可能

と言うべきだろう。

 

もちろん、寛解(症状の緩和・軽減)の後、再発のリスクはあるし、

退院後の通院・服薬も含め、完治までの道のりは大変だろうが。

 

先崎の兄が、「必ず治ります」、「必ず安定します」と短い断定を

繰返すのは、身近な家族だからこその愛情、思いやりであって、

プラセボ(偽薬)的な心の効果はあったらしい。

 

ちなみに「躁うつ病(双極性障害)」は、「うつ病」と微妙に異なる

別の病とされ、もう少し困難なので、一応分けて考えるべきだ。

 

 

     ☆       ☆       ☆

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とにかく、回復期(たぶん末期)に入った先崎は、兄の勧めで、

1月半ばから3月末にかけて本書を執筆。春から、将棋連盟

などの仕事と、上の写真の「気樂」で頑張ってるらしい。これも

奥様のツイッターより。東京都杉並区、西荻窪駅から徒歩1分。

 

将棋の公式戦の最初は、6月半ばの順位戦(B級2組)だろう。

さすがに初戦も含めて苦戦中、現在までの成績3勝6敗

なってるけど、それよりまず、心と身体をしっかり立て直して

欲しい。

 

家庭にも、棋士仲間(特に後輩たち)にも恵まれてるようだから、

気樂のベランダから見える景色のように、青空が広がることを

期待しよう。ひょっとすると、著書の続編もあるかも。闘病中に

親身になってくれた弟弟子、中村太地王座との共著『この名局を

見よ! 20世紀編』(マイナビ出版)は7月末出版。気樂HPより。

 

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    ☆       ☆       ☆

それにしても、凄いのは藤井聡太七段&新人王。正直な先崎は、

ふざけんな、ふざけんな、みんないい思いしやがって」と、本の

帯みたいに悔しがってるかも♪ 

 

2014年の厚労省・患者調査によると、うつ病関連(躁うつ病込み)

総患者数は110万人。医療機関に行かない人も含めると、実態

もっと多いはず。健全な嫉妬や焦りも、うつから抜け出すパワー

やエネルギーに出来るだろうと祈りつつ、そろそろこの辺で。。☆彡

 

 

 

cf. うつ病の診断基準と抗うつ薬~NHK『ためしてガッテン』

  大胆かつ繊細な試論~香山リカ『雅子さまと「新型うつ」』

  携帯連絡が返って来ない時の認知療法スキル(技)

     ~朝日新聞「100万人のうつ」

 

           (計 3074字)

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