ノーベル経済学賞2017、セイラー教授と最終提案ゲーム、エコン、ヒューマン

いわゆるノーベル経済学賞というものは、他のノーベル賞とは違って、

ノーベルの遺言には無かったとされるし、歴史もやや浅くて、設立も

賞金もスウェーデン国立銀行によるもの。それは、公式HPのプレス

リリースにもはっきり示されてる

 

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大見出しが「ノーベル賞」ではなく、「ノーベル記念・スウェーデン

国立銀行・経済学賞2017」となってるのだ。制度的・形式的な

ことだけでなく内容的にも、自然科学3部門に対するノーベル賞

よりは多少、格下に見られてる感はある。

 

ただ、逆に一般人にとっては、より身近に感じられる内容でもある。

日常的な社会で、リアルな「人間」がどう行動するかを論じたのが、

今回の受賞者セイラー教授(Richard Thaler)。上図の最後、

授賞理由は「行動経済学への貢献に対して」だと書かれてる。

 

5年前、2012年に受賞した「婚活理論」も似たような話で、当サイト

でも記事にした

 

 ノーベル経済学賞に輝いた婚活(マッチング)理論~OR4

 

 

     ☆        ☆        ☆

5年前がやや数学的な話だったのに対して、今回2017年はむしろ

心理学的な話で、ノーベル実験心理学賞のような印象もある。

 

既に今年はノーベル賞記事を3本書いたので、経済学賞はスルー

する予定だったが、朝日新聞が面白いコネタの形で紹介してたから、

予定変更。英語の原論文も読んだ上での軽い解説を書いてみよう。

 

まず、2017年10月11日・朝刊のコラム「天声人語」から引用。

やや長くなるが、これ以上省略すると意味が分からないと思う。

 

 今年のノーベル経済学賞に輝いたリチャード・セイラー米シカゴ

 大教授(72)の功績を縮めて言うなら「人間くさい経済学」を

 打ち立てたことだろう。従来の経済学が想定した常に冷静で

 合理的な人間を「エコン」と呼び、「人間はもっと不合理。エコン

 ではなくヒューマンだ」と唱えた。 

 

 ヒューマンらしさは「最終提案ゲーム」という実験に端的に表れる。

 2人に1万円が与えられる。配分額は1人が決め、相方は拒否権

 を持つ。拒否すると両者とも取り分はなくなる。従来の理論では

 1円を渡すのが「正解」とされた。9999円を手にでき、相方も

 「0円よりマシ」と拒まないと考えた。

 

 実験結果は違った。最も多かった選択は折半である。フェアマン

 (公平な人間)とゲームズマン(かけひき屋)。行動経済学者は

 「人の中には両面が同居する」と考えた。 ・・・ (以下略)

 

 

この後、朝日の筆者は総選挙批判に向かう。要するに、政界は

かけひき屋だらけだけど、我々は公平な人間として選ぶべきだと

いう話だ。セイラー教授自身がそんな正論を語るかどうかは不明。

賞金は「非合理的に使う」と、ひねった冗談を口にした人だから♪

 

ネットの朝日新聞デジタルには「ぐうたら経済学」という妙な題名が

付いてるが、これも遠回しの総選挙批判のつもりだろう。紙の新聞

にそんな題名はない。

 

 

     ☆        ☆        ☆

さて、天声人語には出典が何も書かれてないから、気になった私は

すぐにネット検索。セイラー教授本人の英語論文が直ちにヒットした

米国経済学会の雑誌に、1988年に掲載されたもののようだ。既に

30年前になる。

 

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 「Anomalies

 The Ultimatum Game

 変則的なもの  最終提案ゲーム

 

 

「変則的なもの」(アノマリー)とは、従来の経済学において合理的

に説明できないものを指す言葉で、この論文の中心テーマ。

 

「最終提案」と訳してる「ultimatum」は、ラテン語で「最後のもの」

を示す言葉をそのまま英語にしたもの。普通の英単語なら

「ultimate」。

 

つまりアルティメットであって、究極の総合格闘技の名前として有名

だろう。格闘技を意識した遊び心で付けたタイトルかとも思ったが、

格闘技団体UFCの設立は93年だから関係なさそうだ。

 

 

     ☆        ☆        ☆

では本題。セイラー教授の論文だと、最終提案ゲームの説明は

やや複雑な流れになってる。学術論文らしく、先行研究に配慮

してるからだが、ここでは「最初の実験」とされてるドイツの実験

(1982)を見ておく。

 

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経済学の学生42人を半々に分けて、一方は「プレーヤー1」

(配分者)のグループに、他方は「プレーヤー2」(受諾者)の

グループにした。

 

両グループの2人で、いくらかのお金(ドイツ・マルク)を分ける。

プレーヤー1が、プレーヤー2に配分する金額を提示するが、受諾

するかどうかはプレーヤー2が決める。拒絶すれば、両者ゼロ。

 

朝日は1万円と書いてたが、実際には4マルクから10マルクの

間だから、日本円だと500円前後の小銭で行った実験だ。

 

 

      ☆        ☆        ☆

従来の理論では、一つのモデルとして、配分者がゼロに近いプラス

の金額の提案をして、受諾者はそれを認めることになる。配分者は

なるべく多くのお金を手元に残したいし、受諾者もゼロよりは僅かな

金額の方がベターなはず。

 

ところが1回目の実験だと、最頻値、つまり最も多かったのは、半々

だった。21の実験例のうち、7例。平均値だと、元の金額の37%。

合計500円なら、185円を配分したことになる。

 

実は2回目の実験だと、もう少しプレーヤー1がずる賢くなる。半々

を提示したのは僅か2人で、配分の平均値も32%(160円)へと

低下。

 

ということは、経験を積むと公平性が少し減ったことになる。これは

朝日が触れてない、重要な現実的ポイントだろう。金額が上がると

どうなるか、実験ではなく実生活だとどうなるのか、そういった事も

気になる所だ。例えば、被験者はゼロ円になっても生活に困らない

が、労働者は収入ゼロ円だと困ってしまう。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

ともあれ、要するに人は公平性と利己的態度の両方を持ち合わせて

いる。「合理的に」自分が最も得することを考えるだけではなく、相手

とのバランスも考えるわけだ。

 

正直、当たり前の結論であって、もし従来の経済学で当たり前では

なかったのなら、そちらの方が奇妙だろう。本当に従来の経済学が

非現実的な「合理性」にこだわっていたのかどうか、調べてみる必要

は十分ある。

 

ただ、ノーベル賞・公式サイトの詳しい説明を流し読みした感じでは、

セイラー教授による過去40年の理論的進展を高く評価してるようだ。

 

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ちなみに「エコン」(econ : 経済学的な合理的人間)と「ヒューマン」

(公平性なども持ち合わせた現実の人間)の対比は、米国労働省・

統計局HPの去年の記事で確認できた。セイラー教授の2015年の

著書を用いたものだ。

 

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確かに、実際の経済政策などに応用されてる証拠と言えるかも

知れない。

 

 

     ☆        ☆        ☆

しかし、この新しい(?)経済学理論があっても無くても、行政や経済

の全体には大差ないと思う。遥かに現実的で大規模な経験データが

大量に蓄積されているし、人間がさほど合理的、理性的でないのは

昔から自明のこと。多様な感情や欲望が混在する存在なのだ。

 

そもそも、半々の提案をした者が本当に「公平性」を示したのか

どうか、そこからして微妙な問題だろう。ちなみに私なら、相手に

よって選択を変えるが、全くの他人なら45%くらいを提案すると

思う♪

 

手数料程度の上乗せは認めて欲しいという、小市民的で実社会

的な振る舞いだ。もちろん、親しい相手なら半々で即決に持ち込む。

相手の方から手数料を認めてくれるなら、一度か二度断った後、

申し訳なさそうに了承するのが、日本人というものだろう。

 

それでは、今日はこの辺で。。☆彡

 

 

 

cf.体内時計と遺伝子の解明

   ~ノーベル医学生理学賞2017、授賞理由

  重力波の観測 by LIGO(ライゴ)

   ~ノーベル物理学賞2017、授賞理由(英語原文と和訳)

  カズオ・イシグロ『Never Let Me Go』

   (わたしを離さないで)、英語原書と英語版ウィキのあらすじ

 

               (計 3166字)

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ネット詐欺の手口の分析と損得~関ジャニ∞チケットのなりすまし個人売買

私は多くのメール・アカウントを使ってるけど、毎日のように怪しげな

メールが送られて来る。大部分は無料メールと携帯メールで、開かず

にそのまま完全削除。

 

ただ巧妙なものもあって、いろんな理由で開いてしまう場合もあるし、

開いて正解だったこともある。

 

実際に被害を受けたのは、ネットの初心者時代に1回だけ。友人の

PC経由で送られて来たウイルス添付メールをうっかり開いた途端、

セキュリティ・ソフトが警告&作動。身内にすぐ知らせたけど、迷惑

はかけなかったようだし、私自身のPCも結果的に無事だった。

 

そもそも私が添付ファイルの名前を確認してれば、ウイルスだろうと

気付いたはず。それ以降は反省して、同じような失敗は一度もない。

 

とはいえ、ネットで世界とつながってる以上、被害にあう恐れは常に

あるし、ネット以外の現実社会にも危険や悪意はあふれてる。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

というわけで、今日は先日(17年9月11日)に発表された、ネット

詐欺の誤認逮捕事件を考えてみよう。やり方、方法の細かい考察

で、リスク回避の頭脳トレーニング。

 

既に多くのメディアで報道されてるもので、ここでは主として、ネット

メディアのBuzzfeedの記事の図を参考にする(渡辺一樹)。元の

情報源としては、産経新聞の報道などを使用。

 

登場人物は5人で、今現在、詐欺の疑いで書類送検されてるのは

京都の女子中学生(上図の左側)。ただ、可能性は低そうだけど、

これもまた誤認かも知れないので注意は必要だ。

とにかく今回の警察発表によると、以下の通り。

 

 

      ☆        ☆        ☆   

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 (1) まず女子中学生が愛知の専門学校生Aさんに、

    チケット2枚を8万円で買うと連絡(twitter)。

 

 

去年の8月のことで、関ジャニ∞の徳島ライブ(9月半ば)をめぐる

話だろう。この時、Aさんが伝えた連絡先と口座が後で悪用された

ため、誤認逮捕されてしまうことになる。

 

正直、私の感覚だと、既にこの時点でかなり違和感がある。私なら、

匿名性の高いツイッターで、知らない人と高額の個人取引をする

ことはあり得ないし、アイドルのライブチケットに本来の何倍もの

代金を払う気にもなれない。

 

まあでも今の時代、特に女性ファンの間だと珍しくはないんだろう。

私の周囲でも何度か聞いてる話で、みんな運良く(?)無事らしいし、

平気そうに見えた。話を事件に戻そう。

 

 

     ☆        ☆        ☆  

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 (2) 中学生はtwitterで、徳島と和歌山の女性(各1人)に

    チケットを売ると伝えて、Aさんの口座に4万円ずつ

    振り込ませる。

 

 

オレオレ詐欺でも、普通は自分の口座に振り込ませるはずなのに、

Aさんに成り済ましてる所が悪賢い。

 

この後、中学生がAさんに、自分あてにチケットを送らせても、既に

チケット詐欺は成立する。だまし取ったチケットを普通にどこかで

売れば、金儲けも可能だった。

 

ところが実際には、中学生はもう1人巻き込んで、取引を複雑にする

と共に、換金してしまう。

 

 

      ☆        ☆        ☆

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 (3) 中学生はチケット転売サイト(どこか不明)で、Aさんに

    なりすまし、2枚出品。それをBさんが65000円で落札。

    手数料を差し引いた6万円ちょっとが中学生に渡る。

 

 

この時点で中学生は、お金を手に入れてる。しかし、すぐ逃げると、

転売サイトに自分の口座その他を知られてるから、捕まってしまう。

そこで仕上げとして、最後のステップになる。

 

 

      ☆        ☆        ☆  

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 (4) Bさん宛にチケットを送ってくれと、Aさんに連絡。

    AさんはBさんにチケットを送る。

 

 

ここでは中学生が、Bさんに成り済ましたとも言える。これで結局、

徳島と和歌山の2人が計8万円損して、中学生が6万円ちょっと

得した。

 

 

      ☆        ☆        ☆  

それでは、8万円ー6万円、差し引き2万円は誰のもとへ?

 

クイズを出すと、正解者は少ないだろう。答え方は色々あるけど、

そもそも引き算するのが不適切。誤解を招くことなのだ。

 

むしろ、足し算。8万円の取引と6万円の取引、2回足して14万円

の取引が行われた。8万円はAさんに、6万円は中学生に渡った。

 

 

      ☆        ☆        ☆

何なら、中学生が徳島・和歌山の2人からチケットをだまし取って、

転売サイトでBさんに売ったと考え直してもいい。

 

 (一) 最初、Aさんが徳島と和歌山の2人に、8万円で売った

     ところが、仲介役の中学生がチケットをだまし取った

 (二) 中学生はBさんに6万円で売った

 

これだと、8万円から6万円を引いても、単なる値段の差が出るだけ。

新品で8万円の物が、新品同様の中古品として6万円で売られてる

ような話だ。まあ、中古品で買った人が2万円得したと言えなくもない。

 

仮に最後に、中学生が6万円を徳島と和歌山の2人に返済した

とすると、2人は8ー6=2万円の損。この場合、Bさんが運良く

2万円得した形になる。元々8万円のチケットを、中学生のおかげ

で6万円でゲットできたのだから。もちろん、悪いのは中学生。

 

 

      ☆        ☆        ☆

この事件、誤認逮捕については徳島県警が99.9%悪いとしても、

残り0.1%はちょっと違うような気もする。

 

マスメディアだと産経しか報道してないようだけど、Aさんが最初、

配送に関する警察への説明を間違えたらしい。その説明の裏付け

が取れなかったことから、警察はAさんを信用できないと判断した。

 

まあ、取引の8ヶ月くらい後、5月15日にAさんは逮捕されたから、

忘れてたとしても仕方ないし、19日間も不当に勾留されてる最大の

被害者だ。そう考えて、人権派の朝日新聞はその点を書かなかった

のだろうと想像する。捜査の遅さ、時の流れのせいと言ってもいい。

 

ただ、個人売買も刑事捜査の対象となるのだから、数年間は証拠

を保存しとくべきだということか。私は買い物のレシートも受け取る

人間で、返品や入力間違いの指摘で何度も役に立った。

 

いずれにせよ、個人売買はそれなりのリスクがあるし、やるとしても

専門サイトを経由した方が無難。実際、今回の5人の内、一番被害

が少ないのは、転売サイトで購入しただけのBさんだと思う。

 

 

      ☆        ☆        ☆

ちなみに私自身は、ヤフオクで数回、1万円以下の取引で成功。

単なるネットの個人売買も数回、数千円の取引で成功した。すべて

私が買う側で、スムーズに取引。その前に相手の情報をできる限り

調べたけど、失敗覚悟で先に送金した。

 

それより遥かに問題だったのは、リアルな取引・・。とかいう話は、

また別の機会にしよう。今日はそろそろこの辺で。。☆彡

 

          (計 2618字)

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消えゆく街の本屋さん、個人的な思い出と書店ビジネス(売上、利益)

本屋さんが減ってるとか、雑誌の売り上げが激減とかいうニュースは

昔から度々流れてるし、自分でも実感できることだけど、昨日(17年

8月24日)の朝日新聞・朝刊ではあらためて大きく扱われてた(1面

と3面)。

 

「書店ゼロの街 2割超」、「420市町村・行政区」。執筆は赤田康和

記者と塩原賢記者。HPでも公開されてる。

 

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     ☆        ☆        ☆

今日(25日)の朝刊看板コラム「天声人語」でも、この話がメイン。

小さなお店(本や)が好きという詩人の長田弘の言葉を引用してた。

 

私は『本や』に本を探しにゆくのではない。

 なんとなく本の顔を見にゆく

 

なるほど、そう言えば私もそんな部分がある。って言うか、もうちょっと

正確に言うなら、『本や』の顔を見にゆくのだ。本だけじゃなく、お店の

雰囲気とか、顔を覚えてる店員や店長の顔とか。

 

スーパーやコンビニだと、店員は数ヶ月くらいでコロコロ変わるけど、

不思議なことに、本屋の店員だと長い人も結構いる。地味で愛想が

いい人が多いから(笑)、なんとなく気になるのだ。

 

っていうか、派手で愛想がいい女の子だと、もっと時給が高いバイト

や目立つ楽しいバイトに向かうんだろうね。ちなみに、派手で愛想が

フツーの男の子の私も、そうだった♪

 

 

    ☆        ☆        ☆

話を戻して、本屋さんの思い出について。私の生まれ故郷にあった

本屋も次々に消えて無くなってる。ただ、駅前にあったメインのお店

2つは、場所をちょっと移転して一応残ってるようだ。

 

どちらもよく行ってたけど、特に片方は思い出深くて、地元ネタの

掲示板でも盛り上がってた。田舎としては大きめだけど、大き過ぎ

ることはない店で、子どもにとっては絶好の遊び場。大人も含めて、

当時は流行ってた。

 

ただ、いかにもって感じの頑固おやじ系の店長かオーナーが、奥か

店先かどちらかにドーンと座って、目を光らせてたのだ♪ 立ち読み

とか座り読み(コラコラ!)してると、たまに怒られるから止めて、また

時間をおいて再開(笑)。でも、ちゃんと時々買って愛読してた。

 

「男の子」になって来た頃、お世話になったのもこの店♪ その辺り

の棚には特にきびしい視線が注がれてて、おやじから丸見えの位置

になってる。だから、おやじが消えた時とか、間に他の人が挟まって

見えなくなった瞬間を狙って立ち読みしてたのだ。

 

初めて買った時はメチャクチャ緊張して、怒られるんじゃないかとか、

通報されるんじゃないかとか、本気で心配してたほど。カワイくて、

いいね♪ 買った後、家での置き場にもまた困るけど、使い方には

あんまし困らない(爆)。

 

あんましかよ! いや、最初は難しいでしょ♪ 特に私は、マニア

だし(笑)。その後、学校のそばの本屋とか、首都圏に出て来た後

の本屋でも、いろんな思い出がある。一時期、どこでいつ買った本

なのか、最後のページに書き込んでたこともあった。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

個人的な話はさておき、ビジネスとして考えると、最近はネット通販、

特にamazonの影響力が強まってる。

 

あんましアマゾンが好きじゃない私でも、色々と便利だから、最近は

使うことが増えた。古本が安く買えるし、無料で中身をちょっと読め

たりする(特に英米のアマゾン)。ランキングも見れるし、電子書籍

(kindle本)もある。

 

通販以外にも、郊外型とか、大型書店の進出もある。こうした情勢

の中、街の本屋さんはどのくらいの売り上げがあれば実店舗を維持

できるのか。ビジネスは、物やサービスをお金と交換する営みだから、

数字の話が重要になる。

 

ちなみに下は2000年以降、全国の書店数の推移。もっと前、80

年代くらいまで遡ると、さらに右下がりのグラフのはず。アルメディア

調べとか、ネットのあちこちに書かれてるのに、この調査会社自体の

情報はなかなか発見できない。「ナイ(無い)メディア」と言うべきか♪

 

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      ☆        ☆        ☆

朝日には、関東唯一の書店の無い市として、茨城県つくばみらい市

の例が載ってた。

 

人口は5万人。本の売り上げの75%前後は取次会社などに支払い、

家賃や人件費などの経費が20%余りだから、書店経営上の利益は

わずか2%前後とのこと。おそらく、初期費用や撤退費用は考えない

計算で、100分の2。

 

ということは、最低レベルとして20万円の利益を上げるには、売上

1000万円が必要になる。

 

   1000万円×(2/100)=20万円

 

1日平均で33万円の売り上げだから、1冊平均1000円とすると、

毎日330冊売ることになる。10時間営業だと、1時間に33冊。そう

言えば、私が今行ってる本屋さんはそんな感じかも。つぶれると困る

から、もうちょっと買ってあげようかな。最近、立ち読みばっかだから♪

 

 

     ☆        ☆        ☆

いや、買いたいのは山々だけど、家の本が多過ぎて困ってるから、

ガマンして買わなくなったのだ (^^ゞ 何度か書いてるように、私は

貸倉庫に大量の荷物を預けて、読まない本に毎月お金を払ってる。

営業を止めた本屋を残して、経費だけ払い続けてるようなもの♪

 

全く無意味な出費だから、むしろ捨てるか、古本屋に売った方がいい。

ところが、処分する前にやっぱり読んでしまうから、なかなか進まない

のであった♪ 片づけが苦手な小市民、ガックシ。。_| ̄|○

 

『服を買うなら、捨てなさい』ってタイトルの本がベストセラーになってる

けど、「本を買うなら、捨てなさい」。

 

ってことで、これから頑張って片づけることにしよう・・・とか何度も

言ってて、さっぱり進まないのであった。人間とは弱い生き物なのだ♪

また一般論か! ではまた。。☆彡

 

                   (計 2267字)

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個人がネットで支援を得るための疑似株式、「VALU」(バリュ)&多摩川

BIKE 59.3km,2時間17分,平均心拍 133 

消費エネルギー 1280kcal (脂肪 371kcal)

 

「VALU」って、バルー? フランスの音楽家、ピエール・バルーに

似てるね♪・・・とか書こうと思ったのに、読み方は「バリュ」が正しい

らしい。朝日には記事が無かったけど、流石に日経HPにはあった。

 

ウィキペディアを見ると、

 「VALUE」(価値)+「YOU」(あなた)

と説明されてる。まあ確かに英語圏だと、「YOU」の代わりに「U」を

使うこともあるし、正しいんだろう。

 

ちなみに、英語版wiktionary(ウィクショナリー)でvaluを

検索すると、いろんな言語がヒットする。そうか。フランス語の過去

分詞も一応あったね。「稼がれた」とか。一見あぶく銭みたいな感も

あるから、ちょっと皮肉な意味かも♪

 

 

     ☆        ☆        ☆

さて、妙なものを知ったのは、半ば偶然だけど、半ば必然でもある。

北海道の民間ロケット打ち上げ失敗ってことで、久々にホリエモンの

twitterを見たら、「valu」というものについて書いてて、知らない

から調べてみたわけ。

 

公式サイトのトップを見ると、「あなたの価値を、VALUでシェア」。

ロイターによると堀江貴文も取締役の1人とのこと。そう言えば以前、

フィンテック(金融技術)に興味があるとか話してた。

 

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株式会社VALUを通じて、個人が疑似株式みたいなものを発行。

自分という人間や夢、目標を売り込んで、直接的資金ではない支援

を募る。トレーディングカードという比喩もあるけど、余計わかりにくい

かも♪

 

まあ、ここ数年流行のクラウドファンディングを、特定の目的に限らず、

個人の支援に応用したと考えればいいと思う。

 

 

     ☆        ☆        ☆ 

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ビットコイン(BTC)で購入して、株みたいに転売もできるけど、単なる

投資(と言うより投機)はダメというのが建前。ただ、利用者が真面目

に守るかどうかは怪しいと思う。サイトのイラストは明らかに、株の

ネット取引にそっくり。まあ、しっかりした発行者は守るんだろう。

 

Facebookのアカウントを持ってることが必要条件で、他にも

ヘルプに色々書いてた。どのくらいの割合で審査に落とされるのか、

まだ不明。ロイターの記事(7月21日)によると、1ヶ月半で

12000人ほどが発行してるらしい。現在も申し込みが殺到。

 

2017年5月31日にベータ版開始だから、まだ2ヶ月で、ウィキも

日本語版しか載せてない。会社設立から数えても、まだ9ヶ月。。

 

 

     ☆        ☆        ☆ 

正直、興味はあるし、発行したからといって金銭的な大損をする確率

はかなり低そうな気がする。とはいえ、紹介されてる発行者を見ても、

ほとんど知らない人だらけで微妙かも。テンメイよりは有名なんだろう

けど(笑)

 

法律の問題や手続きはさしあたりクリアしてるとはいえ、一時的に

上手く行っても、中長期的にはまったく不明。国会や金融庁が急に

態度を変える可能性もある。VALUを一度発行してしまうと、事後

処理も厄介そうだから、個人的にはしばらく様子見だね。

 

特にアイドルはもちろん、女性が発行する場合、リスクを十分考慮

した方がいいと思う。男の金と性欲の両方がからむと、制御不能な

エネルギーが膨れ上がって、暴発する恐れがあるから。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

最後に、今日の走りについて。昨日、雨で走れなかったから、苦手

な早寝早起きをクリアして多摩川を走って来た。マジメに、タイヤに

空気まで入れて♪ フツーだろ!

 

月曜の朝だから車が多くて、幹線道路が怖い、怖い! 自動車の

危険運転も少なくないから、なるべく避けた方がいいね。走りの方は、

サボリまくりにしてはマトモだけど、中盤から汗が目に入って困った。

 

気温は25度前後だから、自転車なら大したことないけど、湿度が

95%あったからか。風も1.5mで弱め。真面目に走ってる自転車

は少なかったし、ランナーでさえ少なめ。月曜はみんな余裕がないと。

 

トータルでは平均時速26.0km。復路で2回、チョコッとバトルもどき

でお遊び♪ あくまで安全第一、余裕を持って。

それでは今日はこの辺で。。☆彡

 

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                   (計 1702字)

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ピコ太郎PPAP×国連・外務省SDGs、動画の感想&27度ジョグ

(12日) JOG 7.8km,43分33秒,平均心拍 140 

    消費エネルギー 416kcal (脂肪 100kcal)

 

私はアウトドアスポーツをやってるし、虫刺されも多いから、ヒアリや

赤巻紙・・じゃなくてアカカミアリのニュースはかなり気にしてる。公園

を走る時も、土や草を避けて走る感じになって来た。

 

ただ世界的に見ると、この程度の害虫の問題で大騒ぎしてる先進国・

日本は、おそろしく恵まれた平和な国ってことだろう。国際ニュースを

見てれば、ごくフツーに紛争・戦争、テロ、貧困、病気、難民などの話

が流れてる。

 

国内でアリに1人かまれて軽傷とか報道されてる今現在も、世界で

8億人が飢餓に苦しんでると言われてるのだ。もちろん、その中に

日本人も(ごく僅かに)含まれてるはず。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

そんな中、国連は2015年、「2030アジェンダ」という分かりにくい

行動計画を採択。アジェンダ(agenda)とは、語源的に「すべき事」

という意味で、単に計画というより強い意味を含む言葉だ。下は国連

の英語サイトより

 

170713h

 

 

その分かりにくいアジェンダで掲げられた、具体的な17の目標など

をまとめたものが、さらに分かりにくい略語、「PPAP」・・じゃなくて、

「SDGs」だ。

 

 ustainable Development Goal

  持続可能な   開発     目標

 

 

      ☆        ☆        ☆

貧困、飢餓、平等その他、ごもっともな解決目標を並べてるわけで、

その考え自体には基本的に賛同するけど、人工的で分かりにくい

英語の略語を前面に掲げる発想にはあまり賛同できない。

 

実際、メディアは時々この言葉を出してるけど、まったく流行ってない

と思う。認知度は「PPAP」の1000分の1くらいか♪ そもそも英語

が苦手な人はいまだに非常に多いし、この種の略語は多過ぎて、

いちいち覚えてられないのだ。

 

「持続可能な開発目標SDGs」という言葉を流行らせること自体が、

持続不可能な目標だ♪ おそらく外務省にも、そう考えてる官僚が

少なくないはず。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

というわけで、今回、外務省がピコ太郎を起用したのは、SDGs

という標語に対する遠回しの皮肉も含まれてると思う。一発屋芸人

の妙な言葉にさえ遥かに負けてしまうという意味で。もちろん、企画

書にはごもっともな建前を並べとけば、予算はすぐ確保できるはず。

 

170713a

 

とはいえ、久々にYoutubeで見たピコ太郎はやっぱり笑えた♪

外務省公式動画とのこと。ちなみに外務省の略語は、MOFA

 

170713b

 

 

      ☆        ☆        ☆

さて、この動画だと、PPAPの意味も変わってる。

 

 ublic rivate ction for 

 artnership

 みんな 一人一人 行動しよう 手を取り合うために

  (官と 民の 取り組み 連携に向けた)

 

170713c

 

アップルとパイナップルを合わせると、食べ物だから、

 ウ~ン! NO POVERTY (消滅 貧困)

 

170713d

 

ペンとブックを合わせると、勉強道具だから、ア~ン!

 QUALITY EDUCATION (質の高い 教育)

 

 

170713e

 

170713f

 

後は動画でも説明なし♪ 早口言葉で、

 「サステナブル デヴェロップメント ゴールズ」

 

170713g

 

 

それなりに上手くまとめてるし、メディアの後押しもあるのに、1週間で

4万回しか再生されてないし、評価も高くない♪ 残念ながら一部の

知識人や英語好きにしか受け入れられず、広告宣伝費が代理店や

ウェブ制作会社、タレントとかに入るだけだろう。

 

日テレ・24時間テレビの「愛は地球を救う」とか、「We are the

world」とかの方が、遥かにわかりやすくて持続可能な言葉なので

あった。。

 

 

      ☆        ☆        ☆

最後に一言、昨日の走りについて。もう朝から暑くて暑くて、座ってる

だけでもしんどいのに、ジョギングなんてやってられるか!・・とか

思いつつ、8kmだけ雑用ついでに走って来た。

 

気温27度! 湿度87%、風速2.5m。トータルでは1km5分

27秒ペース。心拍も低く抑えてるし、意外と健闘かも♪・・と思ったら

違った!(^^ゞ そうか、8kmじゃなくて、7.8kmしか走ってないのか。

ウッカリした。。 トータルでは1km5分35秒ペース。

 

生ぬるい南風でも、無いよりマシだね。心拍が最後だけ乱れてるのは、

コンビニに寄ったせいもあるかも。ではまた明日。。☆彡

 

 

170713i

 

          時間  平均心拍  最大

往路(1.2km)   7分11秒 119 133

LAP1(2.2km) 12分56秒 134 142

  2         11分49秒 145 154

復路(2.2km) 11分38秒 150 158

計 8km 43分33秒 心拍平均140(78%) 最大158(88%)

 

                 (計 1876字)

     (追記 17字 ; 合計 1893字)

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パノプティコン(一望監視装置byベンサム)と、安倍首相の一強体制

先日、朝日新聞でちょっと面白い連載が始まった。興味深いという

よりも単純に、色んな意味で面白い内容だ。2017年4月18日

から朝刊に掲載されてる、「パノプティコンの住人」。

   

大型企画「1強」の第2部のタイトルで、第1回の大見出しは「首相

から電話 質問を封印」、「意をくみ、自ら縛る議員たち」となってる。

  

この2つの見出しだけでも、

 「パノプティコンの住人」=「安倍一強に支配された世界の人々

という意味だろうと想像できる。記者は、二階堂友紀、中崎太郎。

  

ちなみに言葉的には、パン(pan)が「すべての」、オプティコン

(opticon)が「目の、視覚の」というような意味だから、パノプ

ティコンとは「すべてを見るもの」といった感じの意味になる。

     

   

      ☆        ☆        ☆

170422a

     

知る人ぞ知る言葉だが、ほとんどの人は知らない「パノプティコン」

(panopticon)。朝日は3面に上図を掲載すると共に、1面で

こう説明してた(1面担当は二階堂記者だけかも)。

     

  パノプティコン 権力による社会の管理・統制システム

 パノプティコン。もともとは監視者がいてもいなくても囚人が

 監視を意識する監獄施設のこと。転じて20世紀にフランス

 の哲学者フーコーが、権力による社会の管理・統制システム

 の概念として用いた。

  

 独房で権力のまなざしを常に意識する。パノプティコンの

 監獄に閉じ込められた囚人のありようは、権力に分断され、

 従属し忖度(そんたく)する「1強」の政治状況で起きている

 現象に似ている。

  

 自民党、野党、官僚、メディア。それぞれが「1強」のもとで、

 「パノプティコンの住人」のように支配されていないだろうか。

 連載第2部で探っていく。

   

   

    ☆        ☆        ☆

3面には、フーコーの専門家として、石田英敬・東大教授の説明

もあった。

  

パノプティコンとは、「権力が支配される側を『自己規制させる技術』

のことだ」。「権力がどんな手法で、支配しようとしているのか。それ

を認識することが、パノプティコンの構造から解放される第一歩だ」。

   

この説明を普通に読むと、まるで権力とは向こう側にあるもので、

自分たちとは別の強者のように感じてしまうが、フーコーの権力論

というのは、そうした古い単純な構造にはなってない。

   

権力とは、メディアや国民の側にもあるものであって、問題は大小

さまざま、無数に存在する権力が織り成す複雑な構造と作用なの

だ。専門家は、そうした基本は理解してるはずだが、朝日の記事に

は反映されてない。今後の連載内容にも注目するとしよう。

      

    

     ☆        ☆        ☆

ここで、ウィキメディアから、写真と図を引用しておく。まずは、パノ

プティコン的な施設の典型的な実例。キューバの写真らしい。

   

170422c

   

一方、フーコーの著書『監獄の誕生』(原書の主たる題名は「監視

と処罰」)に掲載されてた図の1つは、下の通り

      

170422b

  

英語版ウィキペディアによると、哲学者ベンサムのアイデアに合わ

せて、建築家ウィリー・レヴェリーが描いたものらしい(共に英国)。

ベンサム全集・第4巻所収。横から見た図(左上)とその断面(右

上)、さらに上から見た断面(下側)を組み合わせた設計図だ。

18世紀の末、1791年の作品とのこと。

   

   

     ☆        ☆        ☆

続いて、フーコーの著作の日本語訳(新潮社)から引用してみよう。

   

 「見られてはいても、こちらには見えないのであり、ある情報の

  ための客体ではあっても、ある情報伝達をおこなう主体には

  けっしてなれないのだ」(p.203)

  

 「権力の自動的な作用を確保する可視性への永続的な自覚

 状態を、閉じ込められる者にうえつけること」(同上)

    

上の二番目の内容を実現するだけなら、別にパノプティコンなど

必要ない。監視人や監視の回数を増やすとか、現代なら監視カ

メラを多数設置するとか、色々な方法がある。

   

「一強」が単独で監視するには、パノプティコンが好都合なのは確

かだが、一強が人間一人の場合には、実はパノプティコンの効果

は薄れてしまう。一人で24時間、すべての部屋と囚人を監視でき

るはずはないからだ。

   

私が囚人で、何かたくらむとすれば、ランダムな時間をおいて少し

ずつ何度も行う。それらの行為の大部分が、ただ一人の監視者に

見つかってしまう確率は非常に低いからだ。

   

さらに、決定的な行為に踏み切った時、ただ一人の監視者がそれ

に気づいて止めに来たとしても、間に合わない可能性が十分ある。

中央の監視塔(の上部)と囚人の個室が遠すぎるからだ。

    

要するに、パノプティコンを全能視するのは、単なる政治的主張へ

の利用などであって、現実的で客観的な分析ではない。

    

    

      ☆        ☆        ☆

さらに、上のフーコーの引用の一つ目を見てみよう。「見られては

いても、こちらには見えない」と書いてある。

    

普通にパノプティコン的な建築を作れば、中央の監視者は周囲の

囚人から見えてしまう。監視者=一強は見えないどころか、全員

から逆に監視されてしまうわけだ。

   

そこで、監視する側には、見られないための工夫が必要になる。

フーコーの著作だと、例えば次のように書いてるのだ。

  

 「ベンサムは、監視者が塔に居るかどうかを人には確定しがた

  くするために、また囚人たちには独房から一つの人影を認め

  ることも一つの逆光を捕捉することもできなくさえするために、

  あらかじめ次の措置をとった。中央部の監視室の窓によろい

  戸をつけるだけでなく、さらには、その室内を直角に区切るいく

  つかの仕切壁を設けて・・・」(p.203-204)

   

この辺りまできっちり具体的に考察する所に、フーコーの価値があ

る。あるいは、細部まで理解して初めて、フーコーを読む意味があ

るのだ。大まかに要点だけ読んでしまうと、直ちに反論や疑問が生

じてしまうだろう。様々な先入観を持っていない状態なら。。

     

    

     ☆        ☆        ☆

こうして、実際の監視施設やフーコーの著作と比較しながら考える

と、安倍首相の一強体制をパノプティコンとする見方に足りない部分

や側面が分かるのだ。

     

つまり、実は首相の側は、自分を隠す仕組みが十分無いどころか、

周囲の「囚人」(=政治家)よりも遥かに細かく監視されてるわけだ。

直接会ってる人や機会の数も圧倒的だし、メディアその他の注目度

も圧倒的。

    

おまけに、周囲の政治家の側は、何かを安倍首相に発見されたとし

ても、あまり厳しい罰を受けない可能性が高い。厳しい処罰を乱発

すると、一強体制を維持できなくなるリスクが高まってしまうからだ。

  

パノプティコンの塔の中は、囚人から見えないし、塔の維持には、

囚人は必要ない。

   

しかし、首相は周囲の政治家その他からかなり見えてるし、監視体

制の維持には政治家たちの協力や支持が必要となる。首相のすぐ

そばに常にいる首相夫人の側から、一強体制に亀裂が入る可能

性も高い。

   

   

      ☆        ☆        ☆

果たして、朝日の記事がその辺りまで考えた上での現実的な内容

になるかどうか。面白い着眼点でもあるし、今後に期待しよう。

  

ちなみに、安倍一強よりもっとパノプティコンに似た例を挙げるな

ら、マイナンバー制度がある。こちらからは監視者が見えないし、

国民一人一人は孤立して個人情報を守ってる。おまけに、監視者

の視線を何となく前提として、内在化して行動するのだから。

   

それでは今日はこの辺で。。☆彡

       

                   (計 2908字)

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沖縄オスプレイ不時着「感謝されるべき」、英語原文が無い中での混乱・・

在沖縄・米海兵隊トップとされるニコルソン(Nicholson)四

軍調整官が、オスプレイの不時着は「感謝されるべき」だと語っ

たというニュース。最初に聞いた時からすぐ、英語原文をチェック

したくなった。

    

He should be thanked (for)

みたいな直接的な表現は、露骨に恩着せがましくて、事故直後

の高官の発言としてはちょっと考えにくい。

   

その後の会見ビデオを見ると、かなり感情的な語り口だったから、

あり得ないとは言わないけど、むしろ、

 「should be appreciated for

ではないのか。それを、米軍側の通訳が「感謝されるべき」とか

翻訳してしまったのではないか。。

    

    

     ☆        ☆        ☆

そう思ってネットを飛び回ったところ、英語原文はどこにも無いし、

そもそも記録されてないようだ。沖縄の安慶田(あげだ)副知事の

証言があるだけ。本当は米軍側に録音があるのかも知れないけ

ど、私的・個人的な対談を公表する気はないらしい。

     

沖縄の突発的な事故だと、流石に外国メディアや通信社も対応で

きてなくて、英語で検索しても特にめぼしい情報は見当たらない。

せいぜい、ロイターの報道が目立つ程度。

    

一応、朝日新聞デジタルの英語版には、こう書かれてた。英語原

文ではなく、日本語からの英訳だろう

  

 the pilot’s efforts should be

 appreciated for preventing damage

 to houses and residents.

 (住宅や住民の損害を避けたパイロットの努力は

 評価されるべきだ。)

   

   

     ☆        ☆        ☆

もし、元の英語がこんな感じだったのなら、上司の言葉として、それ

ほど不自然ではないと思う。軍全体の士気や指揮、統制にも関わる

のだから、認めるべき部分はそれなりに認める。

     

実際、かつての日航ジャンボ機墜落に対して、最後まで必死に頑張

り続けたパイロットを責める声はほとんど無い。というより一般に、自

動車と違って、航空関連では飛行士を責める声は少ない気もする。

自動車より高度な技術で操縦されてるし、機体トラブルや悪天候に

よる不運の要素が大きいからだろうか。

    

もちろん、沖縄とか反・在日米軍の立場なら、旅客機や民間機と軍用

機とは全く違うし、オスプレイはそもそも認めてないということになる

のだろう。

   

ただ、在沖米軍としては非常に珍しく、「遺憾」(regret)

に加えて「謝罪」(apology)とまで口にしてるのだから、

記録に残ってない言葉をあげて批判し続けるのはどうかと思う。

     

むしろ、これでオスプレイの事故率が上がったのは確かだし、

給油システムの問題も浮上したのだから、冷静で理性的な根

拠で配備に反対するべきだろう。例えば、プロペラが大き過ぎて

給油コードと絡まるリスクが高い欠陥機だ、といった形で。

     

   

     ☆        ☆        ☆

それとは少し違う話として、報道の仕方の問題がある。今回、新聞

社のサイトは、「感謝されるべき」という言葉を元の発言であるか

のように強調したものが多かった。左・右の立場に関わらず、そう

なのだ。

     

まず、一番騒がれてる朝日新聞

  

161216a

  

続いて、同じく左派・リベラルの毎日新聞。

   

161216e

   

右派・保守の読売も同様

  

161216c  

     

さらに、産経新聞まで。WEST(西部)版だからなのかも。

   

161216f

    

これだと、わりと中立的な日経が同じなのも当然だろうか。

   

161216d

   

   

    ☆        ☆        ☆

これは困った報道姿勢だなと思ってたら、最後に見たNHK

ニュースだけは、政治的中立性をかなり保つ報道になっていた。

  

161216b

    

 沖縄副知事“米軍が「パイロットは感謝されるべきだ」と”

  

これがもっとも妥当な見出しだろう。あくまで、直接的には副知事

の証言だし、おそらく「真相は藪の中」のままになるのだから。

      

もちろん、ニュースの中身を見ると、どの記事もあまり変わらない

わけだが、見出しのインパクトは非常に大きい。ツイッターその他、

SNSではしばしば、短くて極端な目立つ言葉だけが拡散する

傾向もある。

   

    

     ☆        ☆        ☆

その意味で、惜しかったのは、かなり上手くまとめて報道してい

るネットメディア「BuzzFeed」(バズ・フィード)。記事

の見出しで、やや左に偏った印象になってる。

     

 「オスプレイ事故でデマ、『朝日新聞が意図的な誤訳」に

  ソースなし 米軍司令官『感謝されるべき』発言」

   

やはり、大きな事件・事故ではまず、NHKニュースということか。

あらためて、メディア・リテラシーや英語その他の原文の重要性

を感じつつ、それでは今日はこの辺で。。,☆彡

    

                  (計 1816字)

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なぜトランプ米大統領に驚くのか?♪&体調ごまかしハーフ走

(9日) RUN 21.1km,1時間43分35秒,平均心拍 161

   消費エネルギー 1100kcal (脂肪 132kcal)

    

ヒラリー・クリントン候補を支持してたレディー・ガガは、わざわざニュー

ヨークのトランプ・タワーの前まで車で行って、不満を訴えてた。

 「Love trumps hate.」

ラブ・トランプス・ヘイト。愛は憎しみに勝つ。

            

161110a

   

写真は英国メディアのテレグラフの記事より借用。ガガのインスタ

ラムだと、気持ちを表すかのように白黒になってた。彼女は自分で広く

アピールしてるのだから、肖像権を問われることはないはず。私は主張

拡散のお手伝いをしてるだけの、親切な小市民♪

       

日本人である私はこれを見て、「こんな時でさえ三人称・単数・現在のs

を付けるのか」と感心した(笑)。

   

トランプ(Trump)氏への抗議だから、単に「Love trump hate」と書

く方がシャープだし、「トランプは愛を憎む」とか、「愛はトランプを憎む」

という意味も出せると思う。文法をきっちり守ったのか、あるいは

「trump」が動詞だと示すためなのか。

   

        

      ☆        ☆        ☆

さて、当サイトでは、ブレグジット(英国のEU離脱)の時も、ビットコイ

騒動の時も、冷静に世界の情報を見渡してたわけで、今回も冷静

に状況をとらえてみよう。

  

まず、一番に指摘したいこと。米国もヨーロッパも、マーケット(市場)

は小動きに過ぎない。動揺して大きく値下がりしたのは、日本だけ。

   

ドル円の為替も、東京市場が揺れてる間は1ドル101円くらいまで

ドル安(=円高)に振れてたのに、夜になるとすぐ104円まで戻

して、今は元通りの105円だ。ドルの急落は数時間で回復。米国の

長期国債の値下がりが多少目立つ程度(長期金利は上昇)。

      

(☆追記: 結局、米株は1%以上の上昇。米国債は1割安、為替は

       0.5%ほどのドル高で終了。)

         

わざわざこんな事実を強調するのは、日本のメディアが相変わらず、

「市場が動揺してる」と言いたがってるからだ。世界の驚愕を表す数値

の代表として。

           

例えば、日テレの『ZERO』とか、NYダウがほんの僅か(0.2%)

しか下がってなかったのに、「やはり下がってるようです」といった感じ

の伝え方だった。正しくはむしろ、「今日のところは(意外なほど)落ち

着いているようです」とか報道すべきだろう。

                 

客観的事実と関係なく、自分の言いたいことを事実であるかのように

言おうとしてしまう。これはメディアでよくあることで、まさに今回の米国

大統領選がその典型だったわけだ。

   

確率は多少低いとしても、トランプが勝利してもそれほど不思議のない

情勢だったのに、ほとんどあり得ないことのように語る情報が溢れ返っ

てた(特に日本では)。起きた後は、「誰も予想してなかった」とかいう

金融関係者のコメントまで出てたほど。

   

    

       ☆        ☆        ☆

ところで、ガガは「trump」という単語を動詞として使ってたが、それは

あまり見ない用法で、普通は英語だと「切り札」という意味になる。た

だ、日本の場合、「トランプ」は、13枚×4種=52枚のカード

を指す。

           

トランプ遊びで、1枚めくった時、たとえばスペードだったとしよう。それ

でエェッ!と驚く人はほとんどいないはず。状況によるけど、たかが

確率1/4前後のことが起きたに過ぎない。

  

同じようなことは、柄(がら)だけではなく、数字についても言える。1枚

めくって、5が出た時、エェッ!と驚く人はやっぱり少ないはず。たかが

確率1/13前後のことが起きたに過ぎない。

   

この確率1/4とか1/13とか、要するに1/3~1/10程度の

確率が、トランプ当選の確率だったわけで、数学的には何も凄いこと

は起きてない。それに驚愕するということは、確率の分布が見えてな

かったか、見て見ぬフリをしてたか、どちらかだろう。

     

   

     ☆        ☆        ☆   

「トランプは政治経験のない素人の暴言男で、女性スキャンダルもある

から、当選はあり得ない」と思い込むこと。あるいは、「当選は許せない」

と感じること。

  

そうした思いが、冷静な確率の把握や情勢分析の妨げとなってるわけだ。

英国のブックメーカーの賭け率を見ても、要するに5対1前後で揺れ動い

てたわけで、別に100対1だったわけではない。サイコロを振って1の目

が出るかどうか、その程度の平凡な確率の賭けだったわけだ。

   

多くの世論調査でも、差は僅かだったけど、基本的にクリントン有利だっ

たのは確か。ところが実際の投票は違ってたわけで、要するに世論調査

が多少、間違ってたことになる(数%ほど)。最後の最後で意見が変

わったと言うより、今まで意見を隠してた、ウソをついてたと考える方が

自然だろう。

        

あまりにもメディアや論者がトランプを批判するから、トランプ支持と回

答できなかった隠れトランプ支持者、沈黙した(サイレント)支持者が

大勢いたことは、もはや明らか。

  

その意味でも、メディアや評論家、コメンテーターなどは自分の言動を振

り返る必要があるはず。自分たちが声高に自分の意見を押し出したか

らこそ、世論調査が客観的事実を映し出せなかったし、自らもそのズレ

に気付けなかったわけだ。

      

ともかく、かなりユニークな人物が世界の頂点に立ったことは確かで、今

現在のマーケットの動きが「結果的に正しい」かどうかは、まだ読めない。

とりあえず、当選確定後のトランプの会見はかなり普通のもので、拍子

抜けするほど♪ 来年1月の就任以降、政治のお手並みを拝見しよう。

米国以外の国、特に日本の対応も含めて。。

   

   

      ☆        ☆        ☆ 

最後に、今日・・・じゃなくて昨日の走りについて。相変わらず、風邪

の0.2歩手前か0.1歩手前くらいの体調で、止めとこうかと思い

つつ、寒い中でハーフ21.1km走って来た。パブロンは2錠♪

    

このくらいの距離を走るのは半月ぶりだし、自信は無かったけど、走り

出すと意外に足腰は平気。心肺はかなりキツくて、心拍数もレース並み

に上がったけど、最後まで崩れることは無し。終盤は完走重視で、わざと

控えめに走るだけの余裕も一応あった。一番心配してた右足裏のマメも、

5日間おとなしくしてたおかげで何とか回復。痛みなし♪

  

トータルでは1km4分54秒ペース。必死に頑張ったわりに遅いけ

ど、まあ体調と調整の遅れを考えればこんなもんかも。足の筋肉には

余力があった。気温9度、湿度45%、風速2m。ハーハー走ると、

寒いのは最初だけ。途中からは涼しさが気持ちよかったほど♪

    

それにしても、どうしてもトランプより、元モデルの奥さんや娘さんの美しさ

に目が行くね(笑)。羨ましいなと思いつつ、ではまた明日。。☆彡

   

     

 往路(約2.4km) 12分48秒  138 152

LAP1(約2.1km) 10分31秒 155 162

  2         10分01秒  161  165 

  3         10分20秒  163 166

  4         10分10秒  165 168

  5         10分22秒  165 167

  6         10分25秒  168  169

  7         10分30秒  167  170

復路(約3.7km) 18分28秒  167 172

計 21.1km 1時間43分35秒 心拍平均161(88%) 最大172(95%)

          

                   (計 2863字)

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大統領選トランプ候補、ビデオ発言の英文和訳(一部除く)&14kmラン

(10日) RUN 14km,1時間12分53秒,平均心拍 148

    消費エネルギー 740kcal (脂肪 148kcal)

   

日本人としては、ロシアのプーチン大統領来日に合わせた、北方領土

問題の進展とかいう噂が気になる。将来的な2島返還くらいが現実的

な妥協点か。

         

まあでも、とりあえず今日は、米国大統領選の話をトッピングしとこう。

半ば、英語記事ということで。ちょっとタイミングが遅い感もあるけど、

逆にほとぼりが冷めて、ちょうど良かったかも。。

    

    

      ☆        ☆        ☆

私が共和党のトランプ候補の性的暴言を知ったのは、Yahoo!

に配信されたAFP通信のニュースを通じてのことだった。

  

 トランプ氏の爆弾映像浮上、下品な言葉で女性経験を自慢

   

こんな隠し撮り的な暴露映像をマスメディアが(ほとんど)批判無しで

利用していいのかどうかがまず気になったが、米国大統領の候補と

もなると、個人的プライバシーよりも公の知る権利の方が遥かに優先

されるということか。

   

ただ、今回の大統領選では、1年前からマスメディアのトランプ批判

が目立つし、特にここ最近は報道の中立性を気にせず、ひたすらクリ

ントン当選を目指す論調が目立ってる。バランス的に違和感を持つの

も自然だろう。

    

誤解を避けるために書いておくと、私は個人的に、黒人大統領の次は

女性大統領でもいいと思ってる。リベラルだからではなく、ごく普通の

現実的なバランス感覚として。とはいえ、今回のトランプの暴言とされ

るものがどの程度のもので、今までと比べてどうなのか、元の英語を

自分で確認してみた。

         

AFPは一部の微妙な単語をそのまま載せてたけど、私は直接的には

書かない。ただ、元の映像にはすべてテロップが出てた。ワシントン・ポ

ストが10月11日現在、HPで動画を公開中。映像的に過激なものは無

いが、言葉の一部はかなり下品なので、閲覧の際は自己責任で。中盤

までのポイント部分は、約2分間。ポストの記事タイトルは次の通り。

       

 Trump recorded having extremely

 lewd conversation about women

 in 2005

 トランプが2005年に録音された、

 女性に関する極度にわいせつな会話 

  

161011a  

   

   

       ☆        ☆        ☆

では、実際の英文と私の日本語訳を示す。くだけた日常会話で、文脈も

正確には分からないので、和訳は参考程度のものだ。ワシントンポスト

による編集にも注意が必要。話し相手の言葉はすべて省略。

       

 Donald Trump

 (ドナルド トランプ)

  

 You know and I moved on 

 her actually.

 ・・・私は実際、彼女に言い寄ったんだ。

  

 You know She was down

 on Palm Beach.

 彼女はパームビーチにいたんだよ。

  

 I moved on her

 and I failed.I’ll admit it.

 私は彼女に迫って失敗したんだ。それは認めるよ。

   

 I did try and f・・・ her.

 She was married.

 私は彼女を・・・しようとした。彼女は結婚してたんだ。

  

 ・・・(中略)・・・

 And I moved on her 

 very heavily in fact ・・・

 私は実際、本気で彼女に迫ったんだ。

   

 ・・・I moved on her like a b・・・・,

 but I couldn’t get there.

 私は尻・・みたいな彼女に迫ったけど、ダメだった。

  

 Then all of a sudden I see her,

 she’s now got the big 

 phony tits and everything.

 その時ふと気付くと、いまや彼女は大きな

 偽物の胸とか全てを手に入れてる。

   

 She’s totally changed her look.

 彼女はすっかり外見が変わってた。

  

 Look at you.You are a p・・・・.

 あぁ、カワイイ子猫ちゃん。

   

 ・・・(中略)・・・

 And when you’re a star 

 they let you do it.

 スターなら、みんな、やらせてくれるんだ。

     

 You can do anything.

 何だって出来る。

  

 ・・・Grab them by the p・・・・.

 ・・・・をつかんだり。

   

   

     ☆        ☆        ☆

移動のバスから降りた後、ドラマ撮影で共演するブロンド美人女優・

アリアンヌ・ズッカーとハグ(抱擁)して、笑顔でスタジオに向かった。

ズッカーは美脚を大胆に露出したドレスで、トランプ達も注目。ドラマ

の中では、ズッカーがトランプに接近するような台詞も入ってたらしい。

   

2005年9月だから、3度目の結婚の8ヶ月後ということになる。ただ、

話してる内容がいつのことなのかは不明。

       

おそらく会話の全体は、ある1人の既婚女性を苦労してくどき落とした

ということだと思う。最初は失敗したけど結局、成功。私はスターだから

何でも可能だという、大げさな軽口、ジョーク。

   

個人的感想としては、男性数人のバスの個人的会話より、公の場での

数々の暴言の方が遥かに問題だと思うが、これでどの程度の影響が

出るのかはまだ分からない。

   

ビデオ公開後の世論調査だと、クリントンとの差が開いたとも言われて

るけど、英国のEU離脱みたいな逆転劇も可能。注目の大統領選まで

は、残り1ヶ月。果たして、結果とその影響は。。

   

  

       ☆        ☆        ☆

一方、単なる一般市民アスリートは、3連休最後の昨日も14kmだけ

軽く流してみた。脚の疲れやダメージはあるけど、やっと秋らしい涼しさ

になってくれたから、一気に走りやすかくなった♪

    

気温17度、湿度75%、風速1.5m。トータルでは1km5分

12秒ペース。もうちょっと速くてもいいけど、右足をかばってる

し、良しとしとこう。一応、最終ラップだけは1km5分切り。妙に

人が少なかったのは、連休の最後だからかも。

     

さて、サッカー日本代表は、強敵オーストラリアに勝てるかな。今現在、

前半が終わって1-0のリード。ではまた明日。。☆彡

    

       

           時間  平均心拍  最大

 往路(約2.4km) 13分22秒  133  142

LAP1(約2.1km) 11分22秒  144  150

  2          11分17秒  148  151

  3          10分57秒  152  159

  4          10分38秒  156  162

復路(約3.0km)  15分18秒  155  164

計 14km 1時間12分53秒 心拍平均148(81%) 最大164(90%)

           

                        (計 2522字)

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フィトゥシ「街灯の定理」と、古いジョーク「街灯の下で鍵を探す」

今日は2016年9月11日。あの米国同時多発テロから15

周年ということで、朝日新聞の朝刊2面で特集を真面目に読んでたら、

ふと隣の3面のコラムが目に入って、思わず笑ってしまった。

  

「日曜に想う」シリーズで、今回のタイトルは、

    「暗闇になくした鍵をさがせ」。

   

執筆は編集委員の大野博人で、まださほどメジャーになってないフラン

ス語の経済学書を読んで、フランスの著者にインタビューして書いてる

らしい。その辺り、さすがに朝日と言うべき基本的な能力や知性を示し

てる。もちろん、執筆の控えめな政治的意図、反安部政権的な軽いバ

イアスはさておき。

       

ちなみにこの話の核心は、ある意味、その「バイアス」というものと言え

る。人間につきものの、偏り、偏見。まず、コラムの冒頭だけ引用させ

て頂こう。

   

  「街灯の定理」という風変わりなタイトルの経済書がある。

  夜、ある人が街灯の下でなにかを捜している。鍵を落とし

 たという。なくしたのはこのあたりかと問うと、そういうわけで

 はないが、ここは光があたって捜しやすいので、と答えた──。

  そんなジョークが由来になっている。・・・・・・

   

    

         ☆          ☆          ☆

私はここまで読んで、すぐにプッと吹き出してしまった。このジョーク自体

は知らなかったが、世界的に通じそうな滑稽さだし、奥行きとか深み、一

般性もある。

  

ジャン・ポール・フィトゥシ(74歳)によると、上のジョークみたいなちぐ

はぐが経済学や経済政策で実際に起きている、ということらしい。

  

もちろん私は、「なるほど、そうだよな」と素直に頷いたり、「いいね」と

共感して終わりにするような読者ではない。そもそもコラムは、何が定

理なのかも明示してないのだ。

   

そこで私は、自分自身で考え直すと共に、基本的なことをネットで調べ

てみた。フィトゥシの「街灯の定理」どころか、その元になった街灯ジョー

クも、実はそれほど話題になってない。日本はもちろん、英米やフランス

でも同様。

  

ただ、話が核心を突いてるのは確かだし、メジャーではないからこそ、

マニアック・ブログで紹介する価値がある。

    

    

        ☆          ☆          ☆ 

まず、元のジョークについて。日本語版ウィキペディアには、「古くはア

ラブに起源があるというたとえ話」と書いてるが、アラブの出典は示して

ない。おそらく、塩沢由典の文章をもとにしたのだろうが、ネットで見れる

塩沢の文章2本(数学系経済学系)を見る限り、やはりしっかりした根

拠や出典はない。

  

出典はともかく、小話とか寓話の中身についてなら、英語版ウィキに

Streetlight effect」(街灯効果という項目があった。

  

大切な場所ではなく、街灯に照らされた明るい場所だけに目を向けてし

まいがちな人間の観察バイアスが、街灯効果。少なくとも半世紀前には

話題になってたが、ここ20年ほどで地味な注目を集め始めた感じだ。

  

元になった話が、下にまとめられた「drunker’s search」。

酔っ払いの落し物探し)。

   

160911a

   

       ☆          ☆          ☆

朝日と違ってる点はまず、登場人物が酔っ払いと警官になってる点。

酔っ払いは当然、ボケ役として、突っ込むべき警官もボケみたいな行動

を見せてる。どこに落としたのかという、一番大事な点を最後まで聞い

てないから、ある意味、Wボケの漫才、コントなのだ。

      

もう一つの違いは、公園(park)で落としたのに、街路(street)

で捜すという、滑稽な対比がハッキリ出来てること。

  

日本語版ウィキは、何に基づいてるのか、「公園の街灯」と書いてる

が、それでは対比がハッキリしないから面白くない。そもそも、落とした

公園の中で明るい場所を探すのなら、正しい行動とも言える。懐中電灯

で捜す普通の行動と、大同小異。

       

だから、古いジョークに正解など無いにせよ、英語版の方が正しいジョー

クだろう。「暗い公園」と、「明るい街路」のコントラスト。だから、全く無意

味なおバカということになる。

  

ただし、公園で落として、公園内の明るい場所だけ探すとした方が、一般

性が出て来る。人間科学的、社会科学的、方法論的に使いやすいのは

確かだ。つまり、どこが大切なのか、大まかには分かるけど、場所が広

すぎるから、ごく一部分の分かりやすい所だけ探求してしまう

   

それが人間の習性であり、限界、短所でもある。一方、考え方によっては、

長所でもあるわけだ。たとえば数学のような一般的学問でも、分かりやす

い具体例からスタートするのはごく普通の戦略、ストラテジーなのだから。

   

   

        ☆          ☆         ☆  

一方、フィトゥシの本は2013年だからなのか、まだ邦訳どころか英訳

さえ見当たらない。本を検索すると、たどりつくのはフランス語の情報。

   

JEAN-PAUL FITOUSSI、

  『Le theoreme du lampadaire』

      

160911b

   

この表紙の絵でも、公園とか木は描かれてない。普通の街路をトボト

ボと帰宅する姿に見える。

    

出版社はLLL。「Les Lien qui Liberent」

(レ・リャン・キ・リベール)の略語だから、訳すと「解放してくれる絆」

といった感じか。名前から直ちに、リベラル=左派の出版社だろうと

想像がつく。そこに注目した朝日も左派だから、分かりやすい構図だ。 

   

では、「街灯の定理」とは何なのか。フランスのAmazon

中身紹介を使って、冒頭だけ軽く読み流した限りでは、次のように

まとめることが出来そうだ。

   

  街灯の定理 : 

 大きくて複雑な問題を扱う時、分かりやすい部分だけを

 扱っても、本当の全体的解決にはつながらない。

    

たとえば次の箇所を引用させていただこう。

   

160911c

   

   

      ☆          ☆          ☆   

上の定理自体は、「~できない」というネガティブな否定形になってる

が、フィトゥシはもう少し先のポジティブな方向まで見通してる。要約

すると、次の通り。

   

 街灯の定理は正しい。しかし、われわれは照らす場所を選択、

 決定することが出来る。街灯で照らす場所を適切に決めれば、

 問題は解決に向かうだろう。

   

    

        ☆          ☆          ☆

結局、人間は有限な存在であって、すべてを完全に見通すことは不可

能、だから、一部分だけを分かりやすく考えるしかない。分かることしか

分からないのだから。

  

フィトゥシが街灯ジョークを手がかりにするのも、朝日がフィトゥシに注

目するのも、私が朝日のコラムに注目するのも、似たようなこと。

      

その時々で、どの部分に光を投げかけるのが適切か。どの近似的な

考えが有効なのか。そこはよく分からないわけだ。

  

ただ、おそらく自然科学はかなり上手くやってる方だろう。たとえばニュー

トン力学は今に至るまで300年以上、十分に役立ってる近似理論。ある

いは言語の分野でも、辞書に書いてる意味というのは部分的で不完全

だが、意思伝達の上で十分役に立ってるわけだ。

  

フィトゥシは今、『21世紀の資本』のピケティや、ノーベル賞のクルーグ

マンらと共同作業を進めてる所で、来年には発表が予定されてる。彼ら

がどこに、どのような光を投げかけるのか。過度な期待をすることなく、

静かに注目しとこう。

    

私としては、「鍵を探さない」という選択肢があることを指摘しておく。つ

まり、あきらめて別の場所に住むという方法もあるのだ。

      

なお、今週はPCトラブルにもかかわらず、計17437字となっ

た。もう少し減らしたいところ。ではまた来週。。☆彡

    

                       (計 2934字)

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