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映像美と俳優の存在感~輪舞曲第1話

『輪舞曲~ロンド~』第一話、「めぐりあい・・・愛と哀しみと宿命の二人」

            

今クールに記事を書くドラマの候補作4本のラスト、日韓共同製作、『輪舞曲』。

前にも書いたけど、一番心配なドラマだった。鳴り物入りで華々しく登場しても

失敗作になるんじゃないかなって気がしてた。あまりにも豪華なキャスト、日韓

の壁、そして、国際的犯罪組織と戦う刑事の国境を越えたラブストーリーって

いうやたら大掛かりな構想。。。

            

ただ、ほかの3本はちゃんと見て一応記事にしたので、これだけ無視するの

も変。また、主演の二人、特に竹野内豊は前からお気に入り♪ という訳で

そこそこ真面目に見た。印象は、ビミョー。。。とりあえず、また一本お試し記

事を書いとこう。

            

あらすじは以下の通り。1982年、家族で韓国を旅行中の日本の刑事が殺され

た。どうも、アジアン・マフィアの「神狗(シェンクー)」が絡んでるらしい。表向きは

「風間ホールディングス」という企業として、汚い企業買収や合併を繰り返し、巨

大な権力をもつに至ってる。刑事の息子、金山琢己(竹野内豊)は復讐を誓い、

2006年現在、潜入捜査官として神狗の一員になりすましている。組織での名

前は西嶋ショウ。仕事は、ボスのワガママ娘・風間琴美(市川由衣)の運転手。

何とか決定的な情報をつかもうと命がけで頑張ってるものの、上手くいかない

まま3年が経過し、自分自身も上司の伊崎吉彦(石橋凌)も焦っている。

              

ある日、琢己=ショウが弟分のヒデ(佐藤隆太)とバーで飲んでると、バイオリン

をひいてた女性チェ・ユナ(チェ・ジウ)がもめごとで危ない状況に陥ってたので、

とっさに助ける。ユナはお礼の気持ちを示そうと、ショウに絆創膏を渡そうとする

が、ショウは道端に捨ててしまう。ユナは妹ユニ(イ・ジョンヒョン)と共に、日本で

行方不明になった義父を探しに来てて、もともと日本に悪い印象をもってたが、

このもめごとやショウのせいで、ますます日本を嫌いになる。ところが、ショウの

犬・ジャスティス(英語の「正義」)がたまたま道にいる所をユナが拾い、犬を通じ

て2人の間に一応の関係ができる。

             

一方、組織でのショウは、偶然の活躍がボスに認められて、娘・琴美の運転手

から息子・龍吾(速水もこみち)のお目付け役へと出世。ところが、琴美も龍吾も

これを不満に思い、ショウをお目付け役からはずそうとし始める。そんなある日、

韓国料理店を始めようとしてたユナたちの所に、韓国からやって来たばかりの

神狗の幹部キム・ヨンジェ(シン・ヒョンジュン)が突然やって来て、部屋をメチャ

クチャにする。驚いた犬が逃げたため、ユナは探しに行き、そのユナを追いか

けたショウは、返してもらうはずだった犬を、交代で飼うことを提案。おまけに、

その日は特別にもう一回ユナに渡すことに。ユナは、日本語で「ありがとう」。

雪の降る港で、二人の心が通い始めた。。。

       

冒頭、いきなり主演2人の語りからドラマは始まった。竹野内の日本語だと、

 「悲劇は憎しみを生む。その憎しみは、また悲劇を呼ぶ。悲劇と憎しみの連鎖は、

  幾重にも絡まりあう。世界は哀しみのロンドを踊り続ける。今もなお・・・」

すごく一般的に言える話だけど、とりあえずドラマの中では、悪の組織と復讐を

狙う者(ショウ、乗っ取られた会社幹部)、あるいは、日本と韓国のことを指してる。

さらにこれから、ショウとユナが愛のロンドを踊るんだろう。この輪舞は、回転す

る映像や、風に舞う雪でも表現されてた。こうしたロンドを描くのが『ロンド』

          

全体から感じたのは、『けものみち』や『白夜行』や『氷壁』とは相当違うドラマだ

なってこと。映画的って言うのか、すごく凝った映像があちこちに見られて、かな

り力を入れてるのは分かる。ただ『けものみち』のリアリティは無いし、『白夜行』

の切なさや感動もないし、『氷壁』の純粋さや男らしさもない。だから、話に引き

込まれない。

             

ただ、それはドラマを見る時にストーリーを重視し過ぎるからかも知れないって

事は思わなくもない。以前、知り合いの専門家に聞いた覚えがあるんだけど、

もともと歌舞伎っていうのは、内容じゃなく俳優を見るためのものだったって話。

これはヘェーッて感じだった。

           

そう言えばドラマに限らずTV番組を見る時、あるいは映画を見る時、お目当て

の俳優やタレントが出るからってことで選ぶ人は多いような気がする。私自身、

主演2人を眺めるだけでもある程度楽しめるし、市川由衣や木村佳乃を見て

悪い気はしないし、速水もこみちはカッコイイなと思う。その他のベテラン俳優

も、確かに存在感はある。つまり、少なくとも初回に関しては、ストーリーより

映像美や俳優の魅力・存在感で勝負してるドラマだな、と思った。

               

それはそれで、ありかも知れない。ただ、その場合は、毎週継続して見る必要は

あまりなくなってしまう。来週どうするか、ビミョーな所。まあ、ラストシーンが凄く

キレイだったし、日韓のロンドを応援する意味でも見ようかなぁ。。。 

       

              

cf.ドラマに見出す価値~輪舞曲第2話

  シンプルな心の言葉~輪舞曲第3話

  不信感による孤立の増幅~輪舞曲第4話

  リアルタイムの感想~輪舞曲第5話

  神狗は悪か?~輪舞曲第6話

  リアリティの欠如~輪舞曲第7話

  ロンドの形式~輪舞曲第8話

  自然さについて~輪舞曲第9話

  適度な政治性~輪舞曲第10話

  美しく自然なエンディング~輪舞曲最終回 

        

      ・・・・・・・・・・・・・・・

  「眠れる森の美女」ではなく「いばら姫」~『もう一度君に、プロポーズ』第1話

    

      ・・・・・・・・・・・・・・・

  主演と演出家が再会、『ビーチボーイズ』の変奏~『流れ星』第1話

  クラゲ流星群のウエディングドレス~『流れ星』最終回

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コメント

どうも。見終わった後の感想・・やはり自分も微妙でした。
決して悪くはなかった。でも、期待したほどには引き込まれなかったから。
ただ、最後の「ありがとう」ってチェジウが始めて日本語しゃべるセリフには少なからず心を揺さぶられました。その瞬間来週また見ようと思ったですよ。

投稿: ガク | 2006年1月16日 (月) 04時27分

>ガク様

はじめまして。コメントどうもありがとうございます♪
やはり、ビミョーでしたか。。
何だか、ラストシーンで無理やり帳尻合わせたって気もしますね。
まあ、アジア全体に売り込む予定なんでしょうから、他国の
趣味に合わせたって所もあるんでしょうか。
一応、来週も見てみましょうかね。。。

投稿: テンメイ | 2006年1月16日 (月) 09時32分

テンメイさん、お久しぶりです。

私もこのドラマ、ビミョーです。
なんだかいろんな要素てんこ盛りで見疲れました。

あと、気になっているのは主人公の名前。
どうして「金山」にしたんでしょうね?

(私の友人の金山さんは(2人いますがどちらも)
 在日の方なので。)

シュウも在日だという設定だったりして…と
妄想が膨らんでしまうのです。

そうだったら、さらにてんこ盛りだわ。

投稿: 海苔 | 2006年1月17日 (火) 09時06分

>海苔さん

こんばんは。お久しぶりです♪
日韓(あるいは韓日)の問題はデリケートすぎて、
ブログでさえ気を使うのですが、いま月刊TVnaviを見ると、
ショウ=金山琢己の母親は在日二世の韓国人と書いてますね。
TBSの人物紹介には書いてませんが、多分そうなんでしょう。
日本を拠点とする韓国系のマフィアを憎む日本人が、実は
韓国系だったっていう形で「輪」を作ってるんでしょうね。
ユナの義父がなぜ日本に来たのかを考えると、ユナにも日本
人の血が流れてるのかも。さすがに出来すぎた話ですけど。
まあ、まだ脚本は途中までしかできてないでしょうから、
色んな可能性を秘めた構想なのは確かでしょう。
ただ、ビミョーだし、今後がちょっと心配ですね。。

投稿: テンメイ | 2006年1月18日 (水) 00時46分

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