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不信感による孤立の増幅~輪舞曲第4話

『輪舞曲~ロンド~』第4話、「つかの間のデート~揺れる思い」

最初、まるで普通の恋愛ドラマみたいだなと思ってたら、「つかの間の」こと

だった。2人でダンス・ダンス・レボリューションなんてやってる姿は、微笑ま

しかったのにな。。警察とアジアンマフィア・神狗(シェンクー)の対決っていう

のは、制作サイドが言うほどにはリアリティを感じないんだけど、まあ乗りか

かった船って奴で、付き合うしかない。

今回も前回同様、分かりにくい部分っていうのはほとんど無くて謎解き遊び

ができないんだけど、どこからどこまで罠なのかはイマイチ不明。多分、ユ

ナの父・サイ(=チェ)が偽札工場を逃げ出したのは本当で、それを逆に

利用したシェンクーがモグラ退治に使おうとしたんだろう。ただ、龍吾やヒデ

の動きをどう解釈していいのかよく分からないし、ショウが誰にどこまで疑わ

れてるのかも曖昧。少なくとも銃撃戦の終了時点で、もうショウの事はバレて

ると考えるのが自然だけどな。。。

         

あらすじは以下の通り。シェンクーのドン・風間龍一郎(杉浦直樹)は、秘書

宋(橋爪功)を出し抜いてデータを盗んだモグラを捕まえろと命令。宋は、

ヨンジェ(シン・ヒョンジュン)と一緒に(?)、何か計画を進めているようだ。

警察では、殺された印刷屋の小林(平田満)の携帯にサイと言う男から電話

があった。伊崎(石橋凌)ショウ=琢己(竹野内豊)に、サイを調べろと命令。

ショウは、ユナ(チェ・ジウ)の秋葉原での買い物に付き合い、仕事を聞かれ

て無職と答える。ドッグフード店ではしゃぐユナを見て、ショウは明後日の夜

ジャスと一緒に来ようと指きり。そこへ龍吾(速水もこみち)から電話で至急

の呼び出し。偽札工場からサイという男が逃げたから、自分たちが捕まえて

親父の鼻をあかしたいとのこと。

伊崎にも探せと言われてたサイ(崔)が、ユナの父・チェ(崔)と同一人物らしい

ことに気付いたショウは、サイが韓国造幣局職員だったことを知り、上司の伊

崎に連絡。サイが再び新宿中央公園の公衆電話から連絡して来たので、ショウ

と伊崎は別々に急行。ショウの目の前でサイは連れ去られ、なぜか伊崎と宋が

立ち話をしてる所まで目撃。

ショウは不信感を募らせ、スキを見て伊崎の携帯に盗聴器をしかける。すると、

伊崎と上司のやり取りが聞こえてきた。どうも、シェンクー側がサイを引き渡す

代わりに、警察側がモグラ(スパイ、実はショウ)を教えるという裏取引が提案

されてるらしい。伊崎はショウを引き渡すことはできないと言い、自力でサイを

見つけることを宣言。

ショウは子分のヒデ(佐藤隆太)の情報で、サイがヨンジェに捕まってることを

知り、伊崎が自分たちにまかせろと言うのを無視して、単独でサイを救出しに

行く。前回、小林が殺されたことで、ますます警察内のモグラに対して不信感

を持ったようだ。今度は、ユナの父だし、失敗は繰り返す訳にはいかない。

ところが伊崎は、公園に残ってたサイの靴の指紋で、サイと思ってた男は前

科者のシェンクー構成員・浅野太郎だと知る。全てはシェンクーがモグラ退治

するための罠だった。あわてて伊崎はショウに連絡するが、携帯が留守電に

されてるので、携帯追尾を依頼。ショウの後を一人で追う。ヨンジェがサイを

捕まえてる場所にいたショウを見つけた伊崎は、すべて罠だと教える。その後、

激しい銃撃戦が展開され、何とか2人は脱出。伊崎の傷を気遣ってショウが手

を差し出すと、伊崎は激しく振り払う。ショウの身勝手な行動に激怒してるよう。

一方、ユナに気があるヨンジェと、ショウに気がある琴美(市川由衣)は、ユナ

達の韓国料理店チャメを訪れ、ショウがシェンクーの一員だとユナに教えてい

た。収穫のない銃撃戦をむなしく終え、疲れきったショウが大遅刻でドッグフー

ド店に行くと、ユナが店先で待っていて、なぜ約束を破ったのか、シェンクーだ

からか、と詰問。ショウは動揺し、言葉を失った。。。

           

初めから感じてるけど、このドラマは全体的に暗くて寒い。これは単に、画面

が暗いからとか、気温が低いからとかゆう話じゃないだろう。『白夜行』や『け

ものみち』とも違うこの暗さや寒さは、一体どこから来てるのか考えてみた。

最大の原因は、主要な登場人物の間に深い絆がほとんど無いことじゃない

だろうか。

大きな骨組みから見てみると、警察組織内とかシェンクー内部での人間的

結束がそもそもあまり描かれてない。伊崎とショウの間の溝もかなり感じるし、

警察全体でも裏切り者は誰なのか疑心暗鬼になってる。伊崎がたった1人

とか2人で行動してる姿は、見てるだけでも淋しい。一方シェンクーでは、風

間親子の間でさえ寒い風が吹き抜けてるし、龍一郎と宋もよそよそしい上下

関係だし、ヨンジェは一匹狼を気取ってる。ショウとヒデは仲良さそうにも見え

るけど、ヒデが裏切り者の可能性はある。

さらに、ショウとユナの間もまだまだギクシャクしてるし、言葉・文化・意識面

での日韓の溝もかなり感じる。結局、強い絆があるのは、今のところユナと

ユニの姉妹だけなんだけど、これが中心に押し出されたドラマでもない。

それに対して、『白夜行』だと絶望的に孤独な2人の殺人犯の間には深い

つながりがあるし、『けものみち』でも犯罪者や悪人の間に結構な人間的

つながりを見て取れる。これが本質的な違いとなって、ロンド特有の暗さ

や寒さをもたらしてるんじゃないだろうか。。

人間同士の絆を断ち切るものとしては、不信感、憎しみ、軽蔑、嫉妬など

がある。今回前面に押し出されてたのは、不信感だ。ショウと伊崎、ショウ

とユナ、警察内部、シェンクー内部が主なものだけど、ユナとショウに対す

るヨンジェや琴美の不信感も重要な役割を果たしてた。

不信感による孤立の連鎖や増幅を断ち切るには何が必要か。少しずつ

信頼を築き上げるのはもちろんだけど、やっぱり愛だろう。男女の恋愛、

親子愛、友愛。。ショウで考えて見ると、恋愛はひとまず消滅してしまい

そうだ。残るのは、家族愛と友愛。だからこそ、来週は母・恵子と幼馴染

のあきらの出番になるんだろう。ユナの場合は、妹・ユニだろう。。

          

最終的には、ショウとユナの間に深い愛の絆が築かれるんだろうけど、

とりあえずの寒さしのぎとして、恵子、あきら、ユニの活躍に期待したい。

特にショウの孤独は、犬のジャスティスだけじゃ癒せないはずだ。。。

       

cf.映像美と俳優の存在感~輪舞曲第1話

   ドラマに見出す価値~輪舞曲第2話

   シンプルな心の言葉~輪舞曲第3話

   リアルタイムの感想~輪舞曲第5話

   神狗は悪か?~輪舞曲第6話

   リアリティの欠如~輪舞曲第7話

   ロンドの形式~輪舞曲第8話

   自然さについて~輪舞曲第9話

   適度な政治性~輪舞曲第10話

   美しく自然なエンディング~輪舞曲最終回

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コメント

 おはようございます☆そういえば琢己の母やあきらがほとんど出てきませんでしたね!来週出てくるんですね♪私だんだんこのドラマが気になってきました!ヨンジェが一番気になります(*^^*)彼がユナと接するところをもっと見たいです☆

投稿: 私の趣味日記 | 2006年2月 7日 (火) 08時10分

>私の趣味日記さん

TB&コメントありがとうございます♪
ヨンジェ、ユナへの接し方が今までと違ってましたね。
何か、それほど悪人に見えなくなりましたよ。
恋敵のショウに対抗しようと頑張ってるし、
「キムチチゲ」の発音はカワイイし(^^)
ヨンジェとユナのシーンは注目ですね♪

投稿: テンメイ | 2006年2月 8日 (水) 00時20分

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