昼間の幽霊~白夜行第7話
『白夜行』第7話、「美しき亡霊の決意」
雪穂が庭に埋めてたのはサボテンだったのか。恵まれない環境でもしぶとく
生きる、トゲのある生物って意味だろうけど、ビミョーだなぁ。安心したような、
ガッカリしたような。。
それにしても、雪穂の容姿と若さがあれば、金なんて稼げるはずなのに、何
で高宮なんかと結婚するのかネ。どうせ売春みたいな財産目当ての結婚だと
自覚してるんだから、クラブのホステスで売れっ子を目指す方がマシだと思う
けど。心の底で家族の幸せを求めてた、なんて話でもなさそうだし。。高宮が
雪穂じゃなく千都留にひかれるって話は、ちょっと笑えた。純朴なマザコンお
坊ちゃまって設定か。。雪穂のウェディングドレス姿はもっと見たかったな♪
いくらなんでも短すぎ!
大好きなフィギュアスケートに見とれて時間がなくなったので、あらすじは超簡
単に。亮司(山田孝之)を多少なりとも陽の当たる場所に戻してあげようと考え
た雪穂(綾瀬はるか)は、ダンス部の先輩で資産家育ちの高宮(塩谷瞬)と付
き合い始める。2年が経過し、いよいよ結婚という時、高宮の気持ちは他の女
性へ揺れる。相手は会社の三沢千都留(佐藤仁美)。高宮は、彼女の退社直
後、里帰り前日に直接告白して、OKなら翌日の結婚は中止、ダメなら結婚す
る予定。そこで亮司と雪穂は、高宮と千都留が会うのを妨害し、結局無事に雪
穂は高宮と結婚。新婚旅行直前に雪穂は高宮の身分証を盗み、高宮のIDと
パスで会社の機密情報を盗むよう亮司に提案。渋ってた亮司も結局同意し、
盗んだ情報を手土産にしてベンチャー企業に就職。雪穂は友人とのブティック
経営に乗り出す。
一方、笹垣(武田鉄矢)は、松浦(渡部篤郎)の携帯履歴から、松浦と亮司と
雪穂に深い関係があることを見抜く。ところが雪穂は2人に脅迫されてたと言
い張り、警察内でも笹垣は孤立。結局辞職して探偵事務所を開き、篠塚(柏原
崇)と弥生子(麻生祐未)に接触し始めた。。
今回、何が起きたのかを簡単に言うと、亮司と雪穂がお互い相手を支え合う
ようになったってこと。亮司が陰で雪穂を支えるってだけでなく、雪穂も亮司を
支えるようになり、それによって亮司は、今までより少しだけ明るい場所に出
ることができたようだ。
ただし、普通「支え合う」っていうのはポジティヴなニュアンスが強い言葉だけ
ど、2人の場合はかなりネガティヴ。と言うのも、普通なら、ある程度以上自立
した者同士が相手のためを思って支えるわけだけど、この2人の場合、相手
がいないと自分が生きられない状況に追い込まれてるし、相手のためという
のを自分が罪を犯す際の「免罪符」(言い訳)に使ってしまってる。要するに、
弱くて自分勝手な犯罪者2人が、お互い相手を利用して生き延びてるにすぎ
ない。2人まとめて外側から見ると、そこには自分勝手な犯罪者が1人いる
だけになる。「共依存」なんて言葉がピッタシかも知れない。
実際、亮司すなわち「レットバトラーの幽霊」は、幸せにしたい相手がホントに
幸せになってしまったら自分を必要とする人間がいなくなってしまうと、図書館
の掲示板に書き込んでた。つまり、相手を支えるとか幸せにしたいなんていう
キレイ事じゃないってこと。もはや、自分自身は自分を必要としてないんだから、
誰か他人が自分を必要としてくれないと自らの存在理由がないのだ。
また、雪穂が、お互い相手の幸せを免罪符にして自分たちを正当化しまくって
生きていこうと提案した時、亮司は正しく指摘した。
「最悪だろ、それ・・」
これに対する雪穂の笑顔の応答も、悲しいくらい正しい。
「もとから最悪じゃない、私たち・・」
こうして結局、白い服の雪穂は、ビルの屋上の塀に座ってる黒い服の亮司を
引っ張り戻した。死と生の境界線にいる幽霊みたいな存在を、生の世界、明
るい人間の世界へ引っ張り戻したっていう演出なのは分かる。ただ、そこで
起きることは、幽霊が人間に戻るってことじゃない。むしろ、幽霊が場違いの
昼間の世界に出てしまうってこと。人間が幽霊を人間世界に引き戻したんじゃ
なくて、場違いにも昼間に生きてる美しき亡霊が、ちゃんと闇夜に生きてた幽
霊(or 亡霊)を昼間に引きずり出してしまったってことだ。
だからこそ、タイトルは「美しき亡霊の決意」となってるのだ。当然、幽霊が光
を喜ぶのは一瞬だけ。やがて光に苦しみ悶えることになるだろう。白夜のよう
な明るさしか耐えられないことに気付くだろう。。。
正直言って今回の話は、やや平凡かつ単調。イマイチって感じ。いちいち指摘
しないけど、不自然な箇所も多かった。次回以降の盛り返しに期待したい♪
P.S.『ハニカミ』で、菊池(田中圭)と江利子(大塚ちひろ)のカップルが、雪の
北海道を楽しんでた。妙な組み合わせだけど、無邪気で仲良さそうな、凄くいい
感じのカップルだった♪ ちなみに場所はトマム。個人的にも思い出深い所だ。。
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コメント
テンメイさんの言うとおり、
弱くて自分勝手な犯罪者2人が、
お互い相手を利用して
生き延びてるにすぎない。
そう思います。
二人はもうこういう方法でした
支えあえないのでしょうか?
投稿: あい | 2006年2月28日 (火) 09時17分
>あいさん
2人を軌道修正できそうなのは、笹垣と弥生子と真文しか
いないけど、笹垣はストーカーっぽい怒りオヤジになっ
てるから、第三の父殺しで消えそう。残る2人は「母親」。
父を殺した息子が、「母」のおかげで罪に目覚めて立ち直る。
その息子が、母を殺した娘を改心させようとして、
逆に刺されてしまう、なんてストーリーの予定かも。
まだ最終話まで作ってないでしょうから、今からでも
ネットで圧力かけて、自首へとストーリー変更させましょう♪
亮司が第3話みたいに強引に警察へ向かえばいいだけの事。。
投稿: テンメイ | 2006年2月28日 (火) 21時39分