前回のドラマ、ウチでは思い切り絶賛した。ブログ界ではほとんど孤立無援
に近い状況にも見えたけど(大げさ?♪)、アクセス数は今年最高を更新。
白夜行やクロサギがかすんでしまうほど。ありがたや、ありがたや・・<(_ _)>
ドラマの見方なんて、所詮は人それぞれ。自分が面白いと思ったら面白い
んだし、ダメだと思ったらダメ。その程度のもんだ。でも、自分と違う見方を
知りたい人、自分の今の考えを少し変えたい人は、少なからずいるだろう。
また、世間一般の考えに納得できない人、上手く言葉にならない自分の思
いを形にしてほしい人もいるはずだ。そうゆう人達に、ウチの記事が少し
でも参考になれば、これほど嬉しいことはない。
もちろん、単なる参考とか手がかりにすぎないから、そこから何を考え、どう
判断するかは、あくまで皆さん自身の問題。たかがドラマ、されどドラマ。自
分と同じ時間、同じものをめぐって色々と考えてる人が大勢いるってだけで、
何となく幸せな気分になれる。。
「ところでシンノスケ、本題はまだなのか?」 「忘れてた。。」♪
まず、あらすじを超簡単に。シオリ(松山まみ)がケガしたので、レミ(鈴木え
み)は代わりにサキ(戸田恵梨香)を白組リーダーに指名。おまけに、パラパ
ラ選手権「パラパラ4」の代表にも大抜擢されてしまった。
一方、一ノ瀬(佐藤隆太)は、実家の寺を継ぐはずだった姉・美里(西山繭子)
がアメリカで結婚した知らせを受け、心配して帰郷。放っとくと何をしでかすか
分からないシンノスケ(藤木直人)も無理やり同行させる。一ノ瀬の父・倫太郎
(渡辺哲)は、シンノスケと意気投合すると共に、息子が自分の職業について
悩んでることを見抜く。一ノ瀬は、要領が悪くウダツの上がらない警官の自分
に嫌気がさしていた所だった。
モモ(山内菜々)が一人でお留守番する一ノ瀬の部屋では、パラパラ代表4
人が合宿開始。サキはリカ(岩佐真悠子)やユリカ(矢口真里)と共に、黒組
リーダー・ナギサ(新垣結衣)の特訓を受ける。部屋のテレビ電話を通じて、
ギャル達に可愛いと言われたジェロニモ(古田新太)も、調子に乗って一緒
に練習。モモも同調。
その頃、一ノ瀬は、そのまま実家に残って寺を継ぐと言い出すが、シンノスケ
は自分が代わりに継ぐと挑発。決闘で一ノ瀬を倒したシンノスケは、寺はやめ
て、警官になると宣言。一ノ瀬を寺の境内に縛り付けた後、渋谷に戻り、制服
を勝手に着てメチャクチャな仕事ぶり。その様子を倫太郎はパソコンで一ノ瀬
に見せつける。やがて一ノ瀬は、他人なんて気にせず、自分の気持ちに正直
に警官を続けることを決意、渋谷に帰る。寺は結局、帰国した姉夫婦が継ぐ
事になって一件落着。
ところがサキの方は、リーダーも代表も上手くいかず、周囲は冷たい態度。シ
ズカ(佐津川愛美)やスミレ(奈津子)まで離れていき、夜の渋谷を泣きながら
一人さまよい続けていた。。。
さて、今回もかなり笑えたし、緻密な脚本と演出も相変わらず♪ いつもと違う
のは、次回に話が持ち越される「前編」って感じで、ジェロニモの教訓もまだ出
てない所。記事も書きにくい。
ただ、おそらく来週も含めた全体のテーマは、「自分が生きる場所」だろう。こ
こまで抽象的に言うと、『野ブタ』全編を貫くテーマと一致する。ただし、今回の
『ギャルサー』はもう少し限定された切り口。つまり、社会における役割とか、
集団内でのポジションって意味から、生きる場所が描かれていた。したがって
当然、他人とのつながりが大きく関わってくる。
具体的に見てみよう。一ノ瀬は渋谷の警官。街の人にはそれなりに受け入れ
られてるようだけど、警察内部ではみんなに認めてもらえず、ほとんど居場所
がない淋しい状況。そこに、姉の結婚と家の後継ぎの問題が重なって、田舎
のお坊さんっていう職業を選ぼうとする。地元の人たちも、自分を必要としてく
れるだろう。つまり、他人との関係、つながりを中心に考えると、警官を辞めた
方がいいかも知れない。でも、自分自身の気持ちをじっくり見つめると、やっぱ
り警官をやりたい。だから、最後はやっぱり警官を続けることにした。
ここで、シンノスケが果たした役割を考えてみよう。まず、一ノ瀬がなろうとして
たお坊さんに自分がなるといい、次に父・倫太郎の前で一ノ瀬を打ち負かし、
さらに一ノ瀬が未練を持ってる警官になると言い出した。
メチャクチャなドタバタ喜劇的行動に見えて、実はそうじゃない。要するに、一
ノ瀬からその都度「生きる場所」を奪い取ってるのだ。つまり、子供時代から慣
れ親しんでるお坊さん、父に(後継ぎとして)認められた「息子」というポジショ
ン、つい先日まで慣れ親しんでた警官って職業を次々に奪い取ることで、それ
らに向かう新たな欲望を喚起させると共に、あれこれ考える機会・刺激を与え
てるのだ。
そしてもう一つ、一ノ瀬を境内に縛り付けたのは、思い通りに生きられない状
況を与えるってこと。そこで初めて、自分の思い通りに生きることの価値を実
感することになる。シンノスケがアメリカの里親に教えられた自由の大切さを。。
ついでに、シンノスケの言葉も引用しておこう。まず、
「お前、必要とされていないと働かない。だが、そんなおまわり必要ない」
また、警官としてのメチャクチャな仕事ぶりを一ノ瀬に非難されて、
「ホワット?・・・しかし、気持ちがいい。俺、おまわり続ける」
以上から一ノ瀬が出した結論は、自分自身がやりたい事をやるってこと、他
人を気にせず自分の思い通りに生きるってことだった。
「誰かに認められるとか、必要とされるとか、そんな事どうでもいい。・・・俺、
やっぱり警察官の仕事が好きだ」
こうして結局、シンノスケは一ノ瀬が田舎に戻るのをさえぎる大木のような
役割を果たしたことになる。思い出してみよう。最初に一ノ瀬が帰郷しよう
とした時、ドアの外側にいきなりシンノスケが丸太をドンと据えたことを。味
わってみよう。この緻密な演出の面白さ、素晴らしさを。。♪
もちろん、他人を気にせず自分の思い通りに生きる場所を選択することは、
唯一絶対の「正解」なんかじゃない。他人を気にしないなんてことが出来る
かどうか、正しいかどうかはビミョーな問題だし、後からやっぱり他人が気
になる可能性も高い。それくらい、他人から必要とされること、認められるこ
とは、人間にとって重要だ。また、「自分の思い」なんてものも曖昧で移ろい
ゆくものにすぎない。
それでも、一ノ瀬をよく理解し愛してるシンノスケと父親が、協力して一ノ瀬
を温かく手助けし、一ノ瀬もその心配りに応えたこと、3人が共鳴してとりあ
えず一つの方向性を見出したこと、これが感動的なのだ☆
ところで、もう一方のサキ。一ノ瀬が、他人の影響で奪われそうになった場所
を自分で取り戻したのに対して、サキは、他人の影響で押し付けらた場所を
持て余し、困惑してる所。どちらも、自分の場所に他人が関わって来る点にお
いては同じだけど、サキについては、来週の「後編」を見た上で考えたい。
押し付けられた場所を自分で引き受け直し、結局上手くいかないから返上す
るけど満足感だけはしっかり残る。こんな展開がキレイだと思うし、シオリや
他のメンバーの立場にも配慮したものだと思うけど、果たしてどうか。。
最後に、イモコ。前回、本命サキ、大穴アキコ、集団内で一番目立ってる女性
なら自然と書いた。この意味では、今回ほのめかされたレミ説も全く自然だ。
「小野」って苗字(?)も、第4話でユリカが口にしてた「小野妹子」(オノノイモ
コ)って言葉とリンクする。ただ、アキコとレミの関係も含めて、まだまだ分から
ない。それでも、野ブタの時ほど不自然な展開はもう心配ないだろう。
自分の好きなものについて、自分が納得するまで語り尽くす。これほど気持
ちいいこともないし、これほどキツイこともない。。それでは、また来週・・♪
P.S.最初の方で一ノ瀬がシンノスケを投げ縄で捕まえたのは、相手の「場
所」(ポジション)を奪い取ることで挑発するって話の、ギャグ・ヴァージョ
ン。毎度おなじみ、野ブタ的手法。東洋的な棍棒で闘う一ノ瀬に対し、シ
ンノスケが西洋的な投げ縄に代えて東洋的な竹刀で叩きのめしたのも、
おそらく同じこと。東洋という場所を西洋カウボーイが奪い取ったって話。
P.S.2 ドラッグストアの相川(温水洋一)が柳下(生瀬勝久)に商店会長を
押し付けられたのは、サキがレミに重要な役を押し付けられたこと
のオヤジ・ヴァージョン。サキと同じく、今後の展開は不明。おそらく、
似たような流れになるとは思うけど。。
cf.破天荒な痛快青春コメディー~『ギャルサー』第1話
走り続けろ、進之助!~『ギャルサー』第2話
命のつながりへの感謝~『ギャルサー』第3話
ウソが導いた本当の自分~『ギャルサー』第4話
他人と気持ちよく生きること~『ギャルサー』第5話
みんながいるからエンゼルハート♪~『ギャルサー』第6話
限るある命、選びとる生き方~『ギャルサー』第8話
表面と中身、どちらも私~『ギャルサー』第9話
Open the door!~『ギャルサー』第10話
感謝すべき遭遇、時空を超えた銀河~『ギャルサー』最終回
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