ウソが導いた本当の自分~『ギャルサー』第4話
「16でしょ?」
レミのこの「嘘」に始まるラスト、ウルウルしながら微笑んだ♪
「私は麗華なんて女、知らない。私が知ってるのはユリカ、16歳」
「だって、ここでユリカのことクビにしてみ。あー、エンゼルハートは、年齢
制限だけじゃなくて、身長制限までできたのかって、思われちゃうじゃん♪」
ナギサ(新垣結衣)が微笑みながら、「思わねぇよ!」。
リカ(岩佐真悠子)も笑顔で、「敬語なんて使わねぇかんな!」
そして最後は、ユリカのカワイイ嘘。「泣いてねぇよ!」
いいドラマだなぁ・・・♪
まずストーリーを簡単に。公式HPはよく出来てるけど、筋が追いにくいから。
自称16歳のユリカ(矢口真里)は、実は23歳の西園寺麗華。破産した名家
のお嬢様で、父(伊武雅刀)は東京拘置所。ユリカも田園調布から渋谷の安
アパートに転居してバイトで自活してる。18歳で卒業ってルールのエンゼル
ハートに入るために、歳を大幅にごまかしてた。
ある日、出身の聖桜大学から同窓会のハガキが到着。落とした所をシンノ
スケ(藤木直人)に拾われて、興味を持たれてしまう。大学の校章のワシは、
イモコの手がかりとしてジェロニモ(古田新太)が伝えてたものと偶然一致。
イモコとユリカ、何か関係がありそうだ。
一方、貧乏なサキ(戸田恵梨香)は、歳をごまかして六本木のキャバクラでバ
イト開始。ところがそこは、ユリカのバイト先だった。たまたま喫茶店マスター
柳下(生瀬勝久)らが店に来てた時、警察の摘発が入り、歳をごまかして働
いてたサキをユリカが逃がす。これをキッカケに、仲が悪かった2人は打ち
解けていく。
そんな中、人気女子アナになってるユキエ(松本莉緒)は、エンゼルハート
を同窓会の余興として招く。ただし、ユリカをセンターにするのが条件で、落
ちぶれた昔の仲間を笑いものにしようって考え。ユリカはこっそり逃げ去ろ
うとするが、シンノスケが無理やり会場に連れてくる。そこで、本当に大切な
のはエンゼルハートだと気付いたユリカ。最後はサキと共に土下座して、レ
ミ(鈴木えみ)の配慮のおかげで例外的にエンゼルハートにいさせてもらえ
ることになった。。。
今週のテーマは、嘘。大きく分けて、3種類の嘘が上手く扱われてた。
まず、冒頭のジェロニモの笑えるおバカな嘘。イモコに関する大地のメッセー
ジを感じ取る儀式で、「あぁー、見えた! 大空はばたくワシ。間違いない」。
ワシって、ポテトチップのマークかよ! って言うか、何でインディアンがポテト
チップ食べてんだよ!♪
次に、ユリカの嘘の大部分。自分の都合でつくフツーの良くない嘘で、サキも
喫茶店マスターもついてた。
そして、最後にレミがついた嘘は、許容される悪くない嘘、あるいはいい嘘。
ユリカが父についた就職の嘘もそう。キャバクラでマスター達についたその
場を丸く収める嘘も、ギリギリここに入れてもいいかも知れない。
嘘については、以前『氷壁』の第4回・第5回で扱ったので、ポイントだけ再
掲しよう。嘘とは単に間違った事を言うことじゃなくて、自分が思ってる事と
は違う事を意図的に言うこと。嘘をつくと自分が不愉快だし、つじつま合わ
せが大変だし、結構バレてしまう。ただ、誰でもウソはつくし、ついてもいい
ウソもある。特に、周囲の人のためを思ってつく、自分が得しないウソは許
容される。。
この、「自分が不愉快」って部分をジェロニモ的に言うとこうなる。
「人は、おのれを良く見せようと、嘘をつく。つまらない欲、小さな満足のた
めに。しかし、嘘は針よりも鋭く、心に突き刺さり、深く入り込む」
では、今回のユリカの嘘の中心は何だったのか。微妙な表現になってたので、
ここで整理しよう。まず、ユリカがサキに、「飛ぶわ。・・・みんなに23のババァ
だなんてバレたら、みっともねぇもんな」と言うと、ウソを見破るサボテン「オミ
トオシ(お見通し)」からトゲが飛んだ。シンノスケも「あの娘、ウソをついてる」。
その後の同窓会でも、エンゼルハートの仲間の前でユリカが「あたしは、23
歳のババァだ。それがバレるのがイヤで、飛ぼうとしてた」と言うと、トゲが飛
んだ。
つまり、本当はユリカは、落ちぶれてパラパラやってる自分を、昔のお嬢様
仲間に見られるのがイヤだったって事。シンノスケも改めて、「逃げたのは歳
のせいではない」。
シンノスケの突っ込みに考え込んだユリカは結局、「体裁しか見ない奴の前
でカッコつけて、それで今の仲間捨てようとしてた・・・でも今気付いた。あたし
には、お前たちの方が大切だ」
つまり、昔の偽物の仲間にカッコつけたくて、今の本当の仲間を裏切ろうとし
たことこそが、ユリカの最大の嘘、自分の心の中の嘘だ。でも結局、シンノス
ケとサキとオミトオシの活躍で、ユリカは無事に本当の自分を取り戻すこと
に成功。何とキレイな物語。。。
という訳で、今回も大満足! ギャグは笑えたし(特に最後のサボテン料理)、
話はキレイで考えさせるし、全体の構成もよく出来てる。おまけに、チョコッと
お色気サービスまで。。♪
もう間違いないだろう。『ギャルサー』は、今クールの大穴ドラマだ。
来週もまた、走れ、シンノスケ!☆
P.S.シンノスケが嘘をつかないキャラってことは、最初のモモ(山内菜々)
とのやりとりに現れてた。
「見えなかったの?」
「もっと薬草探してくる」
つまり、嘘をつく代わりに、話をそらしたってわけ。大地のメッセージ
が見えたと嘘をついたジェロニモとのコントラストは明快。
P.S.2 悪役ユキエを演じたのは『エースをねらえ!』のお蝶夫人。お嬢様
役にピッタリの顔。単なる演技だから、みんなイジメないようにネ♪
・・・・・・・・・・・・
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コメント
テンメイさん、毎度で~す♪
3種類のウソをキレイに分類できましたね。
読んでいてすっきりしました。
今回もよくまとまっていてうまいですね~~☆
一般的にも許容範囲のウソはよく使いますよね。
方便というやつね。
見栄をはるウソだって私は悪くないと思うんだわ。
ただ、人を傷つけないという条件が必要だけどね。
シンノスケの目を通して見える世界が真理を追究するところに味があるんですね。
戸田さんの足の長さに見とれながらジェロニモに爆笑し
楽しみにしています。
投稿: かりん | 2006年5月 7日 (日) 19時47分
テンメイさん こんばんは!
今回の「嘘」自分もユリカと同じ経験があるので
親近感(苦笑)
ジェロニモが言ってたように・・・
つまらない見栄・小さな満足のために。
でも、その嘘をついたら、その嘘を隠すために
また嘘を重ねる。
最後は、逃げ出したくなるんだよね。
でも、ユリカは逃げなかった。
頭下げてギャルサーに残りたいこと、精一杯に
伝えたし。
ギャルサーの仲間がいいね。
>単なる演技だから、みんなイジメないようにネ♪
テンメイさん、いつも誰かを守ってる感じがする。
やっさし~~~~い(笑)
投稿: アンナ | 2006年5月 7日 (日) 22時21分
>かりんさん
どうも、どうも<(_ _)>
今回のお話、色んなウソを巧みに散りばめてたので、
「ちゃんと分かってるよ。お見事♪」って感じで、
制作サイドへの応援の気持ちを込めて書きました。
見栄をはるウソってのは、上の3分類だと
1番目とか2番目ですね。
「人」を傷つけないっていう条件は、結構難しいかも。
バレて他人から冷たい視線が飛んだり、自分でイヤに
なったりして、「自分」が傷つきがちだから。。
女性でも、サキの脚に見とれてますか♪
サキに限らず、もっともっとサービスして欲しいな(^^)
投稿: テンメイ | 2006年5月 7日 (日) 22時27分
>アンナさん
こんばんは♪
やっぱ、誰でもウソつきますよネ。シンノスケ以外は。。
ただ、流石に大人になってからは急激に減少。
自分からはほとんど言わないし、相手から何か聞かれた
時も、話をそらすか、「パス」とか言って話を拒否。
ブログでも、ホントの事を書かないとかボカすことは
よくあるけど、ウソは書いてません。
それはともかく、ウソを謝って土下座してギャルサー
に残ったユリカ、一緒に土下座したサキ、許した仲間、
みんな素敵でした。ホント、いいお話。。
>テンメイさん、いつも誰かを守ってる感じがする。
>やっさし~~~~い(笑)
アハハ(^o^) 面白い指摘だなぁ。。
『輪舞曲』、氷柱、ユキエ、色々と守るのが大変。
これからは、僕の事を「愛の戦士」と呼んでください♪
(そりゃ、キューティーハニーだろ!)
投稿: テンメイ | 2006年5月 7日 (日) 22時49分
まずはあらすじ、分かりやすかったです。
公式サイトはセリフの回想型で分かりにくいし(苦笑)。
それから「嘘」のいくつかの例も素晴らしい!
1時間の中にいろんな例があったわけですね。
後からこういった発見もあったりするので、
他人様のレビューは読むべき。
参考になりました!
投稿: ads(あず) | 2006年5月 8日 (月) 21時46分
>あずさん
どうもどうも♪
お忙しいでしょうに、ありがたい事です<(_ _)>
公式HPのあらすじは面白い作りですけど、
実際に番組を見てないと分かりにくいでしょう。
ウソの分類はかなり雑ですけど、
少しでもご参考になれば幸いです♪
他人のレビューは自分と違うので、貴重ですよね。。
投稿: テンメイ | 2006年5月 8日 (月) 23時58分