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限られた時間だけが持つ価値~『タイヨウのうた』第2話

 「私ってさぁ、可愛いから絡まれちゃうのかな♪」

その通り! このドラマのレビューなんて、一言で終わらせることも可能だ。

「可愛い♪」。 薫=沢尻エリカの圧倒的な可愛さ、美しさ、可憐さの前には、

他のものが全て吹っ飛んでしまう。『クロサギ』の山下にハマってた女性の気

持ちが、今になってよ~く分かるような気がする。ここ数年のドラマの主演女

だと一番かも。。

     

ただし、薫の魅力にも関わらず、今回のドラマの印象はややビミョー。

回、満場一致(賛成1人、反対0人)で今クールのドラマ記事への採用を決

めた時のポイントのうち、今回消えてしまったものが幾つかある。最大のも

のは、橘麻美(松下奈緒)『Wish』。前回はこの曲の素晴らしさが大きかっ

た。メロディ、歌詞、歌、プロモーションビデオと全て揃ってて、薫も歌ってた

関係でドラマ全編を通じて流れてたので、ドラマのイメージアップに大きく貢

献してた。今回も少しだけ流れたものの、完全に脇役へと退いてしまった。

脇役が歌う「うた」なんだから、ドラマのコンセプトから言うと目立つべきじゃ

ないのは理解できる。でも、かなりのマイナスに感じた。おまけに、代わりに

全編で流れてた音楽が恐ろしく『医龍』に似てて、相当な違和感があった。

音楽担当が同じ澤野弘之だからだろう。『医龍』はいいドラマだけど、『タイヨ

ウ』とじゃ性格が違い過ぎて全然合わない。『医龍』を見てなければ、何とも

思わないのかも知れないけど。。

その他、湘南を走るバイクとか光り輝く太陽、顔のでかい警官(佐藤二朗)

のお笑いも消えてしまったのも、個人的にすごく残念だ。。

    

もちろん、10代特有の無邪気さや明るさ、コミカルな部分とかはちゃんと

残ってる。今回限り(?)の女性実業家(山本未来)の妖しい魅力も悪くない。

でも、既に前回少し強調しといたように、難病で死と直面してる美少女とか、

運命のいたずらで太陽と無縁になった生活とか、ストーリーの中心はやや

平凡に感じてしまう。『タイヨウのうた』が、『1リットルの涙』と『白夜行』の中

途半端な融合に終わらないためには、やはり「うた」の素晴らしさを前面に

押し出す必要がある。曲そのもの、薫たちの歌への情熱、周囲の共鳴。。

   

これはおそらく、心配し過ぎなんだろう。たまたま今回は、過渡的に歌の役

割が薄れただけであって、ホストクラブへの寄り道を経て民宿みうらでのバ

イトに落ち着いた4人、孝治(山田孝之)・隆介(川村陽介)・雄太(田中圭)・

晴男(濱田岳)がバンドを始めれば、一気に歌が前面に出るんだろう。今の

ところ妙に浮いてる修(竹中直人)も、しっかりメインストーリーに関わって来

るんだろうし、イケメン・プロデューサー工藤洋平(要潤)も、薫を麻美のゴー

ストライターとして狙って来て、そこに悪役レイサ(原史奈)も絡むんだろう。

ただ、タイヨウまでコケてしまうと、今クールはハマれるドラマが無くなってしま

うから、ちょっと不安を感じたって程度のお話。。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、ブツブツぼやいたり考え込んだりしてたら、時間が無くなった・・(^_^;)

まさかこれで 終わりにする訳にも行かない(多分・・)。

   

あらすじは2行で済ませよう。ストリートで歌ってた薫が絡まれてる所を孝治

が助けて仲良しに。その後、薫の告白やケンカを経て絆が深まったってお話。

薫の友達の美咲(佐藤めぐみ)の隆介に対する思いも、忘れられない初恋

だったから、その意味で今回の公式タイトル「月夜の告白・・・忘れられない

初恋」っていうのは的を射たものだ。最近、あまりにピント外れの公式タイト

ルが多過ぎたから完全に無視してたんだけど、これは問題ない。

    

ここからは、残った時間で、生と死について考えてみよう。言うまでもなく、こ

のドラマは、難病XP(色素性乾皮症)に冒された美少女が、「限りある」命を

「うた」と恋愛に捧げて必死に生きる話だ。映画は知らないし、ドラマの結末

に薫がどうなるのかも分からないけど、いずれにせよ非常に「限るある」生

の話になってる。実際、孝治とケンカした後は太陽が出る前に帰宅しようと

必死に走ってたし、最後に医者の榎戸(山本圭)「どんな恋でも、しないよ

りはした方が素敵なんじゃないかな」なんて瀬戸内寂聴みたいな事を言った

時も,「でも、私には時間がない」と淋しそうに言ってた。

    

一方、このドラマは単なる難病ものではなく、青春ものでもある。公式サイト

のイントロダクションは「本当の・・・本物の・・・“青春ドラマ”を!!」と題して

青春の特徴を並べている。「未熟さ。強さ。弱さ。成功。挫折。・・・・・・まぶし

く、キラキラとした・・・・・・『青春』それは、“迷い”の季節・・・・・・若さゆえに探

し、迷う・・・・・・」。このうち本質的なことは、未熟さとまぶしさだろう。迷いも含

めて他のものは、青春じゃなくても人生全体にあてはまることだ。でも、もっと

重要なことがその下に書いてある。

   

  「しかし、目の前に死を意識することで、彼女は、日々を精一杯

   生きていました。そして、そんな彼女の姿は「ありあまる時間」

   に迷う若者たちを変えていきます。彼らも自分の中にある「情

   熱」=「太陽」に気がついていく」

   

そうなのだ。薫のような場合は別だけど、普通の青春は、ありあまる時間

に直面する時だ。だからこそ「青春18きっぷ」なんてものまである。もち

ろん、バイトや勉強による忙しさなんて関係ない。人生の時間がまだたっ

ぷりと残されてる(気がする)って事が重要なんだし、時間がありあまってる

からこそ、バイトや勉強に打ち込める。恋愛や遊びにも時間を使える。

   

ありあまる時間は、それをかなり失った者から見れば羨ましい。でも、必ず

しも良いものでもない。緊張感とか必死さが無く、ただ弛緩した時を怠惰に

過ごしたり、刹那的快楽に溺れて退屈さをまぎらわせたりすることにもつな

がってしまう。そしてこれは、人間の生一般についても言えることだ。もし生

が無限なら、あるいは人生が数千年もあるなら、生のあり方は恐ろしく弛緩

するだろうし、平板なものになるだろう。死が遥か彼方にあるのなら、遠大

なプロセスとしての生は変質するだろう。。

   

それは悪いことではないのかも知れない。ただ、限られた生だけが持つ価

値がある。それ特有の輝き、強さ、美しさというものが確かに存在する。

回、薫がこだわってた「頑張る」なんてことも、生の有限性を自覚した方が

成立しやすいものだろう。薫を中心にして、限られた生だけが持つ価値を

彼らが体現する時、青春特有のまぶしさや情熱が存分に発揮されるだろう。

たとえ未熟でも、いや未熟だからこそ、キラキラ輝く光が放たれるだろう。

     

青春という限られた時間が、限りある生の価値を知った時、死の意味に気付

いた時、ありあまる時間は無限のパワーへと昇華されるのだろう。。。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんなこと書くより、薫の告白とかタコさんウィンナーの話とか書く方が、ラク

だしウケるのかも知れないけどネ (^^ゞ 5円玉の穴から見る月ってのは、是

非一度試してみよう♪ 大切な誰かと見ないとキレイじゃないのかな。。

来週は麻美を交えた三角関係ってことか。山田君、モテるねぇ。羨ましい!

ではまた・・☆彡

      

P.S.限りある生については、極端な形で『ギャルサー』第8話でも扱った。

   

P.S.2 やっぱ女性社長の200万よりストリートの沢尻エリカの方が上か。。

   

cf.光を求めて輝き始めた歌声~『タイヨウのうた』第1話

   小さな宇宙、大きな人間~『タイヨウのうた』第3話

   自分のために、誰かのために~『タイヨウのうた』第4話

   私から私達へのさらなる深化~『タイヨウのうた』第5話

   光の忘却、闇の過剰~『タイヨウのうた』第6話

   幹の不在、枝葉の衰弱~『タイヨウのうた』第8話

   輝く脇役、月夜の主役~『タイヨウのうた』第9話

   夢と命~『タイヨウのうた』最終回

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