エモーショナルの優越性~『サプリ』第3話
良かった♪ 今までで一番いいと思う。前回は、見終わった後の空しさが
気になったけど、今回はかなり満足した。正直言って、消去法的に『マイ
ボス』に変更しようかとも思ってたんだけど、3回の総合評価では、やっぱ
『サプリ』の方が上だ。
今回まず、結構笑えた♪ 毎度おなじみになったミナミ(伊東美咲)の4画
面モニターのバカバカしさ。ミナミと荻原(瑛太)の仲をジャマする勇也(亀
梨和也)の子供っぽい可愛さ。ヨウコ(白石美帆)とのHシーンをなつき(志
田未来)に見られた後の今岡(佐藤浩市)と勇也のやり取り。勇也がソファー
からゴロゴロ落ちた直後に、ミナミの部屋の冷蔵庫からジャガイモがゴロゴ
ロ落ちた映像。なつきの「大っ嫌い!」って言葉を早速仕事に転用して大げ
さに熱弁をふるう今岡の姿。。単に笑いの面から見ても、『マイボス』第3話
より良かった。
それ以上に良かったのは、情緒的・感情的な部分。今回の会議で使われた
言葉を使うなら、「エモーショナル」な部分だ。イケメン後輩2人に対する美人
OLのエモーションにはあんまし興味を持てないけど、今岡となつきが和解す
るシーンは良かった。2人ともエモーションが凄くよく分かる。また、全編を通
じてポイントになってた「可愛げ」とか「かわいい」って話も、なかなか奥行き
があって面白かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
という訳で、今回はエモーショナルなものについて考えてみよう。その前に、
あらすじを3行でまとめると・・・・・・ミナミの気持ちが荻原に向かってるの
に気付いた勇也は、しばらく抵抗したものの、やがてミナミの恋をサポートす
る。一方、ギクシャクしてた今岡となつきも、勇也のサポートで仲直りする。。。
さて、本題のエモーショナル。この言葉は、「スタイリッシュ」って言葉と比較
されていた。それは、このドラマの中でも区別できる。全体的に映像がキレ
イだって話は最初からしてるけど、そのキレイさやカッコ良さはスタイリッシュ
であって、もちろんプラスの評価なんだけど、それほど強く心を動かさない。
それは例えば、先週書いたような、見終わった後の空しさにつながって行く
可能性を持っている。
それに対して、今岡となつきの和解シーンは、しみじみとした強い感情をも
たらすので、見終わった後まで充実感が残る。もちろん、いつでもエモーショ
ナルの方がスタイリッシュよりいいなんて単純な話ではない。ただ、大きく見
た時にどちらが人間にとって優先するものかと考えると、やっぱりエモーショ
ナルだ。スタイリッシュ抜きでも人間は生きられるが、エモーショナル抜きで
は生きられない。
実際、今回のストーリーでも、「大っ嫌い」を中心にして今岡らが作ったエモー
ショナルCMが勝利を収めたし、今岡の住まいも、家族・ランドセル・制服と
いったものでスタイリッシュさが一部失われるにも関わらず、なつきとのエモー
ショナルな結びつきを優先した。
ドラマの冒頭では、2つのエモーショナルが対比されていた。ミナミが、自分
には「かわいげ」だけが無いと言った直後、シーンが会社から今岡家に変
わって、なっちゃんが「かわいそう」だと勇也が言う。この二つの言葉、手元
の辞書2つを参照すると、どうやら語源的には同じらしい(『広辞苑』,『大辞
泉』)。もともと「かわゆい」、つまり「かおはゆし(顔映ゆし)」、顔がほてるよ
うな思いを指す言葉だったようだ。恥ずかしい、かわいそう、かわいいって
いう3つの意味は、元をたどると同じ一つのエモーショナルな言葉だって話。
トリビア的ウンチクはともかく、「かわいげ」と「かわいそう」に共通してるのは、
それを愛しく思う気持ちを相手に起こさせるって性質だろう。例えば私にとっ
ては、素直になれないミナミも子供みたいな勇也も愛しいし、父親の今岡に
邪魔者扱いされてるなつきも愛しいし、謝って仲直りしようとする今岡に「大っ
嫌い!」を連発するなつきもすごく愛しい。みんな、愛すべき存在だ。
ただ「かわいげ」と「かわいそう」のどちらが強いかって言うと、かわいそうの
方だろう。「かわいげ」のある女なんてものは、ちょっと誘ってみようかとか軽
く思う程度だし、かわいげの有無も見る人によって相当バラつきがある曖昧
なものだ。
それに対して、両親に冷たくされてじっと耐えてる娘に対する愛しさには重み
があるし、古今東西バラつきも少ないはずだ。「もういいです・・・おばあちゃん
ちに行きます。わさび、もう食べられるんです」なんて言葉で精一杯大人のふ
りをしてる少女は明らかに凄くかわいい。また、父親にちょっとだけ意地悪し
た後、おばあちゃんちに出て行くために自分で荷物をまとめて、最後に一人
ピアノを弾いてる娘なんてのも、涙がにじむほどかわいかった。
遠い過去に娘と交わした大切な約束、一緒にピアノを弾くって話を思い出し
てかなえてあげた父親にとっても、娘の涙は最高にかわいかっただろう。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
という訳で、結局今回の高評価をもたらした最大のものは、なつきのかわいさ
だと言っていい。脚本・演出・共演も重要だろうけど、やっぱり志田未来をホメ
たい。たとえランドセルが似合わなくても、10歳って設定に無理があっても、
本当にかわいい演技をしてくれた♪
その次にかわいかったのは、ミナミやなつきのサポート役、「サプリ」に徹して
た勇也。なつきのかわいさに頼り続ける訳にもいかないから、やっぱり勇也
には「主食」になってもらう必要がある。ミナミみたいに「10年後」の勇也に期
待するんじゃなくて、あと2ヶ月の勇也に期待しよう。。♪
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.S.今回、住まいのCMと今岡の住まいの話、かわいいとかわいそうが
上手くリンクしてたし、「10年後のあなたに」というテーマでくくったの
も上手い。巧みな構成に感心した☆
P.S.2.「安心感」と「約束」について。安心感があるから約束が価値を持つ。
約束が大切だから、安心感を求める。。
| 固定リンク | 0
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- やす子24時間マラソンの2日目と「同じ道」を9時間で歩いて「検証」した YouTuber、実際は6割弱の距離(29km)を歩いただけ(2024.09.12)
- 直前の欠場、「パリ五輪は、まだ走れ!っていうメッセージ♪」~カンテレ『前田穂南が走れなかったオリンピック』(TVer動画)(2024.09.06)
- 世論の逆風と雷雨の中、やす子(体重78kg、25歳)の81kmマラソンSPの感想~日テレ『24時間テレビ』2024年(2024.09.04)
- パリ五輪2024・女子マラソン、ほぼリアルタイムの感想♪&優勝したハッサンのラップタイム(2024.08.11)
- パリ五輪2024・男子マラソン、ほぼリアルタイムの感想♪&6位入賞、赤﨑暁選手のラップタイム(2024.08.10)
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 世論の逆風と雷雨の中、やす子(体重78kg、25歳)の81kmマラソンSPの感想~日テレ『24時間テレビ』2024年(2024.09.04)
- 二重偏波気象レーダー、降雹(こうひょう)アラート、数式(偏微分方程式)の変数 Pidep、Pgacw、etc ~『ブルーモーメント』第5話(2024.05.25)
- 絶対に離れない手のつなぎ方、正義も真実も超えて、人間として「心中」へ・・~『Destiny』第1話~第4話(2024.05.02)
- 嘘(lie)で壊れた橋=つながり、再建を信じて(believe)生きる(be、live)~『believe ━ 君にかける橋 ━」第1話(2024.04.27)
- 晴原(ハルカン=山下智久)が書いた雪崩の数式の意味、雲田彩(出口夏希)の中国語の発音と意味~『ブルーモーメント』第1話(2024.04.25)
コメント
テンメイさん おはよ。
おっ、やっと私と正反対の感想になった。
本来の正しい私達の姿(笑)
とっととサプリは脱落したものだと思ってたら
しっかり見てたのね(笑)
ふたつの不倫にひとつの片思い?
どのカップルも興味なし。
私はね、亀梨君がどんな恋愛するのか見たいの。
ただそれだけ(笑)
で、花火はねぇ。。。
投稿: アンナ | 2006年7月25日 (火) 08時44分
今クールは冷やかし程度にやる事に決めました。でも、あらすじ書かないと、こんなに楽とは・・・。
投稿: お気楽 | 2006年7月25日 (火) 19時39分
テンメイさん、こんにちは。
なかなか面白い見解。先週、続けて観てくださいとお願いした甲斐がありました(笑)
私は亀のプロモと割り切って観るつもりでいましたが今回は結構内容もまあまあ良かったですね。
今後は勇也を中心に描いて欲しいけれど、他局で難病役の撮影を掛け持ち中では出番は減りそうですよ。そっちの方が適役のような気もしますが・・
投稿: K | 2006年7月25日 (火) 19時41分
>アンナさん
良かった、良かった!
やっぱ正反対の記事を書かないとネ(^^)
ところで、タクヤファンじゃなかったの?
亀梨の恋愛なんてものにも、そんなに興味あったんだ。
僕は、薫と孝治の恋愛しか興味ないな♪
真喜男とひかりも悪くないけどネ。
花火? 夏はとにかく花火でしょ! ノープロブレム☆
>お気楽さん
どうも♪ 今クールは冷やかし程度ですか。。
たまには毎度おなじみの詳細なあらすじを
書かないと、みんな淋しがりますよ(^^)
>kさん
こんばんは♪
これを面白い見解と思ってくださる方がどれだけいるのか
分かりませんが、自分で書いてて刺激があるんですよネ(^^)
大変ですけど、やっぱこうじゃないとドラマ記事なんて
あんまし書く気がしないんですよ。
もしアクセスが大幅に減るようなら多少考えるかも知れませんが、
しばらくこんな感じで独自路線を突っ走ろうかなと思ってます。
まあ、勇也とミナミの関係がこれから面白くなれば、
もうちょっと普通の記事にするかも知れませんけど。。
投稿: テンメイ | 2006年7月25日 (火) 22時16分
10年後を考えるから今の今の仕事を取り上げ挨拶雑用をしっかりというのがちょっと解せないです。今の勇也が足りないものではないような気がしますけど。むしろクリエイティブって若い感性のときに磨きをかけて、将来への貯金とするのではないでしょうか?
バイト君が正社員で10年後いられるという保証をミナミはどうしてできるのか不思議でしたね~。
でもドラマとしてのサプリは大幅に効いていましたね。
まだサプリの段階ですよ、うちの子は。
そしてどうやって主食になっていくのか・・楽しみです。
投稿: かりん | 2006年7月25日 (火) 23時44分
>かりんさん
こんばんは♪
挨拶雑用が先か、実地訓練が先かって話は、
あらゆる分野で生じる古典的問題ですね。
例えばスポーツでも、下っ端に玉拾いや雑用をさせる
ことに意味があるかどうかって話が昔からあります。
話せば長いんですけど、差し当たり今言いたい事は3つ。
まず、人によって意見が真っ二つに分かれるってこと。
次に、ケースバイケースってこと。
最後に、絶対の正解なんてないってこと。
クリエイターにとっては、若い時から実際にクリエイト
する方が良さそうな気がするのは確かですが、あの世界も
実は単純労働や人間関係が重要なんでしょうからね。。
ま、要するにかりんママとしては、ウチの子に
もっと活躍させろってことでしょ?(^^)
心配しなくても、そもそものドラマの設定として、勇也は
サプリから主食に成長していくはずだから、大丈夫ですよ♪
投稿: テンメイ | 2006年7月26日 (水) 00時47分
こんにちは、cold in summer/kazahanaです。
実はうちの家には勇&なっちゃんがいるのでちょっと嬉しかったです。
亀梨くんに「なっちゃん」って呼ばれちゃった~(^。^)
仕事に関しては、社会勉強も大事だけどいきなり「10年後」とか持ち出すかな~と思いました。
自分の10年後も見えないので(~_~;)
投稿: kazahana | 2006年7月26日 (水) 09時18分
>kazahanaさん
こんばんは。コメント返しどうもです♪
勇くん&なっちゃんがいるご家庭なんですか!
それは嬉しい偶然ですね☆
ひょっとするとkazahanaさんがなっちゃんなのかな?
10年後ってのは、ドラマの設定から来てる言葉かも。
勇也はいずれ、原作と同様に、しっかりした社会人へと
成長していくみたいですからね。。
投稿: テンメイ | 2006年7月27日 (木) 03時27分