私から私達へのさらなる深化~『タイヨウのうた』第5話
「今日は、2ついい事があった。・・・孝治が、私のために、わざわざ東京に
行って工藤さんと話してくれたこと。それに、誰にも言ってない秘密を、私
だけに話してくれたこと。今日はいい日だよ」
薫(沢尻エリカ)、可愛~い♪ 「超やり手P」の「クドヘイ」、工藤洋平(要潤)
と会う話が白紙になったばっかなのに、孝治(山田孝之)の横でこんな台詞
を口にするとは・・! こんなコ、現実には絶対いないよなぁ。。
そもそも、「Wish」が大ヒットした売れっ子の橘麻美(松下奈緒)と、タコちゃん
ウィンナー焼いてる孝治が知り合いだなんて話を、すぐ納得しちゃうってのが
変だし、納得した後にその関係に突っ込みを入れないってのも妙。ギターの
「A」は「Asami」に決まってるでしょ! でも、そうゆう所も含めて可愛いって
ことで、こっちもすぐ納得しちゃうことにしよう。
前回のゴレンジャーが素晴らしかったから、正直言って海のラストシーンよ
りも、その直前にみんなで探し回ってる所の方が心に残ってしまった。4人
の隊員がそれぞれ自分の色の防護服=戦闘スーツを持って、薫隊員=モ
モレンジャーを探し回る。モモの母親・由紀(黒田知永子)はモモ色の防護
服を持って探し回る。このドラマを平凡な難病美少女純愛ものにしないため
には、歌と笑い以外に、やっぱりゴレンジャー全員の活躍が必要だ。それ
にしても、雄太=ミドレンジャー(田中圭)が麻美の生写真をネットオークショ
ンで競り落として隠し持ってるとは意外だった。こっそりクスねた隆介=アオ
レンジャー(川村陽介)と晴男=キレンジャー(濱田岳)が何に使ったのかも
気になる所♪
とは言え、もちろんラストもカッコ良かった。エンディングは、「朝日が出てる
のに早く防護服着ろよ!」って感じもあったけど、その前の孝治がイイ♪
下手だからギターやめたって言ってたのに、「オレがお前のギターになって
やるよ」なんて台詞でいきなりスラスラ「タイヨウのうた」を弾き始める。唖然
とする薫を見てると、水戸黄門を思い出してしまった。おじいさんが最後に
出した印籠を見て、ハハーって感じ☆ ここで、キスシーンくらいあっても良
かったはずだけど、抱き合っただけ。人気者2人ってことでちょっと出し惜し
みしてるのかな。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あらすじは短めに。工藤が薫に会いたいと電話。ところが麻美が孝治に連
絡して来て、薫は自分のゴーストライター役だと告げる。孝治は強引に工藤
に会って、薫自身の歌を聞いてくれと土下座するものの、工藤は話を白紙
撤回。孝治は薫に事情を話し、麻美は自分とおなじ施設の子で、その不幸
な過去を隠してることも打ち明ける。薫は気を取り直して、今まで通りマイ
ペースで頑張ろうとするが、新曲「タイヨウのうた」を孝治に披露してる途中
でギターの左手が動かなくなり、逃げるように病院へ。脳や神経に問題が
出てきたことを告げられた薫は、夜の海で自殺を考えるが、夜明け前に孝
治が発見。引き止めて、自分が代わりにギターを弾くことを約束した。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前回、かなり繊細で微妙な話をした。みんなが相手のことを思いやって生
きてる。「誰かのために」生きてる。こうゆう大まかな理解の中には、実は
さらに細かい彩(あや)がある。自分が先か、誰かが先か。その点を『野ブ
タ』を引き合いに出しながら書いたんだけど、多分分かりにくかっただろう。
それで構わない。すぐ分かる記事を書きたいわけじゃないし、すぐ書ける
記事をアップしたいわけでもないんだから。。
今回の冒頭は、前回の孝治と薫の台詞を部分的に振り返る所から始まった。
「歌あきらめんのがオレのせいだったら、オレ一生後悔すると思うから」
「あたしの人生でしょ。あたしが決める。これ以上もう踏み込まないで」
この2つはまさに前回取り上げた台詞で、コントラストは明らかだろう。孝治
の「オレ」と薫の「あたし」。これが、良し悪しはともかく、お互いに「自分」が先
にあるってことだ。
前回は、最後にゴレンジャーのアイデアで、複数の「私」が一つの「私達」へ
とまとまっていった。ただし、一方から他方へガラッと変化するわけじゃない。
例えば今回も、薫の強烈な「自己」主張の片鱗は残ってた。
「やだよ、ゴーストライターなんてやだ。あれは私の歌だもん」
「今までよりもはっきり、自分の夢がわかった気がする。別にデビュー
なんてしなくていい。私は、私の歌を、私の歌いたい場所で歌う。それ
だけでいい」
今回は、この「私」が、前回とは違った形でさらに「私達」へと進化するさま
が描かれていた。ところで、そもそも「私」って何だろうか。。
私とは何か、自分とは何か。こういった問いは難問中の難問として、古今東
西さまざまな考えを導いてきた。ここでは、差し当たりこう言ってみよう。私と
は、こちら側のまとまりある命だと。命の代わりに人間と言っても同じことだ。
こちら側にある命は人間なのだから。。
さて、こちら側のまとまりある命というのは、当然ある範囲をもってる。例えば、
この左手は私のものだ。自分の思い通りに動かせるし、ケガすれば自分が
痛い。ところが、諸々の事情で、この範囲は変化する。例えば今回、薫が自
分のものだと思ってた左手が、突然動かなくなった。もちろん、まだ自分の左
手なんだけど、今までほど自分のものではない、どこかよそよそしいものになっ
てしまったのだ。この事は、別の不幸へとつながっていく。今まで自分の一部
だったギターもよそよそしいものになってしまい、自分が生きる意味とも言える
歌までもが自分から遠ざかって行った。残された私は、明らかに今までよりつ
まらない存在で、もはや生きるに値しない。
ここで登場するのが、新たな自分の一部だ。すなわち、自分の代わりにギター
を弾いてくれる孝治。もちろん、ギターを弾くことだけが重要なんじゃなくて、
「お前に生きて欲しい・・・勝手に死んだりしたら絶対許さない・・・お前のこと好
きだから」と言ってくれる、最愛の孝治であるこがポイントだ。
孝治が文字通り、薫の左腕になることで、2つの「私」の結びつきは深化する。
「私達」としてのまとまりは強くなる。そこへさらに、来週以降は他の3人の隊
員がバンドとしてつながって来て、言葉は悪いけど、まるで私の手足のように
なってくれる。ただし、それは薫の側から見た話で、他の4人はみなそれぞれ
別のポジションで「私達」の価値を共有することになる。こうして、私から私達へ
の深化は多次元的に進んでいくことになる。
ただし、決して一つになってしまうわけではないから、今後は各々の個性がど
う生かされるか、微妙な関係がどこまで描かれるかに注意しつつ、さらなる深
化を見守りたい。そして、やがて訪れるであろう(?)薫の死が、「私達」をどう
変えるのかについても、最後まで見届けたい。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ドラマ記事として書く内容としては、このくらいが限度だろうと勝手に思ってる。
これ以上、理屈をこねたければ、別のサイトを立ち上げた方がいいだろう。全
く別名で行くか、『マニアック・テンメイ』とでも題して「私」としてのまとまりを保つ
べきか、ちょっと考え始めてる所。いずれにせよ、単なる「ドラマの感想」記事
なんてものは超えていかなきゃなんないなと思ってる。
薫ほどじゃないにせよ、人生は短い。時間は有限だ。。ではまた。。☆彡
P.S.前回せっかく美咲(佐藤めぐみ)をホメたのに、プレゼントのお知らせ
なんかやってる場合じゃないよ♪ レイサ(原史奈)もわずか数秒泣く
だけじゃなくて、来週以降もっと悪役がんばって!
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コメント
さとめぐ・はらふみは、もっと出して欲しいですよね!!出し惜しみしないで・・・。
ヾ(@⌒▽⌒@)ノ
投稿: お気楽 | 2006年8月12日 (土) 20時23分
>お気楽さん
どうも。少しパワーが復活しましたか♪
さとめぐ・はらふみ、イイですよね☆
さとめぐにはストーリーで頑張ってもらうとして、
はらふみにはサービスショットも期待してます!
投稿: テンメイ | 2006年8月13日 (日) 00時22分