大人のハート~『サプリ』第8話
大人とは何か? それは、折角アクセスしたブログにお目当ての記事が
アップされてなくても怒らない者のことだ・・・なんて言葉でドラマ記事を再開
するのは、やっぱ大ヒンシュクかな♪ 私が読者なら笑うんだけど。。
代わりに、大人とはサプリを楽しめる人のことだ、とでも書き始めるべきか。
あんまし深く考えないように!♪
という訳で、半月ぶりにサプリの記事を書こう。ホントはもうちょっと休もうか
と思った。そもそも忙しいし、一体どれだけドラマ記事を休むとアクセスが激
減するのか、屈折した好奇心もあったから。実は丸11日間ドラマ記事をサ
ボってる間、訪問者数は思ったほど減ってない。レース記事の健闘もあるけ
ど、早く書けって催促だとみなしておこう♪
第6話のレビューにも書いたけど、その後の2話を見て改めて思った。やっ
ぱりこのドラマは過小評価されてる。視聴率低迷その他の逆境にも関わら
ず、あるいはそれだからこそ、しっかり考えて作られているし、相変わらず
映像も音楽も全般的に心地良い。各回ごとの内部だけでなく、初回からの
構成もしっかりしてて、脚本のブレなど全くない。
前回冒頭の勇也(亀梨和也)とユリ(浅見れいな)のキス中止も、ラストの勇
也とミナミ(伊東美咲)の「好き好きチュー」も、全体の流れを大きく理解し
ていれば全く自然なことで、唐突感などゼロだ。
荻原(瑛太)や今岡(佐藤浩市)の変化も、最初から「透けてみえた」こと。
個人的に女優が趣味じゃないし(なつき=志田未来は別)、男性アイドル
が中心になってることもあって、それほどひき付けられる訳でもないけど、
通しで2回見ても全く退屈しないどころか、面白いし感心してる。
誰でも楽しめる『マイボス』や、多くの大人が笑える『結婚できない』に加え
て、サプリもしっかり味わえる。何と幸せなことだろう。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、時間もないし、今更あらすじでもない。すぐ本題に行こう。今回の話で
は、大人のハートが多角的に表現されていた。もちろん、ヘッド・ハンド・ハー
ト、3Hの区分よりも広い意味でのハートだ。
まず、ヨウコ(白石美帆)の言葉について考えてみよう。
・・・大人になると、根っこの好みが凝り固まってるので、たまに冒険しても
すぐ元通りになる・・・。
新しいバッグと新しい恋人(勇也)を重ね合わせたこの言葉は、自分の周囲
を見回してもかなり当たってる話なので、思わず笑ってしまった。ただ、だか
らミナミは勇也といずれ別れるってことには必ずしもならない。何事にも例外
があるって話は別にしても、そもそも木の根は地中で大きく広がってるものだ。
ミナミの根っこの好みの広がりを、本人も周囲も十分には理解していないか
も知れない。また、勇也に対する理解が浅くて、勇也が根っこの好みに含ま
れることに気付いてなかったかも知れない。そして何より、勇也自身の変化
が重要だ。今まで好みからはずれてたのに、成長するにつれて好みに含ま
れるかも知れない。実際、20代前半は急速に社会人として成長する時期だ
し、このドラマは勇也の成長を描くドラマでもある。いずれにせよ、ミナミが新
しいバッグを捨てる可能性は少ない。補助食品やオマケを示す『サプリ』って
題名と,建前上はミナミが主人公って点が気にはなるものの、もしミナミがバッ
グを捨てたら、シュールなギャグとして爆笑するだろう。斬新な脚本として感
心する可能性は低い。。
続いてミズホ(りょう)の言葉。恋愛に支配されるタイプと、恋愛をコントロール
するタイプがあるって話について考えよう。
今回のドラマを普通に見るなら、前者の代表が勇也、後者の代表が荻原っ
てことになる。でも、それでは単純過ぎて、思慮深い制作サイドが気の毒だ。
まず、勇也はともかく、荻原が本当に恋愛をコントロールできてるかってい
うのが怪しい。コントロールするにはその対象の十分な理解が必要だけど、
そもそも荻原は自分の気持ちが分かってるのか。ミズホへの思いは断ち切っ
て、少しクールダウンしつつミナミに思いを向けているつもりのようだけど、
実際はミズホが上手く行かないから暫くの間はミナミで間に合わせてるって
感じがしなくもない。ドラマの内部で考えてもそうだし、ドラマの作りを外から
眺めても、荻原はミズホに戻る方が自然だ。
一方、恋愛のコントロールなどできるのかって問題もある。コントロールで
きるようなら、それは恋愛未満かも知れないし、実は人間じゃなくて仕事に
恋愛してるだけかも知れない。難しい話になるのでここでは省略するけど、
とりあえず言えることが一つある。それは、恋愛をコントロールするタイプっ
ていうのは、正確には「恋愛をコントロールしようとするタイプ」、あるいは
「恋愛をコントロールしてるつもりになってるタイプ」と言うべきだろうって事だ。
実際の大人とは、恋愛に支配されそうになりながら必死にもがいてる存在
だろう。それ以上でも、それ以下でもなく。。
三番目に、今回の中心テーマについても考えてみよう。今岡は勇也に言った。
「惚れた女に好きだを押し付けるのが子供、好きだと認めさせるのが大人」
余裕をもって自分を認めさせるには、また、イライラして押し付けたりしない
ためには、どうすればいいか。自信を持つこと。そのためには「働く」しかない。
これはとりあえず、かなり正しい主張なのは間違いない。
ただし、ここではもう一歩先に進んでみよう。まず、こういった対比では子供
が間違ってて大人が正しいと受け取られがちだけど、現実の世の中ではそ
うでもない。そもそも「子供」が好きな女性は多いし、大人が成功するとも限
らない。実際、ミズホが荻原を選ばなかった理由は、はっきり好きと言わな
かったからって話になってたし、ジャニーズファンの多くは彼らより年上の女
性だって事実も関係なくはないだろう(ベテランのSMAPでさえそうらしい・・)。
また、どこからが押し付けかってのも問題で、適度な自己主張なら大切なこと
だ。そのことはドラマの中で、「自己PR」の重要性として婉曲表現されていた
し、直接的コミュニケーション(例えば好きって言葉)の重要性についても、テ
レビ電話の再評価って形で婉曲表現されていた。この辺りも、実に洗練され
た作りになっている。明らかに大人向けのドラマだ。
結局、ケース・バイ・ケース。状況や、相手との関係の中で取るべき行動が決
まってくるっていうのが平凡な真実だろう。いずれにせよ、前提条件の自信こ
そが重要だ。周囲が自信を持たせてくれることもあるけど(例えば勇也への肯
定的評価)、受け身でそんなものを待ってるようじゃ、周囲も落胆する。やはり、
主体的に、能動的に「働く」しかないのだ。仕事にせよ、恋愛にせよ。もしそれ
でも自信が持てなければ、周囲への気配りという形で「働く」しかない。少なくと
も、笑顔という報酬、「ありがとう」という感謝くらいは得られるだろう。。
最後に、今回一番気に入った大人のハートは、子供への気配りだ。ヨウコが
見せた、なつきの期待に応えてあげたいっていう大人の心配り。その前のな
つきの切実な台詞は、ヨウコだけでなく、父・今岡にも向けられたものだった。
「どうして簡単に大人は諦めるんですか?
どうして簡単に捨てられるんですか?
そんなに簡単なものなんですか?
誰かを好きになるって、もっと凄いことなんじゃないんですか?」
ヨウコは考える。ここで自分が今岡のことをあっさり諦めてしまえば、なつき
は、折角自分に向けられ始めた父の気持ちもすぐ消えてしまうと思うだろう。
大人へのそんな落胆を子供に与えてはならない。これこそが大人の配慮、
大人のハートだ。
マニュアル本のセオリーだの、思い出の「イカゲソ」作戦だのがどの程度効
くのか知らないけど、この2人には最後に微笑んでほしい。おそらく、制作サ
イドもその方向を目指してるはずだ。。
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半月休んだだけで、ドラマ記事の書き方をすっかり忘れてしまったな (^^ゞ
まあ、そんなものは新たに創り出せばいい。一生懸命働けば、自信がつくし、
周囲にも伝わるだろう。真実はしばしば平凡だ。
ではまた。。☆彡
P.S.このままだとユリだけ可哀想だから、彼女が中途採用試験に合格
するって流れがスタイリッシュだしエモーショナルだと思う。果たして。。
P.S.2 「好き好きチュー」の続きがミナミの部屋で見られるのかと思ったら
そうでもなさそうな感じ。ゴールデンのドラマの限界か。昼間か深
夜ならなぁ。。
P.S.3 引用したなつきの台詞を、母にも向けられた言葉と考えることは
一応可能だ。ただ、ドラマ全体の構成からは少し無理がある。母
親はほとんど出てない(機能してない)からだ。
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