『たったひとつの恋』脚本・ドラマ・ノベライズの比較
日曜日のノベライズ本購入記事で、内容については「数日中にアップ」と書いてか
ら、早くも7日が経とうとしてる。実はあの時「2、3日中に」と書きそうになって止め
といたんだけど、大正解だった。私の辞書に「数日=2、3日」という文字はない♪
マジメな話、いろんな事が後ろへ後ろへとズレ込んで、相当マズイ状況になってる。
年内に済ませるべき事を、新年までかなり持ち越してしまった。ドラマ記事なんて
書いてる場合じゃないんだけど、有言実行派を自認する者として、とりあえず少し
だけ書いとこう。
☆ ☆ ☆
まず、もう一度確認しときたいのは、ノベライズ本は一応、脚本ともドラマとも別物
だってこと。ドラマは映像や音楽があるから別物だと納得しやすいけど、脚本も
別物だってことを理解してる人は少ないだろう。もちろん、どれが本物でどれが偽
物って話ではない。先日、公式サイトのBBSをサラッと全体的に眺めた時、「ノベ
ライズを読んで初めて分かった」という感じの書き込みが目についた。これがどう
ゆう意味で書かれてるのかはともかく、少なくとも私は、ノベライズを「根拠」にし
てドラマを解釈したりはしない。それらは別物なんだから。ただし、ノベライズ本が
「参考」「手がかり」「きっかけ」になる事はあるだろう。あぁ、こうゆうドラマの解釈
「も」可能なのかって感じで。
では以下、具体的に比較してみよう。まず、私にノベライズ本購入を決心させた、
第1話冒頭から。第7話のドラマ記事にも書いたように、ドラマは横浜の美しい航
空映像(遠くには富士山)で始まり、工場の映像、溶接の火花&モノローグへと
続く。その間は、例の物悲しいBGMで一つにつながれている。
一方、脚本の冒頭は
1 暗がりに火花
花火のように浮かび上がって。
ヒロトの声「たとえば……夏の日の花火みた
いに、忘れられない、たった、たったひと
つの恋なんていうのがあるとすれば」
(『ドラマ』2006年12月号,p.82,映人社。改行も点々も原文のまま)
ドラマと脚本の大きな違いは、横浜の場景でスタートするかどうかだけだ。その後
の進行もそっくり。その意味で、ノベライズを考察する際には、ドラマ=脚本と考え
ても差し障りないことが多い。ところがノベライズはかなり違う。ヒロトのモノローグ
でいきなりスタートした後、すぐに石段の出会いまで飛ぶ。
「神様が、たまにはサエない僕らに、ちょっとしたプレゼントでも
してやろうかと気まぐれを起こしたような、気持ちのいい朝だった。
遠くで船の汽笛が鳴っている、
石段の坂道から・・・・・・
(北川悦吏子『たったひとつの恋』(発行:ヴィレッジブックス、発売:ソニー・
マガジンズ)
ちなみに、「鳴っている」の次の読点「、」は句点「。」を間違えたものだろう。それ
はともかく、ノベライズというのが、時々大胆にカットしてるものだという事が、こ
の部分からも分かる。また、脚本ともドラマとも距離のある説明も、すぐ目について
しまう。脚本はもちろん、ドラマでも、そこまで気持ちのいい朝ってわけでもないし、
シーンの始めに汽笛が聞こえるわけでもない。。
誤解のないように。「だからノベライズは間違ってる」と言ってるんじゃなくて、別物
だと確認しただけだ。違いの指摘に続いて、ノベライズのメリットを指摘しとこう。
石段で3人がパーティーに誘われた部分。ノベライズにはこうある。
「弘人はとっさに青いバケツを背後に隠し・・・バケツは
亜裕太の手から甲の手へ・・・こんなかわいい子たちの前で、
こ汚いバケツを掲げた姿をさらしたくない」
脚本にも、もう少し簡潔だけど同様の説明が付いてる。ここは、女の子が話しかけ
てるので、ドラマだとつい音声に気を取られてしまいがちなんだけど、こうゆう説明
を読むと、バケツリレーの映像に注意を向けるキッカケになる。また、とりあえずこ
の部分に限って言うなら、説明も適切に感じられる。
ちなみに、ノベライズでは女の子は2人となってて、脚本と一致している。ドラマで
は3人だし、みんな台詞がちゃんとある。ここから考えられるのは、ノベライズとい
うのはあくまで脚本を中心にして、ドラマを多少加味して作ってるんじゃなかろうか、
というもっともな仮説だ。実際、ノベライズしたのは豊田美加なのに、著者名の欄
は脚本家の北川だけだ。ただし、差し当たりは仮説、あるいは想像でしかない。。
今度は逆に、ノベライズのデメリットに触れよう。坂道でヒロト=弘人(亀梨和也)
とナオ=菜緒(綾瀬はるか)がぶつかった直後に、ユウコ=裕子(戸田恵梨香)
が「おいしそうなメバル」とボケて、アユタ=亜裕太(平岡祐太)が「は……?」と
反応する箇所がある。これがノベライズには無い。
それに続いて、コウ=甲(田中聖)がアユタのポケットからハンカチを取ってユウ
コに渡したのに、ユウコはそれでナオの洋服を拭くっていう、細かい笑いがドラマ
=脚本にはある。これがまた、ノベライズには無い。
こうした点は、ひと恋のドラマの全体を振り返る際には問題だ。ドラマのユウコは、
登場した瞬間からボケてたのだ。そして実は、ドラマのナオも最初からボケてた。
ナオは最初、お茶の席で他の生徒のあくびを見てクスッと笑って、松島トモ子先生
に怒られてた。さらにその後、蜂が侵入して来た際にもナオが一人で大騒ぎ。ま
た叱られて謝ってた。つまり、ドラマ=脚本では、物悲しい音楽=環境でスタート
しながらも、登場人物的には最初からお笑い喜劇になってて、最終的な形を暗示
していたのだ。これがノベライズでは無い。シーン丸ごと、カットされてるのだ。。
☆ ☆ ☆
まだ第1話を少し見ただけなのに、もうかなりの字数と時間を要してる。ドラマを
「本気で見る」ことがいかに大変でマニアックなことか、ここからも分かるだろう。
今後さらに『ひと恋』の記事を書くかどうかは、総合的に判断したい。時間の問題
が一番大きいし、来期のドラマの問題もある。真面目に読む人がどのくらいいる
のか、アクセス状況も参考にしよう。
ウチのブログは、スポーツにせよドラマにせよ、本気で遊ぶ人のためのものだ。
それでは。。☆彡
☆ ☆ ☆
☆ ☆ ☆
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コメント
あけましておめでとうございます。
テンメイさんのブログは「ひと恋」のドラマ放送中から読者になってました。
ドラマを見終わった後にこのブログを見てやっと「ひと恋」を納得して満足してました。
私もノベライズを購入しました。
初ノベライズ本読みだったんですが、脚本ともドラマともべ別ものと考えてなかった1人でした。
小説としてはまったく面白くなかったのですが、
「あの表情はそうゆう事を物語ってたんだ!」って感じる部分も多かったので、ひと恋ファンとしては購入してよかったと思ってます。
でも本なんだからもう少しドラマとしてカットされた部分や会話だけでなく台詞にしなかった部分を文字にしてほしかったようにも思います。
本の方がカットされてるジャン!と少しショックをうけました。
新しいドラマも始まるし忙しいとは思いますが、ぜひ
この続きを書いてください。
自分の思ってる事と違ってとても面白いので。
また遊びに来ます。
投稿: yabu | 2007年1月 1日 (月) 14時53分
>yabuさん
はじめまして。明けましておめでとうございます。
コメントありがとうございました♪
ツインズにお蕎麦、お忙しそうなのに、
読書家としてもご活躍のようですネ☆
ノベライズはノベライズであって、脚本やドラマとは
別物だし、小説ともちょっと違ってます。
実際にドラマを見たかどうかはさておき、
文章の向こうにドラマがあるっていう事をイメージしないと、
単なる素人っぽい小説に見えちゃいますネ。
まあ、ノベライズってものについて色々と気付いたり
考えたりできただけでも、ひと恋のノベライズ本を買ったのは
正解でした。他のノベライズを読む際の参考にもなりますし♪
事務的な用事が山ほど溜まってて、続きはちょっとビミョーです。
でも流石に中途半端だから、もうちょっとだけ書こうかな。。
内容も含めて、あんまし期待しないでください。。(^^ゞ
投稿: テンメイ | 2007年1月 1日 (月) 23時42分
テンメイさま
こんばんは☆
年末にブログを拝見できなかったので、
今頃ゆっくり目を通しておりまする。。
また『遅い!』って怒られそぉ(**)
さて、今回はノベライズ本についての詳しい説明、
またまた感心しながら読ませていただきました!
ドラマにはまっていながら、ノベライズ本を買ってなかったので、早速買って見てみようと思います。
欲しいなぁって思いつつ、年末のバタバタですっかり忘れてしまってました。。
(また楽しみが一つ増えました♪ありがとうございます^^)
ちなみに、『オレンジデイズ』のドラマも大好きだったので、こちらの方も買おうと思います。
あと、ドラマを「本気で見る」ことがいかに大変でマニアックなことか・・・
ほんとそぉですよね。
テンメイさんのブログを読ませていただくようになって、
そのことがよぉ~く分かりました。
ここで本気で遊ぶ人のためにも、これからも頑張ってブログ続けてくださいね!!
本気でのんきなまりこでした。
投稿: まりこ | 2007年1月 6日 (土) 01時48分
>まりこさん
今頃? 遅い! (お約束ツッコミ♪)
『オレンジデイズ』、読みかけたまま早くも他の本の下に
埋もれてます。時間がないもんで。マズイな。。
本気でのんきなまりこ。。上手い!座布団2枚♪(古いわ!)
確かに、本気でのんきってのは重要かも。
ブログものんきに続けようかなぁ。
本気とのバランスが難しくてネ。。
「本気かのんきか、それが問題だ」(まりこ&テンメイ)☆
投稿: テンメイ | 2007年1月 6日 (土) 07時38分