鉄平と大介の心理分析~『華麗なる一族』第1話補足
メンテナンス終了後、すぐ補足記事を書く予定だったのに、ノロウイルスから完治
したと思った途端にひどい風邪。。体力が落ちた所に寒い外をランニングしたら、
一発でやられてしまった。。ホントに悲惨な新年で、冬ドラマは個人的に最悪の
スタートとなった。。でも、さすがにあの記事のままじゃ中途半端すぎる。気力を振
り絞って軽く補足しとこう。前の記事をまだ読んでない方は、そちらを先にどうぞ♪
☆ ☆ ☆
以下、万俵鉄平(木村拓哉)と父・大介(北大路欣也)の心理分析を行う。鉄平に
とって祖父・敬介は、亡くなった今でも大切な肉親で、あの丘の大木の下で理想
への熱い思いを語った際に、猟銃ジェームス・パーディを譲ってくれた、心の支え
のような血縁者だ。今のところ、母・寧子(原田美枝子)や弟・銀平(山本耕史)、
妹の一子(吹石一恵)・二子(相武紗季)よりも、祖父の方がやや上の存在である
かのように描かれている。実際、敬介の方も、孫の中では自分に気質の似た鉄
平を一番可愛がり、阪神特殊製鋼を継がせたという設定になってるようだ。
その一方、父には非常に厳しく育てられ、気質も全く違うし、妾の相子(鈴木京
香)をそばで重用して家族の和を大きく乱してるので、強く反発している。会社
の経営に関しても、情熱的な理想主義者の自分と違って沈着冷静な現実主義
者だから、考えが合わずに苛立っている。ただ、そこはやはり息子。その反発
は、深い所で父の愛を求めるものになってるはずだ。。
☆ ☆ ☆
一方、父・大介の心理は対称的なものだ。自分と全く合わない長男・鉄平は憎
しみの対象だし、万俵財閥の総帥として、グループ会社を経営する鉄平のやり
方にはあまりいい印象を持ってない。そして、何より問題なのは、建前上は息子
である鉄平が、実は自分の父(鉄平の祖父)である敬介の子供ではないかと疑っ
ている点だ。鉄平と敬介は、外見も気質もますます似て来てるし、敬介が手を打っ
た時しか姿を現さない金色の巨大鯉「将軍」は、鉄平が手を打つと姿を現した。
これで、鉄平が敬介の子だとほぼ核心した大介にとって、ますます鉄平はうとまし
い存在となった。もはや自分の息子ではないのだから、父親としての愛情を注ぐ
理由もなくなったし、自分を裏切った父・敬介に憎悪を向けるだけでなく、結果的
に裏切り者となってる妻・寧子にも嫌悪の念を抱いてるだろう。ひょっとすると、ま
るで嫌がらせのように妾の相子を寧子に見せつけてるのは、前から裏切り者の
予感がしてた妻への報復という側面があったのかも知れない。何しろ寧子は父
の浮気相手であって、自分の愛する(?)母の敵でもあるのだから。
大介にとっての鉄平は、父・敬介を自分と取り合うライバル(腹違いの兄弟)でも
ある。まだハッキリしないものの、どうも敬介は、大介よりも鉄平を愛してた可能
性もある。うがった見方をすれば、こんな可能性も考えられる。実は自分も、敬介
の子ではなく、誰か他の男(たとえば祖父、つまり敬介の父)の子なのかも知れな
い。自分のルーツさえ信じられなくなった大介の心が、まったく不安定になってし
まうのは当然だろう。そして、古今東西あらゆるレベルにおいて、自分の不安定さ
を隠すための典型的な手段は、外部に敵を作ることだ。この時、自分の心はかり
そめのまとまりを持つことになるだろう。もちろん、その敵こそが鉄平だ。。
☆ ☆ ☆
残念ながら体調が悪すぎるので、今日の所はここまでとしたい。ではまた。。☆彡
☆ ☆ ☆
P.S.終盤、寧子が敬介の肖像画と鉄平を二重写しにした一瞬の幻覚では、敬
介らしき男が自分に迫るのを思い出したために、寧子は取り乱して食器を
落としていた。最終的にどうなるのかは未確定ながらも、今の所は鉄平は
敬介の子だと思われる。。
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