理性を翻弄するものの次元~『華麗なる一族』第4話
「僕はあの記事を書かせた人間を絶対に許せない」
「お前はその人間が憎いのか」
「・・・はい。もし今、目の前にその人物が現れたら、撃ち殺してやりたい」
「そうか。そんなに憎いか・・・」
☆ ☆ ☆
『華麗なる一族』と言うより、『醜悪なる人々』とでも言うべき展開に、記事を打
つ手が止まってしまった・・・なんて書くと、『醜悪なる弁解』とか突っ込まれそう
だな♪ とは言え、快晴の冬空の下、全力でスポーツをして気持ちのいい汗を
かいた直後に、こうゆうドラマを見せられると、一気にズ~ンと落ちてしまう。
今週は休もうかな、なんて誘惑も生じてしまう。何じゃ、こりゃ!・・(by優作)
ボヤキは短めに。今回もまず、需要に合わせて、あらすじを供給しておこう。
阪神特殊製鋼の高炉建設が順調に進みつつある1967年秋。万俵鉄平専
務(木村拓哉)らの技術は、アメリカのベアリング社に高く評価され、取引は
今までの2倍に。メディアでも大きく報じられる。原料の銑鉄を、帝国製鉄に
頼ってたのでは不安があるため、新たに第一製鋼とも契約。
しかし、帝国製鉄と裏で手を結んでる通産省が圧力をかけたため、第一製
鋼はすぐに契約を白紙に。追い詰められた鉄平は通産省に抗議しに行くが、
当然相手にされず。その時、妻・早苗(長谷川京子)の父で元通産大臣の大
川一郎(西田敏行)が手助けして、通産省の態度は軟化。鉄平は感謝する。
ところが、慶慈大学附属病院に入院中の大川のもとに、スキャンダル発覚の
知らせが飛び込む。阪神特殊製鋼への10億融資も約束してた三栄銀行が、
大川にヤミ献金を渡してた事実が報道されたのだ。この報道を仕掛けたのは、
鉄平の父で阪神銀行頭取の大介(北大路欣也)。三栄銀行に対して、小が大
を飲み込む合併を画策中だった大介が、裏情報を入手し、永田大蔵大臣(津
川雅彦)や大蔵官僚・美馬(仲村トオル)らと密談した上で、情報をリークして
発表させたのだ。大川はこれまで万俵財閥を支えた次期総裁候補で、長男・
鉄平の妻の父だというのに。大介は専務・大亀(武田鉄矢)を使って病院の外
科部長に話を聞き、大川の命が長くないこともつかんでたようだ。
再び追い詰められた鉄平は、大介の目の前で、記事を書かせた人間への怒
りをぶちまけた。大介の妾・相子(鈴木京香)の横暴な態度も絡んで、深刻な
対立と冷たい空気が覆う万俵家の内情には、銀平(山本耕史)と結婚してやっ
て来たばかりの万樹子(山田優)も、早くも苦悩し始めていた。二子(相武紗季)
と一之瀬四々彦(成宮寛貴)の純愛も、相子の妨害で前途多難のようだった。。
☆ ☆ ☆
「もし今、目の前にこんな脚本を作った人達が現れたら、撃ち殺してやりたい」
なんて過激な文章を書くことは決してない理性派ブロガーとしても、理性を翻弄
するものの次元の強大さについては十分自覚している♪ 今回はその具体的あ
りさまを、ドラマの中で一つ一つ確認してみよう。もちろん、そうしたものの善悪
とか、理性との比較評価の問題は、簡単な話ではない。翻弄という言葉が必ず
しもネガティブな意味ではないのも当然のことだ。
理性とは、物事を冷静に認識し筋道立てて考えると共に、欲望や感情を制御し、
正しい意志や行動をもたらす、心の部分or機能のこと。動物とは違う人間特有
のもの、あるいは神の贈り物として、昔から重視されてきた。しかし、何事も深
く考えれば謎は深まっていく。理性なんてものも謎だらけの存在で、少なくとも
特別視するほどのパワーやメリットを持つものではない、という考えも有力だ。
裏返して言えば、理性を翻弄するものの次元が強大だということでもある。
今回のドラマの中で、そうしたものを一番よく表していたのが、記事冒頭に引
用しておいたやり取りだ。鉄平の怒り自体が、色んな意味で全く理性的ではな
い。あるいは、その怒りをもたらしたものに、鉄平の理性は翻弄されている。
大川は不正を否定してないし、鉄平も否定してない。と言う事は、あの毎朝新
聞1面トップ記事は、有力政治家と都市銀行の不正を暴く優れた内容なのだ。
にも関わらず、鉄平の怒りは不正に向かわず、記事を書かせた人間に向かっ
てしまう。それは、自分も含めて万俵家がお世話になってるし、妻の父だから
という、非常に個人的な理由によるもの。鉄平の怒りは、自分たちも不正事件
の仲間だと告げてるようなものだ。ドラマは原作と比べても奇妙なほど相子を
悪者っぽく描いてるが、「大川先生は万俵家に恥をかかせたのよ」という相子
の台詞はもっともであり、だからこそ余計に鉄平は感情的になったのだろう。
ちなみに、「記事を書かせた人間」なんてものに怒りの矛先を向けるのも変な
話だ。普通、新聞の不正告発記事を読んで、誰がこんなの書かせたんだ、な
んて怒りは持たない。要するに、自分の非を認める前に「誰の仕業だよ!」と
他人を非難していた大川の非理性的態度を、鉄平は引き継いでるのだ。
一方の大介も、全く理性的ではない。もちろん、「鉄平、そんな事で一々動揺
していては、経営者など務まらんぞ」とたしなめた態度だけなら理性的だ。で
も、感謝すべき親族の大物政治家を見捨てて(or殺して)まで阪神銀行の当
面の生き残りだけを図る姿勢は理性的ではないし、ラストで「お前はその人
間が憎いのか」と鉄平にたずねたのも理性を超えた力によるものだ。
と言うのも、この質問は「私がその人間だけど、お前はやっぱり私が憎いんだ
ろうな」と言ってるようなもの。まるで逃げた犯罪者が後で犯行現場に戻ってし
まうような行為にも見えてしまう。自分が犯した罪に関する罪悪感と不安が、奇
妙な自滅的挑発行為に導いているわけだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
続いて別の種類の、理性を翻弄するものを見てみよう。それは「社会的現実」
とでも呼べるものだ。大介がなぜ大胆な犯罪的策略に打って出たかを考える
と、2つの外的偶然が関わっている。1つは、吸収合併の対象として狙ってた
三栄銀行が、自分より先に平和銀行の吸収合併を進めてたこと。もう1つは、
大川が突然体調を崩して入院したこと。
これら2つの偶然は、大介のそれまでの計算には入ってなかった大きな出来
事であり、大介の理性を翻弄するに十分なものだった。より大きな視野で物
語をとらえるならば、そもそも大蔵省が突然金融再編を急ぎ始めた状況も、大
介の理性を翻弄するものだったと言えよう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最後に、また別の種類のものを挙げておく。上に書いたように、想定外の未来、
偶然的現実というものは、しばしば理性を翻弄するものとして機能する。ただし、
その中には社会的ではないものもある。例えば、追い詰められた鉄平が夜の
路面電車の中で一人ぼっちで体験した雷と稲光。激しく壮大な自然現象は、通
産省への直接抗議という無謀で逆効果でしかない試みへと鉄平を誘う役割を
果たしている(たまたま今回は運良く大川に助けられた)。
その直後、帰宅した鉄平が通産省訪問を報告した、巨大な鯉・将軍は、突然
Uターンした。このUターンは、鉄平以外の人物(大介)が現れたことによるもの
だと、鉄平には解釈されたようだけど、通産省訪問を疑問視する振舞いだと解
釈される可能性も十分あった。その場合、実際には物音に驚いた鯉が逃げた
だけかも知れないのに、鉄平は通産省訪問を止めてたかも知れない。もちろん、
鉄平は無意識の内に、将軍の振舞いを祖父・敬介のメッセージとして受け止め
ているわけだ。
このような、雷と稲光、鯉の振舞いなどという、人知を超えた自然界の営みも、
人間の理性を翻弄する代表的なものの一つである。そして、それらは場合に
よっては、この世を超えた彼岸の精神(死者、神)と結びつき、ますます理性に
揺さぶりをかけて来るのだ。事の良し悪しはともかくとして。。。
☆ ☆ ☆
ここまで流し読みして「何じゃ、こりゃ?!」と思ったあなたは、フツーの松田優
作ファンだ。残念ながら、ウチはフツーのドラマブログではないもんで、悪しから
ずご了承を♪
私にとってのレビューとは、例えばこうゆう文章のことだ。ドラマに限らず作品と
は、人を独自の思考や新たな作品へと誘う道しるべなのだ。
ではまた、来週末に。。☆彡
☆ ☆ ☆
P.S.食卓の下で銀平に不安や疑問を伝えた、万樹子の足。今回はあれくら
いしかエロスが無かったのだから、出来ればミニスカートで、もう少し長
くやって欲しかった。二子みたいな、シルバーの萌えるコスチュームだと
さらに効果的♪ もっと萌えを!☆
(訂正。録画をチェックすると相子の足だった。ますます萌え不足。。)
P.S.2 原作と比較しても、相子の描き方は今のところ単純で極端過ぎ!
いつまでもああゆうものを見せられると、やっぱり脚本家・橋本裕志
という一個人に対して不満を感じてしまう。ドラマ全体の総合的評価
はまだ高いけど、演出&プロデュースの福澤克雄、プロデューサー・
石丸彰彦の印象もパッとしない。ドラマの可能性とは、こんなもんじゃ
ないはずだ。一方、音楽の服部隆之はいい仕事をしてると思う♪
P.S.3 美馬のイヤらしさは、むしろ不足気味か。大蔵官僚としての優秀さ
も見てみたい。まだ、トップエリートとしての実力が描かれてない。
P.S.4 芙佐子(稲森いずみ)と女将(多岐川裕美)のいかにもっていうやり
取りは無視! 意味深って言うより意味浅。安っぽい昼ドラかよ・・・
P.S.5 大介の「わしはあの日の事を1日たりとも忘れたことはない」ってい
う意味深な言葉。それなりのものを見せてくれないと、これまた意味
浅として減点の対象。。
P.S.6 「慶慈」大学附属病院のネガティブな描写。慶応と慈恵は迷惑して
ないのかな。何か行く気しないんだけど。外科部長が信用できなくて♪
P.S.7 一之瀬の台詞の「アポイント」、あの時代に使ってた言葉なのかな。。
P.S.8 鉄平と出荷作業員とのやり取り。似たような経験を思い出す。粗野
で乱暴な言動の年上の人間に、気合で真正面から対抗したら、「お
前、なかなかやるな」って感じで態度が軟化した。他にも少し似た経
験がある。理屈よりも、行動・気合・姿勢の方が人を動かしやすいの
かも知れない。ただし逆効果で火に油を注ぐリスクもあるから、人間
関係は難しい。。
P.S.9 永田大蔵大臣、もうちょっと工夫すれば軽く笑えるんだけどな。大川
も、披露宴とか病室とか、笑いをとるチャンスはあったのに(既に過去
形)。あるいは、重々しい音楽と共に庭で鉄平と不穏な会話をした、し
かめっ面の大介が、雨の芝生でツルッと滑って尻餅ついて、ムスッと
したまま立ち去るとか。そこだけ将軍がちゃっかり顔を出すってのも
いいかも♪ もっと笑いとツッコミ所を!
P.S.10 予告の、鉄平が大介を「撃ち殺す」映像。楽しみって言うより、不安
だらけ。頼むから、余計な事はしないで欲しい。。。
P.S.11 これで、イメージダウンの三栄銀行は止めにして、もっと大きな銀行
を飲み込もうとするわけか。多分、あそこね。。
☆ ☆ ☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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コメント
今週はいっぱいダメだしがあって良かった!!
そうそう万樹子が見てる事に気付いた相子がニヤッと笑って、もっとグリグリするとか・・・やって欲しかった。
投稿: お気楽 | 2007年2月 6日 (火) 19時32分
テンメイ様、こんばんは。
不満爆発っ。
ステキです。
特に、セクシーな描写が
減少しているところには
表面上のセックス拒絶社会の充満に
不健全なものを感じるキッドとしては
激しく同意します。
足でスリスリはまあ、
山田優を辱める意図をもう少し強調してもよかったのですが
これが栗山千明(同年齢)だったら
かなりうれしかった・・・なんじゃ、そりゃあ。
主役を善というか
ヒーローとして描くことに固執しているのか
あえて善良な人物という造形に失敗しているのか
微妙なところですが、
本来は庶民感覚とは違う世界で
欲望のおもむくままに衝突する個々の
ぶつかりあいを興味本位にとらえた物語ですから
これはこれで良いとキッドは考えています。
主人公が夜の街を車で疾走した前回に続き
今回は夜の路面電車。
ある意味、お耽美で
情熱を捧げるべきは他にあるのではないか
という気持ちを制して
なかなか見せるなっとキッドは思いました。
元々、メカニックなものはそれなりに
見せられるのに
将軍、イノシシ、肖像画が
失笑の対象になっているのは
ある意味、生命の神秘というか、
複雑性の象徴ですね。
まあ、生物が機械的なものであるのに
それを口にすると叱られたりするのは
まだ越えられない壁があるということなのですけど。
金融再編も技術革新も実は
同じ方向性を持っている。
それが善か悪かは
微妙な問題。
何もかも飲み込んで人は生きていくのだという物語なのですが
ひよっとして結末もすごい変更が加わり
テンメイ様の予想「悲劇」は「悲劇」だろう。
を覆す恐れも感じるキッドでした。
投稿: キッド | 2007年2月 6日 (火) 20時09分
テンメイさん こんばんは!
青梅マラソン完走おめでとう♪
あぁ。。。そんな爽やかなイベントの後に・・・。
お疲れさまです。
。。。と言いながらも、すんごいマニアックに
いつものようにレビューしとんねん(笑)
でも、相変わらず誰も書いてないような
レビューですごいよね~思いもつかないこと書くから
はぁ?ってのと、そうか~っていう目からウロコの
両方で面白いね。こんな楽しみ方もあるのね。
鉄平と大介のラストの対立の解説も興味深い。
4話は今までよりも面白かったけど
人物の描き方が今ひとつ浅いっていうか
感情移入出来ないっていうか。。。
モヤモヤした気持ちがまだ晴れません。
と言いながらも次回も楽しみ(笑)
投稿: アンナ | 2007年2月 6日 (火) 20時17分
>お気楽さん
もはやダメだしだけが楽しみですか♪
あっ、わずかな萌えもネ。
相子の足グリグリ、せめてもっと過激に
やってくれないと物足りないでしょ。
来週は、早苗と芙佐子のサービスに期待☆
>キッドさん
やっぱステキでした?
女のコなら、すぐ口説くのにな♪
表面上のセックス拒絶も不健全ですが、
実際上のセックス拒絶も徐々に広がってる気がします。
倒錯社会の今後には、興味と不安が半々ですネ。。
これはこれで良い。そうですか。。
善悪で言うと、鉄平や大川の悪、大介や相子の善を
強引に無視して単純化してる点が、凄く引っかかります。
そういった部分を、ドラマ全編の後半に描くつもりなら
いいんですけど、イマイチ信用できなくて。。
路面電車のシーンは僕も評価しますよ。
記事でも軽く触れましたし。
あと、溶鉱炉を見つめる鉄平もわりと好きです。
映像や音楽はそれなりにいいんですけど、
台詞やストーリーの浅薄さや安直さが目立ち過ぎて。。
全ての物は「機械的」ですが「機械」とは言いにくいでしょう。
機械は普通、人工的で受動的なものを指す言葉ですからね。
巨視的には機械も生物も同類ですが、微視的なのが人間の性(さが)。
どうしても機械と生物は別物として見てしまう。
そこに現代人特有の攻撃性やドラマへの不満が加味された時、
将軍やイノシシへの失笑が生まれるのでしょう。
生物になり切れなかった機械への嘲笑。。
肖像画は別問題で、確かにウケ狙いに見えてしまいます♪
僕は、結末のポイントだけウッカリ知ってしまった訳ですが、
ドラマで変更するのは望む所です。
悲劇でなくなるのも全然OK!
ただ、低俗なハッピーエンドよりは元の悲劇をむしろ望みます。
その方がリアルですし、ストーリーに奥行きが出ますしネ☆
>アンナちゃん
どうもどうも。祝福ありがとう♪
今から走ればアンナちゃんも来年の青梅マラソン出れるよ!
やっぱり、すんごいマニアックだった?
今アクセス多いから、ちょっとくらい減ってもいいよ(^^)
でもアンナちゃんは、はぁ?とか、そうか~とか
つぶやきながら、毎週頑張って読むように!
苦労は買ってでもしなきゃネ☆
時間的制約もあるけど、人物描写が浅過ぎ!
基本的な人間観とか世界観の問題が大きいと思うな。
感情移入ってのは、特に女の子は難しいだろうけど、
ポワ~~~ンとかウットリとかしてればいいじゃん。
ステキな鉄ちゃんとテンちゃんに(^^♪
投稿: テンメイ | 2007年2月 7日 (水) 02時54分
テンメイさん、こんばんは。
毎度、遅くにおじゃまします。
私は今回1番面白かったですよ。鉄平くんがキムタクくんじゃなく、ちゃんと鉄平くんに見えてきたからだと思うんですが。鉄平くんのキャラがはっきりしてきたように思えます。まあ、私ってキャラで見るみたいですからね。あれ、先週は流れで見るなんて言ってましたが、まあ、いいかげんということでしょうか。
>鉄平の怒り自体が、色んな意味で全く理性的ではない。
まったくそうなんですけど、鉄平くんって、この時に限らずずっと理性的ではない気がします。そもそも大川パパが自分にいろいろ便宜をはかってくれていることって、帝国製鉄がやっていることとある意味同じだということを解っていないんでしょうね。基本的には自分が正しいのだから、当然というかんじでしょうか。
大川ぱぱのことを、「万俵家が世話になっている」って、それが根底になっているのでは、そりゃあ、だめでしょう。結局鉄平くんって、技術革新で世界に対抗することしか頭にないのでしょうかね。
そういう鉄平くんがみえてきたので、面白いなと思えるのだと思います。
>善悪で言うと、鉄平や大川の悪、大介や相子の善を強引に無視して単純化してる点が、凄く引っかかります。
鉄平くんをなにがなんでも主人公でやりたいがためでしょう。キムタクくんなのでね。
でも、私は結構、鉄平くんの弱い悪い部分を感じられるてきたので、楽しみになってきています。これは、ひとえにキムタクくんのうまさだと思っているのですが。
人物の描き方も、大介パパと鉄平くんに関してはわりとわかります。鉄平くんがあんなふうに育ったのも、敬介じんちゃんが甘えさせて、自由に育てたからだろうなとか、大介という息子がいるのにそうしたのはなにか、大介に思うところがあったからかなとか、実は大介の自分にはない資質をおそれていたとか、大介が自分では気づかずに敬介を傷つけることをしていたとか、いろいろ想像できて面白いです。
相子さんをもうちょっとどうにかして欲しいとは思いますが。
原作は読んでいないので、ラストがどうなってもかまいませんわ。楽しみにしています。
投稿: youko | 2007年2月 7日 (水) 22時31分
追加です。
私は萌えシーンありましたよ。港湾労働者を相手のシーンです。
かっこよかったわあ。ちょっと、Pちゃんに似ているわ、なんて勝手に思って喜んでました。
女性陣はねえ、、、。がまんしましょう。
投稿: youko | 2007年2月 7日 (水) 22時40分
>youkoさん
ドラマは今回が1番不満だったけど、
youkoさんのコメントは今回が1番笑えました♪
いきなりセルフ突っ込みが入ってるし、
途中の文脈も面白くて。。^^
まあ、笑って終わりじゃウチらしくないんで、
ちょっと理屈もコネましょうかネ。
ずっと理性的ではないというのは、ある意味正しいんですが、
問題はどの範囲で考えるかなんです。
例えば、これまで全体とか、第1話・第2話といった大きめの
範囲で考えれば、ずっと理性的ではないんです。
でも、相子と大介への怒りをグッとこらえて銀平の披露宴に
出席した時は理性的だし、
港湾で殴られてもグッと衝動を抑えて出荷作業へと
導いた時も理性的です。
もちろん、技術者として新素材を開発してる時も理性的でしょう。
つまり、理性的な部分と非理性的な部分があって、これは
人間として当然の事なのに、ドラマは非理性的な部分を
強引に無視して単純なヒーローを作ろうとしてる。
でも、この作業は所詮ムリがあるので、僕は不満なんですよ。
つまり、鉄平に非理性的な部分があること自体じゃなくて、
制作サイドの基本的な姿勢や考えに不満なんです。
それ以外にも、30代半ばの専務である鉄平が
余りにも幼いのが、引っかかります。
父親の愛情は無くても、母と祖父の愛情はあったし、
生活面でも能力面でも非常に恵まれてる。
兄弟とも結構上手くやってるし、妻と子供とも幸せそう。
なのに、「パパ~!」と甘えたり泣き叫ぶ子供に見えちゃいます。
にも関わらず、制作サイドは素晴らしいヒーローとして扱ってる。
キャラ設定自体も不自然だし、設定と制作方針も不整合。
と言う訳で、「何じゃ、こりゃ!」と叫ぶしかないのです♪
ちなみに、萌えシ~ン。
僕は男だし、女しか興味ないので、もちろん萌えません。
ただし、ちょっとだけ燃えました☆
投稿: テンメイ | 2007年2月 8日 (木) 04時47分
こんにちは、
お忙しそうななか、失礼します。
このドラマについては、自分で記事を書く程には、今のところ、入れ込んでないので・・・。
でも、なんとか今のところは視聴は継続中です。
このドラマが理系技術屋の鉄平を主人公にした時点で、
人間ドラマとしては、単純なものになるのは仕方がないのではとも思いますが・・・。
今日日、銀行マンや官僚に感情移入するのは、なかなか困難だと思いますから、その設定はいいのですが、
私のドラマの視聴基準は俳優さんの演技なので、
キムタクにはやはり不満なのですが、
それと同じくらい不満なのが、欣也=大介の演技でして、
あのでっかい目を見開くことでしか感情表現ができないという点にがっかりというか、
前作は観てないのですが、佐分利信、山村聡両氏なら佇んでいるだけで何かを表現できただろうなあと思ったりします。
今のところ、銀平、相子、西田さん、そして鶴瓶師匠の演技には満足してますけど。
でも、私が、登場人物の何に一番感情移入できるかといえば、
それは、やはり、鉄平の自社の技術力に対する自信、プライド、
そして、理想の実現のために努力する姿ですから
「テッペイっ!」「フーコっ」なんてやりとりは、二子と四々彦カップルに任せて、
理想の実現に専念してほしいですね。
セクシーな描写についてのやりとり拝見しましたけど、
テーブルの下でっていうのは昔、何かの映画で観た記憶がありますが、
巷にこれだけ性的なものが氾濫していると、
若者にとっての実はポルノとか、
女性にとっての実はポルノとかいうドラマも見かけるし、
「愛の流刑地」なんてのもお腹一杯というか、トヨエツ終わったなと思いましたから、
私は、そんなに必要性を感じてないですけどね。
投稿: azami | 2007年2月10日 (土) 12時10分
>azamiさん
こんばんは。
そんなこと言ったら全国の理系技術屋が怒りますよ♪
僕もある意味、「理系技術屋」とも言えますしネ。
銀行マンや官僚じゃないからって話じゃなくて、
要するに描き方とか姿勢の問題です。
キムタクと北大路欣也の演技を評価する時には、
脚本&演出との関係を考慮すべきでしょう。
結構、演技しにくい状況だと思いますよ。
あと、欣也=大介の表情や演技というのは、
単調そうに見えつつ、微妙な変化を表現しています。
少なくとも今回の大介は、悪くはないでしょう。
ホメるに値するかどうかはビミョーですけどネ。。
ちなみに、銀平と相子はホメるに値します♪
鉄平と芙佐子の関係は、僕にとっても不要ですが、
無い方がいいとまでは言いません。
個人的にも、ドラマ作りとしても。
それに対して、芙佐子の出生の謎なんてのは
くだらな過ぎて、こっちで無視します。
セックスについては、フィクションの描写だけでなく、
現実世界、特に実際の行為も射程に入れて考えてます。
性の氾濫という言葉はよく使われますが、
どこで氾濫してるのかと問う人はほとんどいません。
この問いは必然的に、どこで氾濫してないのか、
あるいは、どこでどのように拒絶されてるのかという、
複雑で深い問いへとつながります。
身近な例を一つ挙げましょう。
『たったひとつの恋』とは、20歳から25歳くらいの若者の恋愛。
本来なら一番元気のいい年代なのに、土9という時間帯も
あって、全くと言っていいほど性は隠蔽されてます。
第8話冒頭は明らかに初H直後のシーンですが、
かなりの婉曲表現で、分からなかった人がいただけでなく、
ネット情報を見ても認めない(or無視する)人が
少なからず見受けられました。
その一方で、ヒロト=亀梨には多くの女性が萌える。
生身の人間としてではなく、あくまで遠い存在、アイドルとして。
セックス拒絶とは、たとえばこうゆう事態を指してるのです。
『野ブタ』の原作も、まさにこの問題を扱ってたんですよ。
『リアルな人間との向き合い方 野ブタ原作』という僕の
記事のタイトルは、分かりやすく言い直せば、例えば
『リアルなセックスと向き合えない修二』となる訳です。。
投稿: テンメイ | 2007年2月11日 (日) 00時30分
テンメイ様
ていねいなご返事ありがとうございます。
理系技術屋に関する発言、失礼しました。
人間、自分の経験の範囲でしか判断できないもので。
「ひと恋」に関してだけ、ちょっとひと言
あのドラマは、女性の脚本家だけに、
女性の願望はよく表現されていたかなと思います。
ふたりのシーンでは、(ある意味リアルなセックス以上に)女性が求めていること
=ハグ、髪の毛なでなでなどで表現されていて
それだけで充分満足した女性視聴者が多かったのではと思います。
もちろん私も、第8話冒頭についてはは、あそこまでラブラブなふたりにしては、
かなりの肩すかしで不満だったので、
ご意見には激しく同意しますけど。
アイドルとか事務所とかいろいろあるのでしょうけどね。
投稿: azami | 2007年2月11日 (日) 11時37分
>azamiさん
男と女というのは、永遠のすれ違いを続けるわけで、
その分かりやすい一例がセックスだという指摘は
昔からよくあります。
男のセックスが局所的・一時的・肉体的なのに対して、
女のセックスは全体的・持続的・情緒的。
だから、『ひと恋』の表現が女性を満足させるという話は、
とりあえずよく分かります。
ただ、あの表現だけが満足させてしまうとか、あそこで
表現されなかったものを(無意識の内に)拒絶するとか、
そういった面に目を向けると、やはりセックス拒絶の一例です。
ちなみに、アイドルの事務所の方針というのは、
セックス拒絶をもたらす一つの原因であると共に、
セックス拒絶がもたらした結果でもあるわけです。。
投稿: テンメイ | 2007年2月12日 (月) 03時29分