『華麗なる一族』第9話、ドラマと原作の比較
やっと第9話か。。早くしないともう春ドラマが始まっちゃうわ。でも、次は何で書こ
うかネ。特に見たいと思うものはないんだよな。強いて挙げれば、やっぱアレか♪
一応、初回は見るつもりだけど、何かハズレっぽいんだよなぁ。1クール、パスし
てアクセス数の激減をじっと眺め続けるってのも、自虐的でいいかも。。 ^^
☆ ☆ ☆
さて、第9話と対応する山崎豊子原作の箇所は、非常に大雑把に言ってナシ♪
だって、第9話は要するに裁判の回だけど、原作では裁判は結局ないから。と
言う訳で、今回はこれでおしまい☆ エッ、ダメ? あっ、そう♪ ほんじゃ、強い
て挙げれば下巻p.300~p.342。大蔵省で銀行合併への動きが始まるまで。
いつものように、原作がドラマと違う部分を箇条書きにしてみよう。ネタバレに対
する配慮は既に必要ないものの、今まで通り、ドラマで第9話までに出てない話
はまだ原作記事には書かない。
①ドラマの第8話に出て来た、鉄平(木村拓哉)が寧子(原田美枝子)を問い詰
めて謝られるシーンが、原作では第9話対応箇所に出てくる。鉄平が家を出
て行く時に、最後の質問として、父親は誰かと母にたずねたのだ。ちなみにこ
のシーンは二人きりで、大介(北大路欣也)らはいない。
「お母さまに、この家を去るにあたって一言、お伺いしたいことが
あります。僕はほんとうに父、万俵大介の長男なのでしょうか」
ひたと射るような眼を向けた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
寧子の目が異様にきらきらと輝いた。
「鉄平、あなたは私の子です。私の産んだ子供です──」
「お伺いしているのは、私の父たる人のことです、答えて下さい」
「許して、許しておくれ!」
たおやかな母の体が、鉄平の膝もとに頽(くずお)れた。
ドラマでは、これで真実が明らかになって、父と子の対立が裁判で本格的に
なる、という分かりやすい「ドラマ的」流れだった。ところが原作では、この直
後に興味深い説明が続いてる。
何を許せと云うのだろうか。祖父との不倫を許せというのか、
それとも祖父と父の、いずれの子とも解らぬことを許せという
のだろうか。もし、その後者を意味するならば、鉄平は体が灼
け爛れるような恥辱と怒りを覚え、思わず、母を打ちたい衝動
に駆られた。
その衝動を抑えるように、鉄平はすっくと立ち上がった。
この後、鉄平は大介に捨て台詞を残し、二子(相武紗季)や三子(ドラマでは
省かれてる)の涙に見送られるようにして、早苗(長谷川京子)らと共に家を
出る。原作のこの描写は、2つの面でドラマと違う。まず、母の言葉の意味が
曖昧で、まだどちらが父なのか分からないということを、ハッキリ書いている。
そして、さらに興味深いのは、もしどちらか母にも分からないのなら母を打ち
たいという部分。極端な状況と、過激な感情。言われればなるほどと思うけ
ど、ドラマを見てる時は流石にそこまでは考えなかった。自分のルーツが異
常なことよりも、ルーツがないことの方が屈辱的だということか。。
ちなみにドラマでは、大介が実の父でないことを知った鉄平が宣戦布告。友
人の倉石弁護士(萩原聖人)や一之瀬パパ(平泉成)、四々彦(成宮寛貴)
の助けを借りて、裁判で全面的に大介と争うという流れになっていた。
②阪神特殊鋼(ドラマでは製鋼)で経理を担当する銭高常務(西村雅彦)の苦
しい立場については、第8話対応箇所の中で、かなりあっさり描写されてい
る。悪事の指示をした大介を恨みがましく思うと同時に、逮捕される心配も
するものの、今さら仕方ないと諦めてる。
銭高は既に、万俵から将来の生活を保証して貰っているのだっ
た。それは万俵家の女たちが身につけているダイヤやエメラル
ドの指輪の二つか三つ分に相当したが、高校生を頭に三人の
子供がいる五十五歳の銭高には有難い額といえた。
銭高を証人にするという鉄平の案に対しても、倉石があっさり却下している。
もともと被告側の阪神銀行にいた人間など信用できないという、もっともな指
摘だ。鉄平が銭高を追いかけ回すこともない。
ドラマでは、鉄平の情熱や優しさに促されるようにして、銭高の鉄鋼マンとし
ての誇りと良心が目覚めていくプロセスを、丹念に描いていた。イーグルス
の『デスペラード』をBGMにして。。
③大蔵省の春田銀行局長が、阪神銀行による大同銀行の吸収合併を認めた
のは、最終的には、阪神銀行の大亀専務(武田鉄矢)・芥川常務の願い出を
受けてのこと。春田としては、永田大蔵大臣(津川雅彦)からの指示は受けて
いたものの、日銀も関わることだし、慎重な態度を保っていた。ところが、大
亀らは春田の前にいきなり大同銀行専務・綿貫(笑福亭鶴瓶)を連れて来て、
大同銀行役員の連判状も見せる。さらに、大同の一般行員たちも支持してく
れると主張。これでようやく春田も合併を承認することになった。
ドラマでは、永田が総理に電話した後、春田に連判状を提示。総理も承認し
てるし、下手に逆らうと君もケガするよ、と脅かして終了。やはり、原作の方
が圧倒的に詳しくてリアルだ。
④鉄平が四々彦に直接アメリカ行きを勧めるシーンはない。鉄平が二子に、そ
うゆう話があることを伝え、二子と四々彦の会話の中で触れられるだけだ。
ドラマでは、操業停止された工場の中で、一人でテストをしてる四々彦に、鉄
平が話しかけていた。これがやがて銭高の話になり、鉄平が銭高に理解を示
すところを、ドアの外で銭高が立ち聞きする。結局、制服を返しに来た錢高は
考えを改め、裁判で鉄平側の証人になることを決心。この点に関しては、ドラ
マは上手く出来ていた。
⑤銀平(山本耕史)と鉄平が話し合うシーンは原作にはない。この二人はドラマ
ほど仲良しではないのだ。実際、告訴について銀平に相談したのかと聞いた
早苗に対して、鉄平はこう答えている。
「銀平だって、こと仕事に関しては父と同じように、企業間の話
は親子兄弟の情実ぬきという主義だし、それにあいつは、何事
につけ、傍観者という立場を崩さない性格だ、それはそれで一つ
の生き方だと思う──」
⑥実家に戻った万樹子(山田優)は、相子(鈴木京香)が連れ戻しに来た時、銀
平が迎えに来ることを要求するだけで、反撃はしていない(第8話対応箇所)。
ドラマでは、週刊誌のスキャンダル記事を見せながら万樹子が反撃。その話
を相子が美馬(仲村トオル)にボヤいて、美馬が甘い言葉で誘いかけるキッカ
ケにしていた。流れとして、上手いと思う。
⑦二子の閨閥結婚に関して、一子(吹石一恵)が大介に面と向かって反対する
のは、東京の自宅。二人きりの場面だ。
ドラマでは、鉄平が出て行った後の、一族揃っての食卓。「大介・相子」vs「寧
子・一子・二子・(銀平)」の構図が鮮明になってた。
⑧芙佐子(稲森いずみ)は原作のこの辺りには全く登場しない。ドラマでは、裁
判の途中のお宮参りで偶然会った早苗に、不安な思いを打ち明けられていた。
☆ ☆ ☆
やった~~♪ ついに第9話まで終了。もう完走は間違いない (^^)v 今週中
に最終回の比較も終えて、『華麗』とお別れすることにしよう。
では、ほぼ間違いなく、See you later ☆彡
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