« 『華麗なる一族』最終回、鉄平の手紙と遺言 | トップページ | 荒川ゴールから5日半、ようやく再始動 »

なぜ明日の太陽を見ないのか~『華麗なる一族』最終回

 祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり

 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

 おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢の如し

 猛き者もついには亡びぬ ひとえに風の前の塵に同じ

                 

       

およそ700~800年ほど前に、平家の栄枯盛衰を描いた『平家物語』の冒頭。

高校の古文の授業で暗唱させられて以来のお気に入りで、普段からよく思い

出してる。余りにも有名な文章だけど、蛇足までにちょっとだけ説明しとこう。

   

この物語はもともと様々な形で伝えられたものだという事情もあって、文章自

体に「決定版」(唯一の正しい形)がないし、意味についても人それぞれ微妙

に異なる説明をしている。上に引用したのは私の趣味で選んだヴァージョンだ

けど、ごく自然なもので違和感はないだろう。

    

エッ、どこが『華麗なる一族』だよ!って? まあまあ、焦らずに♪ 「一族」を

平家にたとえてる事くらい分かるでしょ。ただし、後で多少ヒネるけどネ。。

   

さて、表面的に分かりにくい部分は2箇所だけ。まず「祇園精舎」とは、無難な

翻訳をするなら「聖なる場所」。普通の解釈では、お釈迦様が説法したインドの

寺だ。また「沙羅双樹の花」とは、「世のはかなさと美しさを表す花」。普通の解

釈だと、1日で散ってしまうナツツバキの花のこと。インド原産の別の樹木と勘

違いされてるとか、お釈迦様が死んだ時に周りで一斉に花開いたとか言われ

てる。双樹とは二つの樹のことだけど、この解釈も色々あるらしい。

     

結局、諸行無常は聖なる教え、運命的真実のように思われるということだ。

この最後の「のように思われる」という部分はしばしば忘れられてしまうから、

一応注意を促しておく。客観的な真理というよりむしろ主観的な思いなのだ。。

            

         ☆          ☆          ☆

無常=無情な読者が消え去る前に、一旦『華麗』の話に移ろう♪ 最終回、か

なり良かった☆ ほとんどヒネリのない予想通りの展開ってことで、絶賛は出来

ない。血液型については第8話で奇妙なこだわりを見せてたし、大川が死ぬ前

の「医者が血液型を間違えることもある」とか言う変なセリフもあったから、8話

の記事のP.S.で指摘しておいた。また、余りにも早くから鉄平は敬介の子だ

と示し続けてたから、実はやっぱり大介の子だと再逆転するのは予想されたこ

と。鉄平の自殺も、ここまでのドラマの流れと、うっかり知ってしまってた原作の

ラストから分かってた。東洋銀行が富国銀行に吸収されるなんてオチは想定外

だけど、所詮は小さな出来事にすぎない。

    

でも、完成度が高かった。特に感じたのは、贅沢なまでの時間の使い方。これ

脚本(橋本裕志)原作(山崎豊子)の力ではない。演出(福澤克雄)、さら

に限定するなら、映像と音楽(服部隆之)のなせる技であると同時に、主人公・

鉄平を演じた木村拓哉という俳優の持つ力だろう。

     

原作は大介(北大路欣也)が主役だから、鉄平の死は5ページちょっとで終わっ

てるけど、ドラマの最終回90分スペシャルはたっぷり見せつけてくれた。鉄平

が小屋を出て死ぬまでの時間だけで実に約10分! その前の山の時間まで含

めると、恐ろしく贅沢な時間の使い方だ。コタツに置いた阪神特殊製鋼の制服に

スリスリするシーンでは、全国から女性ファンの胸キュンが聞こえて来そうだった

し、両手で首にあてたジェームス・パーディの引き金を引くために右足の靴と靴

下を脱いだあたりは、足フェチのキムタクファンも大喜びだったろう♪(いない?) 

残念ながら私は萌えないどころか意味が分からなくて、終わった後で原作をチェッ

クしてしまった ^^; そうゆう事なら、引き金の所に足の親指が入らなくて焦って

る鉄平なんてのを想像して一人で笑えば良かったかも。。

       

CGはイマイチ趣味じゃないけど、全体的にあそこまで作りこんでくれれば十分だ。

初回に雪山を見た時は、真っ白で険しい雪山と丹波篠山の景色が全然合ってな

いのが引っかかったし、キムタクが寒そうなので「ファスナー閉めろよ!」と突っ

込んだもんだけど、今回は許せた。気合負けしてスゴスゴと引き下がったウリ坊

も、初回はサイや恐竜に見えたもんだけど、今となっては可愛いだけだ。将軍や

肖像画と共に、『華麗』盛り上げトリオとして長く語り継がれるだろう。。

    

鉄平が死んだ後も良かったと思う。大介役の北大路欣也の演技もいつも以上

に上手かったし、原作にない鉄平の遺書もよく出来てた。これは脚本家を褒め

るべきだろう。大介が腕時計をチラッと見た後、製鉄所の煙突から上がる煙を

鉄平の遺影に見せるなんてのも憎い演出だ。操業再開の映像も迫力があって

美しかった。エンドロールだけだと、新日鐵君津製作所なのかJFE条鋼株式会

社なのか分からないけど、どちらにせよ有難いロケーション協力に感謝しよう☆

     

ところで、完成度の高い「最終章 後編 決意の死~未来へ」を見終わった後

に残った思いは2つ。人の世の無常感と、なぜ自殺したのかっていう疑問だ。

改めて考えると、この2つは形式的に矛盾する。変化の承認と、変化への疑問。

今回のレビューは、その辺りからマニアック路線に入って行こう。そこで初めて、

冒頭の平家物語も活きて来るだろう。さあ、ちょっとずつ気合入れてネ♪

         

           ☆          ☆         ☆

無常とは、「常」が「無い」こと。つまり、世の中に同じままの物事など無く、絶え

ず生滅流転してるという事だ。言葉の直接の起源は仏教だと言われてるけど、

発想としては西洋哲学の源流にもある(cf.ヘラクレイトス)。要するに古今東西

ほとんどの人間に共通の思いだろう。

裏返して言うと、道端の石ころは多分そんなこと思ってないはずで、決して唯一

絶対の正しい認識などではないはずだ(cf.パルメニデス)。

      

運命は人間に、様々なものが生まれ滅び変化していくという形で世界を眺めさせ

る。人はそこに、物悲しさや儚さ、切なさを感じると共に、ある種の美しさをも感じ

てしまう。対象となるものが外見的に優れていたり(例えば自殺したキムタク=鉄

平)、巨大なものであったり(例えば合併後に新設された東洋銀行)する場合に

は尚更だ。この両方の性質をもってるのが、夜空を彩る花火。あるいは、『華麗

なる一族』というドラマ全体も、外見的に優れていて巨大なものの一例、「華火」と

でも言うべきものかも知れない。

    

念のために強調しとくと、このドラマは間違っても「最後に悪は滅びる」なんて話

ではない。もちろん表面的には、鉄平という善の象徴を死に追いやった2人の

が滅びて終わってる。阪神銀行による大同銀行吸収合併、東洋銀行設立を

果たした大介は、結局は娘婿の美馬(仲村トオル)永田大蔵大臣(津川雅彦)

によって富国銀行に飲み込まれてしまうことになった。また敬介爺さんの分身or

生き霊とでも言うべき鯉の「将軍」は、鉄平の石投げ攻撃のせいで(?)、かつ

て爺さんがよく立ってた池の橋のたもとで死んでしまった。(バランス装置とモー

ターが壊れてしまったと言うべきか♪)

        

でも、既に善も滅びてるし、ドラマも「春の夜の夢」の如く消滅した。善悪の区分

も「風の前の塵」程度のものだし、そもそも「最後に悪は」と言う時の「最後」なん

てものは世の中にない。時は永遠だ。いずれ富国銀行も消えるし、美馬や永田

も力を失う。将軍どころか、池や邸宅もいずれ滅びる。華麗なる一族も、それを

見て醜悪に感じる視聴者も、突っ込んだり理屈をコネたりするブログも、やがて

消えてしまう。つまり、滅びるのは悪だけではなく全てだ。

       

またその一方で、新たに生じるものも無数にある。鉄平が死ねば、寧子(原田

美枝子)一子(吹石一恵)二子(相武紗季)早苗(長谷川京子)・芙佐子(稲

いずみ)らの目に涙が生じ、銀平(山本耕史)には自責の念が生じる。死亡診

断書からは鉄平の出生に関する新たな理解が生じる。遺書を読んだ大介を中

心にして、万俵家に新たな動きが生じ、相子(鈴木京香)の新しい生活が開ける。

火葬場の煙突からは鉄平の煙が上がり、阪神特殊製鋼の煙突も一之瀬パパ

(平泉成)四々彦(成宮寛貴)らの手によって再び煙を上げ始め、優秀な特殊

鋼が再び生産され始める。妨害が無くなり事故調査も終わった高炉は建設再開

となり、銑鉄供給を始める。。

       

したがって、「最後に悪は滅びる」のではなくて、「絶えず全ては生滅流転する」、

すなわち諸行無常なのだ。見終わった後、一番心に残ったのはその感覚だ。。

自殺、雪景色、風の音、煙、銀行の生存競争といったものがもたらしたのだろ

うけど、個人的なメンタルも影響してるのかも知れない。。

    

           ☆          ☆          ☆

読者の多くが消滅した後で、いよいよ自殺の問題に向かおう♪ ここまでの無

常感についての話を読んで、当たり前の事を何でこんなに長々と書くのかと思っ

た読者もいるだろう。でも、ここまでは単なるウォーミングアップ。私が言いたい

のは、実は逆の事なのだ。

つまり、もし本当に全てが無常すなわち絶えず変化してるのなら、変化を感じる

ことさえできない。矛盾した話のようだけど、人が無常感を味わうためには、実は

常なるもの、変わらないもの、じものが必要なのだ。一方で変化を全般的に承

しつつ、方では化の一部分を疑問視したり否定したりする、これが我々の

宿命なのだ。

                  

例えば、大木のそばで自殺した鉄平と、理想のリーダーとして活躍してた鉄平を、

我々は同じ一人の存在として見る。キャラと呼ぼうが、実体と呼ぼうが錯覚と呼

ぼうが、いずれにせよ「変わらないもの」をそこに見るのだ。つまり我々は、同じ

一人の鉄平が、異なる状態になったと考える。これが、自殺という名の変化、あ

るいは「流転」の実情だ。当たり前の事だけど、よく考えると不思議な認識だ。

そしてさらに、理由は何であれ、この変化をそのままでは納得できない時、人は

また別の「変わらないもの」、「同じもの」を求める。変化全体を通じて、変わるこ

となく適用可能な、「説明」というものだ。例えば、自然の変化を説明する自然法

則なんてものは、変化を通じて「変わらないもの」の代表例である。

      

ここで一旦、ポイントを整理してみよう。人は世の中に、無常、つまり絶え間ない

変化を見て取る。その一方で、変化しないものも色々と要求する。とりわけ納得

できない変化に対しては、説明という名の変わらないものを求めることになる。

だから、なぜ自殺したのか?と説明を求める私も、「でも僕は、なぜ、明日の太

陽を見ないのだろう」とラストで説明を求めた鉄平も、納得してないのだ。より

一般的に言うなら、人は無常感だけでは生きていけないということだ。

          

では先に、そもそもどうして納得できないのかについて考えてみよう。まず鉄平

がなぜ納得できなかったのか。彼は死の直前にコタツで書いた遺書で、次のよ

うに書いていた(文章ではなく、書いてる途中の思いとも考えられる)。

  「夢の実現には困難を伴い、時として夢は人を苦しめる。

   それでも僕は、未来を切り開くことができるのは、

   夢に情熱を注ぐ人間の力だと信じている」

だから自分も、明日の太陽、それ以降の太陽をずっと見続けながら、苦しみの

中で夢に情熱を注ぎ、未来を切り開くべきだ。それなのにこの後すぐ、自ら死を

選ぶのは納得できないという訳だ。

もちろん、「今の僕に何が出来るか、そればかり考えてきた」結果だけど、「自分

勝手で卑怯な方法」だと分かってるし、家族やみんなに対して「すまない」とも十

分思ってる。だからこそ、死ぬのは納得できないのだ。

ちなみに、「明日の太陽を見ない」には「未来の希望を見ようとしない」という意

味も含まれてるだろうけど、ここでは大した違いは生じない。

      

一方、私が納得できない理由はそれ以外にも大きく分けて二つある。一つは、

どうして30代半ばの大人の男がそこまで父の愛に執着するんだろう、という疑

問。母の愛や兄弟愛、早苗や芙佐子や太郎の愛、従業員の愛、三雲の愛、敬

介の愛、将軍の愛。あふれんばかりの愛に包まれて、おまけに才能もあり、生

活にも困ってないし、普通の意味では病人でもない。なのになぜ?って疑問だ。

     

そもそも鉄平が「デスペラード」(絶望的になりつつ必死に切望するならず者=

破れかぶれのばくち打ち)になって、結局ばくちに負けた(爆発事故、倒産、解

雇、父への敗北と絶望、自殺)のも、父の愛に飢えてたからだろう。早苗宛の遺

書にもほのめかされていた。鉄作りや、海外進出、高炉建設なんて夢も、父の

愛の手近な代理物にすぎないのだ。この年でそこまで父の愛だけに固執する

人間なんて、知らないどころか聞いたこともない。まして、現在ならともかく40年

前の日本にそんな人間がいただろうか。そう考えると、ドラマの外部の問題、

まり脚本や原作への疑問も生じるけど、差し当たり置いとくとしよう。

           

もう一つは、夢とか情熱とかより先に、生きること自体が必要だと、どうして分

からないんだろう、という疑問。その点、銀平は奇妙なくらい巧みだ。原作はと

もかく、ドラマの彼は何とも曖昧なキャラになってしまってるけど、最終回を見る

ことで、前回の記事の指摘が正しかったことを再確認した。彼は要するに、自

分の命を守ってるのだ「兄さん殺したのは僕とお父さんです」と言いつつ、後

追い自殺する訳でもなければ、頭を丸めて出家する訳でもない。お父さんの目

が届かない場所で、昔と変わらない批判を繰り返すだけだ。「本当に思い通り

だろうか・・・銀行家の理念を失い、後継者も育たない。いくら大きくなっても、

志を失った銀行の未来は明るくはないですよ」

         

この批判は二つの面で恥ずかしい。内容自体と、あの場で他人事のように口

にする行為自体。お父さんや銀行の将来性にこんな陳腐な批判を浴びせ続

ける暇があったら自分が何とかしろ!と怒鳴りつけたくなる所だ。でも冷静に

考え直してみると、これはサバイバル戦略としてなら間違ってない。自分に本

気で批判的視線を浴びせれば、あまりの情けなさと恥ずかしさで生存不能な

はずだ。アルコールの量が増えるのか、睡眠薬が増えるのかはともかく、遠

い世界に旅立つことになるだろう(銃は彼には無理)。そこで、批判は表面的

には父という他人に向ける。ただしそれも中途半端なものにすぎない。

    

兄への愛、父への批判、自己への反省、アルコールや睡眠薬の量、全てを

途半端にしたまま、それでも生き続ける銀平は、生物として鉄平より優秀と言

えるかも知れない。つまり鉄平に欠けてるものは、命への執着なのだ。それさ

えあれば、銃をかついで雪山に行く代わりに、ひとまずどこかで静養して心身

を休めるくらいの事は思いつくだろう。あるいは、かかりつけの医者とかに相

談する程度の事はするだろう。不幸にもこの時代にはまだ優れた向精神薬が

無いにせよ、笑顔で優しく応対してくれる医者と軽く言葉を交わすだけでも、ず

いぶん気が晴れただろう。言葉と笑顔には命を吹き込む力があるのだから。

             

では最後に、なぜ自殺したのか、なぜ明日の太陽を見ないのかという疑問に

対する説明を試みよう。それは、正しい説明である必要はない。私自身があ

る程度納得できれば、腑に落ちればいいだけのことだ。理想のリーダー鉄平

から卑怯な道を選ぶ鉄平への連続的変化を通じて、変わらずに存在する事

柄を見出すのが手がかりとなる。

    

すぐに思いつくのは、父・大介への過剰な愛、とりわけ甘えだ。僕を愛してくだ

さいという甘えた愛。けれども、これ自体がそもそも納得できないものだと既に

書いておいた。また、挫折した父への愛=甘えを新たに他のものへと転化で

きれば、あるいは捨てられれば、自殺する必要などない。だから、父への過剰

な愛とは別の説明が望まれる。父への愛よりも自然で、しかもその過剰な愛の

持続をも説明できるものであるべきだろう。

      

それはやはり、過剰な自己愛だ。前回、鉄平が一番大切に守ろうとしてるのは

プライドと淋しい心だと書いたけど、自己愛という言葉でまとめ直そう。理想主

義的で、大部分が無意識的な自己愛。ここにプライドも含まれるし、ここから父

への甘えも導かれる。ドラマ全体とも、これまでのウチの記事とも整合的だ。

     

自己愛とは自分を愛する気持ちだから、子供から大人まで老若男女を問わず

誰でも持っている自然なもの。ただし鉄平の場合、それが巨大で、しかも理想

主義的な方向に偏ってるのだ。

最終回の冒頭で歌われてた『上を向いて歩こう』が象徴しているように、鉄平

はずっと上を向いて歩いてきた。それは、自分の愛する人にもっと魅力的に

なって欲しいという、ごく普通の思いによるものだ。典型的なナルシスト鉄平の

場合、愛する人とは自分自身で、その思いも強い。だから、自分を強烈に向

上させて、より魅力的にしてきたのだし、それに連れてプライドも巨大化する。

巨大で理想主義的な自己愛とはこうゆうことだ。ただし、大部分が無意識的だ

から、自分で判らないし、どうする事もできない。意識レベルで、自分に納得い

かないということにもなる。

    

ところで、たった一人だけ鉄平の自己愛を傷つける人物がごく身近にいた。

それが父・大介だ。全く偶然的な出来事(父・敬介による妻・寧子の強姦)の

ために、大介だけは自分を評価してくれない。愛してくれないほとんど唯一の

人物だからこそ、鉄平は大介をふり向かせたいのだ。つまり、彼は父に固執

してるのではなくて、完全な存在としての自分に固執してるのだ。

     

ところが、もはや父は自分を愛してくれないことが決定的となった。もはや自分

は完全な存在にはなれない。だから自分を殺すのだ。不完全という現実を突き

つけられた自分はもう愛せない。むしろ、完全という理想を目指していた自分

の方が愛すべき存在だ。その典型こそ、山の樹の下にいた自分なのだ。祖父

や三雲(柳葉敏郎)と共に、理想を追い求めていた自分、まだ父に愛される可

能性があった自分、上を向いて歩いてた自分。

理想的な自分へと戻って、そこで固定すること。それこそが、自殺なのだ。。

    

最後に、記事全体をまとめてみよう。人は昔から、世の中に無常を感じてきた。

絶えず全ては変化する、生滅流転するという実感だ。最終回を見終わった後、

あらためてその無常感に浸ることになった。

でも、その一方で、人は無常感だけでは生きていけない。変化する世の中で、

変化しないものを必然的に要求するのだ。例えば、そのままでは納得できない

変化に対しては、変化の前後を通じて変わらない説明をあてはめて、それで納

得しようとするわけだ。

ところで、鉄平の自殺という変化はそのままでは納得できない。自殺の前から

その瞬間まで、あるいはドラマの初回から最終回まで変わらなかったのは何だ

ろう。それは、巨大で理想主義的な自己愛だ。完全を目指していた自己愛が現

実的に挫折した時、最も理想的だった自分へと戻って、そこで固定しようとする。

それが、山の樹の下での自殺だ。ただし、自己愛の大部分が無意識的だったた

めに、最後のコタツでいくら考えても、なぜ死ぬのか自分で判らなかったのだ。

     

 「でも僕は、なぜ、明日の太陽を見ないのだろう」

 「それは、明日が雨だと知った君が、快晴だった昨日の太陽を見てるからだろ。

  でも、天気予報ははずれることもあるし、曇もまたいいもんだよ。

  君が最後の瞬間に、雲の切れ目に見た太陽も、眩しかっただろ?♪」

    

          ☆         ☆          ☆

終わった。。まだ完全じゃないけど、現実主義者としてはこの辺で妥協しとこう。

荒川マラソン完走より遥かにキツかったな。これだけのパワーを注いだのは、

去年の正月の『生きる場所を求めて~野ブタ再考』以来のことだ。

でも、こうして超マニアックなブログ記事という形で、無常感に僅かな抵抗を見

せても、この抵抗自体が所詮は蜃気楼のようなものかも知れない。

まさしく、春の夜の夢の如し。ただし、刺激的な夢だった。長すぎるけどネ♪

     

全員に愛されるどころか、ほとんど誰にも愛されなくても、少なくとも私自身は、

この記事を書いた私を愛してる。これこそ自己愛であり、プライドというものだ。

  でも僕は、理由を問わず、明日の太陽を見る。

  たとえ、それが雲に隠れていたとしても。。

    

ではまた、どこかで会えることを星に願いつつ。。。☆彡

     

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

P.S.原作は大介が主人公だから、結末は大介と寧子と相子3人による、

    寂しくて華麗でない食事風景だ。まさに、無常感漂う情景。もうドラマ

    が終わったから、ネタバレにもならないでしょ。

     

P.S.2 銀平もナルシストだけど、彼の場合は鉄平と違って現実主義的な自

      己愛だ。外的現実を重視した上で、現実の自分を愛してるのだ。自

      己保存本能なんて精神分析用語を使いたくなるところだけど、本能

      かどうかは分からない。フロイトもその辺りの態度は慎重だった。

   

P.S.3 今回、イーグルスの『デスペラード』が流れたのは、葬列の車から降

      りて遺影に煙を見せる辺り。デスペラード鉄平の博打での敗北と絶

      望、そこに向けられる人々の愛、別の意味での勝利(操業再開、高

      炉完成、志の継承)を、美しくも切ない曲で表現していた。

      もちろん、デスペラード大介の勝利(銀行合併)と敗北(実の息子の

      喪失)や、デスペラード2人に対する周囲の思いも含めて、すべてを

      優しく包みこんでいた。。

    

P.S.3 前回デスペラード仲間に加わった銭高(西村雅彦)は、普通の意味

      では、結局ばくちに負けたことになる。予想通り(?)、最終回では

      敗北後の銭高については触れてなかった。

   

P.S.4 鉄平の手紙と「遺言」=最後の言葉については、昨日の資料記事

      で全文掲載しておいた。マニアックな方は、ご参照あれ♪

   

P.S.5 『デスペラード』の少し後に発表されてる、中島みゆき『世情』は、

      今でもあちこちで耳にする古典的名曲で、本人の意図とは別に、

      『華麗』やこの記事とも関連してると思う。ちょっと暗いけどネ♪

      歌詞の冒頭を参考までに。

    

      世の中はいつも変わっているから 頑固者だけが悲しい思いをする

      変わらないものを何かに喩えて その度崩れちゃそいつのせいにする

   

P.S.6 このドラマも、ストーリー的には続編を作りやすいと思う。ただ、視聴

      率と制作費を考えるとコストパフォーマンスが低すぎて無理だろうな。

      スペシャル版なら何とかなるかも知れないけど、キムタクをどう扱うか

      が難しい所。敬介の役で出演させたらコメディだしネ♪

   

P.S.7 視聴率、関東30.4、関西39.3! ギョエッ、凄い数字だな♪

      関西は、地元ってことか。いずれにせよ、恐るべし、キムタク人気。。

    

P.S.8 記事本文で引用した「夢の実現には・・・」とかいう鉄平の「遺言」は、

      公式サイトのメイキング・オブの写真によると、便箋に書かれてた。

      ただ、それが早苗宛の手紙のラストなのか、それとは別に書かれた

      遺書なのかまでは分からない。ドラマでも、手紙とはハッキリ区別し

      て読んでたので、さしあたり別物としとく方が無難だろう。。

        

P.S.9 ちゃぶ台ひっくり返しで有名な辛口ブログ『アンナdiary』の情報による

      と、「でも僕はなぜ明日の太陽を見ないのだろう」という台詞は、遺書or

      手紙にない言葉をキムタクの希望で最後に付け加えたものらしい。そ

      のくらい、キムタク自身が全く納得いかない死だったということだし、そ

      んな事が可能なくらいキムタクは大物だということでもある。

      なお、情報源は、東京FM『木村拓哉のWHAT’S UP SMAP』3月

      23日の放送。遺書or手紙にその一文だけ書かれてないことについて

      は、公式サイトのメイキング・オブの写真で確認できた。

      キムタクの考えについてはほとんど知らないのでファンにお任せする♪

       

          ☆          ☆          ☆

cf.夢見る息子vs現実を見る父~『華麗なる一族』第1話

   鉄平と大介の心理分析~『華麗なる一族』第1話補足

   『華麗なる一族』第1話、ドラマと原作の比較

   無言で泳ぎ去った将軍~『華麗なる一族』第2話

   『華麗なる一族』第2話、ドラマと原作の比較

   腰を抜かした理想主義者たち~『華麗なる一族』第3話

   『華麗なる一族』第3話、ドラマと原作の比較

   理性を翻弄するものの次元~『華麗なる一族』第4話

   『華麗なる一族』第4話、ドラマと原作の比較

   多様なバランスの饗宴~『華麗なる一族』第5話

   『華麗なる一族』第5話、ドラマと原作の比較

   鉄平と大介、2人のデスペラード~『華麗なる一族』第6話

   『華麗なる一族』第6話、ドラマと原作の比較

   星に願いを~『華麗なる一族』第7話

   『華麗なる一族』第7話、ドラマと原作の比較

   死と再生~『華麗なる一族』第8話

   『華麗なる一族』第8話、ドラマと原作の比較

   大切に守りたいもの~『華麗なる一族』第9話

   『華麗なる一族』第9話、ドラマと原作の比較

   『華麗なる一族』最終回、ドラマと原作の比較

                

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   冬ドラマは『華麗なる一族』で決まり!☆

   『華麗なる一族』鉄平=キムタクのモデル

   『華麗なる一族』最終回、鉄平の手紙と遺言

    

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  鉄の悲劇から、犬の感動物語へ~『南極大陸』第1話

  映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』、軽~い感想♪

| |

« 『華麗なる一族』最終回、鉄平の手紙と遺言 | トップページ | 荒川ゴールから5日半、ようやく再始動 »

心と体」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

芸能・アイドル」カテゴリの記事

コメント

お疲れ様でした!!ようやく終わりましたね!!まぁ自分は1話目で燃え尽きていたので・・・。
将軍はひどかったですね。こうなったら将軍の息子に復讐してもらって大介を自殺に追い込むか・・・。まぁ富国銀行に飲み込まれても絶望したりしない人なんでしょうね・・・。
内容は大体思った通りの展開でしたね。とにかく、終ってくれてホっとしてます♪次クールはどのドラマを狙ってくるのか?期待してます!!また、よろしくお願いします!!

投稿: お気楽 | 2007年3月22日 (木) 18時43分

はじめまして。
猟銃自殺した鉄平さんの顔があまりにきれいで興ざめしたというひねくれ者です。

>一つは、どうして30代半ばの大人の男がそこまで父の愛に執着するんだろう、という疑問。

まったく同感です。
原作では、鉄平さんが自殺に至った過程に自分なりに納得できる部分はあったんですけど……。

ってことで、トラックバックさせていただきました。

投稿: | 2007年3月22日 (木) 19時00分

あれ~~~~?

TBもコメントも受け付けてくれないよー(涙)
なんで?もう一度トライ!エイ!送信!
どだ!?

投稿: アンナ | 2007年3月22日 (木) 22時40分

>お気楽さん

どうも♪ 遅くてすみませんでした。
ホント、ようやく終わったって感じですね。
って言うか、ドラマ終了を喜んでるでしょ?^^
僕は記事終了が嬉しくてネ。あ~しんどかった。。
将軍の息子、今頃あの池で怒ってるでしょうネ。
大介はしぶとく生き残ると思いますよ。相子も。
思った通りの展開でしたが、出来栄えは予想以上。
十分満足しました☆
こちらこそ、またよろしくお願いします。

>栞さん

はじめまして。TB&コメントありがとうございます♪
あの顔のきれいさに興ざめか。。
ヒネリが入っててイイと思います☆

そうなんですよ。原作はあんまり違和感ないですよね。
ドラマはあまりに美化されて来たこともあって、
何でお父さん?何で自殺?って感じが強くて。。
ま、おかげで脳トレーニングにはなりましたよ(^^ゞ

>アンナちゃん

エッ、上手く行かないの? 何でだろ。
どっかにコピーしてから送った方がいいかも。。

投稿: テンメイ | 2007年3月22日 (木) 22時47分

再び。。。。私(苦笑)
さっき感動のレビューに、ありがとうのコメント
したんだけどスパムコメントと認識されちゃって
送信出来なかった。エンエン(泣)
何度トライしてもダメ。。。
しゃーない!ひと言!

 ありがとうーーーーーー!(涙)

投稿: アンナ | 2007年3月22日 (木) 22時48分

また来た(笑)
ガードかけられた(苦笑)

もう、自己愛のところで思い切り頷いちゃったのよ。
鉄平が愛したのは己だった。。。云々。
なるほどな~っ、テンメイさんの奥深いレビューは
すごいよね。そう来たか!って感じです。
30過ぎた男が、そこまで父への愛に執着する気持ちが
私もあまり理解できなかったんだけど、自己愛だと
解釈すると納得。
諸行無常なんて言葉、テンメイさんじゃないと
使わないよ(笑)宗教ですか?なんだか神秘的♪
意味よくわからないけど(笑)

こんなに奥まで入り込んで真剣にドラマを見て
ひとりで楽しんでいるテンメイさんに
あっぱれ!(笑)お疲れさまでした。

投稿: アンナ | 2007年3月22日 (木) 23時46分

>アンナちゃん

ごめん、ごめん! ウッカリしたわ<(_ _)>
でもエライぞ! まさかホントにまた来るとは。。(^^)
おまけに最後までちゃんと読み通したっぽくて☆
エッ、途中とばした? あっ、そう♪

ホーッ、アンナちゃんが自己愛に頷くとは思わなかったな。
さすが、並のキムタクファンじゃないネ。
日頃、怒られてるだけのことはあるわ^^

諸行無常って習わなかった?
ダメダメ、心に刻まなきゃ! 日本人の基本だよ♪

  心も街も風も雲も、すべて絶えず流れ去ってる。
  あ~淋しいな、切ないな、執着しても仕方ないな。
  でも、だからこそ美しいな、愛しいな。。
  
って感じの思いのこと。ここで座禅して瞑想したら宗教。
この一瞬を大切に味わいつつ生きよう、と思えば普通の人だよ。

ひとりで遊んでるって、笑えるな。変な人みたいじゃん^^;
ひとりで思索にふけってる、にしてくれない?
ま、似たようなもんか♪

とにかく、アンナちゃんも萌えたり泣いたり大変だったでしょ。
お互い、お疲れさま!\(^o^)/☆☆☆


投稿: テンメイ | 2007年3月23日 (金) 00時48分

テンメイ様、おはようございます。

ゴールおめでとうございます。
フィニ・・・ッシュと書くと
ガードされそうなのでおっかなびっくりです。
ゴールもインをつけるとガードされるかな。
まあ、バックアップを忘れずに・・・と。

アンナ様が切り開いた道を後追いですよ。
TBは相変わらず返せません。すみません。

中島みゆきの「世情」は
分かりやすい引用ですよね。

シュプレヒコールの波は通り過ぎてゆくのですね。

まあ、レビューする行為が
「世間を見たような気になる」行為でも
あるのですけれど。

追い込んで追い込んで得た結論が
「自分のために死んだ」や
「あきらめた」に
なってしまうと
追い込まない人には
「なんだそんなことか」になってしまうので
そこが楽しいところですよね。
いや、追い込む快楽を知らない人が
いるってことがですが。

ちなみに「世情」は中島みゆきの四枚目の
アルバムの収録曲で
発売は鉄平の死からおよそ10年後・・・。
鉄平の死後、荒れ狂った政治の季節の後。
生き残ったものたちの心をなぐさめるような
神々しさに満ちています。

「世情」自体は矛盾をはらんだ曲で
時の流れをとめようとする者も
流れるものも
「変わらない夢」を見たがっているし
見たがっているもの同士が戦うのです。

それを包み込むような歌であり
そのあたりが「神」なわけですが・・・。

鉄平の死の後、
冬の山では若者同志が殺し合い
国家と殺し合い
あるものは半島に逃げ
そして拉致に手を貸したりして
無惨な傷痕を残すわけです。
そういう世の中の情なのですよね。

ポップス史的にいえば
「岡林」「たくろう」と言う男性神が去った後に
「みゆき」「ユーミン」という女神が降臨した・・・
という感じになりますから。

つまり、男社会の崩壊と父性の喪失の先駆なのですね。

「男らしい最後でした」が通用しないのも当然かも。

ともかく、刺激に満ちた素晴らしいレビューでしたね。
キッドも相当に影響されましたよ。

最後に「世情」が収録されたアルバムタイトルで
しめたいと考えます。

「愛していると云ってくれ」(中島みゆき)


投稿: キッド | 2007年3月23日 (金) 08時42分

テンメイさん、こんばんは。

うわー、な、な、長い!すごいわ。おつかれさまでした。

よかったですよ。泣けなかったですけど。

>完成度が高かった。特に感じたのは、贅沢なまでの時間の使い方。

そうですね。1話も少し思ったんですけど、最終回はすごくそれを感じました。

>鉄平が小屋を出て死ぬまでの時間だけで実に約10分!

これでもかっていうくらい長かったわ。でも、これくらい長くないとダメなのかなって、思いましたね。音楽もすばらしかったです。

前田吟さんが言う「男らしい最後でした」はこの自殺が、現代のものとは意味合いの違う「自決」ともいうべきものだったのかなと思わせられました。まあ、鉄平くん本人はそうは思ってないんじゃないかなって思うんですけどね。

やっぱり大介パパの息子だったのね。あのシーンはあーあ、やっちゃったよって思っちゃったんですけどね。あんな、紙切れ1枚に書かれた血液型で変わってしまうのね。大介パパの演技はもっとおおげさに狂ったようにしてくれても良かったのにとちょっと残念です。一歩間違えれば喜劇になってしまいそうな感じだとよかったんだけどなあ。

しかし、「平家物語」がくるとは思わなかったですわ。「諸行無常」ですか。なんとなくこのドラマにはふさわしいような気がしてきますね。

>コタツに置いた阪神特殊製鋼の制服にスリスリするシーン

全国のキムタクファンが萌えてるんだろうなと思いましたわ。私は、これがPちゃんだったら制服になりたい!などと不謹慎なことを思っておりましたが。

なにはともあれ、キムタクくんのすごさを改めて示してくれたドラマだったと思います。

最後に、テンメイさんに一言、8話のレビューで『Yahoo!とGoogleで「トーテムとタブー 華麗なる一族」を検索してみたら、実質的にはゼロ! したがって、現時点でこの記事が日本で唯一のものとなる。』って書いてたところ、読んでいてふきだしましたよ。こんなの書くのはテンメイさんしかいないと思いますわ。8話のコメントでかくのを忘れてしまったので、さいごに書かせていただきました。

来期は何になるんでしょうか?楽しみにしていますね。

投稿: youko | 2007年3月23日 (金) 23時15分

>キッドさん

アハハ・・(^^)
そんなに地雷だらけじゃないですよ。
まだ犠牲者はアンナちゃんでたった2人目♪
あんまり多いと迷惑だし、自分も大変だし。。
ただ、キッドさんのコメントはスーパーヘビー級
だから、爆死の可能性が高いかも^^
ま、ウチは今のところ承認制じゃないので、
悪しからずご了承ください。
今となっては、アンナちゃんの最初の
コメントの冥福を祈るばかりです。
文面を推測して苦笑しつつ、合掌。。♪
TBは原因不明です。どうもすみません<(_ _)>

それはともかく、流石ですネ! 世情に食いつくとは☆
おまけに、2番の歌詞ですか。
「包帯のような嘘を見破ることで
 学者は世間を見たような気になる」
星になった鉄平はうなづいてるかな。
中島みゆきなら、こうゆう言葉は自分にも反射して
鋭さが鈍ってしまう事くらい分かってるでしょうけどネ。

たとえ話をしましょう。
食欲のない子をどうすればいいか悩んでる親に相談された
料理人が、「オムライスを作ってあげよう」と言います。
親は「なんだそんなことか」と呟きます。
でも、その親が作るオムライスとは全く別物だろうし、
なぜカレーライスやハンバーグではダメなのか、
料理人はちゃんと説明できるでしょう。
その場ですぐにカレーとハンバーグとオムライスを作って、
親と子に食べ比べてもらうことも出来るでしょう。
追い込んだ上でオムライスを提案するとは、そうゆう事です。

中島みゆきやユーミンは女神ですね。
彼女らの曲は、時の流れを止めるかのように
変わらないままの魅力を持ってます。神は永遠の存在。
『卒業写真』で泣けと言われれば、すぐ泣けますよ♪
『世情』がもっと新しくてメジャーな曲だったら、
記事のメインに使ってたかも知れません。
ただ、当時のシュプレヒコールってのは、祝祭とか「スポーツ」の
意味合いも強かったんじゃないかなと想像しています。。

最後が「愛していると云ってくれ」ですか。座布団3枚!
これが含む意味を長々と解読したくなりますが、
無粋だから止めときましょう。見事なしめでした☆☆☆


>youkoさん

こんばんは。珍しい時間帯ですネ。
長いでしょ。マジで疲れましたよ^^;
読む方が疲れる? あっ、そう♪

僕は、メリークリスマスと、相子がドアを閉めた直後で
ウルっと来ましたよ。どっちも凄くよく分かるもんで。。
初回と最終回の出来がいいと、全体の印象がアップしますね。
ホント、雪山のシーンは、まだ続くのかって感じの長さ。
でも、その長さが心地良かった。お見事と言うべきでしょう。

「男らしい最後」ってのは、当時の第三者の感覚ですね。
鉄平自身はそんな感覚はないでしょ。
むしろ、わりと現代的な自殺だと思います。
だから余計に分かりにくいんですけどね。

大介パパ、あれ以上大げさだと、もろにコメディでしょ♪
ひと恋と違って、純粋悲劇なんだから。
ま、永田は軽いお笑いをとってましたけど。

平家物語、昔から好きなんですよ。
折角、覚えてることだし、記事に使っちゃいました。
雪山も萌えシーンも、やっぱりキムタクは大物ですね。
認めざるを得ないでしょう。悔しいけど。。

「諸行無常 自己愛 華麗なる一族」の検索も実質的にゼロ♪
記事全体にせよ、「日本で唯一」なんて一文にせよ、
やっぱりテンメイさんしかいないでしょ(^^)v
って言うか、そんな昔の事をずっと心にキープしてたんですか!
ま、ある意味ありがたいことかな。ちょっとビミョー。。

来期のドラマ、まだ全く情報ゼロです。
しばらくドラマは忘れたいな。。。^^;
ではまた、どこかで♪☆


P.S.Yahoo!にずっと無視されてたこの記事、
    ようやく検索対象になったようです。
    「華麗 木村 なぜ自殺」で見事第1位獲得(^^)v☆
    たった108件中ですけどネ。。
    


投稿: テンメイ | 2007年3月24日 (土) 04時51分

 テンメイさん、こんばんわ。
 ほんとにお疲れ様でした。

 テンメイさんは平家物語の無常観を連想したんですね。
 確かに、一時の栄華ほど儚いものは無いと思います。
 敬介が築き上げた物も、鉄平なりの正しさも、大介の大儀も
あっという間に崩れてしまうんですから。
 その切なさと『デスペラード』は、すごく相性がいいと思います。

 自己愛、ですか…。
 自殺に走る人は『現実から逃げる』のが目的ですし、
そうすることで『自分を守る』訳ですもんね。
 その根底には、やはり周りではなく、自己に向ける愛の強さゆえだったのかもしれませんね。

投稿: Urara | 2007年3月24日 (土) 18時47分

>Uraraさん

こんばんは♪ お互い、お疲れ様でした☆
そうなんですよ。「ああ無常」って感じ。無情じゃなくてネ^^
細かい話で恐縮ですが、変換ですぐ出る「無常観」ではなくて、
わざと「無常感」という漢字を使ってます。
手元の本を参考に僕なりの説明をすると、
「無常観」ってのは常で無いという観方。つまり客観的認識。
「無常感」ってのは、それに加えて、淋しさとか
哀しさとか、美しいって感じとか。つまり主観的感情。
仏教的な無常観ではなく、日本的な無常感を問題にしてるのです。

マニアックな区別はともかく、確かに『デスペラード』には、
世の無常や人の無常感を全て受け止めてくれる優しさがありますネ♪

僕の自己愛説ってのは、以前の誤射陰謀説と同じで、
仕方なく主張してることです。
要するに根本は、原作と違ってドラマの鉄平の死は
おかしいってこと。キムタクも強く拒絶してますしネ。
そのおかしいドラマに、せめてもの筋を通そうと
思ったら、僕にはこれしか見当たりませんってことなんです。

それにしても、Uraraさんの記事は面白かったな♪
特にトンデモ妄想理論、お見事でした\(^o^)/

投稿: テンメイ | 2007年3月25日 (日) 04時56分

テンメイさん、こんにちは!
スキーはいかがでしたか?
このへんですれ違ってしまい(^^ゞ
ご無沙汰してしまいました。

>では最後に、なぜ自殺したのか、なぜ明日の太陽を見ないのかという疑問に対する説明を試みよう

あんなに強かった鉄平の選択が自殺で
しかも、最後に問いかけてる?、、って
ワタシもこれがよくわからずでしたが
ここで読ませていただいて、スッキリしました。
さすがですね~v( ̄ー ̄)v
一方で
靴下を脱いだ意味がわからなかったテンメイさんには
意外でしたー(ウソ~という感じ、、、笑)
あのあたりが妙にリアルに思い
涙腺が緩み出しました(^^ゞ
(しかも、ワタシも靴下を脱いでた)
今期もありがとうございました<(_ _*)>
また、どこか会えることを
桜に願いつつ( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ

投稿: ルル | 2007年3月25日 (日) 14時41分

>ルルさん

プチご無沙汰ですネ♪
スキー&スノボツアーは最高でしたけど、もう1ヶ月前!
よく覚えてましたねって言うか、
さてはそこで記憶が途絶えてましたネ?^^;

自殺はドラマだとかなり不自然なので、ウチらしく
マニアックにこだわってみました。
でも、まさか「僕はなぜ明日の太陽を見ないのだろう」って台詞が
キムタクによる付け足しだとは思いませんでした。
もちろん、ドラマのラストを飾るにふさわしいと判断されたからこそ、
採用されたんでしょうけどね。恐るべし、木村拓哉☆

靴下、そんなに明らかでした? ショック。。
確かに、あの意味を求める検索はいまだに1件だけ。
それにしても、あそこで涙腺を緩めつつも、しっかり
自分の靴下を脱いで足ツボを押してるあたり、さすがルルさん!
相変わらずチョコチョコと笑わせてくれますネ♪

では、再会を桜に願いつつ♪ 詩的だなぁ。。☆

投稿: テンメイ | 2007年3月26日 (月) 00時44分

こんばんは♪
続けざまかい!
の、まりこです。うふッ
つづき・・・は、ここでした。


さて、今回の記事はすんなり入っていくことができました♪

平家物語の冒頭の名文句は、私も高校の授業からすごく印象に残っていて、
今でも呟いてしまうくらいです。^^

人間の愚かさや、人生の儚さ、切なさ・・・。
鎌倉時代に書かれた物語が、色あせるどころか未だ輝き続けているのは、
日本人の意識や価値観が、700年以上もの昔から変わってないってコトなんでしょうね。
私も例に漏れず、どっぷり日本人なんです。


というワケで、冒頭部分が目に入ったとたん、いつも以上に期待が膨らみました!

一族を平家にたとえるなんて・・・
でも、確かに!!そうなんですよね。ミニ平家。
何で気づかなかったんだろうってくらい。

最終回の記事に相応しく、集大成。
他の記事も素晴らしかったけど、私はこの記事が一番好みです。

前回、☆いっぱいつけちゃったんだけど、
今回はもヒトツ追加ね!!

では!

投稿: まりこ | 2007年3月30日 (金) 00時28分

追記  

なんだかさっきのコメントはピンボケでしたネ。

ついつい平家物語に固執してしまいました。。
記事が長かったので、コメント書いてるうちにピントが外れてしまいました!!m( _ _ )m

テンメイさんのホントに書きたかったのは、
記事の後半ですよね。
こちらもすごく納得できたしモチロン好き♪
(鉄平がなぜ自殺したのかも、腑に落ちました!!)

以上??でーす。

寝ぼけまりこでした。

投稿: まりこ | 2007年3月30日 (金) 01時00分

>まりこちゃん

続けざまかい! って突っ込みを待ってるな♪
8話のつづきは10話かい!

おや、気が合うネ。相性イイかも☆
「人間の愚かさ・・」、オォー、頑張って書いてるネ^^
一族も平家、人間も平家。。世の中すべて、諸行無常。。
日本人が花見好きなのも、桜が儚くて美しいから。

星6つネ(^^)v ほんじゃ遠慮なく、☆☆☆☆☆☆

で、追記もくれたのか♪ 別にピント外れじゃないよ。
人間ドラマについて書いてるのが後半だけど、
もっと大きく世界を見てるのが前半と最後だもん。
普通はもっぱら人間見てるけど、
オレは自然を見てるわけ。人間もその一部分として。。

読むのも書くのも、よく頑張ったネ^^
大変よく出来ました!その情熱に、☆☆☆☆☆☆♪

投稿: テンメイ | 2007年3月30日 (金) 21時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: なぜ明日の太陽を見ないのか~『華麗なる一族』最終回:

» 華麗なる一族 最終話 「決意の死〜未来へ」 [テレビお気楽日記]
裁判で銭高常務(西村雅彦)が証言した事で形勢は逆転する。 [続きを読む]

受信: 2007年3月22日 (木) 18時33分

» 華麗なる一族 最終回 [思いつくまま*気の向くまま]
やっぱり書かなきゃいけないかなー。いや、別にそんな義務感感じる必要もないんやけど、一応ケジメとして・ [続きを読む]

受信: 2007年3月22日 (木) 18時56分

» 華麗なる一族(終) [ドラ☆カフェ]
「決意の死〜未来へ」※最終回視聴率は関東30.4%、関西39.3% [続きを読む]

受信: 2007年3月24日 (土) 11時55分

» 『華麗なる一族』 十.夢と虎落笛と明日の陽と [GOlaW(裏口)]
 『おろし』の風が吹く。 そは、祖父の御霊(みたま)が啼く声か。 そは、孫への虎落笛(もがりぶえ)か。 その刻、青年は祖父の荒御霊とともに、冥府に下らんと決意す。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・...... [続きを読む]

受信: 2007年3月24日 (土) 18時17分

« 『華麗なる一族』最終回、鉄平の手紙と遺言 | トップページ | 荒川ゴールから5日半、ようやく再始動 »