『ホタルノヒカリ』、ドラマと原作コミックの比較2
驚いたなぁ。。ドラマと原作マンガの比較を少しずつ記事にしようと思って、
ドラマ第2話に対応する場所をコミックで探すと、さっぱり上手くいかない。
前回の比較記事にも書いたけど、やっぱりドラマと原作はかなり違うようだ。
実際、原作者ひうらさとるのブログ『はてなにっき』をチェックすると、ドラマが
原作とかなり違うことが書かれてて、ドラマの面白さを強調してた(当然だけ
どね・・)。もともと原作をがらっとアレンジしたドラマはわりと好きってことで、
『野ブタ。をプロデュース』とかを例に挙げてある。確かに、『野ブタ』は上手
いアレンジだったよな・・(脚本は木皿泉)。
さて、こんな事もあろうかと、既に前回の記事から、タイトルに『第1話』とは
書かずに「比較1」とだけ書いといた。今回の記事は「比較2」ってことで、第
2話を中心に見るものの、むしろ比較記事の2本目って意味だと思ってね。
『華麗なる一族』の時と同様に、ドラマでまだ出てない話のネタバレにはで
きるだけ注意する。でも、ドラマと原作がかなり違うし、どちらもこの先の展
開を知らないから、結果的にネタバレっぽくなる箇所がちょっと出てくるかも。
その辺り、あらかじめご了承を♪
☆ ☆ ☆
さて、第2話に向かう前に、全体的な話から入ろう。ドラマでは、第1話の冒
頭は雨宮蛍(綾瀬はるか)のモノローグが50秒ほど続く。「ずっと昔 遠い夏
の記憶 おばあちゃんの家の縁側で見つけた 小さな蛍・・・」。映像は田舎
の風景でスタートして、縁側で幼少時の蛍を演じる吉田里琴の可愛い姿と、
夜の庭で光る無数の蛍が描かれてる。しばらく後の junaida によるタイトル
バックも、ファンタジックでメルヘンチックな少女時代の情景。
ところが、原作は干物女になった蛍のトボけた姿でスタート。前回はわざと書
かなかったけど、一番最初のセリフは、家を訪ねて来たOL仲間の「終わって
るよ・・・・・・!」だ。
これだけでも大違いだけど、驚いたことに、そもそも原作ではホタルがなかな
か出てこない。少なくとも、コミック第1巻・「LIGHT 4」(4つめの光、つまり第4
話、以下L4と略記)までには1匹も出てない。干物魚の絵はドガーンと出てる
のにネ♪ ただし、ホタルっぽい絵は時々使われてて、例えばp.26では落ち
込む蛍の背景にホタルっぽい光があるし、L1のラストp.42では、家と庭の全
景をホタルっぽい無数の小さな光が取り囲んでる。
一方、高野部長(藤木直人)との共同生活がいきなりスタート(3ページ目)す
ることは前回も書いたけど、干物女の反語or対立概念である「ステキ女子」
はずっと出てこない。三枝優華(国仲涼子)は第3巻の最初でようやく登場す
るようだ(目次だけ見た)。
ただしよく見ると、第1巻・L4に「ステキ女子なら・・・」っていう蛍のセリフがあ
る。その前にはまったく出てない言葉だし、第1話のドラマ記事に書いたよう
にこの言葉は『ホタルノヒカリ』の造語だろうから、奇妙な登場の仕方だと思う。
ひょっとすると、連載時にはなかったセリフを、コミックで書き足したのかも。
検索してもいい情報が出ないけど、ご存知のファンがいらっしゃっるかな?♪
ちなみに、そこに至るまでに「ステキ」っていう言葉が2回使われてて、最初
(p.53)は手嶋マコト(加藤和樹)がデザインしたイス、2回目(p.96)はマ
コトに対するもの。ってことは、このマンガで「ステキ」って言葉は特別な価値
を置かれてるってことだ。多分、しばらく後で高野部長に対しても「ステキ」と
言うんじゃないかな。あと、ホタルの夜景に対しても♪
時間が無くなって来たので、そろそろドラマの第2話(or第2夜)に目を向け
なきゃなんない。その前に、前回の記事に書き漏らしたことを一つだけ書い
とこう。ネタバレに注意して慎重に原作を読み進めてるために、前回は第1巻
L1までしか読んでなかった。でも、その後L4まで読んだ結果、ドラマの第1話
は大ざっぱに言って、L2くらいまでに対応してることが判明。ポイントは、マコ
トのイスの登場だ。以上、補足終了。
さて、それじゃあドラマの第2話について。この回は要するに、リノベーション
(大掛かりなリフォーム)と台風を通じて、蛍と高野とマコトの関係が深まる内
容だった。原作だと大ざっぱに言って、L2とL4に対応してる。つまり、L2は
ドラマの第1話と第2話両方に関わってるし、L3だけドラマから浮いてるって
こと。途中だから仕方なく読んじゃったけど、ネタバレだったかも知れないか
ら、ここにはL3の話は一切書かないことにしよう。
では、具体的な比較。まず、原作だとリノベーション話は全く出てこない。一
応、マコトが台風の時に蛍&部長の家に来そうになる話はあるけど、資料
を取りに来るわけじゃないし、実際には来るのを止めた。だからヘビ女も
リゾート女もなしで、高野が雨ガッパを来て資料をマコトに渡しに行くシーンも
ないわけ。ちなみにあのシーンで、台風に吹き飛ばされたゴミ箱が妙に目立っ
てたけど、原作であれに対応するものと言えば、大きな石が吹き飛ばされて
屋根に穴を開けるシーンかな。ま、マンガだからネ♪
その後、2人で金槌を使って屋根を修理することになって、蛍の手から滑って
飛んだ金槌が高野を直撃しそうになるものの、高野は動じずひたすら修理。
だから、ドラマの「重いんだもん♪」なんていう高野の「もんもん攻撃」は、脚
本家・水橋文美江の創作ってことだ。ま、ああゆうのに女性は萌えるってこと
かネ。ボク、男だから分からないんだもん♪ シ~~ン・・・ マジ、寒いわ!
誰も萌えなかった? あっ、そう。。
気を取り直して、あとちょっと。ドラマは最後、高野がからかって「君は無理!」
なんて挑発的セリフを投げたために、蛍は奮起してマコトにラブメール(or恋
愛系メール)を送信して、カメ女(背中に携帯載せて四つん這い)になって終了。
これに対して原作は、L2で高野が優しくマジメにアドバイスして、蛍が積極的
に動くことになる。この辺り、ネタバレの可能性があるのでボカして書いとこう。
ちなみにメールではないから、サブタイトルが「干物女とラブメール」となって
た第2話がかなりアレンジされたものだってことが分かる。原作者のひうらは、
第2話の脚本を読んですごく面白かったとのこと。リップサービス8割としても、
残り2割は本音だろう。
さて、時間が来てしまった。最後に、ドラマで聞き取りにくかったセリフについ
てコメントしとこう。高野がシンノスケっぽく「雨ガッパを笑った者にはカッパ
の報いが」と言うシーン。語尾が聞き取りづらくて、一応「が」と聴こえたけど、
どうしてそこで切るのか分からなかったから、ドラマ第2話の記事では「だ」と
しておいた。ここは他のブログを見ても、表記が分かれてた。ところが原作を
見ると、「が・・・」で終了。これ自体がどうしてなのかは分からないけど、ドラマ
は原作をそのまま受けてたわけ。ちなみに、原作だと「カッパ」じゃなく「河童」。
ふりがなは付いてるけど河童の絵があるわけでもない。単なる言葉遊びって
言うか、オヤジギャグってことかな。
これに対して、ドラマだと蛍は「ナイス雨ガッパ、ビバ雨ガッパ」と応答したよう
だけど、原作は「ビバ」の代わりに「モード」だ。原作の方が流れ的には適切
だけど、ドラマは分かりやすさを狙ったようだ。
なお、ドラマでかなり登場してる山田姐さん(板谷由夏、原作では今のところ山
田さん)はL4まで少ししか出てないし、要(武田真治)は全く出てない。原作は
ひたすら、渋くてカッコイイ上司と才能あふれるステキな年下の間で蛍が揺れ
動く三角関係になってる。確かにこれじゃあ、少女マンガならともかくドラマだ
と苦しいだろう。そう考えると、ドラマでの要のちょっと強引な使い方も理解で
きるような気がするな。
ともかく、ドラマ第3話のカメ女やドジョウすくい女にも期待しよう♪
ではまた、来週か再来週あたりに。。☆彡♥
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