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『ホタルノヒカリ』、ドラマと原作コミックの比較5

071008 今さら『ホタルノヒカリ』

 かよ!と突っ込んでるそ

 このあなた。そりゃ、ご

 もっとも♪ ドラマ終了

 からほぼ1ヶ月も経って、

 そろそろ秋ドラマのスター

 トラッシュになる時期だ。

 大量に来てたホタルへの

アクセスも激減してるし、『プロポーズ大作戦』の時から大勢いた藤木ファンの

読者の多くも、消えちゃったような気がする。特定のドラマと関係なく来てくれ

る読者ってのはまだまだ少ないよなぁ・・とかボヤいてる場合じゃないわな (^^ゞ

       

071008b 前の原作記事の最後に、

 あと1本原作記事追加す

 ると書いちゃったし、自

 分自身のけじめとか区切

 りってものもあるわけよ。

 ウチのブログの一番熱心

 な読者、つまり私自身も、

 記事を読みたがってる。

という訳で、読む人が減っても、ちゃんと最後の原作記事を書き終えて、夏

ドラマへの区切りをつけるとしよう☆

        

071008c 前回の原作記事の時点、

 つまりドラマの第10話

 を見る前の時点では、

 うらさとる原作のコミッ

 ク第7巻(講談社)の冒

 頭・第37章(Light37、

 以下L37と略記)まで

 読んでいた。その後、最

新コミックの第9巻まで読み終えると共に、掲載誌『Kiss』で最新の連載状況

も把握した。ドラマとの一番大きな違いは、干物女=アホ宮=雨宮蛍(綾瀬

はるか)神宮司要(武田真治)の接近で、今まで記事には書かなかったけど、

かなり前から伏線が張られてたことだから、それほどの驚きもない。前回の記

事の最後、ネタバレに配慮してわざと書かなかった意外な話があるっていうの

は、要との接近のこと。ドラマだと完全な脇役だった要は、マンガだと「第3の男」

だったのだ。もちろん、ステキ女子=三枝優華(国仲涼子)との関係はまた別

にあるから、漫画の要は色男とも言える。

           

まあ、要の話は原作特有のものだから、おいとくとしよう。ここではあくまでド

ラマと原作の比較ってことで、ドラマの4つのポイントについて簡単に見るこ

とにする。蛍とぶちょお=高野部長(藤木直人)の同居がバレること、蛍と

嶋マコト(加藤和樹)の同居、蛍とマコトの別れ、蛍の縁側復帰についてだ。

    

          ☆            ☆           ☆

1番目、蛍と高野の同居がバレたことについて。ドラマでは、干物姿目撃事件

から気まずくなった蛍とマコトの間を要がとりもつって形で、要がマコトをバイ

クに乗せて蛍の家に行き、そこで蛍と高野が同居してるのがバレてしまった。

これに対して原作だと、ホタルが自分からバラして、マコトが悩むことになる。

この間の事情を少し詳しく見てみよう。

   

前回の記事で、ネタバレを恐れて書かなかった重要な話っていうのは、結婚

の話だ。第6巻L33「干物の結婚観」で、蛍(原作では27歳)にも人並みの

結婚願望があるけど、マコト(原作では24歳)にはないってことが示されてる。

その後、第7巻L38~40で、マコトが天然ぶりを発揮して、大した意味もな

く北海道の実家に蛍を連れて行く。そこで蛍が勇気を出して、結婚したいなっ

て感じのことを言うと、マコトは「ちょっと考えさせてもらえる?」と冷たい(?)

応答、蛍はズ~ンと落ち込んでしまう。

    

結局マコトがメールで謝って「お家で・・・会いたい」って話に。蛍がマコトの家

に行くのとスレ違いで、マコトは蛍の家に向かう。メールの文面で気付いた蛍

があわてて高野に連絡、にゃんこ達の活躍もあって、無事マコトと高野のハチ

合わせは回避。ただ、結婚話もしたことだし、いつまでもマコトをダマし続けて

るわけにはいかないってことで、蛍がマコトに、高野との同居をバラしたってわ

け。結婚話の最中ってことだから、わりと自然で当然な流れだったのだ。

        

続いて2番目、蛍とマコトの同居について。ドラマだと、蛍と高野と3人で真剣

に話したマコトが、何とか蛍を受け止めて、以前の計画通り同居することに。

原作だと、マコトが高野に激情をぶつけた際に、高野が大人の余裕でアドバ

イスする。そんな感じで蛍にもぶつかれと。そこでマコトが蛍に、まだ許せない

けどもう一度だけ信じるからすぐにオレの所へ来いと、激しい思いをぶつける

(第8巻L46)。ところがその直後、蛍はマコトにふられたため、同居は結局

実現しなかった。仕方なく蛍は、ウイークリーマンションに住むハメになる。。

    

そして3番目、蛍がマコトにふられたことについて。ドラマでは、同居が上手く

いかないことをお互い実感した後、マコトから別れを言い出した。

原作だと、まず高野が事故にあって入院。そのお見舞いにマコトが行った時、

蛍がちょんまげ&ジャージの干物姿でいる所を目撃して、さらに蛍と高野が

仲良さそうな所も間近に見てしまう。その後、蛍とマコトが決定的な会話をか

わす。ほぼ全文を引用しよう(第9巻L49)。

     

   「・・・蛍ちゃんは お家ではいつもこんな格好なの?」

   「いつもってわけじゃ・・・ダメかな・・・?・・・マコト君がイヤなら直すし!」

   「・・・ダメじゃ・・・ないと思うよ

    始めからそんなふうに 自然なままで 恋してたら 

    誰だって 好きな人の前じゃ 無理したり見栄はったり 

    誰かに相談したり・・・すると思うよ 

    ・・・だけど だけど蛍ちゃんは 始めから・・・だったんでしょ? 

    “高野さんのコトバ”がなきゃ なに一つ始まらなかったんでしょ?

    ──ごめん オレにはやっぱり理解できない オレは・・・もう無理

    どうしてひとりで恋愛できないの?」

    

マコトの台詞は重要だから、完全に原文通りだ。ここは微妙な場面なのに、

ひうらはわざとボカした表現にしてるから、ハッキリさせとこう。ドラマの同様

の場面(第8話ラストの干物姿&仲良し姿目撃)と一緒で、ここでもマコトは、

ちょんまげやジャージ姿が我慢できなかったんじゃない。蛍がこれほどくつ

ろいだ姿を高野にはずっと見せてたことを、突然生々しい形で理解したこと

が衝撃だったのだ。より正確で包括的な言い方をすると、高野とのことは我

慢して蛍と同居するつもりだったマコトは、以前から続いてた蛍と高野のつ

ながりが予想以上に深いことを実感させられて、「やっぱり理解できない」

「もう無理」となったわけだ。

        

原作のこの場面を読んで、2つのことが納得できた。まず、ドラマの第8話ラ

ストの解釈で、やたら干物姿が嫌われたとする「誤解」がネット上で目に付い

たこと。原作ファンも多いはずなのに、原作にないエピソードだからなのかな

と不思議に思ってたけど、原作自体が曖昧に書かれてるからだったんだな。

これはひうらの特徴で、重要な場面でわざと曖昧な台詞を入れるのだ。

        

もう一つ納得したことは、ドラマの最終回でマコトがあっさり蛍を「ふった」こと

への不満が、ネット上で奇妙なくらい少なかったこと。要するに原作通りだっ

たわけね。それじゃ、不満が少ないはずだわ。ネタバレなしにドラマだけをきっ

ちり見てる者にとっては、ガクッと力が抜ける話だよな。。

      

そして最後、4番目のポイント。蛍の縁側復帰について。ドラマだと、マコトと

の同棲がすぐ破綻した後、1年後の夏に突然会社で蛍が「夏が来ましたね♪

 ビールの上手い季節がやって来ましたね☆」と意味ありげに高野に言って、

その夜に高野家の縁側へ戻ったわけだ。そして、蛍が告白。高野も告白もど

き。一見すごく奇妙なラストだったけど、ウチでは大胆に独自の「改釈」をして

おいた。つまり、蛍は少女に戻って、高野じゃなく縁側と結ばれたってお話

その辺りの解説は、最終回の記事にまかせるとしよう。

   

これに対して原作だと、要するにカネに困ってウイークリーマンション代も払え

なくなった蛍が、仕方なくしばらく高野家に戻ったってお話。マコトと同居する

はずだったのにふられてしまった蛍は、飲み代その他の交際費も膨張して、

家賃滞納状態に陥って、高野が軽く手を差し伸べただけのこと。縁側に戻った

のは、高野の言葉を蛍が勘違いしただけとも読める展開で、ドラマの「ハッピー

エンドもどき」とは内容的にかけ離れたものなのだ。

   

ただ、ここでもやっぱり一つ納得したことがある。それは、取って付けたような

「ハッピーエンドもどき」にも、ネット上での不満が少なかったように感じたこと

の理由だ。高野のもとに戻るって形だけ表面的に見るなら、これまたドラマは

原作通りだったわけね。な~~んだ。ズルッて感じの脱力感もあるけど、最後

に納得できて良かったわ。猿蟹合戦と同じで、めでたし、めでたし。。♪

                 

         ☆           ☆          ☆

原作から大きく外れて、蛍と高野を前面に押し出した脚本は、最後に形だけ

ちょっと原作に合わせたことになる。原作者に対する脚本家・水橋文美江

の配慮と言うべきか、原作へのオマージュ(敬意)と言うべきか。

         

ともかく、以上で『ホタルノヒカリ』の原作記事は一応おしまいにしよう。まだ書

くことは残ってるし、『オフィシャルガイドBOOK 干物女の恋愛図鑑』(いわゆ

るファンブック)も買ってるから、ひょっとしたらしばらく後にもう1本だけ書くか

も知れないけど、確率は5%程度かな。

とりあえず、この記事への反応を見させて頂こう。Yahoo!の検索ロボット君、

いつものように頑張ってくれたまえ。Google君もそろそろ心を改めようね♪

それでは。。☆彡

             

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

cf.女というものは存在しない~『ホタルノヒカリ』第1話

   ネガティブからポジティブへの反転~『ホタルノヒカリ』第2話

   愛の道化の温かさ~『ホタルノヒカリ』第3話

   安らぎへと回帰する緊張~『ホタルノヒカリ』第4話

   本を読むこと、本を書くこと~『ホタルノヒカリ』第5話

   閉じられた空間での静寂なる接近~『ホタルノヒカリ』第6話

   乗り越えられないものは存在する~『ホタルノヒカリ』第7話

   『ホタルノヒカリ』第7話の『猿蟹合戦』をめぐる解釈

   終わった夏、終わらない夏~『ホタルノヒカリ』第8話

   ありのままという縁側の難しさ~『ホタルノヒカリ』第9話

   縁側と結ばれた少女~『ホタルノヒカリ』最終回

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   『ホタルノヒカリ』、ドラマと原作コミックの比較1

   『ホタルノヒカリ』、ドラマと原作コミックの比較2

   『ホタルノヒカリ』、ドラマと原作コミックの比較3

   『ホタルノヒカリ』、ドラマと原作コミックの比較4

   『ホタルノヒカリ』最終回予告から予想される結末☆

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   悲劇を装った青春コメディー♪~『たったひとつの恋』最終回 

   感謝すべき遭遇、時空を超えた銀河~『ギャルサー』最終回

   救われない生の存続と終焉~『白夜行』最終回

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コメント

要の事がもっと知りたい!

設定年齢とストリーに違和感が・・・・。
ネットで面白いと言われた所だけにスポットを当てただけの辻褄あわせのように感じてしまいました。

要への扱いが酷く感じられた性かも?

投稿: 要ファン | 2007年10月 9日 (火) 15時51分

>要ファンさん

はじめまして。コメントどうもです。
 
設定年齢とストーリーに違和感っていうのは、ドラマ(要30歳)
のことか原作(要27歳)のことかよく分かりませんが、
いずれにせよ僕はあんなもんだと思います。
要以外についても、特に違和感はありません。
 
この記事の「要への扱いが酷く感じられた」せいでこうゆう
コメントになったんでしょうが、客観的に考察してるだけだし、
僕はもともと要にも武田真治にもわりと好意的なんですよ。

ウチには全部で17本もの『ホタル』の記事があって、
コメント欄も含めてかなりの事が書かれてます。
それら(特に第3話の記事)を全てきっちり読んだ上で、
ご自分のコメントを見直してみては如何でしょうか。。☆彡

投稿: テンメイ | 2007年10月 9日 (火) 22時07分

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