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『ガリレオ』最終回、核爆弾処理シーンの数学的解説

☆2022年9月19日追記: 9年ぶりの新作ドラマの記事をアップ。

 家庭崩壊の恨みを抱く古芝=山上徹也、手作りの科学的武器で政治家の暗殺を計画~『ガリレオ 禁断の魔術』レビュー(数式解説付き)

   

☆2014年2月17日追記: 映画の数式記事をアップ。

 ガリレオ『真夏の方程式』の数式、水ロケットの飛距離・初速度・発射角 )

   

2013年6月25日追記: 最新数式記事レビューをアップ。

  『ガリレオ2』最終回の数式、浄水器と管内の水の乱流&層流

  スイングバイによる軌道修正~『ガリレオ2』最終回・聖女の救済(後編)

   

    

      ☆     ☆     ☆      

ガリレオ最終回の記事第2弾は、今回の最大の見せ場の解説にしよう♪ 

島征志郎(久米宏)が仕掛けた小型核爆弾の、起爆装置の解除シーンだ。

湯川学(福山雅治)内海薫(柴咲コウ)が協力し合ったのは、クリスマスイブ

のラスト3時間。テレビ放映時間で言うと、21時48分~21時59分。22時ちょ

うどに湯川が内海と手をつなぐ前の10分ほどに、脚本家・古家和尚&福田靖

演出家・澤田鎌作を始めとするスタッフの職人芸を見た☆ 

   

連続ドラマ最終回の1シーンとして、あれ以上のものを望むのは、ないものね

だりってもんだろう。実に面白い! じつに素晴らしい! あそこに一体どれ

ほどの技が込められてたのか。。半ば理系の管理人が運営するマニアック・

サイトの威信をかけて、じっくり解説してみよう☆ 一番重要で湯川も苦戦した、

数列の箇所については、完全な解読だ (^^)v

   

湯川の解除作業はまず、素因数分解から始まった。「素因数分解を知らない

のか? 解除方法は7854通りと言っていたが、それはこのように5つの素数

に分解することができる。つまり、これからクリアしなければならない選択肢の

数は最大で5つということだ」

   

7854=2×3×7×11×17。このように、7854は5つの自然数(正の整数)

の掛け算へと素因数分解できる。すると、6つ以上の自然数の掛け算にはも

はや分解できない(1は使わないルール)。素数とは、1とそれ自身以外に約数

をもたない自然数(1は素数でないとする)。素因数とは、素数である約数のこ

とだ。2以上のすべての整数は、素因数の掛け算で表せる(ただ一通り)。これ

が素因数分解で、数学の基本となってる整数論の中心だし、現代の情報化社

会の核心となってる暗号理論の核心でもある。非常に大きな数の素因数分解

はコンピューターでも難しいって事実が、暗号の安全性につながってるわけだ。

   

ただ、ここでの木島の(orドラマの)使い方は、ほんのちょっと暗号理論を意

識したお遊びだ。5つの素因数に分解できたってことは、解除作業の全体が

5段階(以下)ってことだろうってお話で、「非論理的」な「勘」にすぎない。でも、

その後を見ると実際に5つのステージに分かれてたから、非論理的な勘は当

たったのだ。ただ、外れてても大した問題じゃない。まだ前置きとか助走の部

分にすぎないんだから。(追記最終回の本格的レビューの中で、2×3×7×

11×17の意味をもう少し突っ込んでおいた)

   

続いて、たくさんの色のコードの中から湯川が2本を選んで、その間の測定

(電圧か電流かな?)を行い、ピストル型の冷却装置(?)で数値をゼロにし

た。テレビには映らなかったけど、何度も試行錯誤した結果の成功だろう。

この時点で、モニターに映し出された回路(or設計図)のライトが少し消える

これで第1ステージ終了。21時46分(残り2時間14分)くらいだった。 

  

次の第2ステージは、地味な機械的作業。理学部って言うより工学部的作

業だ。内海に持たせた回路の図面を見ながら、基盤の一部を焼き切ったり

部品を外したりして、またモニターの回路のライトが少し消える。これで第2

ステージ終了。

   

続いて第3ステージは、「グラフ理論を用いたシミュレーション・・・起爆コードの

解読をコンピューターと競わせるのか・・・」。何をやったのか具体的には分か

らないけど、モニターの右側の赤い六角形がコンピューターの進度。左側の

青い六角形が湯川の進度。何か1つ終える度に、六角形のライトが点灯して

いた。赤の最初の六角形は、「heikin」「bunsan」「data」とか書かれた作業

とリンクしてたらしい。「平均」「分散」「データ」・・・単なる統計学の一般的な言

葉だけど、何やってたのかね。一方、青の最初の六角形は「poker test」と

書かれてた作業とリンクしてたみたい。トランプのポーカーの点数計算を利

用して、暗号の安全性に関わるランダム性(でたらめさ)をチェックするテスト

って話のようだけど、詳細不明。ヒマな時にもう1回考えてみたいな。

   

ともかく、最初は赤がリードしてたけど、一番最後に中央の六角形が青の

「 complete 」(完了)になって、湯川がギリギリの逆転勝利。第3ステー

終了は23時15分(残り45分)くらいだろう。

   

   

071218 さらに第4ステー

 ジ。ここが最高に

 マニアックだった☆

  

 最初、湯川は「連

 続する2項の比が

 黄金率に収束して

 いくフィボナッチ

 

 数列」だと勘違い

 する。フィボナッ

 チ数列とは、高校

数学で難しめの問題に使われてたもので、上の数列だ。,1+2=

2+3=,3+5=・・・というように、直前の2つの数を足し算して行くことで、

次々に後の数が求められる。

   

071218c 黄金率とは、普通は黄金比

 呼ばれてる比率のこと。古来、

 芸術などの世界で、1つの長さ

 を左のような比(ほぼ1:1.62)

 に分けるのが美しいとされてき

 た。フィボナッチ数列の連続す

 る2項の比は、最初の図の下側

 

 に示した通り、(1+√5)/2へ、

 つまり黄金率の比の値へと収束

 する(=無限に近づく)のだ。            

    

  

071219 しかし、画面に上下に並んでた数の列

 (先頭に並んだゼロは無視していい)は、

 実はフィボナッチ数列ではなかった。

  

 「いや、違う。これはトラップ(罠)か・・

 このアルゴリズムを用いた数値解は、

 一見すると依存傾向は同じだが、異な

 るイニシャル・コンディションによっ

 て変化が生じている。例えば、この数列の素数番目の数に対してインデックス

 を法とするような剰余を取るとすべて1になる。これはフィボナッチ数列に見せ

 かけたリュカ数列だ。

   

1876年フランスのエデュアール・リュカ(Edouard Lucas)は、これらの数列を用

いて、2のn乗マイナス1が素数であることを・・・」

   

   

内海が止めなければ湯川はいつまでもペラペラ喋って、東京の半分が壊滅

してた所だった♪ ちなみに湯川が言いかけた続きを補うなら、「みたすよう

な n のうち、当時最も大きな数であった127を発見して証明。その後1952

年まで76年もの間、最大の数のままだった・・・」って感じでしょ。

これで合ってるよね、スタッフさん♪ 

    

   

071219b  リュカ数列は、一般

 的に書くとかなり

 しいんだけど、左の

 代表例なら簡単で、

 ドラマで使われてた

 のもこれだ。

   

 要するに、前2つの

 項から次の項を決め

 る手続きを示す漸化

 式(つまり「アルゴリ

 ズム」)はフィボナッ

 チ数列と同じで、項も同じ。第2項だけが違ってる。

    

この僅かな「異なるイニシャル・コンディション(初期条件)」によって、第3項以

降、フィボナッチ数列との大きな違いが生じていくのだ。,3+4=

4+7=11,7+11=18。この18がリュカ数列の第6項で、フィボナッチ数

列の第6項である8と比べると2倍以上になっている。ただし、「連続する2項

の比が黄金率に収束していく」点については、フィボナッチ数列と同様。

    

「素数番目の数に対してインデックスを法とするような剰余を取るとすべて1」っ

ていうのは、図の最後に示したように、2番目、3番目、5番目、7番目・・・(素

数番目)の数に対する割り算の余り(=剰余)がすべて1になることを示してる。

 

つまり「インデックスを法とする」とは、何番目かを表すLの右下の番号(=イン

デックス)を用いて、整数の割り算を行う(=法とする)って意味だ。整数論で

よくある話で、簡単な内容なら高校数学で既に登場している。

    

湯川が勘違いしたのは、画面の最初、つまり数列の最初の辺りの数を見てな

かったから(視聴者はテレビで見てた)。湯川は、途中からの数の変化の仕方

=アルゴリズム=漸化式だけで、フィボナッチ数列と判断してしまったわけ(リュ

カ数列より遥かにメジャーだから仕方ない)。

   

結局、リュカ数列の数の100番目までの和( Sum )を計算( calculation )する

と、2073668380220713167375 と分かって、画面に指で入力すると「CLEAR」。

長い数字が左右に開いて行った。ちなみに、どうして湯川はこの計算を思いつ

いたのか。それは、ケタ数が21ケタだったからだ。21ケタで表示できる最も

大きい項は第100項(792070839848372253127)だから、100個の数に対す

る一番簡単な計算として、まず足し算したんだろう。実際、高校で数列を習う時

にまずやるのは、何番目かの数を求めることと、そこまでの和を求めることだ。

ともかく、第4ステージ終了。23時47分(残り13分)。「危なかった」。。

   

そして最後の第5ステージ城ノ内(真矢みき)が一人で酒を飲み、ゼミ学生が

カラオケで騒ぎ、栗林(渡辺いっけい)がプレゼントを抱えて街を歩きつつ携帯

連絡する間に、湯川は爆弾のカバーを外していく。最後の配線コードを切る時

には、残り1分30秒。まるでアニメのように、青と赤のコードが上下に伸びてい

る。BGMは、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で効果的に使われてた、ベートー

ヴェン交響曲第9番(いわゆる第九)の第4楽章「歓喜の歌」

    

「キミの好きな色は?」「ピンク!・・・まさか勘?」「何か、問題でも?♪」

   

残り1分を切った時点での非論理的な勘。しかも、青でも赤でもなくピンク。。

結局24時になって、東京全体で「メリークリスマス☆」。木島が驚いて、カーテ

ンを開けて街を眺めると、何事も起きてなかった。湯川は見事に最終第5ステー

ジをクリア。小型核爆弾の起爆装置を解除できたのだ。内海の「超常現象」の

ような「勘」が示した通り、配線の奥の方にピンクのコードが隠れてて、それを

切ったら成功! めでたし、めでたし☆ パチパチパチ\(^^)/ 

  

ただし、キスは映画までお預けってことで。ま、内海が湯川に抱きついたシー

ンが「KISSして♪」っておねだりで、湯川がじらし攻撃したのかな。あるいは、

もっと凄いことまで起きたのに、またしても編集でカットされたとか♪

    

以上、この10分ちょっとの見せ場には、美術スタッフ科学監修・東京大学

大島まり研究室らも含めて、関係者全体の総力が結集されてたと思う。じつ

に見事な出来栄えだったから、解説にも力を入れてみた。

   

さて、この後は、物理記事の続きや原作記事は後回しにして、いよいよ本格

的レビューに向かう予定。木曜にはアップできるかな。

ではまた。。☆彡

   

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   

P.S.最終回の視聴率は、過去最低の19.6%に終わったらしい。『名探偵

   コナン 工藤新一の復活』や『松本清張 塗られた本』に流れたのか、

   それとも佐世保・銃乱射でNHK『ニュースウォッチ9』か。あるいはフィ

   ギュアスケートの余韻で『たけしのTVタックル』なのか。

 

   いずれにせよ、見なかった方が気の毒なほどの出来。スタッフ&キャス

   トの皆さんには、この調子で自信を持って映画に臨んで頂きたい☆彡

   

       

P.S.2 12月29日、第8話の微分方程式の解き方を示す記事を追加。さら

     に30日最終回の熱伝導方程式も自力で解いて記事した。

     誰も気付いてくれなかったら淋しいから、アピールしとこっと♪

  

P.S.3 2008年10月、1年ぶりのスペシャルに関する記事を3本追加。

  『ガリレオΦ(エピソードゼロ)』の数式と図について

  操縦ることの巧みさと難しさ~『ガリレオΦ(エピソードゼロ)』

  『ガリレオΦ』の数式、ナビエ・ストークス方程式

   

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   

cf.天才・湯川が示した物理学の解読と検証~『ガリレオ』第1話

 サンタと女、揺れる理系の男心~『ガリレオ』第2話

 ブランコとおにぎりでホカホカ~『ガリレオ』第3話

 科学と恋愛、2つの円端具流~『ガリレオ』第4話

 愛と矢、ひねくれた直進~『ガリレオ』第5話

 遠く離れたもののつながり~『ガリレオ』第6話

 つながりの中の細かい事~『ガリレオ』第7話

 結果が語る過剰なプロセス~『ガリレオ』第8話

 過剰な格差がもたらす劇的な出来事~『ガリレオ』第9話

 サンタを信じた科学者へのプレゼント~『ガリレオ』最終回

 操縦ることの巧みさと難しさ~『ガリレオΦ(エピソードゼロ)』

 解けない問題、χ(カイ)=愛 ~『ガリレオ 容疑者Xの献身』

  

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 『ガリレオ』第1話、レーザー光線の計算式

 『ガリレオ』第2話、光の屈折の計算式

 『ガリレオ』第3話、共振現象の証明

 『ガリレオ』第4話、超音波による泡の衝撃波に苦戦中・・

 『ガリレオ』第5話、キューピッドの黄金と鉛の矢は流行るかな♪

 『ガリレオ』第5話の数式、波動方程式の導出と一般解

 『ガリレオ』第6話の数式「フーリエ変換」について

 『ガリレオ』第7話、ER流体とトリックについて

 『ガリレオ』第8話の数式、アレニウスの式と2次反応速度式

 『ガリレオ』第8話の数式、2次反応速度式の計算と答

 『ガリレオ』第9話、雷の放電エネルギーの数式か・・

 『ガリレオ』最終回の数式1~熱伝導方程式

 『ガリレオ』最終回の数式2~熱伝導方程式の計算と答

 『ガリレオΦ(エピソードゼロ)』の数式と図について

 『ガリレオΦ』の数式、ナビエ・ストークス方程式

  

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 『ガリレオ』第1話、ドラマと原作の比較

 『ガリレオ』第4話、ドラマと原作の比較

 『ガリレオ』第5話、ドラマと原作の比較

 『ガリレオ』第6話、ドラマと原作の比較

 『ガリレオ』第7話、ドラマと原作の比較

 『ガリレオ』第8話、ドラマと原作の比較

 『ガリレオ』第1話の脚本チェック☆

   

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 『ガリレオ』レビュー、香港女性もウットリ♪

 『ガリレオ』民放連賞!スペシャルも映画も接近中☆

 読者&テンメイ、『ガリレオ』でエレクトーン大会出場♪

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

こんばんは、テンメイさん。
キッドさんの所で、よくお見かけしていました。
敷居が高そうなのでなかなか訪問できなかったのですが、
今回、ちょっと気になったのでうかがいました。
 
東京大学生産技術研究所・大島まり研究室。
http://www.oshimalab.iis.u-tokyo.ac.jp/olab3/home.html
どうやら流体解析が専門の研究室のようで、
理学部って言うより工学部的なのですが、電子工学は力ずくのようで、
そこがドラマでは不満だったのです・・・

数学的にはいいのですが、第2ステージの基盤のICを外すシーン。
一応その前に電源らしきものを冷却スプレー、
 (あ、ちなみに電子部品急速冷却スプレー【QREI(キューレイ)】と言う製品があります)
をつかい、電源を落とすようのですが、
この冷却効果は数分で終わってしまうので、
電源が復活した状態でICをムリに外すことになり、
ショート、偽信号、雑音が回路に流れ、大変な事になるのではと。
ちなみに、この冷却。電子接点間にも霜をつけることになり、
空気中のホコリや基板上の汚れを水分に溶かし、
ショートさせる原因になるのです。
私はこの時点で、雑だなぁ・・と思ってしまって、
折角のフィボナッチ数列も、リュカも、冷ややかに見ていました。
大島研究室が電子工学は力ずくと言った理由はココにあります。
まあ、切羽詰った場面なので仕方がないのでしょうけれど、
もうすこし丁寧にして欲しかったなと。

話の腰を折るようで、恐縮です。

あ、12月27日は、「たけしのコマネチ大学数学科」SPです。
エミー賞授賞式の模様が特集されるようなので、是非。

投稿: シャブリ | 2007年12月20日 (木) 01時27分

>シャブリさん

こんばんは♪ プロポ以来のコメント、どうもです。
内容もなかなか刺激的で、色々と考えさせられました☆

あの時も「敷居が高そうなので」とそちらで書いてましたよネ ^^;
ネットだから、敷居なんてないんですよ。
誰でもアクセスできるし、TBでさえ承認制にはしてないので、
スパムにも一つ一つ丁寧に応対してるほど♪

ウチはマニアックサイトと自称してますが、
マニアとは人間を限定する言葉ではない。
その時々のその人の関心のあり方を指すわけです。
代表例を出すなら、「プロポの占いが知りたい!」とか、
「湯川の数式は何だったの?」とか。
この瞬間だけ、その話題に対してその人はマニアになる。
こだわりを持つ。それでとりあえず十分なんですよ。

ま、本音を言うなら、もっと広く深く関心を持ってる人とか、
ウチに関心を持ってる人とかなら、特別うれしいですけどね。
そうゆう読者はごく一部だから。。
  
話は変わって、ご不満に関して。
冷却スプレーの情報どうも♪ 早速調べてみました。
僕も半ば理系ですが、スプレー情報やご指摘を耳に入れた上で
あそこを見直しても、別に気にはなりませんでした。
あくまで僕の個人的感覚ですけどね。
そこには3つのポイントがあります。

まず、細かい作業ってものはケース・バイ・ケース。
人それぞれ、現実性の判断も大きく異なります。
例えば、医龍の現実性も、専門家の中で判断が分かれてる。
次に、映像表現ってものは省略されてるってこと。
現実をすべて映したのでは作品にならないわけで、
あそこは3時間を12分へと15分の1に縮めたシーン。
ポジティブな解釈の余地は十分あるでしょう。
さらに、あのシーン全体の中で工学的不十分さが重要とは
思わないし、ましてドラマ全体なら気にならない。
    
ちなみに、僕自身の今までのダメ出しで言うと、
代表的なのはレーザーの誤差と黒板の書き間違い。
どちらも解釈の余地がない明確な間違いで、
指摘だけじゃなく正しい答を示しています。
ただし、枝葉の問題に関する軽いツッコミって感じで、
ドラマの評価とはほとんど結び付けてません。
ホタル最終回では、アンナちゃんに卓袱台を借りたくなりました♪
でもその後、自分で大胆に解釈して卓袱台を引っ込めてます。
   
あと、黒板の書き間違いから想像できることは、科学監修の
プロが現場を細かく仕切ってるわけじゃないってこと。
だから、大島まり研究室の電子工学は力づくって言うより、
撮影スタッフがアバウトなだけかも知れません。
   
最後に、もっと根本的なこと。語る作法について。
今までにウチで何度か書いてますが、僕の基本は、
けなす時は控えめに、ホメる時には思い切りってもの。
これは、コミュニケーションとか人間本性に関わる
根本的な事実(≒初期条件)から来るものです。
人は、けなされ過ぎると怒るけど、ホメられ過ぎても怒らない。
そして、けなされるとやる気を失う人、落ち込む人が多いけど、
ホメられるとやる気を出す人、明るくなる人が多い。。

ドラマレビューとは、過去・現在・未来のスタッフも含めた、
多くの人へのメッセージ。コミュニケーションです。
みんながポジティブな方向に進めるような価値の創造。
それがレビューだといつも書いてるのです。。
   
ちなみに、たけしのコマネチは、2回だけチョコッと見た程度。
ほとんど内容を知らないんですよ。
マニアックで面白そうだけど、テレビを見ない時間帯だし。
でも折角教えて頂いたんで、時間があれば27日は見てみます♪
  
この長いレスが、敷居と感じられないことを祈りつつ♪
キッドさんとなら、このくらい全然フツーですからね (^^)
ではまた。。☆彡

投稿: テンメイ | 2007年12月20日 (木) 23時14分

テンメイさん、はじめまして!
再放送でガリレオを見てただ今ガリレオにはまってます。
それで、エンタングルが気になって検索したところテンメイさんのサイトにたどりつきました。
私は全くの文系なので物理のことはさっぱりだったのですが、テンメイさんの説明文を読んで本当によく分かりました。
ドラマが数倍おもしろくなりました。
ありがとうございました(*^^*)
世の中には賢い人がいるんだなーと感動しました!
湯川先生もテンメイさんもとってもかっこいいです♪

投稿: ゆか | 2009年5月19日 (火) 23時44分

> ゆかさん
    
はじめまして コメントありがとうございます☆
春頃、全国的に再放送されてたようですね。
僕は本放送をすべてDVDに録画してあります。
             
このドラマはホントに楽しめたし、勉強になりました。
非常に刺激的でしたね ^^
記事もいまだにアクセスが続くロングセラーとなってます。
30本以上の記事を揃えて、ウチを代表する作品に
なりました
        
エンタングルの検索もいまだに時々入ってますが、
あの説明は今の僕からするとイマイチなんですよ (^^ゞ
ホントは書き直したいけど、他にも書きたい話が山積みだし、
時間も無いからそのままにしてます。
          
それでも、ゆかさんには楽しんでもらえたようで嬉しいですネ
「かっこいい」なんて褒め言葉は、ブログ歴4年弱で
まだ数回しかもらってませんよ♪ どうもどうも <(_ _)>
                
ウチは春からドラマお休みモードに入ってますが、
ドラマの理数系のネタには注目してます。
今後もガリレオ的な謎を見かけたら、
思い出して頂ければ幸いです♪
映画版のテレビ放送があれば、レビューするかも知れません。
       
という訳で、いずれまた来てくださいネ!

投稿: テンメイ | 2009年5月20日 (水) 09時46分

こんにちは、初めまして。
私がこのブログを拝見したのは今から3年前、当時12歳の自分でした。
ガリレオの再放送で最終回でガリレオが次々にステージをクリアーしていく中、一つだけどうしても理解したいものがありました。
「リュカ数列」です。なぜ、数字が並んでいるのを見て「フィボナッチ数列だと思ったのか。それにどうして、リュカ数列と訂正できたのか」これを解決したくて色々なサイトをあたっていたら、ここにたどり着きました。
この記事を見て、人生で初めて「数学が面白い」と思い、また、数学が好きになるきっかけになりました。
最近ブログを初め,ふと、この記事を思いだしたのでここに来ました。私が数学を好きになるきっかけを与えてくださったメンテイさんにこうして感謝の気持ちを伝えることができて、本当に良かったです。この記事を作ってくださり、ありがとうございました。

投稿: ゆうと | 2013年8月17日 (土) 23時59分

> ゆうと さん
   
はじめまして。コメントありがとうございます。
     
3年前に12歳ってことは、今まだ15歳!
「ゆうと君」と書く方がしっくり来ますが、
天才少年かも知れないし、「さん付け」にしました。
ひょっとすると「ゆうとちゃん」かも知れないし♪
    
      
それにしても、わずか12歳でリュカ数列とかに
興味を持つなんて、凄いですね☆
ネットで検索してこの記事を読むのも素晴らしい☆
   
12歳っていうと、小学6年か中学1年の時期。
僕なんて当時、単なる「数列」って言葉でさえ、
知らなかったんじゃないかな(笑)
「数の列」の問題なら小学校でもありますけどね。
    
人によって「面白い」と感じるものは違いますが、
いずれにせよ、面白さという感覚は大切なもの。
特に、子どもの頃だと決定的でしょう。
僕の記事で「数学が面白い」と感じてもらえたのなら、
僕も「ブログは素晴らしい」と満足できます♪
      
数学といっても色んな分野がありますが、
高度に知的で論理的な、学問の王様的存在。
頑張った末に「解けた!」とか「分かった!」と
思う瞬間の喜びは、ゲームやパズルと同等でしょう。
それでいて、レベルの高さも社会的評価も遥か上。
自然科学(あるいは人文・社会科学)と
組み合わせてもいいし、今後も楽しんでください。
  
    
で、自分でも最近ブログを始めたんですか。
ツイッターが流行ってる今では、貴重ですね☆
URLを記入してないのは、恥ずかしかったのかな♪
     
折角ブログを書くのなら、ツイッターその他の
短いやり取りとは違う、しっかりした記事を
書いてくださいネ。時々でいいから♪
月に1回とか、20本に1本とか。
  
もちろん、まずは地道に続けることが大切だから、
大半は日記的な軽い記事で十分です。
     
ツイッターその他みたいな、広くて浅い瞬間的な
共感もいいけど、狭くて深い感心、喜び、納得を
与えるには、それなりの字数・時間・努力が必要。
その点で最適なメディアは、今でもブログでしょう。
   
ブログからツイッターに行くのは簡単。
でも、ツイッターからブログは、簡単ではない。
あるゆる可能性やパワーを持ってる15歳なら、
まずは簡単でない事に挑戦して欲しいと思います。
両方やると、どうしても簡単なツイッターで
済ませがちになっちゃうでしょう。
    
一応、僕は丸8年、毎日更新してるブロガーだから、
ちょっと先輩を気取ってみました。悪しからず♪
    
   
なお、僕は「メンテイ」さんじゃなく、
「テンメイ」(天命)です(笑)
免停(免許停止)には一度もなってない
優良運転者なので、念のため♪
   
とにかく、ブログも学校も頑張ってくださいね。
ではまた。。

投稿: テンメイ | 2013年8月19日 (月) 07時34分

おはようございます

三年前に記事を投稿したゆうとと申します。
ふとこの記事を書いたことを思い出したので
コメントを残そうと考えました。

現在、駿台予備校で浪人生活を送っております。駿台指定寮寮生です。
天才少年どころか、浪人してしまうとんでも少年でしたね...
駿台指定寮では自主的にインターネット環境をすべて放棄して過ごしているので、
実家に帰省しているこのタイミングでコメントを残しています。もしかするとまた、
返信が気の遠くなるほど先になるかもしれません。ご了承ください。

ブログはあれから今年の三月まで続けたのですが、
浪人が確定した時点でTwitterと共に削除しました。
この情報社会で全く情報が入ってこないという貴重な経験をしております。

結局、自分の「一つのことにのめりこむ性格」の対象がネットになってしまい、
あれから右肩下がりで学力が落ちていきました。

現在はそれをうまいことシフト出来て、学問にのめり込めています。
この三年間に様々な事がありました。
ブログを一度見てもらえたらなと思いを馳せる事も屡々あります...

浪人生活が終わってブログをスタートする機会があったら、
寮内の写真を載せた記事を投稿するつもりなので、その時はお知らせします。

今日帰寮ですが、もう少しゆっくりしたい...

投稿: ゆうと | 2016年8月13日 (土) 07時39分

> ゆうと さん
  
こんばんは。
丁寧なコメント、ありがとうございます。
3年ぶりに、よく思い出してくれましたね♪
  
駿台指定寮というのがあるんですか。
どれどれ・・とググってみると、
なかなか快適そうな感じ。
   
お盆には帰省してるし、要するにかなり
家庭環境に恵まれてるということかな。
格差社会の日本、幸運を活かしてください。
不運は不運で、また別の活かし方があります。
         
大学全入時代にわざわざ浪人するのは、
高い目標があるからでしょう。
大学に行きたいだけなら、定員割れの所が
あちこちにありますからね。
   
自称「とんでも少年」は、
とんでもない飛躍の可能性を秘めてるかも。
天才というのは普通、とんでもない人です。
逆は必ずしも真ならず、ですが♪
  
授業中も仕事中もスマホを手放せない人が
多い時代に、自主的にネット放棄というのも、
とんでもなく素晴らしいこと。絶賛します☆
必要な受験情報は予備校や寮で入るでしょう。
     
   
まあ、何らかの手段で、他人との最低限の
コミュニケーションは保ってくださいね。
予備校や自宅学習ではカバーできないし、
勉強と同じか、それ以上に大切なことなので。
   
一つのことにのめりこむ性格は、今だと
それだけで、一流大学卒の学歴に匹敵します。
無名の個人が世界と直接つながるネット社会。
まだ18歳か19歳なんだろうし、
未来は無限に広がってますよ♪
  
SNS全盛時代、その若さでわざわざ
ブログを選ぶ点も、「実に面白い」。
半年後の再開に期待してます。
のめりこんだ記事を書いてください。
  
数学も含めて、理論的な記事はSNSでは
書きにくいので、ブログの方が向いてます。
こだわりのある読者というのは、
今でも世界中に大勢います。
  
予備校の寮から、世界に向けて飛び立つ。
その前にあと半年だけ、
受験に全力を注いでください。
     
ではまた。。

投稿: テンメイ | 2016年8月14日 (日) 00時12分

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