偶然という名のふれ合い~『あしたの、喜多善男』第7話
(善男の背後で平太がナイフを振りかざした瞬間・・)
あっ そうだ 忘れてた
何だよ
平太さんには世話になってばっかりだから
これ つまんない物っすけど リカさんと2人で食べてください
エッ・・
きなこ餅♪ どうしたんですか
何で・・何で これがオレの好物だって知ってんだよ
ホントですか♪ 何かこれに引き寄せられて
あっこれ 平太さんに買っとこって あぁ 良かったなぁ これ
あと4日ですよ
あぁ
あと4日
(シュン・・ハァーッ・・)
喜多さんさぁ 家戻ってよ ビールでも飲もうぜ♪
(ナイフを背後で捨てる)
あっ 何かそれ いいですね
あぁ
平太さん パンが手を叩くと?
パンは手を叩かねぇ
おっ 正解
カバが逆立ちすると?
バカ?
カバは逆立ちできねぇだろ
あっ そうだった ハハハ
ハハハ
☆ ☆ ☆
実に素晴らしい! 何回見ても、私のつぶらな瞳から星屑のような涙がこぼれ
落ちそうになるな。まさに美の極致♪ 同時に、あまりにも凄い「偶然」に鳥肌
が立ちそうになった(後述)☆ その状態で意表を突いて、新しいタイトルバック
映像が登場。これは笑えた! エンドロールに担当者の名前が無かったけど、
今までと同じ森田空海でいいのかな。第1話のレビューでは、数少ない欠点と
して挙げたけど、ここまで突き抜けてくれれば笑えてOK。ま、私が格闘技ファン
だってのもあるけどさ♪
さて、今回はあの見事なラストシーンについて考えるんだけど、その前に軽く、
新しいタイトルバックについて見とこう。今までと同様、サポート役の矢代平太
(松田龍平)が、ストップウォッチみたいな時計を持って、最後の11日間を計っ
てる。主役はもちろん、喜多善男(小日向文世)。飛び込みのような形で倒れ
ていくと、そこは水中で、底に座って微笑む鷲巣みずほ(小西真奈美)のもとへ
と善男が平泳ぎ。以前はみずほは上にいたけど、今回のように下にいる方が
いい。と言うのも、善男は下に向かう傾向をもった人間(=マゾヒスト)で、もと
もと下へと押し出したのはみずほとの離婚だし、下に向かう途中でみずほと再
会するのだから。
その後みずほの映像は消えて、水の底で突然キャバ嬢6人(渡辺万美、片山
瞳、桂亜沙美、武下公美、ユリサ、崎田まや)が善男を胴上げ。キャーキャー
騒ぐ女の子達から逃げるようにして、善男がまた転倒。すると水中ではない真っ
赤な非現実的空間に変わって、長谷川リカ(栗山千明)がカンフーで襲い掛か
る。この攻撃、特に足技の美しさに感心してすぐウィキペディアで調べると、クラ
シック・バレエと新体操が特技ってお話。なるほど、納得。そのキレイな攻撃に、
善男が何とか防御してる所も笑える。
結局、リカが突き飛ばすようにして善男を遠くへ押し出すと、今度は背景が青一
色になって、みずほの秘書・森脇大輔(要潤)が右脚の飛び前蹴りで襲い掛かっ
てる。逃げ回る善男の近くでは、杉本マサル(生瀬勝久)が『夜回り先生』のコミッ
クで涙♪
で、圧巻だったのはこの後。宵町しのぶ(吉高由里子)が笑いながら、床に口紅
をコロコロと転がす。森脇が左脚の飛び回し蹴りをするために右脚で踏み切る
瞬間、口紅が足元に転がってきて、ズルッと体勢が後傾。そのおかげで、善男
は間一髪で森脇の蹴りから逃れることが出来た。つまり、しのぶの気まぐれなお
遊びが善男を救ったわけで、もちろん箱根旅行を思い出させるものだし、今後
のしのぶの活躍をも予感させるものになってる。
その後、よろけた善男を平太が支えた後、白い服を着た三波貴男(今井雅之)
とみずほが現れるものの、善男はスルー。つまり、三波こそがみずほと結婚す
べき男だったなんて話は、いまや大して重要じゃないのだ。みずほの方も、笑
顔で見送るのみ。以前の映像では、善男はみずほに向かって飛び上がってた
けど、もはやそうゆう段階じゃないってことだ。
そして最後は、時計をもった平太の横へ、道頓堀のグリコの看板みたいに両
手を挙げた善男が駆け込んで、お約束のようにまた前へ倒れこんでいく。重心
の下降=下への動き=マゾヒスティックな行動。時計の針は、もちろん4。つま
り、残り4回だ。。
ストーリーとの関連、笑い、意外性、どれを取っても、今回のタイトルバックの方
が上で、これなら十分満足♪ 低視聴率にあえぐ中、よくこんな技を新たに繰り
出してくれたもんだね。エライぞ、関西テレビ! つい先日、『あるある大事典』
問題後の民放連復帰に関して、また配慮に欠ける話が伝わってきたけど、これ
で見逃しにしてもいい。HPに「おわび」とかドーンと出てるのを見た時は一瞬ドキッ
としたけど、喜多善男の放送予定短縮じゃなかったのね。まだ視聴率6.0%を
保ってるんだから、このまま全11回頑張ってほしいもの。2人のプロデューサー
(豊福陽子、遠田孝一)の粘りにも期待しよう☆
☆ ☆ ☆
ってことで、いよいよお待ちかね。ラストシーンの話に向かうとしよう。別に待っ
てない? あっ、そう。いや、私自身が待ってたのよ♪ 喋りたくて、喋りたくて。
まず、前回のファザコン記事に書いておいた事を振り返ってみよう。予告映像
で平太がナイフを振りかざしてたのを見ての文章だ。
「平太が自分で止めるのか、たまたま偶然で助かるか、誰かが犯行を阻止する
かは、ちょっと分からない。個人的趣味だと、まず偶然で命拾いして、その後で
平太が思いとどまるって感じかな。偶然って言うとつまらない話みたいだけど、
運命のいたずらとか神の思し召しと言い換えれば高尚な話になってくる」。
この私の期待が、まさに的中したわけだ♪ 善男は2つの偶然で助かった。1つ
目は、誰でも気付くこと。たまたま平太の好物のきなこ餅を買って来てたことだ。
2つ目は、きなこ餅に気を取られて忘れてしまいそうなこと。きなこ餅より前に、
平太がナイフをふりかざした瞬間、善男が振り返ったことだ。
もちろん、ラストシーンのこの2つの偶然は、冒頭で平太がたまたま見てたファ
ザコン的な夢と一致している。自分達を捨てた親父に、声を荒立てながらも近
づいていく平太。父への愛憎の複合体=ファザー・コンプレックス。父は、まず
平太の好物のきなこ餅を差し出して来る。続いて、善男の顔になって振り返る。
すると結局、冒頭からラストにかけての偶然の流れはキレイにまとめられる。
きなこ餅→振り返り→・・・→振り返り→きなこ餅。
これぞ、形式美。第7話は、大きく見ると対称的な構造になってたのだ。ただし、
冒頭では本物の父、ラストは第二の父=善男が主役となって。
ストーリー、笑い、映像美、萌えといったものは、程度の差こそあれ、誰でも簡
単に感じ取れる。それに対して形式美は、芸術作品の至る所に存在するもの
でありながら、それなりに視線と思考を鍛えてないと、気付きもしないし味わう
こともできない。それでは、脚本家・飯田譲治や監督・下山天らの努力も報わ
れないし、所詮テレビドラマだからっていう発想にもつながってしまう。だからこ
そ、ウチはそういった部分にも光を投げかけ続けてるのだ。
ところで、きなこ餅や振り返りは、ドラマの内部だけで考えると偶然だけど、ドラ
マの外部をも考慮すると偶然とは呼びにくくなる。つまり、ドラマとは意図的に作
られたものだから。脚本家が書き上げたストーリーに沿ったものだからだ。でも、
本当に偶然とは呼べないのだろうか。都合のいいフィクションにすぎないのだろ
うか。その辺りを考えてみよう。
世の中で、偶然とされないものには、2種類ある。必然的なものと、確率の高い
もの(=蓋然的なもの)だ。人間がいずれ死ぬのは偶然じゃなく必然。金曜の昼
以降にウチへ来ると喜多善男の新しい記事と出会えるのも、偶然とは言えない。
これらはいずれも、ある筋道に沿った出来事であって、明確な筋道に沿ったもの
が必然。大まかな筋道に沿ったものが、確率の高いものだ。
でも、明確な筋道というものが実在するかどうかは不明確なことだ。例えば、い
ずれ人間は、何らかの方法と何らかの意味で、「死」という「定め」を回避できる
ようになる可能性は十分ある(脳の保存、人体の冷凍、クローンとしての再生)。
あるいは、物理法則とか自然法則なんて筋道も、多くの物事がここ数百年くらい
はそれに従って動いてるように思われる、という程度のものにすぎない。誤差や
例外の問題、法則そのものが変更される問題、等々。現在の教育システムが
人々の目を逸らそうとしてる厄介な話、人々が見過ごしがちな面倒な話は、色々
とあるわけだ。
一方、大まかな筋道というのは、当然ながら不明確だ。金曜の昼過ぎになって
もウチの喜多善男の記事がアップされないことは十分あり得るし、ドラマだから
と言って主人公が途中で死なないとは限らない。実際、前期の日テレ土9の、
『ドリーム☆アゲイン』だと、反町隆史はいきなり死んでしまった。
そもそも、筋道に沿って物事が生じたとしても、その筋道自体の存在は偶然と
言うべきだろう。なぜ物が下に落ちるのか、つまり、なぜ万有引力の法則が世
界に成り立っているのかといった一番根本的な問題は、あのニュートンでさえ
主著『プリンキピア』の中で棚上げにしたのだ。
結局、ほとんど全ての事は、とりあえず偶然とみなしうるのだ。必然性や高い
確率を求める立場からは、「偶然にすぎない」というネガティブな表現になるも
のの、人はそうゆう立場に縛られてるわけではないし、逆に「素晴らしい偶然」
を味わう力ももっている。単に偶然と呼ぶか、それとも運命や神といった特殊な
(or 超越的な)ものを持ち出すかは、どちらでもいい。限りある人知では今のと
ころ計り知れない大いなるものに対する畏怖のような敬意をもつこと。それが、
人の感性に幅や厚みをもたらしてくれる。「ドラマだから上手くいくよな」なんて
いう平凡で硬直した見方からも、我々を解放してくれるのだ。
「偶然」を表す英語は「contingency」。語源的には、共に(con)触れる(tinge)こと。
つまり、ふれ合いだ。夢の中での、平太ときなこ餅のふれ合い。立ち寄ったお店
での、善男ときなこ餅のふれ合い。平太と善男のふれ合い。こうした偶然の凄さ、
素晴らしさを、自分の恋人とのふれ合いと同じようにしみじみと味わえる感性、あ
るいは美学こそが、我々に生きる力をもたらしてくれるのだろう。
素晴らしい偶然、運命との抱擁を愛しむことこそが、生きることなのだから。。
☆ ☆ ☆
この記事の冒頭、引用の直後に、凄い偶然に鳥肌が立ちそうになったと書いた。
それは、ドラマの中の素敵な偶然に、個人的な偶然まで重なっ
たからだ。実はこのドラマをPCで見てた時、横に「きなこ餅」
という名のお菓子が置いてあったのだ☆ 信じられないかも
知れないけど、全くの事実。おまけに、普段はパソコンの脇
にお菓子なんて置いてないし、「きなこ餅」なんて物を自分で
買ったのは、本物にせよお菓子にせよ生まれて初めてだ。
これは「単なる偶然」でもなくて、ちょっとした筋道なら付けられる。与田良一
(丸山智己)が先週まで食べてた「ぬれ煎餅」を、ドラマの影響もあって買ったん
だけど、これはお年寄り用の柔らかいお菓子だ。味がしみてて予想外に美味し
かったから、もう一度買おうと思って売り場に行ったら、ぬれ煎餅は売り切れ。
代わりに、同じくお年寄り向けの「きなこ餅」が安売りされてたから、試しに買っ
たわけ。要するに、ドラマのぬれ煎餅からの筋道が一応あるのだ。
ただ、それにしても相当な偶然だし、パソコンの脇に置いてあったなんてのは、
もはや運命と呼んでもいい出来事だろう。この偶然のおかげで、私はこれから
もまた頑張って生きて行こうと考えることができたのだ・・・とか書いたら、ちょっと
大げさだわな♪ でも、あなたが今日スーパーのお菓子売場に行くと、岩塚製菓
の「きなこ餅」が安売りされてるかもよ。そりゃ、単なるメーカーの在庫調整か♪
ともあれ、第7話も十分満足な出来で、『喜多善男』との出会いと選択という偶然
に、深く感謝してる所だ。実は、三波がネガティブ善男という人格を善男の中に
創り出したなんて話とか、保険金のためにみずほを善男と結婚させたなんて話
は、イマイチ趣味じゃない。宇佐美広美(室井滋)の使い方も含めて、謎解きとし
ては合格最低点だったし、吉高が一瞬しか出なかったこともあって、第7話にし
て初めて、ウ~ンって感じのまま終わるのかと思ってた。
そこへあのラストシーンが登場して一気にウルウル。おまけに、新しいタイトル
バックで爆笑。偶然だけじゃなく、スタッフ&キャストの意図的な創作行為にも
ちゃんと感謝しなきゃね♪
おまけに来週はいよいよ、小指噛めおじさん(平泉成)vs.足裏マッサージさせ
たげる女(吉高)の、妖しい絡み合いを楽しめるようだ。「強く強く、優しく優しく」
vs.「気持ちいい」。予告であのシーンを一瞬見せられると、もうリカのナイフな
んて吹っ飛んじゃったな♪ 新人女優・吉高の今後の飛躍を考えて、来週は高
画質モードで録画しとけば、いずれヤフオクで高く売れるかも。いやいや、それ
じゃ著作権と肖像権を犯す「善くない男」になっちゃうな。やっぱり、個人的趣味
に留めとこっと。
それでは、また来週。。☆彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.S. 去年11月にアップしてヒットした記事──『医龍』挿入歌、『Aesthetic』
の歌詞について──に書いたように、美学(=Aesthetic)の語源は、感
受すること。したがって、偶然という名のふれ合いを受け止めることも、
大切な美学なのだ。
P.S.2 三波の心理学理論をまとめとくと──人間は脳の中にあらゆる感情
を持ってて、どんな善良な人間もネガティブな要素を持ってる。あちこ
ちに散らばったネガティブな要素を、潜在意識に対する暗示を用いて
1つの場所に集めて、1つの人格だと錯覚させる。意識の中で、別の
人間のように存在させて抹殺してしまうことで、ネガティブな人格が消
えたと信じ込ませて、本人を絶望から救い出せる──。
心理学理論って言うより、心理学を応用した精神医学とか心理療法っ
て感じだな。この考え自体はまあまあなんだけど、ドラマの謎解きに使
うのはビミョーだった。。
以下、アンナdiaryの要望でちょっとだけ補足しとこう♪ 精神医学の
世界はいまだ発展途上で、薬物療法がそれなりに評価されてはいる
けど、成功にはほど遠い状況。自殺願望を持った患者をどうやって救
うのかについても、まだ試行錯誤の状況で、薬で逆に自殺願望が強
まるなんて話さえあるし、過剰摂取(オーバードーズ)の問題も深刻。
だからこそ、三波のような心理療法が登場する余地もある。
自殺のもとにある絶望を始めとして、ネガティブな思いを意識にのぼ
らせるって方法は、精神分析的な治療がフツーに使ってるし、暗示を
使う方法も昔からある。三波の独自性は、無意識も含めて、様々な
ネガティブな思いから1つの人格(例えばネガティブ善男)をまとめあ
げて、それを意識化して一気に抹殺するって所にある。要するにワラ
人形のようなもので、問題となってるものを身近で具体的な存在にま
とめて攻撃しやすくするってことだ。だからこそ、同僚にはオカルト扱
いされていた。
ただ、実現は難しそうだけど、とりあえず原理的にはそんなにおかしい
話でもない。暗示の効果は科学的に認められてるし(cf.偽薬)、幻覚
も妄想も実在する(病的な)現象だから、倫理的問題をクリアできるな
ら、やってみる価値がないとはいえない。
所詮、どうやっても厄介な問題で、試行錯誤するしかないのだから。。
心理の話だと意外に乗ってくるアンナちゃん、これくらいでいいかな?
分かりにくい部分を質問してくれれば、ちゃんと答えるよ♪
P.S.3 吉高はベッドの上での活躍以外にも大きな動きをするらしい。公式サ
イトに書いてあるけど、読みたくない人もいるだろうから書くのは止め
とこう・・・なんて書かれると、ついつい見たくなるでしょ♪
P.S.4 来週は、主題歌『真夜中のBoonBoon』を歌う山崎まさよしもゲスト
出演するらしい。予告の映像で見る限り、三波の元同僚って感じかな。
あの曲もすっかり耳に馴染んじゃったね。
あと、取立て役の丸山(眞島秀和)も再登場か。あんましワンパターン
の悪役にはして欲しくないけど、だからと言って実は善い人なんて話も
ウソっぽくて嫌だな。サラッと流してくれるのが一番か。。
P.S.5 森脇、やっぱ完全な脇役のままなのかね。キスは寸止めで、判定負けっ
て感じに終わった。そんな事だから、タイトルバックの攻撃も善男にギ
リギリでかわされちゃうんだよ♪
P.S.6 今回は杉本より与田が笑えたなぁ♪ 善男と宇佐美の会話を盗聴した
後、「三波も看護師と付き合ってたんですね」って台詞には吹き出した。
タイ語を読めるかに見せて、「タイ料理が大好きなんですよ。トムヤム
クン、ムエタイとか」って台詞もイイ。
ちなみにムエタイって、肘打ちありのタイ式キックボクシングのことね。
今なら、肘打ちありのK1って言う方が分かりやすいか。あっ、それより
『エンタの神様』に出てる、口撃のムエタイ戦士・KICK☆の方がいいか
も。タイトルバックのリカと森脇の攻撃はカンフー(中国武術)だから、
また別物だ。
P.S.7 マネージャー・矢井田(吉家章人)がしのぶに、映画の主演が決まった
とか言ってたのは、吉高の『蛇にピアス』主演の宣伝をしてくれたって
ことだろうな。世界の蜷川幸雄、ホントにオールヌードにしちゃうのか
ね。見たいような、見たくないような。ヌードになっちゃうと足裏マッサー
ジのインパクトも薄れるしなぁ。。♪
P.S.8 今回も平太は「羊は狼の餌になるために草を食らえ!」と言ってたけ
ど、前回とは使い方が逆だった。前回は、俺達がそんな羊になるの
はゴメンだっていう意味。今回は、平太が狼になって善男という羊を
餌にしようって意味だ。
でも、むしろリカが狼で、平太が羊って感じにも見えたな。「オレが人
殺しになっても一緒にいられるのかよ」って聞いた場面。騙されちゃ
ダメだよ! 女心と秋の空。女なんてコロコロ変わるんだから。それ
でも女を追いかける男って、可愛い生き物♪
P.S.9 前回はコメント欄に書いたことだけど、やっぱり三波は死んでるんじゃ
ないかなぁ。まだどっちでも可能だけど、生きてるにしては引っ張りす
ぎだと思う。
P.S.10 今週も、不人気にも関わらず番組のスポンサーになってくれてる企
業に感謝しとこう。LION、TOYOTA、DHC、Meiji、DAIHATSU、
VISA、ヘーベルハウス、KDDI。
特に、エビちゃん=蛯原友里の可愛いCMで、エースコックに代わっ
てスポンサーになってくれた明治に感謝☆
P.S.11 カプセルホテルで善男の上にいた男が、携帯に出ながら「下山かよ」
と呟いてたのは、監督の下山天の名前を使ったお遊びだろう♪ 実
物の下山も、寝てる人間に平気で電話するってことかも。
P.S.12 「蓋然的」という言葉は耳慣れない人が多いだろうけど、平凡な英
単語「probable」の堅苦しい訳で、「もっともらしい」とか「十分あり得
る」ってこと。この名詞形が「probability」で、「十分あり得ること」を
意味すると共に、数学的な「確率」をも意味する言葉だ。
P.S.13 実生活の上で大切なことだから、念のためにもう一度書いとこう。
偶然とか運命とか神とかは、悪用する人間や団体が多いから、信
じる際にはそれなりの慎重さや賢明さが必要だ。それが無ければ、
むしろ「そんなものは作り話か迷信だ」と信じこむ方が安全だろう。
ま、幸福や快楽は、しばしば安全の対極に存在するものであって、
むしろ危険と仲良しなものだけどね。。☆彡
cf.パンドラの箱に残されたもの~『あしたの、喜多善男』第1話
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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コメント
折り返しですね~。
番組初の朝日に始まって
(ガラステーブルの映り込み含む)
川の流れが緩やかだわと思ったら
WayCysの前の水たまり!
おまけに善男が、階段を「駆け上り」ましたよ
(あ、サスペンス的には「追いつけない森脇」に注目してます)
仕込みますねぇ~
え、テンメイさん、森脇スルーですか?
寸止めキスの後の表情は、私は自嘲ではないと見てます。
ま、サスペンスの話だからいいけど。
ラストシーンはダメだわ。もう言うことありません。
泣きそう、じゃなくてマジ泣き。松田龍平バンザイ。
龍平くんの評価がまちまちなのは作品別です。
殿方は松田優作の信奉者多いけど、
私はあんまり思い入れ無いです。なな的には優作<龍平。
お父さんの名前が大きくて大変そうだけど、
がんばってや~。
P.S..8について…
「女心と…」って、元々は「男心と秋の空」だったのよね。
ま、異性のココロは読みにくいって事で。
投稿: なな | 2008年2月22日 (金) 20時14分
レビューお疲れさまでしたー!
ネガティブ要素サンキュ(笑)
なるほどね~さすが☆でも、このネガティブ要素
なんかすっ飛ぶくらいのラストシーン。
グッときたね~男同志なのに、ふたりの後姿が
良かったヨ。
きなこ餅が一番のツボだったわけだけど
そのきなこ餅のせんべいがそばにあったなんて
偶然じゃなくて運命だよって
思いたくなるよね。
タイトルバックもなかなかユニークだし
来週は小指噛めおじさんにしのぶちゃん!
楽しみだね~
だけどこのドラマ、うちのコメント欄は
全員男性がたなのが面白いです(爆)
あっ、もとい!青年達です
投稿: アンナ | 2008年2月22日 (金) 22時34分
テンメイ様、こんばんは。
アンナ様のところの
コメントを覗くと
男湯になっているわけですが
ここでは・・・「喜多善男」でも
女性が登場。
天使テンメイ様のモテモテぶりに
キッドも嫉妬っ(ハニー的にはしーーーっと)
でございますよ。
まあ・・・性差の境界線は
曖昧になっているとはいえ・・・
男の好きな話題・・・と
それに眉をひそめる女。
あるいは微笑む女。
という構図は
キッドにはどこか・・・郷愁をさそう風景です。
まあ・・・「善男」はかなり
昔の男が好む話。
そして昔の女が敬遠する話と言えるかな・・・。
視聴率的にも・・・。
それを知的な問題と言い換えると
性差別発言になるわけですが・・・。
・・・男と男の場面に注目すると
キッドは即座に
「真夜中のカーボーイ」を
連想し・・・
女のいない世界になっていくので
まあ・・・変態なわけですけれども・・・。
こんな時間に・・・言葉を交わす男と男・・・。
ふふふ・・・抱き合う平太と善男で
はうぅんになるこの感覚。
「優作」に萌える男心。
危険です・・・危険な香がいたしますぞ。
時には世の中はシンクロしますからな・・・。
まあ・・・愛とは基本的に
シンクロを求める本能でございますからーっ。
投稿: キッド | 2008年2月23日 (土) 05時29分
>ななさん
おはようございます ホント、折り返しですね。
今回から、善男におけるみずほと三波の位置づけが
変わったし、善男と平太の関係も好転。
冒頭の夢も平太になったし、タイトルバックも変わった。
平太とみずほがカーテンを開けたのも象徴的。
ま、朝日がグングン上がっていったのには、
「速すぎ!」と突っ込んじゃったけど
水たまりってのがマニアックで笑えるなぁ。
あっ、そうそう、フェティッシュなのね ^^
善男の階段は、転げ落ちたんでしょ。
ま、差し引きすると上ったことにはなるわけか。
追いつけない森脇、僕は突っ込んじゃいましたよ。
どうゆう遅さだよ!って感じで♪
森脇スルーって、いや、僕がスルーっていうより
脚本家が今の所スルーしてるんでしょ。
寸止めキスの後の微笑は、単なる自嘲ではないですね。
僕が森脇なら、次の作戦を考えながらニヤけるかも。
ただ、過去のドラマで考えると、脇役への配慮ってのは
あんまし無かったから、今回も期待しないようにしてます。
ラストは素晴らしかった ほぼ完璧ですね。
特に、松田龍平の演技、とりわけ表情と声が絶妙!
あれは喜多善男のベストシーンになるかも。。
あっ、龍平の評価が変わるのは作品別なのね。
ってことは、この作品では満足ってことか。
殿方。。松田優作って、僕もそんなに見てるわけじゃ
ないんだけど、やっぱ日本を代表する個性派男優でしょ。
独特の味わいを醸し出すDNAが龍平に受け継がれた感じ。
僕はこのドラマしか知らないけど、龍平の方が
自然体って感じはしますね。それが平太役では生きてる。
ただ、他の役だとどうなのかな。。
女心と秋の空。誰か突っ込んでくるかなと期待してました ^^
元々は男心ってのはいいとして、元々ってかなり前でしょ。
広辞苑の改訂なんてのはかなり慎重に行われるし。
検索しても、女心の圧勝。ま、これはネットのユーザーに
男が多いってのを割り引くと、互角くらいかな。
僕の感覚だと、男心ってのは、結婚制度とか経済格差とか
社会通念の影響が強いと思います。
つまり外的な話であって、内なる本性としては、やっぱ
女心じゃないかな・・って書くと不満なわけネ
>アンナちゃん
ビリーお疲れさまでしたー!って、そりゃ別の話か
ネガティブ要素の説明、そっちの記事の要望(?)見て、
焦って追加したよ(笑)心理の話だけはノリがいいよなぁ。
他の理屈にもちゃんとノッて来るようにネ ^^
ウン。三波の心理学もネガティブ善男もは吹っ飛んじゃった。
いいねぇ~男同士の熱い友情は。親子愛と言うべきかな。。
きなこ餅、凄いでしょ♪ 完全な実話なのよ!
やっぱ、喜多善男との出会いは運命だったんだな。
人気なくても、あとちょっと頑張り通すしかないね。
あのタイトルバック、好きだなぁ。意表を突かれたわ。
まさか突然カンフーが出てくるとは・・
最後にもう1回衣替えしてくれてもいいかも。
小指vs.足裏は思いっきしエロくやって欲しいね
そうなんだよ。このドラマは女性視聴者が少なそう。
男性向けの内容だけど、小日向じゃなくてジャニーズか
福山雅治だったら、15%は行ったはず。
その意味で、スタッフの勇気には感心するな
>キッドさん
おはようございます
ズルズルと全てが後ろへズレ込んじゃって、
生活が壊滅してます。人間も壊滅するかも。。
男湯♪ ってことは、アンナちゃんが番台の
おばさんじゃなくてお姉さんなわけね。
僕が約2年前に初めてアンナdiaryにコメント
した時は、女だらけで躊躇しましたよ。
それに引き換え、喜多善男。。
小日向じゃなくてキムタクだったらなぁ。。
テンメイ様のモテモテって、最初はもっと女性が
いたのに、どんどん消えちゃってますよ(^^ゞ
松田龍平の魅力が分かる女性はほとんどいないのか。。
そうそう、ハニー! すっかり見なくなっちゃって。
ま、いずれDVDで名シーンだけ楽しもうかな♪
郷愁を誘う風景。。なるほど、そうかも。
今は男と女の境界がホント曖昧ですからねぇ。
喜多善男の内容は男性的だし、視聴者も男性中心。
多くは女性的だから、希少価値があっていいでしょ。
たまにはこうゆうドラマもないとね。
ま、そのおかげで、基本的に喜多善男1本のウチと
しては、アクセス数キープに四苦八苦してますけど(^^ゞ
知的な問題って言い換えは性差別になるかも知れないけど、
知的な違いと言えばいいんじゃないですかね。
実際、僕はその種の事を前から時々書いてます。
例えば、ガリレオの時に書いてた理系と文系の対比は、
男性と女性の対比って側面も大きいですからね。
理系に女性が少ないのは(日本では)明らかな事実だし、
たまにいる女性も文系と比べると・・って書くと、
さすがにマズイですね。でも・・止めとこっと♪
『真夜中のカーボーイ』って初耳だからウィキペディアを
見ましたが、元はカウボーイなんですね。面白い!
ウルトラマンと関係あるなんてトリヴィアも笑えるな♪
エッ、そうゆう内容なんですか。そこまでは書いてないけど。
こんな時間にって、僕ら2人のことですか。
僕が平太でいいのかな?♪ でもナイフは持ってないし。
かと言って、11日後に死ぬ趣味もないし。安全ですよ☆
シンクロ。。高度な密林言語だから読者に解説しときましょう。
ドラマの中の男と男の関係と、ブログの中の男と男の関係との
同調(synchronization=シンクロナイゼーション)が表の意味。
ただ、おそらく裏側に別の高度な意味が含まれてる。
この記事の主題である「偶然」は、ユング心理学だと
共時性(synchronicity=シンクロニシティ)に相当するもの。
これら二重の意味で、シンクロってことですね。
って言うか、余計わかりにくくなったかも。。(^^ゞ
P.S.そちらのレスについて。
力を入れた記事より軽い記事の方が、人数的には
ウケやすいってのは間違いないですね。
ただ、評価の質まで含めるとビミョーだし、
自分の評価っていう重要な問題もあります。
結局、週1本だけ本気で書くっていう今のやり方が、
僕の現状ではベストに近いのかも。
本音を言うと、2週に1本にしたいんですけどね。
女の子の絵文字がお気に入りってことなので、
最後に意味もなく入れときましょう♪
投稿: テンメイ | 2008年2月23日 (土) 07時23分
テンメイさん こんばんは
きなこ餅の偶然
ほんとにこんなのとって あるんですね
偶然っていうのか 運命っていうのか
言い方によって 重みが違うんですが
自分の意思でどうにもならないことの力
不思議で 面白いですね
若いときは それが許せなかったんだけど
( 努力や実力から かけ離れた物に左右されることに
不公平感があったの)
最近 楽しむことができるようになって来ました
なんか 人間の幅が出てきた?
偶然が起こるまでには
偶然というだけですまされないような
必然のことが隠されていたりすることってないですか?
そんなことも 面白い
善男が ナイフから逃れられた偶然 楽しめました
投稿: 彩花 | 2008年2月23日 (土) 20時57分
>彩花さん
おはようございます
きなこ餅の偶然、ドラマはインパクトあったでしょ
僕の個人的体験も、ちょっとはネ
「偶然」と「運命」だと大きな違いですが、
「単なる偶然」と「凄い偶然」も相当な違いです。
違いのほとんどは、出来事そのものの客観的性質ではなくて、
受け取り方の違いから来るものだと思ってます。
自分の意思でどうにもならないことの力が許せないって
気持ちはよく分かるし、わりと一般的な感情でしょうね。
年代よりも、むしろ性格の問題が大きいんじゃないかな。
彩花さん、自分では口にしにくいだろうけど、
おそらく「真面目に努力するタイプ」でしょ。
努力型って言うと才能がないように聞こえちゃうから、
こう呼んどきましょう。僕もわりと真面目に努力する方です。
2年半、毎日続けてるこのブログだけでも明らかでしょう。
このタイプの人間は、やっぱり「頑張ればできる」とか、
「できたってことは頑張ったんだ」と考えがちだと思います。
そしてこの考えは、ある程度までは正しい。
でも、視野が広がってくると、別のものが見えてくるんですね。
頑張っても出来ないもの。できちゃったけど頑張ってない人。
そこが大きな分かれ目になるわけです。
つまり、頑張っても仕方ないなと思うか、
それとも、頑張った上で後は運に任せるのか。
もちろん僕は、後者です。人事を尽くして天命を待つ。
テンメイが天命を待つのは必然かもしれませんけどネ♪
そもそも天命とは、超越的必然性とも考えられる。。
もともと人間は、偶然や運命を味わう素質を持ってます。
だからこそ、賭け事も占いも、古今東西の人気を誇ってる。
ただ、その素質は日常の中で埋もれがちになる。
でも、実は生きること全てが驚くべき偶然の連続です。
その偶然を味わえるかどうか、その偶然が
価値あるものかどうか、その違いにすぎない。
偶然を味わえる人間的な幅をもつこと。
より多くの偶然に価値をおけるようになること。
これらは、人間の生を豊かにするために重要なことです。
その意味で、倫理、つまり生きる道筋と深く関わって来ます。
偶然の裏側には、必然かどうかはともかく、多くの理由の
連鎖が隠されているのがフツー。それを筋道と呼びました。
僕のきなこ餅で言うと、記事に書いたように、ぬれ煎餅からの
筋道があるし、ぬれ煎餅の登場にはドラマの筋道がある。
ギャグ、時間の表現、ストーリーの流れ、人生の終末の雰囲気。
ドラマのきなこ餅で言うと、短い付き合いの中で、善男が
何となく平太の好みを理解してた可能性があるし、
平太の夢は長年のファザコンで度々見てるものかも知れない。
そういう筋道を見出すこと、考えることも、面白いし重要です。
ただ、それは誰でもわりとフツーにやってる事でしょう。
それよりも、今ここで僕と彩花さんが語り合ってる偶然、
あるいは、自分がこの世界でなぜか生きてるという
偶然の素晴らしさに目を向けたいなと思っています。。
投稿: テンメイ | 2008年2月24日 (日) 07時15分