束縛された愛の喜び~『あしたの、喜多善男』第8話
寒いですね
あぁ 寒い
みずほと会いました
へぇ
みずほはね ソルボンヌって花を持って来てくれたんです
思い出の花なんです その花は4日間が最盛期で
5日目から少しずつ 枯れ始めるんです
みずほはそんな花を持って来たのに 僕に死なないでくれって言ったんです
僕の命は あと4日 それでも 僕は嬉しかった♪
(・・シュン・・) なぁ アヒルってさぁ 卵からかえって 最初に見たものを
母親だと思って追いかけるんだってなぁ
えぇ 刷り込みですよね
刷り込みって言うんだ これってさぁ 最初の女にも言えるんだってな
僕とみずほの話ですか
最初に見たのがネコだったとしても それを必死で追いかけるわけだ
それで食べられちゃうんだよな パクッと
その話にはまだ先があるんですよ
どんな?
ネコを追いかけていった赤ちゃんアヒルは ネコに食べられる時も喜ぶんです
うわぁ エサになれて嬉しいって 好きな相手のエサになれて嬉しいって
冗談じゃねぇよ! オレは絶対嫌だ そんなのは! そうだろ 喜多さん?
リカさんっていい人ですよね いい音楽聴いて 気持ちを晴らして来ます♪
エッ?
エッ?
☆ ☆ ☆
今回は珍しく二日酔い気味で、しかも丸三日遅れのアップってこともあるのか、
正直何で書こうか迷っちゃったな。ネタになる要素は多かったから、それぞれ
の感想をつないで記事にするのなら簡単だけど、独自のテーマを1つ立てる
本格的レビューにはふさわしくない。フツーの感想のまとめは、「軽~い感想」
とか「軽~いつぶやき」と題する記事に回すようにしてるわけ。ま、それらでさ
え、最近はテーマ性が強まってるけどね。。
自分としては、本格的レビューこそがウチの看板だと思ってるし、自分で読み
書きする際の刺激も圧倒的に大きい。注ぎ込んだパワーにせよ、コメント・アク
セス数・訪問者数にせよ、ドラマの本格的レビューが中心になって2年半やっ
て来たのも事実だ。でも、ウチの記事の中でアクセス数・訪問者数がトップクラ
スの人気のものは、大部分が軽めの記事なんだよなぁ。おまけに、かなり頭脳
優秀な知人にさえ、レビューは読むのが大変だと言われる始末。。
そこで試しに、前回の記事をWordで文字カウントしてみたら、スペース含まず
で約8000文字。こりゃ、凄いネ♪ 原稿用紙20枚か。5本合わせると、文字
数だけなら大学生の卒業論文! 笑っちゃうよな。。
ってことで、今後は短くしていく予定・・・と書こうとして、ふと手元にあった原案
小説『自由死刑』(島田雅彦、集英社文庫)の文字をカウントしてみると、1ペー
ジで700文字近くもあって、それが全体で356ページも続いてるのだ。合計で
25万文字弱! ギョエッ☆ 作家はこんなに書くし、読者もこんなに読むのか。。
プロの作家とアマのブロガーじゃ比較にならないものの、トップレベルから見れ
ば、ウチのレビューの字数なんてお遊びなわけね。
私は下を見るのも好きだけど、上を見るのも好きな人間♪ これ以上長くする
のは止めるとしても、一気に減らす必然性もあんましなくなった。とりあえず、
6000文字くらいを目安にしてみようか。記事を2つに分割するって手もあるな。
ま、今後の運営方針についてはじっくり考えて試行錯誤するつもり。
とにかく、現状は色んな意味でものすごく不満ってこと。。
エッ、早くドラマに戻れ? 分かってないねぇ♪ これがウチの持ち味なんだけ
どな。ま、いいや。要するに、今回はテーマを1つに絞って書きにくいなってこと
よ。内容は大きく分けると、サスペンスと愛の2つだった。順に見て行こう。
☆ ☆ ☆
まずサスペンス。これは公式サイトの脚本家・飯田譲治のインタビューで使わ
れてる言葉で、別にミステリーと言ってもいい。心理的な宙吊り(=サスペンス)
や謎(=ミステリー)、要するにワクワク・ドキドキさせる部分は、小説の前半を
読んだ限りだと少ないんだけど、ドラマにはかなりある。その謎解きが、いよい
よ終盤に差し掛かってきた。
喜多善男(小日向文世)に対して、元友人の心理学者・三波貴男(今井雅之)
と元妻・鷲巣みずほ(小西真奈美)が何をやったかについては、ある程度分かっ
たような気がする。保険金詐欺狙いで、貴男が独自の心理療法を悪用。善男
の心のネガティブな要素(絶望感、悲しみ、恨み、憎しみ、etc)をまとめて1つ
の人格(=ネガティブ善男)にし、そちらに主導権を持たせて自殺に追い込む。
みずほを結婚させたのは、離婚とかでネガティブな要素を与えると共に、保険
金の受取人にさせるってことかね。
残った謎は、三波が生きてるかどうか、生きてたらどう動くのかってこと。今回
のラストは、その三波からみずほへの電話だった。ただ、私は2週間前から、
やっぱり三波は死んでるんじゃないかと予想してる。生きててもおかしくないし、
公式サイトの生瀬勝久(杉本マサル役)のインタビューには「三波と接触」なん
て言葉も一応ある。
だけど、生きてるにしては引っ張り過ぎだ。もし三波が生きてたら、長く引っ張っ
たこととバランスが取れるくらいの活躍が必要だけど、そんな時間的余裕があ
るとも思えないし、ストーリー全体のバランスも崩れてしまう。電話シーンを見て
も予想は変わらないし、途中で杉本が吾妻孝之(山崎まさよし)のもとに乗り込
んだ時も、吾妻=三波のはずはないと思ってた。ま、予告で主題歌担当の山崎
まさよしが出演すると分かってたしネ♪
そうすると、あの電話は誰かの物真似とか偽装ってことになる。第一候補は当
然、「物真似が下手」な杉本だろう。彼なら、三波の声もビデオで知ってるし、こ
れまでもハッタリをかましてたから筋は通ってる。ただ、もう少しヒネった第二候
補を考えるなら、森脇大輔(要潤)だ。みずほに、「僕が三波貴男の代わりに」
とアタックしたのに、「あなたはあの人の代わりにはなれない」と拒絶されて暗い
表情をしてた森脇は、なぜか予告で社長室のイス(?)にドッカと座ってみずほ
を迎えてた。来週、どこかで手に入れたビデオで物真似の練習をして、強引に
三波貴男の代わりになったって流れも無くはない。公式サイトのインタビュー
には、いずれ間違ったことを起こすかも、なんて話まで書いてあった。
第三候補は、最近見かけなくなったカウンセラーの江端達夫(岩松了)。彼なら
当然、心理療法も勉強してるだろうから、クライアント(=患者)のみずほが執
着してる人物の代わりになるのは不思議じゃない。もちろん、突然の物真似は
やり過ぎだし、完全な脇役だった彼をここで表舞台に上げるのも変な話ではあ
る。ただ、杉本がチョコッと口にしてた「ボトックス」ってものは、顔の整形に使う
らしいから、江端が三波の整形した姿の可能性はある。三波が飛行機事故を
悪用して会社の負債から逃れたのなら、整形して名前を変えるのもあり得ない
話じゃないだろう。
最後の第四候補は、みずほ自身だ。つまり、善男と同じく、みずほも多重人格
で、もう1人のみずほが電話して来たってこと。この場合、全ては心の中の出来
事だから、三波の声でかかって来ても何の不思議もない。こうゆう異常に作り
話っぽい要素を作品に使うのは個人的には苦手で、ネガティブ善男でさえ出しゃ
ばり過ぎだと前から思ってる。でも逆に、ネガティブ善男とか、三波の二重人格
理論をこれだけ大きく扱ったってことは、ネガティブかどうかはともかく、もう1人
のみずほが最後に大きな役割を果たす可能性はあるだろう。。
☆ ☆ ☆
まあでも、サスペンスやミステリーが中心のドラマとは思ってないし、そうゆうも
のへの個人的関心も強くはない。そんなことより、自殺を決意した男が、様々
な人間とのふれ合いや結び付きの中で、何を考え、どうなって行くのか。そこを
しっかり描いてほしいのだ。
善男の人間関係の中心は、明らかに愛だ。矢代平太(松田龍平)の間にある
のは、親子愛にも似た人間愛。宵町しのぶ(吉高由里子)から善男に対しては、
おそらくファザコン的要素の混じった人間愛。これらは、別の愛との違いを際立
たせるために、広い意味で純愛と呼べるかも知れない(平太がリカ=栗山千明
に見せたのもそう)。
一方、善男から宵町しのぶへの愛は、元・人気アイドルへの軽い恋愛(or好意)
から始まって、足裏マッサージでマゾヒズム的要素も表面化した。もちろん箱根
温泉旅行を通じて、普通の人間的な情愛も生じてるだろう。善男からみずほへ
の愛も、美人ナースへの憧れから始まって、恋人の恋愛や夫婦愛を経て、今で
はマゾヒズム的要素が表面化している。
このドラマの際立った特徴であると同時に、低視聴率の一因にもなってそうな、
広い意味でのマゾヒズム(=下に向かう傾向)については、第2話のレビューで
既に扱っておいた。今回は、善男からみずほへのマゾヒズムだけじゃなく、しの
ぶからみずほと館道毅(平泉成)に対する「どM」なんて言葉もあったから、「マゾ
ヒズム再び」って感じで、もう一度考えてみよう。ただし、別の角度から。
この記事の冒頭に引用したのは、善男と平太の印象深い会話。場所は、第6
話で平太が善男の胸倉つかんで怒った時と同じく、東京都庁がバックにそびえ
る新宿中央公園だった。これは、与田良一(丸山智己)と平太に盗聴されなが
ら、みずほが善男に「あなたが好きだったの・・・死ぬの、止めて」と言った直後
のシーンだ。しのぶの脅迫じみた要望に応じて、ウェイシス(Waycys)の介護
衣服事業を成功させるために、みずほが白々しい演技をして、自己嫌悪に陥っ
た直後だから、まさに「寒い」状況。平太は前回のウェイシス訪問と今回の盗聴
で、みずほの演技に気付いて怒ってる。ところが善男は、ネガティブ善男が注意
を促してくれるのにも関わらず、みずほと身体を寄せ合ったままで、満更でもな
さそうだった。
もちろん善男も、みずほの言葉をそのまま真に受けるのは変だってことは十分
分かってる。ソルボンヌの花は、むしろ枝葉の問題だ。もともと思い出の品だし、
みずほが「あと4日でさよならね」なんて気持ちで持ってきたかどうかなんて分か
らない。花の命として特に短いわけでもないし、ソルボンヌが短命という意味を
象徴的に持ってるわけでもない。だから、善男が持ち出したソルボンヌの話は、
みずほの気持ちを表すための手近なたとえに過ぎない(脚本的にはテクニカル)。
彼女は冷淡ってことで、今さら強調するような事でもなかろう。
問題はその後の「刷り込み」(=インプリンティング:imprinting)の話。チンピラっ
ぽい平太が、唐突に持ち出すような話じゃないけど、面白かったからOKだろう。
ノーベル賞に輝く動物行動学者・ローレンツが発見したとされるこの話は有名だ
から、平太も善男も知っていた。
どうゆう動物でどの程度の実証が行われてるのかは分からないけど、話の本質
は明確。動物には、最初の短期間で固定されてしまう行動形式があるってことだ。
もともと持ってる本能とも違うし、固定に時間を要するフツーの記憶とも違ってる。
ローレンツの研究に即して言うと、ハイイロガン(ガンの一種の鳥)は、生後すぐ
目の前にあった、動いて声を出すものの後ろを追いかけ続ける。相手がガチョウ
でも人間でも、まるで親のように追うのだ。ガンの雛が本当にそれを親と思ってる
かどうか、動物心理は不明としても、行動の形としては、親と勘違いしてるように
感じられる。アヒルでも同様のことがあるらしい。
さて、重要なのは鳥よりも人間。平太は、初めての女・みずほに対する善男の
思いがまるで動物の刷り込みのように見えて、憐れだし気に食わない。ところ
が善男は、刷り込みかも知れないことは暗に認めてるものの、それで幸せだと
言ってるのだ。ネコを親と間違えて付いていったアヒルは、ネコに食べられても
喜ぶ。好きな相手のエサになれて嬉しい。
食い殺されることにさえ喜びを感じる心理は、広い意味でマゾヒズム、つまり下
に向かう傾向と呼びうる。「オレは絶対嫌だ・・そうだろ、喜多さん?」と問いかけ
た平太に対して、善男はリカがくれたコンサート・チケットの話を持ち出した。善
男の意識では、話を逸らしただけかも知れない。でもドラマの表現としては、明ら
かにマゾヒズムの変奏だ。喜んでリカに殺されに行きます、と言ってることになる
んだから。
この善男の考えや行動は、一見すると異常に感じられるだろう。最初の女性に
食い殺されるのが嬉しいなんて話はめったに聞かないし、マゾヒズムってもの
は昔から「変態」「異常」「倒錯」と呼ばれて来たものだ。でも、みずほはネコじゃ
ないし、善男もアヒルじゃないから、本当に食い殺されることはない。噛み付か
れて血を流したり、悲鳴を上げたり激痛が走ったりすることはないのだ。たかが、
冷たくされたり裏切られたりする程度で、実際に残るのは、少しの不満と大きな
満足だとしたら、何の問題があるんだろう。
と言うような事を考えながら、英語のウィキペディアを探ってると、面白い話を発
見。なるほどと頷いた。刷り込みが、好きな相手のタイプの決定と同種の話とし
て扱われてたのだ。広い狭いの違いや中身の相違はあっても、誰だって好み
のタイプはあるだろう。普段自分で気付かなくても、ふと振り返るといつも同じよ
うな相手を好きになってたり、自分では気付かなくても周りから指摘されたり。
好みのタイプは、本能的・遺伝的なものもあるかも知れないけど、かなり早い段
階の経験で固定されて、冷たくされようが裏切られようが変わらないんじゃない
だろうか。相手は変わっても、また似たような人を好きになる。外見、経済面、
性格、知性、年齢、等々。同じタイプを好きになって、それで満足してる人間な
んてのは全くフツーだし、これに対して文句を付けるのも子供じみた話だ。たか
が趣味の問題にすぎない。みずほに対する善男の執着も、早い時期での相手
の固定という意味で、好みのタイプの固定と同様。フツーの事じゃないだろうか。
さらに考えてみると、マゾヒズム一般も、早い段階の経験で固定された性的趣
味の可能性が強い。結局、刷り込みとは好みの早期固定。マゾヒズムはその
一例に過ぎず、たかが少数派ってだけのことだ。しかも、潜在的なものまで広
く含めると、少数派という言い方さえ不適切かも知れないだろう。
たとえば、次のように考えてみればどうだろうか。人の愛(あるいは心全体)は、
早期の記憶に束縛されている。また、それぞれの時期には、特定の相手(親、
恋人、配偶者など)と行動形式に束縛されている。ところで束縛とは、自由度の
低い状況だ。したがって、人は誰しも、自由度の低い状況の中で、それなりの
愛の喜びを見出そうとしている。つまり、下(=低い状況)に向かう傾向を持った
者、広い意味でマゾヒストなのだ。その意味で、マゾヒズムという生=性の形式
は、少数派どころか圧倒的多数派へと逆転するポテンシャルを秘めている。
(☆末尾のP.S.14で補足)
結局、自由とか自律は、外見の美しさにも関わらず、愛の束縛なのかも知れない。
逆に、束縛された愛こそが、普遍的な喜びの形なのかも知れないのだ。。
☆ ☆ ☆
第5話のコメント欄に書いたことを、改めて書いとこう。小日向文世や平泉成が
妙な笑顔と共に「どM」を演じると、気持ち悪い変態扱いになってしまいがちだ
ろう。でも、実は原案の善男の年齢は、むしろキムタク=木村拓哉や福山雅治
に近い。超人気タレントの彼らが演じてれば、世間の見方、特に女性の見方が
一変してた可能性がある。キムタクは、『華麗なる一族』の鉄平なんていう、あ
る意味でマゾヒストの典型を去年立派に演じたけど、『喜多善男』じゃ事務所的
にあり得ないか。でも福山なら、『ガリレオ』の直後じゃなきゃ引き受けてた可能
性あるでしょ。ま、個人的には小日向&平泉の味わいで十分楽しめるけどね。
終わりにようやく本音を明かすと、実は私は今回ちょっと退屈だったのだ。話が
やや散漫だし、杉本が吾妻の所へ行く時、つまり善男がコンサートを楽しんでる
時の音楽の使い方や演出なんてのもイマイチ。全体的にキレが無くて、過去8
回の中では最低の出来だった。これがストーリーの流れのエアポケットみたい
なものなのか、監督が今回だけ日比野朗だったからなのか、足裏vs小指対決
がやたら短かったからなのかはビミョーだけどさ♪
でも、ラスト3回は今まで通りの素晴らしい出来を期待したい。特に最終回は、
「実に素晴らしい☆」と記事を書き始めるつもりでいるから、スタッフ&キャスト
の皆さん、よろしくね!
ではまた。。☆彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.S. 極端に低い視聴率(第8話は5.8%)にも関わらず、どうやら全11回
のまま放映されるような感じだな。ホッと一息。あとは内容。。
P.S.2 最後のタイトルバックと共に流れる山崎の主題歌『真夜中のBoon
Boon』(作詞・作曲 山崎将義)の歌詞が公開された。Boon Boon
がバットを思い切り振る音だってことも初めて知ったんだけど、そんな
事より重要なのは2番の歌詞。1番が善男と平太で、2番はみずほと
しのぶとリカの事を歌ってるようだ。公式サイトによると、山崎は原案と
脚本の準備稿を読んだ上で曲を作ってるから、女性3人は、善男と平
太に並ぶくらいの大きな存在として終わるのかも知れない。ま、テレビ
で毎回流れる1番と、全く聴かない2番とじゃ、かなりの差だけど、最
終回では女性が活躍して2番も流れるなんてこともあり得るね。
ついでに、みんなで本物のバットを持ってブーンブーンと素振りする
ナンセンスギャグっぽいカットも見たいな。音が出なくて困りそう♪
P.S.3 館道、「ちゃんちゃちゃんちゃ・・・」とか歌ったり、足首の線を越えて侵
入してしのぶに怒られてるヒマあったら、小指を出さないとダメでしょ!
折角、期待してたんだから。「強く強く、優しく優しく」。どうせもう、普通
の視聴者なんか見ないから、突き抜けた内容でいいのよ♪
P.S.4 しのぶの主演映画『瀬戸のしあわせパン~愛とやさしさが集まる店~』、
決定稿なんてものが映ってたけど、興味あるから実際に映してくれな
いかな。前に、フィリピーナ的台詞で演技する映像なんてものが流れて
たくらいだから、2008文部科学省推薦作品なら当然写すべきでしょ。
個人的にも、瀬戸内海の出身だし、しあわせそうなパン屋さんのしの
ぶを見てみたい。もちろん台詞は、「パンが手を叩くと・・」で決まり♪
P.S.5 自己破産が通じないとか、丸山(眞島秀和)が脅してたから、ちょっと
ネットで調べてみた。確かに、ヤミ金(=闇の金融)の場合、面倒だし
危なそうではあるね。金も時間もかかるし、周囲に迷惑もかかるし、リ
スクもそれなりにある。法律家は心配ないって感じのことを言うけど、
相手はフツーの人間じゃないもんな。。
P.S.6 善男を殺すのに失敗したリカを平太が優しく抱き寄せてるシーンは
インパクトもあって良かった。あと30秒くらいあってもいいと思う。
P.S.7 北(=喜多)、南(=三波)、東(=吾妻)と出て来たら、最後は西しか
ないはずで、この脚本家なら遊びそうだけど、もうキャラ的には十分
足りてるんだよな。来週、善男を拉致する人間の名前かな。。
P.S.8 私の好みのタイプを考えてみると、かなり変わりつつ、やっぱり固定さ
れてるような気はする。特に、ある特徴は幼少期から全く変わってな
いんだけど、恥ずかしいから書くのは止めとこ。
エッ、どうでもいい? あっ、そう♪
P.S.9 ネガティブ善男とフツーの善男は、悪と善というよりも、死へと向かう
心とそれに引きずられる心と見た方がむしろ正確だろう。
P.S.10 今回は前回を上回る約8500文字のレビュー(スペース含まず)に
なってしまった。もう身体にしみ付いちゃってるよな。ま、文字が多め
の文庫本12ページくらいの分量だから、ぎりぎりOKか。。
P.S.11 鳥の本当の気持ちが分からないのと同様に、人間の本当の心も他
人には分からない。だから、人間の行動(言葉や表情なども含めた
広い意味)を心とみなせばいいって態度が行動主義心理学だ。20
世紀に普及したものの、「心のない心理学」とか皮肉られることも少
なくない。少なくとも、その手の心理学者の半数以上は、内心では
自分の心だけしっかり別扱いしてるだろうと私は想像してる。内心
なんてものはないと本気で言い切れる学者がどの程度いるか怪し
いし、本気で言ってるとしたら、まさにそうゆう人間観こそ、特殊で
興味深い研究対象として扱うべきだろう♪
P.S.12 手の傷については、第6話レビューのコメント欄で既にそこそこ書い
てある。要するに、善男はケガじゃなくて病気だから、ケガのように
は簡単に完治しない。象徴表現として、手の傷が消えるってことは
あっても(既に薄らいでる)、傷跡は最後まで残すべきだろう。。
P.S.13 キャバ嬢の中心になってる3人組、プー(渡辺万美)、まーくん(片山
瞳)、ミュウ(桂亜沙美)のインタビューが公式サイトに出た。プーは
10月のヒップコンテストで優勝して世界大会(通称オシリンピック)
にも出て、芸能界入りしたとのこと。まーくんは174cmの長身を活
かして雑誌やショーモデル。ミュウは中一から女優って話。そう言え
ば、ハッキリした台詞のある役はミュウが多いような気がするなぁ。
ま、3人とも可愛いし、持ち味を活かして今後も活躍してね♪
P.S.14 マゾヒズムの中でも、明らかに異常な肉体的苦痛を求めるもの(フィ
クションでさえ例外的なもの)は、一気に人数が減るし、別扱いにす
べきじゃないかなと思ってる。つまり、それは結果的に苦痛を伴うこ
とになるけど、もともとは苦痛じゃなくて他のもっと普通のものを求め
てるんだろう。ま、ここからが難しいんだけどね。。
P.S.15 原案の島田雅彦、第58回芸術選奨・文部科学大臣賞・文学部門
受賞おめでとう☆ 対象作品は『自由死刑』ではなく、『カオスの娘』。
他の主な文科大臣賞受賞者は、
映画部門:周防正行、『それでもボクはやってない』
放送部門:水島宏明(テレビディレクター)、『ネットカフェ難民』
音楽部門:細野晴臣、『FLYING SAUCER 1947』
評論等部門:赤坂憲雄、『岡本太郎の見た日本』
文部科学大臣新人賞では、
演劇部門:唐沢寿明、『コリオレイナス』
評論等:田中純、『都市の詩学』
cf.パンドラの箱に残されたもの~『あしたの、喜多善男』第1話
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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コメント
テンメイ様、おはようございます。
ふふふ・・・*6%を切ると
テンメイ様はダウンですな・・・。
キッドは世界から取り残されたような気がしますぞ。
まあ・・・今回はキャラがそれぞれに
いい味出してましたので
散漫というイメージもあるかもしれません。
足裏のしのぶと小指のツヨシの対決も
ショートでしたしね。
まあ・・・繰り返し再生という手もありますし。
どうか・・・許してあげてください。
三波が生きているのかどうか
キッドもそれほど興味はないのですが
場合によってはすでに
ネガティブ善男が父親殺しを
している可能性もありますしね。
まさにコンプレックスの基本ですし。
心理学は心理学者の数だけ
異論のある学問・・・
という意味でキッドは
学問とはいえないのではないかと
ふと・・・思います。
これはキッドにとって心はノイズである。
と言う妄想からたどり着く結論によるものです。
だからこそ
アンドロイドのハニーにも
心はあると思えるからです。
まあ・・・真の冥王星のごとく・・・
まだ人類に隠されている部分がある・・・
という希望のようなものでございます。
しのぶの幸せパンと
パンダ仮面のようなものの関係も気になります。
女王様のファニーアイテムかっ。
・・・失礼しました。
キッドにとって善男はファウスト。
平太は俗人を装ったメフィスト。
しかし・・・三波あるいはネガティプ善男が
悪魔なのかもしれません。
そうなると・・・ある意味選ばれた人である善男に
対して
平太は善良な凡人ということになります。
善男の眼差しが
知らぬものの善良さなのか
知っているものの大いなる善良さなのか
今回は明らかに後者に描かれていましたね。
平太とリカのカップルを
優しく見守る人生の先輩・・・
としての善男でした。
天使テンメイ様の予想通りの展開ですね。
まあ・・・人間は胎内で生物の歴史を
三歳児までに人類の歴史を
夢見るといいます。
まあ・・・ダイジェストで・・・ですが。
そこから始まるまたたくような個人の歴史。
それは美しいノイズでございますよ。
投稿: キッド | 2008年3月 1日 (土) 09時54分
遅いよ!な~んて思ってないよ。
1週間ぐらい全然想定内だしね(笑)
卒業論文?うんうん、そうかも☆
論文書かせたら花マル
キッドさんもすごいけど、テンメイさんもすごい!
ここまでひとつのドラマを掘り下げたら
あっぱれ!でも、こういう楽しみ方もあるんだな~
って、教わったヨ。サンキュ。
>生きてるにしては引っ張り過ぎだ
そうなんだよね。ここまで引っ張って生きて登場
しても何だかな~な気分になってきた。
でも、誰かがマネをしているなんて発想は
なかったな~なるほど。
そしてみずほの多重人格。なるほど~(笑)
あり得なくもないよね。
だんだんサスペンスの要素の方が濃くなって
喜多さんの心情が薄いかな?
退屈だったよね。なんかつなぎが悪いのか
テンポがいまひとつ。
ただドラマを見ているだけだったら、リタイア
してたかも。この作品は見に行っているので
投稿: アンナ | 2008年3月 1日 (土) 11時37分
>キッドさん
こんばんは 素早いコメント、どうもです
プライムタイムで視聴率5%台ってのはキツイですねぇ。
ただ僕は、6%を切るとダウンって言うか、
今回は内容的にパッとしないと思いましたよ。
アンナちゃんは同意見でも、キッドさんは違ったか。
リカの描写としのぶの下着の映し方ね。ウ~~ン。。
足裏vs小指は、繰り返し再生じゃダメですよ。
もっと過激な映像をプラスしてくれないと♪
ネガティブ善男が「父親殺し」で三波を殺してるって、
飛行機事故では助かっててって意味ですかね。
ファザコンを含めた「エディプス神話」の基本とはいえ、
ちょっと技巧的すぎるでしょ。
これから殺すって言うんなら、まだ分かるんですけどね。。
心理学は余りに主観的すぎてまとまらないってことで
出てきたのが、行動主義や脳科学ですよね。
特に脳科学は、社会的には成功してますし、実質的
メリットも多いでしょうけど、基本的な人間観とか
世界観の点でデメリットが大きすぎると思ってます。
今はそれが目立たないだけ。。
心はノイズって表現は、かなりお気に入りのようですね。
意味はある程度分かるし、代表的な考えでもありますけど、
実質的な中身、細かい部分が問題でしょう。
ノイズとは、物理的なものなのか、精神的なものなのか、
どちらでもないのか、どちらでもあるのか。
ノイズって言葉は、中立的なのか否定的なのか。
ノイズは減らせるのか、減らせるなら減らすべきなのか。
ノイズなしで人間や世界を説明できるのかどうか・・等々。
あるいは、「ハニーにも心はあると思える」のはいいとして、
それは「ハニーにも心はある」のと同じことなのか。。
希望というのは、今の人類にとってですよね。
ひょっとしたら、未来の人類にとってはどうでも
いいことなのかも知れない。
ただ、どうでも良くなってたら、僕は別世界で笑うかも。
あぁ、早めに抜け出して良かったなぁって感じ♪
パンダ仮面? 「パンダ仮面 しのぶ」でYahoo検索
すると、このコメントが1位なんですけど (^^ゞ
また出た! ゲーテ『ファウスト』☆
ファウストが神に選ばれた努力型の理性派人間、
メフィストがそれを誘惑する悪魔ってことね。
ここでウィキペディアを見るのをストップしました♪
お後は読んでのお楽しみ。。
平太は善良な凡人。。なるほど、それは言えるかも。
今回の善男が、知っているものの大いなる善良さの眼差しか。。
それには、2つの注意点があるでしょう。
まず、今回に限ってということ。他との整合性が問題です。
次に、ネガティブ善男を除いてってこと。
ネガティブ善男も善男の一部、元々あった要素ですからね。
要するに、リカがお気に入りってことでしょ?(^^)
って言うか、栗山千明が。理由は明らかだけど♪
僕は、吉高も小西もいいけど栗山はパスなもんで。。
ここまで大枠で予想通りですけど、最後が問題。
これまで以上に、善男が死にそうになる場面が必要です。
しかも、人為的なピンチとは別に、不運とかウッカリミスで。
副題は「世界一不運な男」なのに、このままじゃ単なる
「幸運にも自殺を免れた男」になっちゃいますから♪
オォ、ラスト6行が密林の英知、芸術的だなぁ
まぁ、「美しいノイズ」ってのは「キレイなブス」みたいな
矛盾語だから、僕なら「美しいアート」と呼びますね。
既に存在する要素を用いた技巧的芸術として。。
P.S.そちらのレスについて。
去勢不安って術語は、僕もわざと避けときました。
SMを去勢不安から説明するのは順序的に苦しいでしょう。
大まかにはSM的要素の方が先だと見る方が普通だから。
ただ、物心ついた後のSMに、幼児期の去勢不安が関係
するっていう限定された話なら、その通りだと思います。
>アンナちゃん
オイオイ 遅いよって言われる方がマシだわ
1週間遅れたことなんて無いよ。2回くらいしか♪
花マルって、そりゃ花見だろ。あ、この絵文字しかないのか。
ダメダメ♪ そうゆう時は、
「キッドさんもすごいけど、テンメイさんの方がすごい!」って
いう方が、キッドさんは萌えるんだから
ひとつのドラマって言うと、1クールだから、
卒業論文っていうより大学院の修士論文になっちゃうな。
ま、文字数だけだから、落とされちゃうけど。
おぉ、分かってくれるかい♪
今さら生きてましたってのは無いでしょ。
何の驚きもないし、脇役が脚光浴びてもねぇ。
エッ、マネって発想なかったの?
だって、マネか偽装か多重人格しかないでしょ。
録音を使ってる場合は偽装ね。
そうそう。サスペンスが濃くて心情が薄いから、
バランスも悪いのよ。つながりがスムーズじゃないし。
ま、声高にけなすほどでもないけどさ。
いやぁ、アンナちゃんが「ドラマを見に行く」なんて
言い出すのが凄いよね。テンメイさんみたいだわ
投稿: テンメイ | 2008年3月 2日 (日) 06時29分
刷り込みの会話の背景。
最初はビルが映っているだけだったのに、
最後のほうでは道路が映るアングルに変更されてました。
自信は無いけど、合成か、とも思うのですが…
信号待ちで動かない車、入れたかったんじゃないかなぁ。
だから今週は、動き出す準備中の、停滞の回。
贈り物にふさわしい華やかで美しいソルボンヌが
(と、花屋のサイトに書いてあった)
鉢植えの前では「あと4日でさよならね」に見えてしまう。
それは、善男ではなく、みずほにとって重要な気がします。
(来週の予告で白い服着てましたね)
>>彼女は冷淡
とは、私は思っていないのです。
3話で善男の買い物につきあったリカが平太に愚痴る台詞…
「かわいそう、とか思っちゃう」は、
みずほにフィードバックするためにあったと思っているので、
彼女の感情は封印されている派。
そういえばしのぶ関連では…
台本を読んでいた楽屋のコスメボックスが、パンダの箱だ!
映画やクイズが「パン」つながりなのも、結局パンドラの箱ってこと?
「どM」発言にはちょっと驚きました。
台詞として出してくるとは!
2話からマゾヒズムって言葉を提示していたテンメイさんに
座布団を一枚。
>>北、南、東と出て来たら、最後は西
みずほの旧姓が仁志ってのは?
投稿: なな | 2008年3月 2日 (日) 11時40分
>ななさん
こんばんは 毎度どうもです
刷り込みの会話の背景ね。
確かにちょっとウソっぽい映像にも見えますね。
遠くからクレーンを使って映してるからでしょう。
要するに、都庁の第一本庁舎と第二本庁舎を、
善男と平太の2人にキレイに重ねたいってこと。
まず高くそびえるビル2つを、青空と共に鮮やかに映す。
手前には、女子高生のミニスカのオマケ付き。
クレーンが上がると、2つのビルをつなぐ通路が映る。
そうゆう、教科書的な映像でしょう。
信号待ちで動かない車を入れたかったにしては、
車の動きが色々と入ってます。縦も横も。
ただ、通路(=つながり)を横断する形で、
停滞した車を映したかったのかも知れませんね。
会話の後半は2人のすれ違いだから。
ま、やや停滞気味の回だったのは確か。。
「と、花屋のサイトに」ってのが笑えるな♪
確かに、華やかな花ですね。ちょっと色が寂しげだけど。
みずほが白い服。。ホントだ、来週は白のスーツか。
キャラが変わってくるのかな。。
みずほが冷淡ってのは、ここ最近の表面的な姿ってこと。
もちろん、元々は明るいナースだったし、今でも
自宅やカウンセラーの前だと、か弱い女性。
平太も、ホントは可愛いとか言ってましたよね。
そうゆう思いはもちろん善男にもあるでしょう。
ただ、素敵な結婚の思い出の裏に、とんでもないカラクリが
あると知った後だから、冷淡って部分も頭から離れないはず。
ともかく、冷淡派vs封印派って対立はないわけです。
むしろ、冷淡派=封印派の方が近い。
あっ、キッドさんのコメントの「パンダ仮面」って、
そうゆう意味なんだ! 吉高ばっか見てたな♪
なるほど、鏡の顔とパンダの顔が上下に並んでますね。
しのぶ=パンダ=パン屋ね。実に面白い☆
ほんじゃ、やっぱ映画でパンダを映してくれなきゃ。
「どM」発言はインパクトありましたね。
あの場所で言うとは意外だし、みずほがドMってのも面白い。
まあ、マゾヒズムって話だけなら、僕は2話のレビューから
ドーンと打ち出してましたけどネ♪
座布団一枚、どうも☆ ホントは二枚欲しいけど (^^)v
みずほの旧姓。。まさかと思って小説を読み直すと・・
ま、ネタバレになっちゃうから、後は見てのお楽しみ♪
投稿: テンメイ | 2008年3月 3日 (月) 03時38分
初めまして。
「あしたの、喜多善男」が好きで検索していたら、ここにたどり着きました。
私の周囲ではこのドラマの評判が悪く、あまりドラマについて話も出来ず、とても残念なのです。
なので、テンメイさんのこのブログはとても楽しかったです♪しかも素晴らしい分析力ですね☆
またゆっくり読ませていただきます。
投稿: まゆ | 2008年3月12日 (水) 16時32分
>まゆさん
はじめまして♪ コメントありがとうございます☆
また1人、女性の喜多善男ファンが見つかって嬉しいですネ ^^
「私の周囲では」って言うか、日本中で不評でしょ♪
何しろ、視聴率5%でさえ危ないドラマですから。
僕の周囲でも大部分は不評で、読者が記事を読んで
くれないから、時々ボヤいてアピールしてます♪
ただ、人数は少なくても、このドラマを愛するマニアック
な方々が多少いらっしゃるから、中身のあるコメント欄に
なってると自負しています♪
まゆさんも、またゆっくり読んだり見たりした後、
ご自分の考えをここで全て吐き出してくださいネ ^^
投稿: テンメイ | 2008年3月13日 (木) 00時38分