生へとつなぎ止める他者~『あしたの、喜多善男』最終回
人は人を恨み 怒り 裁いて罰を与えようとする
怒りに身を委ね 行動することは 実はそれほど困難なことではないのだ
人間にとって最も困難なこと それは 他者を そして自分を許すことなのだ
その先に調和があると知りながらも 人は許すことをなかなか出来ない
誰もがその内側に黒いものを抱えている 誰かを傷つけることもある
罪を犯すことも 悲しみに打ちひしがれることもあるだろう
だが その同じ人間が 純粋に愛を求めることがある
本当の愛を手に入れたいのならば 許すことを知りなさい
他者を そして自らを
☆ ☆ ☆
実に素晴らしい!、と書き始める予定だったし、そうできない内容だったわけで
もない。実際、私は最後にまた星屑のような涙を流したし、繰り返し見てもやっ
ぱりいいと思う☆ 最終回ということを考えても、また読者の大半は喜多善男ファ
ンだろうということを考えても、絶賛のスタートの方がふさわしいだろう。
ただ、ウチはファンサイトでもなければ、仲良しクラブでもない。今までも、選び
抜いて本格的にレビューしてる作品に対してさえ、言うべき事や本当の事はハッ
キリと書いて来た。是々非々。いいものはいい、悪いものは悪いということだ。
最終回とか、第1話からの全体を見た上で言えることは、志の高い良質の大人
向けドラマで十分満足してるものの、欠点も目立つ作品だってこと。この欠点が
もっと小さければ「重箱の隅」として無視もできるんだけど、ちょっとビミョーなの
だ。そこで、まず簡単に問題点に触れた後で、本題に入っていこう。
今までも書いて来たように、やっぱりこのドラマは、バランスが悪い。より正確
に、包括的表現を使うなら、全体のまとまりがイマイチなのだ。サスペンス(=
心理的な宙吊り)とかミステリー(=謎)の要素を大きく扱いすぎてて、自殺のス
トーリーの影がちょっと薄れ気味になっている。その象徴が、ピンボケのサブタ
イトルだ。第6話「暴かれる真実」、第8話「真犯人はアンタだ」、第9話「今こそ
復讐のとき」。。何じゃ、こりゃ!(by 松田優作♪)
このままじゃ、最後のサスペンスの処理に困るよなと思ってたら、案の定、取っ
てつけたような結末になってた。脇役の森脇大輔(要潤)と端役の田中多枝子
(水谷妃里)を悪者にして、一瞬で逮捕(or連行)される展開。彼らがなぜ殺人
事件と冤罪工作までしたのか、ほとんど描かれてないし、バレた場面も許容範
囲ギリギリって感じの作りだった。
もちろん、最低限の筋を通してるのは認めていい。森脇は苦しい会社を助けて
トップに登り詰めようとして、ダメな社長を殺すと共に保険金を手に入れようとす
る。イケメンで有能な森脇にとって、若くてキレイな女子社員を落とすのはわりと
簡単だろう。田中に鷲巣みずほ(小西真奈美)と同じ携帯を持たせ、会議中に
こっそりすり替えさせる。さらに、田中がこっそり手にしたみずほの携帯に、殺害
実行犯が電話を入れることで、みずほが主犯にされる。同時に、知らない間に
みずほが持たされた田中の携帯には、森脇が電話をかけて、すり替えに気付か
れないための小細工をする。つまり、秘書との連絡で安心感を作ると共に、みず
ほが田中の携帯で誰かに発信しようとしてしまうのを妨害したわけだ。
ところが、同機種の携帯2つで同時に発生した2つの通話が、保険調査員・杉本
マサル(生瀬勝久)や与田良一(丸山智己)の疑惑を招いてしまい、最後は杉本
のハッタリの大声にビビッた田中が、うっかり森脇からの依頼を自分でバラして
しまったわけだ。田中をわざと与田への情報提供者にして、疑惑の対象から外
そうとした小細工も、逆に目立ってしまったってわけ。
ただ、僅かな時間で強引に処理してたので、事件の真相と解決方法がオンエア
中に正確に把握できた人は少ないだろう。まあ、気にもならない話だったかも知
れないけどね。
要するにこのドラマは、みずほとその周辺の扱いが不自然で、根本的に失敗し
てるのだ。喜多善男(小日向文世)との偽装結婚、三波貴男(今井雅之)とのド
ロドロした関係。ネガティブ善男なんていう奇妙なものの強調も、その統合なん
ていう超魔術みたいな「奇跡」が出てきたのも、全てはみずほの周辺からなのだ。
(小西真奈美本人は問題ないので念のため)。
ちなみに、島田雅彦の原作(正確には原案小説)『自由死刑』(集英社)では、旧
姓・西みずほ(現在・東みずほ)は、端役にすぎず、宵町しのぶの方が遥かに重
要な役割を果たしてる。まだ新人と言っていい吉高由里子がここまで演技できる
才能の持ち主だってことが分かってれば、飯田譲治の脚本の構成はまったく変
わってたかも知れない。ただ実際の脚本は、しのぶよりみずほを、つまり吉高よ
り小西を前面に出したにも関わらず、原作のしのぶの役割(善男への愛、自身
や善男への救済願望、自らの不幸な境遇、精神世界への傾斜)を部分的に無
理やり残したもんだから、バランスとかまとまりが相当崩れてしまってるのだ。
とは言え、純文学っぽい原作のままで小日向主演だと、地上波プライムタイム
の連続ドラマとしては苦しかったっていう事情はよく分かる。サスペンスの形で
中堅の美人女優とイケメン男優を入れたり、心理学者を登場させたりしたくなる
のも、無理はないだろう。だから、結果的に上手く行ってないとはいえ、それほ
ど「ネガティブ」に脚本を評価するつもりもない。この程度の軽い批判で「許すこ
と」が重要なんだろう。「本当の愛を手に入れたいのなら」ね。いや、飯田との愛
じゃなくて、ドラマとの愛だけどさ♪
前から注意を促してきた、副題「~世界一不運な男の、奇跡の11日間~」の前
半が、結局活かされてないという難点についても、「許すこと」が重要なのかね。
少なくとも最初の辺りは、不運へのこだわりがあった。看板が落ちてくるとか、ハ
トの糞が落ちてくるとか。ところが、中盤からはもっぱら奇妙な保険金殺人関連
の不運が強調されるようになってしまった。これじゃあ、自殺願望の本質と関係
ないし、コミカルなお遊びにもなってない。世界一不運どころか、日本のニュース
に時々出てくる不幸な被害者の方々にも遠く及ばないだろう。筋を通すなら、最
後にもう一度、明確な不運、ネガティブな偶然を入れるべきだったのに、奇跡的
幸運があっただけだった。これもまた、許すべきなのか。脚本的にも演出的にも、
簡単な配慮で済むことだったのにな。。
ま、喜多善男ファンの読者が消えてしまう前に、ネガティブな話はおしまいにし
ようかな♪ それではこの辺で、徐々にポジティブな話や本質的議論の方へ進
んで行くとしよう。
☆ ☆ ☆
まずは前回に続いて、私の星屑のような涙の説明から入ろう。要らない? あっ、
そう♪ ほんじゃ、しばらく飛ばして重い話の方へお進みあれ。今回、正直言っ
て最後近くになるまでは泣けなかった。もちろん、しのぶって言うか、吉高の涙
は美しかったし、台本の台詞も悪くはなかったから、一応この記事の冒頭に持っ
て来てある。でも、善男も矢代平太(松田龍平)もいない稽古場で1人で喋って
るんじゃ、3割引くらいまで価値が下がってしまう。原作者・島田雅彦の出演とか、
マネージャー・矢井田(吉家章人)の神妙な顔つきくらいじゃカバーし切れてない。
ほんのちょっと設定を変えてくれれば泣けたと思うのに、惜しかった。。
一番肝心の、平太が善男を止めるシーンも、それなりに評価はしてるものの、
残念ながら泣けなかった。ロケーションはなかなか素晴らしい☆ あれは、善
男が乗ってた銚子電気鉄道がそばを通ってる犬吠埼(いぬぼうざき)でいいの
かな。関東の一番東、つまり、「西」(原作のみずほの旧姓)から一番遠ざかっ
てて、アンドリュー・ワイエスの絵画「クリスティーナの世界」の香りも少し漂って
て、原作の自殺シーンとも少し似ていて、さらに第1話からほのめかされてた飛
び降り自殺にも都合がいい。どこまでCGが入ってたのか分からないけど、リア
ルにせよヴァーチャルにせよ、場所は良かった。ただ、脚本・演出・演技が、泣
かせるものにはなってなかったので、涙を用意してた私としてはちょっと拍子抜
けだったのだ。
その後、みずほが釈放されて、森脇のM的発言(or捨て台詞)「今が本当のあ
なたの顔だ。でも張り詰めたままのあなたが、僕には魅力的だった」があった後、
警察から出てきたみずほが歩道で善男と対面する。ここは、後から見直してみ
ると、長い沈黙の使い方も含めてそれなりにイイんだけど、オンエア中は、より
を戻してハッピーエンドなんてことになるのが心配で、ほとんど味わえなかった。
もしあそこで、2人が抱き合って新たに夫婦生活をやり直し始めるなんてことに
なったら、『ホタルノヒカリ』最終回と同様、卓袱台をひっくり返しそうになる所だっ
た♪ いや、それでも実際には、ホタルと同様に「許す」かも知れないけどさ。
ま、実際は無言で見詰め合って、本当のお別れ。この辺はやっぱり、火曜22時
の大人のドラマであって、日テレ・土9の『1ポンドの福音』のような超甘口ドラマ
とは一線を画している。コーヒーに砂糖を5杯入れて、本来の味わいを消してし
まうような事はしてないのだ。あっ、また口が滑って読者を減らしたか。。♪
さて、お待たせしました。前フリ長いよって? あっ、そう♪ ここからが素晴らし
かったのよ☆ 22時43分からの一連のシーンは、何回見ても実に素晴らしい!
みずほと無言で別れてホッとした所で、再びギルバート・オサリバンの古典的名
曲『アローン・アゲイン』(Alone Again=また1人ぼっち)が流れる。第1話で印象
的に使われて、ウチのレビューのトップにも「歌詞」(ドラマ独自の意訳)を引用し
て軽く説明しておいた。演奏はおなじみ、エリート・ジャズピアニストの小曽根真。
女性ヴォーカルはTIFFANYでいいのかな。正確な情報をお持ちの方がいらっ
しゃったら教えてネ。一般個人のブログじゃなくて、オフィシャルなサイトとか各種
メディアの情報。「教えてgoo」とか「Yahoo!知恵袋」なんてのは、単なる参考
程度のものにすぎない。
それはともかく、この『アローン・アゲイン』。最終回では、善男がガケっぷちの家
の煙突に向かうシーンでまず流れてて、これだけでもかなり満足だった。と言う
のも、ウチは初回記事からこの曲の歌詞に注目して、最後は「塔に登って身を投
げる」と予想してたからだ。死なずに助かることも含めて、この点に関しては完全
に読み筋通りの展開になってる。
ところが、善男がみずほと別れた後、再びこの曲が流れるとは嬉しい驚きで、し
かも使い方がほぼ完璧に近かった。善男もみずほも、アローン・アゲイン=また
一人ぼっち。それに続いて、長谷川リカ(栗山千明)と平太が再会、リカの方から
別れを切り出して去っていく(女はこれだからなぁ・・♪)。平太は一言だけ、「リカ、
連絡するからな」。リカは振り向きかけて、そのまま遠ざかる。栗山千明は、申し
訳ないけど顔と表情が個人的にちょっと苦手だから、なかなかホメる気になれな
いんだけど、この辺りの演技は個性を十分活かしてて、客観的に見れば上手かっ
たと思う。ともかく、平太とリカも文字通り、アローン・アゲインで、大人の味わいだ。
ただし、純文学の原作とは違って、喜多善男は地上波プライムタイムの連続ドラ
マ。おまけに、さんざん自殺とか殺人事件の重い空気を漂わせて来たんだから、
最後はやっぱりブラックコーヒーでは苦すぎるわけで、1杯だけ砂糖が欲しいし、
ミルクも少し入ってるとホッとする。疲れた時の鉄則だ。
その適度な甘さと柔らかさをもたらしたのが、続く2つのシーンだった。まず、芝
居慣れしてる桂亜沙美が演じるキャバ嬢のミュウが、平太と善男から電話を受
けて、はしゃいで控え室に入って来る。「分かった、分かった。これからカレーパー
ティー♪」「エーッ、何で?」「喜多ちゃんが、カレー作ってくれるって!」「喜多ちゃ
ん? 生きてんの?」「喜多ちゃんに代わって♪ キャー☆」。ここでまずウルウル
してしまった。文字通り胸をはずませる、無邪気なキャバ嬢達(プー=渡辺万美、
まーくん=片山瞳、武下公美、ユリサ、崎田まや)の可愛らしさ。自殺を止めるこ
とで、生き続けることで、ひなびたキャバレーの薄暗い控え室でこれだけ歓迎し
てもらえる、善男のささやかな幸せのきらめき。
で、この後いよいよ、私のつぶらな瞳から星屑のような涙がこぼれ落ちてしまっ
たのだ。場面は変わって、保険調査員コンビの部屋。まず、杉本がわざわざ暗
い部屋を通って明るい部屋に入って来る。この演出は、直前のキャバレーで、暗
い奥から明るい控え室にミュウが飛び込んで来るのと合わせてるわけだ。この
辺りを見ても、下山天の演出はやっぱり上手いと思う。
で、明るい部屋に入った杉本は、与田と会話する。「審査、どうでした?」「会社
が受取人になってる8割は、当然無効にできる・・・みずほの個人名義の2億は
支払われることになるなぁ」「えっ、杉本さん、いいんすか?」「そんなもん、オレ
の業績には何の影響もねぇんだよ。みずほも会社を立て直さなきゃなんねぇだ
ろ。あいつも悔い改めたんだ。餞(はなむけ)だよ。オレにも慈悲ってもんがある
んだよ」「へぇ~♪」「さ、次の仕事に取り掛かるぞ。全部、目を通しとけ」「エェ~ッ
!」。この2割の適度な慈悲と、サラッとした表現に泣けたのだ☆ 10億円の保
険金詐欺の5分の1だけ許して、本当の愛を注ぐこと。5杯ではなく控えめに1杯
だけにした砂糖の仄かな甘さと、ミルクの程よい柔らかさ。
この控えめな温かさをキレイに表してたのが、演出と演技だ。杉本が与田に、
『夜回り先生』のコミックを1冊だけ与田に手渡したあと、仕事の書類は大量に
渡して、与田はあわててコミックを落とす。慈悲はちょっぴり、義務はたっぷり。
杉本自身も次の仕事に気持ちを切り替える。ただし、最後は夜明け前の東京
の景色に向かって、すがすがしい笑顔。そして日がグングン昇り(速過ぎ!♪)、
夜が明けて、いよいよ本当の最後。エンディングへと向かう。ここで『アローン・
アゲイン』のフルコーラスがキレイに終わるのだ。上手いぞ、下山天☆
やがて、毎度お馴染み、若者が淡々とスケボーに興じる新宿中央公園で、善男
は1人、母に手紙を書く。おそらく、便箋は遺書のために買ったもので、母への
遺書は書けなかったけど普通の近況報告なら書けるのだ。その意味では、母に
手紙を書くために死を思いとどまったとも見ることが可能で、ちゃんと最後に母
の大切さを持って来たのは上手い筋書きだ。下敷きが就職情報マガジンなの
も、これまでのカバンを捨てて軽快なリュック(原作と同じ)にしたのも、カバンの
底の発信機に気付いて無視したのも細かい技だ(演出かな)。
最後に平太と、少し距離をへだてたまま笑顔で挨拶して終わったのも、適度な
温かさと言えよう。そして、山崎まさよしの主題歌『真夜中のBoon Boon』。
「闇を超えて 君に届いて 夜明けまでに間に合えばいい・・♪」。間に合って良
かったね。。歌とエンドロールのバックでは、全体を振り返る映像が流れて、一
番最後は平太が善男の肩を抱いて一緒に歩く、第7話の象徴的シーンで終了。
パチパチパチ! いやぁ、良かった、良かった。途中はイマイチかイマ半分かなっ
て感じもあったけど、最後の7分で見事に有終の美を飾ってくれた。。☆
☆ ☆ ☆
という訳で、泣けた部分の解説を終えて、いよいよ最後は一番本質的なことに
向かおう。善男を生へとつなぎ止めたものは何なのか。そして、一般に人を生
へとつなぎ止めるものは何なのか。
前回までの流れをまとめるとこうなる。平太との運命的な出会い。しのぶ・キャ
バ嬢らとのラッキーな親交。母への思いの確認。みずほ関連の真実=現実の
把握。ネガティブ善男との統合と、不快な現実の直視。
それでも、絶望の果てに自分に残された僅かな自由として、自殺しようとする善
男。そこで、しのぶが絵を思い出し、みずほが場所を思い出し、平太が「運動会
以来」の全力の走りで、荒野の断崖絶壁の一軒家まで追いかけてくる。できれ
ば途中でコケて欲しかったけど、屋根で2回コケてくれたから、まぁいいか♪
あのシーン、「クリスティーナの世界」の絵に似てるし、印象的なロケーションな
のはいいとして、「僕が通ってた中学校の裏」には見えないし、家がまるでドラマ
のセットみたいに見えてしまう♪ だけど、雰囲気は出てるから許すとしよう。平
太が善男を発見するのも、「奇跡」と言うほどあり得ないことでもないから、別に
いいだろう。善男がかなり躊躇して、時間が経過してるわけだしね。
で、結局、何が死ぬのを止めるのか。一言でいうなら、「他者」の存在だ。死に
たい「自己」の「外部」にある存在。主なものとしては、四種類ある。1つはいわ
ゆる他人。ドラマで言うなら、平太、しのぶ、みずほ、母、キャバ嬢らの存在だ。
医者やカウンセラーも含めて、その人に生きてて欲しいと思ってる人たち。これ
は誰にでも分かるだろう。2つ目は薬。向精神薬で、現在の精神医学の中心と
なってるものだけど、善男の場合は飲んでなかったように見える。たとえ飲んで
ても、ドラマ的にも現実的にもおかしくはない。3つ目と4つ目の「他者」は、ちょっ
と分かりにくいと思う。それは、自分の「身体」(からだ)と「時間」だ。
「自分」が本気で死にたいと思ってるのなら、それを止めるのは論理的に2つの
ものしか存在しない。「自分」以外か、自分の時間的変化か。ここで、「自分」と
いうのは精神的な自我、自分の心だから、自分の身体は他者の立場にある。
だからこそ、荒れ野でコケて飛び降り自殺の幻想から目覚めた後の善男は、再
び出血した手の傷を見ながら呟いていた。「そうさ。美しい死なんてあるもんか。
死ぬってことは、この身体を傷つけるってことなんだ。壊すってことなんだ。そうさ、
オレは、この身体を壊しに行くんだ」。
つまり、自殺とはやっぱり、自分で死ぬ(=自死)だけでなく、自分を殺す側面が
あるのだ。究極の殺人であって、だからこそ重い罪なのだ。前回のレビューにも
書いたように、自殺する心の自由は、身体にとっては暴力だ。もちろん、生にとっ
てギリギリの場面では、暴力はいけないなんてキレイ事は必ずしも通じない。た
だ、身体は死ぬことを求めてないこと、傷つけられると痛むこと。これは改めて
強調しといていい。本物の夜回り先生・水谷修が向き合ってるリストカット少女達
も、絶望の中で救いを求める信号を出すと共に、自分の身体は生きようとしてい
ることを確認してるのだ。血を流して嫌がる手首の様子を見て、何度も、何度も。
この、生きようとする身体こそが、煙突の上の善男を引き止めたのだ。親父の
自殺話とか、善男に対する思いとかの話が通じなかった平太は、なりふり構わ
ず善男の脚にしがみつく。脚を止められると、自殺しようとする心の自由は束縛
されるのだ。平太の必死な気持ちが止めたのと同時に、脚という身体が心に抵
抗したという側面を見落としてはいけない。平太の思いが、身体の反逆を手助け
したのだ。
この身体性の重要さを表してたのが、煙突の上でためらう様子と、腹のなる音、
そしてカレーの話だ。文字通り「必死」の場面でも、身体はすくみ、飛び込むより
もしゃがみこもうとする。さらに、胃袋は空腹を訴える。飛び降りてグチャグチャ
に壊すよりも、何か食べさせてくれ、生きさせてくれと、声高に主張する。大好き
なカレーの話をされれば、反射的に唾液も分泌されただろう。この身体の思い
が、平太の腕の温かさと共に善男の心に伝わったからこそ、とりあえず死は食
い止められたのだ。
ここで、カレーという不思議な食べ物について改めてまとめておこう。第9話のレ
ビューでは、お香と書いておいた。これは、ドラマの形式に即した話だ。善男が
最初から一貫して奇妙なほど執着してたのが、死とカレーだ。さらに、第2話で
は終わりの気配が漂う母のもとで、カレーは亡き父へと捧げられ、仏壇のある
部屋まで香りを漂わせていた。同じく9話で、善男は平太に、自分が死んだ後で
心のこもったカレーを食べてくれと頼んでいた。死後の心のふれ合いを演出す
る香り。したがって、カレーとは形式的にお香なのだ。
でも、最終回で明らかになったのは、カレーの持つ別の側面、実質的な身体性
だ。日本人の多くは、カレーの香りで食欲が増す。食べたいという思いが胃袋か
ら湧き上がり、いつもより多めにご飯を食べてしまう。辛ぇ(=かれぇ)からご飯
が欲しいってこともあるだろう。ともかく、食べるということは、生きるということだ。
食欲とは、生の欲望の基本要素なのだ。だからこそ、死の欲望に真っ向から対
抗する。そうしたカレーの持つ力を土壇場で引き出してくれたのが、彼(=カレ)、
つまり平太だったのだ♪
話を元に戻すと、一軒家の煙突という「塔に登って身を投げる」のを回避できて
も、まだその先がある。一度失敗した者が再び死を試みるのはありがちな話で、
消えかけてた手の傷もまた深まっている。そもそも、「あし=した」の喜多善男。
「下に向かう傾向」を持った原初的なマゾヒズムが一気に薄らぐはずもない。
「着た善男」、つまり善人の外見を着たフツーの男という側面もあまり変わらない
だろうから、外と内、ネガティブとそれ以外との対決も続くだろう。
だからこそ、その後の支援=サポートが必要なのだ。善男の場合は、とりあえず
キャバ嬢を交えたカレーパーティーや母との再会などで、しばらくは小市民的な幸
せを味わえるだろう。最初は就職活動にもそこそこ気合が入ってるかも知れない。
だが、今の時代、売り手市場の新卒とは違って、人生をクローズorリセットする
手前のギリギリで生還したような中高年に、適当な就職先があるだろうか。また、
温かい人間関係がいつまで、どの程度まで続くだろうか。平太はリカと別れて精
神的に不安定だし、競争の激しいキャバレーの仕事も大変だろう。平太なしに、
善男がキャバ嬢と仲良くするというのも考えにくい話だ。しのぶも、2000万女優
という肩書きに加えて、抜群の演技力と存在感を示したし、矢井田も心を打たれ
たようだから、仕事が忙しくなる。善男ちゃんに足裏マッサージをさせてあげる余
裕もほとんどなくなるだろう。みずほとは別れたし、母は軽い認知症だ。。
だから、実はエンディングはそれほどのハッピーエンドにはなってない。善男は
言う。「終わるはずだったオレの明日が、また始まった。数えるには多すぎるほ
どの明日が。悲しい明日も、あるのかも知れない。だけど、笑える明日もきっと
あるような、そんな気がするんだ」。このかすかな希望と、移ろいやすい人の絆
を抱いて、これから生きていかねばならない。少なくて数百日、長くて2万日くら
いの日々を、決して自由ではなく、束縛された状態で。もちろん、我々自身もそ
うなのだ。
だからこそ、一瞬のふれ合いや人の温かさ、一つ一つの笑顔を大切にすべきだ
し、運命とか偶然にせよ神の配慮にせよ、畏怖すべき大いなるものに生かされ
てる「有難さ」を感じ取るべきだろう。そうした態度が、結局は「魂の道」への誠実
さにつながるのだ。決して途中で急激に屈折することのない、川の流れのような、
水の循環のような、永遠に続く自然な道への誠実さへと。。
☆ ☆ ☆
終わりに、今この文章を読んでるかも知れない、追い詰められた人、苦しんで
る人に向けて書いておこう。と言っても、例外的な人のことを指すわけではなく
て、考え方によっては全ての人のことだ。喜多善男はあくまでテレビドラマとい
うフィクションであって、現実にはここまでの「奇跡」はまず起きないだろう。平太
やしのぶはいないし、可愛いキャバ嬢と親しくなるチャンスもない。分裂した自
分、解離し多重化した人格が、突然1つに統合されることもないし、一瞬で不快
な現実と向き合えるようになることもないだろう。
ただ、より小さな奇跡なら日常的にあるはずだ。奇跡と呼ぶのは恥ずかしいけ
れども、文字通り「有難い」様々な出来事。それは、今この世界に生きてること、
道端に咲いてる美しい花を見つけたこと、美味しいものを食べること、気の合う
人と出会えたこと、身体に合う薬を適量ずつ摂取して症状が治まること、等々、
ごく普通でリアルな物事だ。こうしたものへの感受性を持ち続けることくらいなら、
それほど難しいことでもないだろう。
正直言って、広い意味で「自ら命を絶つ」ことが決して許されないとは思わない。
たとえば、不治の病の末期に、耐え難いほどの痛みが続いてる場合。これは、
身体から精神への暴力と言っていいだろう。圧倒的な暴力に対抗するために、
医者や親族に頼んで「少しラクに」してもらうのは、例外的行為として許される
べきだし、実際に許されてもいると思う。
それでも、やはり言いたい。ほとんどの場合は、そこまで酷い状況にはないは
ずだ。もちろん、心身の不調、経済的困窮、人間関係の希薄さや過酷さ、薬の
副作用など、自分に関わる全てのものが「内側に黒いものを抱えている」だろう。
でも、人間とは、世界とは、そうゆうものなのだ。全てを、ちょっぴり「許すこと」。
つまり、できる範囲で優しく受け入れた上で、現実的に対処すること。一方、「白
いもの」だけに覆われたヴァーチャルな世界に閉じこもってるのなら、たまにで
いいから、少しだけ外に踏み出すこと。そうした些細な積み重ねの向こうに、きっ
とその人なりの「本当の愛」が見つかるだろう。小さ過ぎて見落としがちだけれど
も、大切な温もりが。
世の中、それほど捨てたもんじゃない。人間は、それほど真っ黒なものじゃない。
黒と白が混ざり合ってるからこそ、独特の魅力や愛らしさも醸し出されるのだ。
しのぶの小物入れのパンダ模様は、きっとその事を伝えようとしてるのだろう。
ともあれ、世間の冷たい仕打ちに負けることなく、最後まで素敵な作品を見せて
くれたスタッフ&キャストの皆さんに、心から感謝したい。どうも、ありがとう♪
ではまた、いつか。。☆彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.S.個人的には、『喜多善男』から外に視線を向けて、今の世の中を全体的
に見わたした時には、「許しすぎ」が目立ってると思う。特に、日本はそう
ゆう国のような気がする。従って、許すことの大切さを強調するのは、あく
まで限定的な状況においてのことにすぎない。許しがたいことを許さない
姿勢ももちろん重要だし、「怒りに身を委ね行動することは、実はそれほ
ど」簡単なことでもないのだ。
その意味で、「明日だけ」と甘えるしのぶに矢井田が怒ったこと、しのぶも
それにちゃんと従ったことは正しいことだったし、自分を捨てて魂の道にそ
むいてまで死のうとする善男を、しのぶが「絶対許さない」と怒ってたのも
適切だった。仕事にも愛にも、ある程度の厳しさは当然必要。これでこそ、
大人のドラマだ☆
P.S.2 私がRUN&BIKEにこだわるのも、1つには身体性の重視ということ
だ。特に、単純で持続的な身体運動は、心と身体の全体を生の方向
に向かわせる効果があると思う。散歩でも、なわとびでも、クラブのダ
ンスでも同じこと。以前に書いた禅(曹洞宗)の「威儀即仏法」というの
も同様で、作法にのっとった身体の行動形式が仏の道に通ずるという
考えだ。もちろん、仏の道にも魂の道にも、基本的に自殺はない。
生死とか命の問題は、決して単なる心の問題ではなく、身体の問題で
もあるということは、まだまだ本当の意味では理解されてないだろう。
P.S.3 このドラマで最初から、1人の人間の道を象徴していた電車。最後に
登場したのは、善男が乗った銚子電気鉄道だった。ところで、この会
社は、撮影に向けて広く宣伝すると共に、銚子名産の醤油を使って、
「ぬれ煎餅」を製造販売してるのだ。与田のぬれ煎餅は、ひょっとした
らここから来てたのかも知れないね♪
P.S.4 ドラマ全体の回想を、エンドロールのバックに収めたのは適切だった。
それに対して残念だったのは、『鹿男あをによし』の最終回。藤原道子
(綾瀬はるか)に続く堀田イト(多部未華子)の「二つのキス」で、小川
(玉木宏)の印(しるし)が消えて、電車の乗客が変な顔をして小川を見
る所までは良かったし、イトの手紙の文章もまずまずだったのに、その
後で延々と丸2分間も回想シーンを織り込んだのには興ざめした。
って言うか、鹿男の記事を書くヒマが無いから、ちょっとこの場を借りて
一言喋りたかっただけなんだけどネ♪ どうして、最後にまた裏切った
リチャード(児玉清)が、ちゃっかり鎮めの儀式に参加してんだよ! って
言うか、ラストの東京の雑踏で、遠巻きに見てる一般の野次馬の皆さ
んはどうにかなんないのかネ ^^;
P.S.5 砂糖とミルクがほとんど入ってない、ブラックコーヒーのような原作の
結末については、最終回直後にすぐドラマとの比較記事をアップして
おいたので、そちらをご参照あれ。
P.S.6 平均視聴率わずか7%、最終回でさえ6.8%に終わったこの低視聴率
番組を支えてくださったスポンサーに、改めて感謝♪
LION、TOYOTA、VISA、ヘーベルハウス、KDDI、DHC、hoyu、DAI
HATSUの皆さん、どうもありがとう!
あと、過激な企画を強引に通して、低視聴率の中で全11回頑張り続け
たプロデューサー(豊福陽子、遠田孝一)と、関西テレビ、フジテレビの
皆さん、本当にお疲れさま♪☆彡
cf.パンドラの箱に残されたもの~『あしたの、喜多善男』第1話
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
山崎まさよし『真夜中のBoon Boon』のPVをじっくり鑑賞☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
手作業TB:あしたの、喜多善男~世界一不運な男の、奇跡の11日間~
(テレビお気楽日記)
あしたの、喜多善男 (最終回) (Love of the eternity)
あしたの、喜多善男 最終回 (アンナdiary)
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コメント
お疲れさまでした~♪
終わったね。
あのセリフを冒頭に持ってきたね
うちでの誤字脱字の指摘、いつもありまとー
テンメイさんが、アイドルの出ないドラマの
レビューするのめずらしくない?
バランスが悪くて、まとまりがないに同感。
好きなドラマだったけど、視聴率悪いのも
頷ける。サスペンスな部分を大きく扱い過ぎた
よね~私なんか、そっち系は殆ど無視しちゃった。
このドラマで吉高由里子と松田龍平に出会えた
ことが収穫です。
そしてBGMは素晴らしかった。
11日目まで放送してくれてありがと~♪
ホント、スポンサーに感謝しなきゃ
投稿: アンナ | 2008年3月22日 (土) 11時50分
すいません。自分のひどい内容の記事まで手作業TBしてもらっちゃって・・・。
最後だったので記念に載せたのですが、やっぱり死ななかった!!しか感想がなくて・・・。見つからないようにコッソリしてたのです。
リチャードはちゃっかりしてましたね。やっぱりテンメイさんが鹿男の記事が見たかったなぁ・・・。
投稿: お気楽 | 2008年3月22日 (土) 12時25分
ありゃ~~~?
ごめーん!うちのTB飛んでなかったのね(汗)
飛ばして飛んでいるつもりでちた。
あらら。。。ココログにTBが飛んでない?
何回かトライしたけど、ダメですね。
ただいま、ココログにはTBが飛ばない方が
多いようで。
困ったね~でも、手作業ですんません。
投稿: アンナ | 2008年3月22日 (土) 16時01分
あれ~?飛んでる(笑)
何なんだ?ココログぅー。
投稿: アンナ | 2008年3月22日 (土) 16時02分
>アンナちゃん
お疲れさま~
やっと終わったよ。マジで疲れたわ。。
あのセリフ、お互い引用してたね
ただ、記事の冒頭に持ってきたのは妥協なんだよなぁ。
ピッタシのやり取りが見当たらなくて。
ま、吉高の活躍に敬意を表するってことでOKか。
誤字脱字じゃないでしょ。聞き間違いネ♪
アイドルの出ないドラマ。。ホホーッ、なるほど。
よくウチのドラマ選択を把握してるな☆
2年前の輪舞曲&氷壁&けものみち以来ってことは、
アンナちゃんと出会う直前まで遡るのか。。
アイドルなしで視聴率も低けりゃ、アクセスも減るわな。
それでも減らないくらいの読者の厚みが欲しいもの。
バランスが悪くて、まとまりがない。そうでしょ。
いや、視聴率10%取れないのは分かるんだよね。
ただ、平均で8%は取れると思ったけど、7%ギリギリ。
ま、誤差の範囲か。こんなもんかね。
でも、好きだよ。あちこち泣けたし、刺激になったし。
サスペンスは思いっきし無視してるね (^^ゞ
『ガリレオ』も科学はそっちのけだったし、潔い態度だわ♪
うん。小日向は頑張ってたけど驚きがないんだよね。
それに対して、吉高と龍平はホホーッと思ったわ。
ま、最終回は龍平の青さが出てたけど(byアンナちゃん♪)
このドラマ、音楽が大きかったね。
最終回も、アローン・アゲイン無しだと厳しかったかも。
何だかんだ言っても、やっぱ面白かったわ。
ホント、11週間ガマンしてくれたスポンサーに感謝!
P.S.そうか、アンナちゃんまでTB飛ばしにくいのか。
困ったもんだな、ココログにも。。
>お気楽さん
いやぁ、ボンビー終わったからひょっとしてとは思って
ましたが、ホントに記事をアップしてたとは
言葉が少ない記事ってのは、むしろお気楽さんの
気持ちを雄弁に語ってますよ(^^)
手作業TBは、ココログの不手際を僕の責任でフォロー
するってこと。普通に飛ばせればいいのに。。
やっぱり死ななかった。。間違ってはないなぁ♪
吉高由里子って名前は覚えてネ! 宵町しのぶじゃなくて ^^
リチャードはちゃっかり者。職員室でコケたのが罰かな。
鹿男は、本気で記事書いたら大変だったでしょう。
基本的には歴史を交えたファンタジー&恋愛物語で、
恥ずかしいくらいの典型的ハッピーエンド。
1本しか記事書かなかったのは正解かも。
多部未華子がもうちょっと可愛ければなぁ。。♪
投稿: テンメイ | 2008年3月23日 (日) 00時45分
テンメイ様、こんばんは。
またしても天使の勝利で決着でございますが
まあ・・・悪魔に勝っても
天使様には当然の結果でございましょうね。
そうそう後半は銚子になおってますが
前半が調子のままですぞ。老悪魔心まで。
まあ・・・テレビドラマの限界という
意味ではなかなかにチャレンジャー精神に
あふれたドラマでしたね。
なんとか放送後の営業展開で
がんばってもらいたいものです。
しかし・・・視聴率は結局そこにも響くのですけどね。
いいものがあってもみんなが知らない
ということですから。
まあ・・・キッドとしては
結構楽しめたので
テンメイ様がこのドラマを選択してくれたのは
ありがたかったのです。
ただでさえ地獄の火曜日が
さらに地獄になりましたからーっ。
まあ・・・地獄は悪魔の心のふるさとですけど。
カレーですが
実はカレーを発明したのは
ブッダという伝説があります。
ブッダは修行中に医についても
医食同源的な発想から冥想を重ね
体にいい健康食として
カレーを作った・・・ということです。
まあ・・・インド人もびっくりな話ですけどね。
それでは次回の対決開始を
ケルベロスを散歩させながら
心よりお待ちしております。
投稿: キッド | 2008年3月24日 (月) 04時49分
>キッドさん
こんにちは もうすぐメンテ開始であわててます
悪魔に勝っても当然って言うより、善男が死ぬのは
地上波プライムタイムのテレビ的に当然。
もうちょっと予想通りになってくれないと、
勝った気にはなりませんね。
塔から飛び降りるのはキレイに当たったけど
「調子」電気鉄道ね (^^ゞ ご指摘どうも♪
老悪魔心って語感が笑えました☆
最近、一通り書き終えるだけで疲れちゃって、
あんまし真面目に見直してないんですよ。
長いからチェックも大変なもんで。
そうそう、このチャレンジャー精神を評価します。
よくこんな企画を強引に通し続けたなと思って。
DVDで何とか盛り返して欲しいもんです。
山崎まさよしの主題歌はそこそこの人気みたいな感じ。
まあ、吉高がもっとメジャーになれば、そこから
新たな喜多善男ファンも増えるでしょう。
動画投稿サイトの妨害は気の毒な事態だけど。。
僕も、このドラマの選択は全く後悔してません。
読者の反応は、ここ最近のドラマレビューだと
飛び抜けて悪いんですが、他のドラマじゃ書けない
ことを考えたり書いたり出来ました。
自分にとっては非常に刺激的でしたよ☆
カレーとブッダね! 非常に面白いんだけど、
検索してもほとんどいい情報が出ませんね。
それっぽい書籍はあるけど、そこに書いてあるのかな。
食は重要でしょ。身体性の中心の1つ。
別の見方だと、衣食住の問題と心の問題との
つながりは、もっと理解されてもいいはずです。
最後に、そちらのレスについて。
電車の乗り遅れとかの「不運」によって、善男が
平太に捕まって、自殺を阻止されるってのは
筋が通ってると思います。
あるいはハトの糞を洗い落としてて時間がかかるとか♪
『ドラ☆カフェ』のルルさんのアイデアをアレンジ
すると、自分では躊躇してた善男が、平太のウッカリミスで
一緒に落ちてしまった後、どこかに引っかかって
最後は助かるってのも十分アリでした。
その辺り、不運と幸運な奇跡との面白みを出して
欲しかったんですよね。ま、「玉にキズ」に近いかな。
ともかく、春からはまた、別の舞台でハイレベルな
闘いを楽しみたいものです。
ま、正義は勝つと決まってますけどネ
投稿: テンメイ | 2008年3月25日 (火) 14時57分
こんにちは~
お久しぶりで、お邪魔します。
>サスペンス(=
心理的な宙吊り)とかミステリー(=謎)の要素を大きく扱いすぎてて、自殺のストーリーの影がちょっと薄れ気味になっている
そうかぁ、、、
それで、今一つ気持ちがあやふやになってしまい
感動場面(なはず)も
目から雫ちゃん(薔薇のない花屋は
もっとダメだったけど、、、笑)が落ちなかったのかな、、、?
泣きは置いておくと
ドラマとしての雰囲気、作りは好きでしたよ~。
数字も低いのに
最後まで手抜きをしなかった製作者に
ホント!拍手を送りたいぐらいデス!
それと、、、玉にキズ。
自分の名前があったのでドキドキもんでしたが(笑)
不運と幸運な奇跡との面白味は
まさに!ワタシが期待していた事です!
そうすれば、カレーに入れる玉ねぎを
切る時のように涙がボロボロだったかも(なんちって、、、笑)
ところで、、、今頃ですが
連続ドラマ中のお返しも然る事ながら
新年のご挨拶もパスしてしまった次第で
本当にすみませんでした。
無礼者にはお仕置きして下さい(笑)
但し、小指はイヤですけど~
でわでわ~今期もお疲れ様でした!
でも飲んで、ゆっくりして下さい。
投稿: ルル | 2008年3月27日 (木) 14時06分
>ルルさん
こんにちは~
お久しぶりぶりです♪ 3ヶ月ぶりなのか。。
ウチの「コメントお休み記録」としては、第5位くらいに
ランクインしました☆ おめでとうございます ^^
ちなみに第3位がたぶん半年くらいなので、次は
銅メダル目指して頑張って・・・ちゃダメでしょ
目指さないように頑張ってください
最終回、キャバ嬢と杉本に泣けてエンディングになった
から後味は良かったんだけど、肝心の自殺中止シーンは
泣けませんでしたね。雫ちゃんには届かない。
『薔薇』って、途中から全然見てないんですけど、
最終回の評判はイマイチのようですね。
やっぱり、連ドラの最終回って難しいのかな。
1年前のプロポーズ大作戦もダメだったし。
ま、おかげでSPを楽しめたのは、不運と幸運の
不思議なつながりなんだけど。。
そう言えば、『ホタルノヒカリ』も最終回がイマイチだった
おかげで、ルルさんに卓袱台を頂いたんでしたね♪
うん、全体の雰囲気や作りは好きだし、ユニークだし、
チャレンジャー精神に溢れてて、拍手を送りますよ☆
極端な不人気の中、プロの仕事を見せてくれました!
アハハ♪ よく名前を発見しましたね ^^
そちらの記事にホホーッと思ったからアレンジさせて頂きました。
ルル&テンメイのコラボ☆ いい作品でしょ (^^)v
平太のせいで2人で落ちれば、ヒネリの効いた不運だし、
「死ぬかと思った」っていう善男の常套句もまた使えます。
第2話の看板落下の後、2人でフラついてた
面白い動きも、また使えてたんですよね。
おや、これは「玉にキズ」と「玉ねぎを切る(キズつける)」
を引っ掛けた話でしたか♪ ザブトン1枚☆
そうそう、お仕置きね。ハイ、遠慮なくさせて頂きます (^^)
あっ、小指はイヤなんだ。じゃあ、小指で♪
いやいや、僕も小指の趣味はないんで、代わりに・・・
色んなお仕置きで楽しませて頂きましょう。
差し当たりは、空想の中で。。
投稿: テンメイ | 2008年3月28日 (金) 11時13分