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『ラスト・フレンズ』瑠可(上野樹里)の同性愛と性同一性障害・2

先週アップした記事には、Yahoo!その他を経由して大量のアクセスを頂いた。

そこで、引き続き例の問題に注目していくっていう公約を守って、第3話放映直

前に続報をお届けしよう。前の記事をご覧になってない方のために改めて注意

を促しておくと、これは広い意味ではネタバレに近い内容になってる。ウチは原

則的に、ネタばれは排除してるサイトだけど、たまたま情報が目に入ってしまっ

たのだ。今さら忘れるわけにも行かないから、例外的にその件に関してだけは

フォローしてみようってこと。

    

したがって、以下の話は、その種の話をなるべく避けたい方にはお勧めできない

ただし、私が使ったのはごくフツーのサイトの情報だけだから、諸々の特殊な情

報源とは関係ない。また、テレビ雑誌などの情報も、春ドラマ直前の紹介記事

(月刊テレビナビ5月号)以外は一切知らないので、念のため♪

     

        ☆            ☆           ☆

さて、事の始めは、今や世界中に知れ渡ってるネット上のフリー百科事典『ウィ

キペディア』の『ラスト・フレンズ』の項目を、先週たまたま見たことだった。「ラス

ト・フレンズ 原作 結末」って感じの検索が大量に入ってるので、原作なんても

のが無いのを確認するためにチェックしたわけ。もちろん、浅野妙子のオリジナ

ル脚本だった。それは当然として、ウィキでラスフレの項目を見ると、ネタばれ

注意とかなしに、いきなり冒頭の「概要」に内部情報がリークされてて、回避する

ことができなかった。正確な文章を、先週に続いて再び引用しておこう。

      

     当初、上野樹里演ずる岸本瑠可の設定はGID(性同一性障害)の

     FTM(女性であるが性自認が男性)であったが、フジテレビ側とFTM

     当事者との協議や意見を踏まえて「GIDではなく性別違和をかかえ

     つつもそれを折り合いをつけながら成長していく人」というように設

     定が変更になっている。 従って内容的にはGIDというよりはレズビ

     アンの方に近い設定なった。

                 (注.文末の「設定なった」という誤記は元のまま)

      

ウィキペディアというのは便利だけど、基本的に誰でも編集できるので、情報

の曖昧さや流動性には十分注意が必要だ。上の情報は、私が見た直後くらい

にすぐ削除されてしまったようで、その後24日夜まで復元されていない。ただ

し、「履歴」を見れば変更の記録がちゃんと残ってる。

     

さて、結局ドラマの真実はどうなのかを、様々な情報から推測・予想してみると、

おそらく上の引用文の前半はほぼ正しくて、後半がかなり不正確だったんだろう

と思う。いずれにせよ、ビミョーな問題だ。

           

第1話、第2話のエンドロール(主題歌と共に流れるタイトルバック映像に含まれ

てる、スタッフ&キャストなどの字幕)の「取材協力」の箇所には、「山本蘭(gid.jp)

 NPO法人レジリエンス」と書かれてる。山本が、性同一性障害(GID:Gender

Identity Disorder)の協力者、レジリエンスは宗佑(錦戸亮)のDV(ドメスティック・

バイオレンス)の担当だ。

     

山本は自分のブログで、ネタバレに一定の配慮を示しつつ、シナリオのチェック

やアドバイスなどをしたことを簡単に公表している。エンドロールに山本以外の

名前がないことから考えると、ウィキの内部情報はおそらく、山本の協力内容に

関するものが中心になってるんだろう。

          

先の引用文の前半は、これまでのドラマの流れや社会的現実と、上手く結び付

けられる。「性同一性障害」というのは、本来は医学的な名称だ。ルカはまだ女

性として生きてて、病院の診断も受けてないのだから、今の時点で厳密には性

同一性障害といえない。しかも、この診断にはかなり時間がかかるし、その間に

ルカの状態も変化する。特に、美知留(長澤まさみ)お父さん(平田満)ら家族、

タケル(瑛太)らとの関係は、大きく影響するだろう。

    

最終的な医学的診断がどうなるかはともかく、結局ルカは性転換手術(正確に

は性別適合手術)を受けず、性別に関する違和感を持ちながらも、何とか折り合

いをつけながら大人の女性として成長していくんじゃないだろうか。実際、日本で

そのような手術を実際に受ける人は割合的にごく少数であって、大半の人は違

和感と共に生きてるんだろうから、テレビドラマのヒロイン・ルカの描き方としては、

手術せずに生きていく方が自然だろう。映画ならともかく、テレビは非常に大衆

的で影響力の強いメディアなんだから。

    

という訳で、引用文の前半はほぼ正しいんだろうと予想してるけど、後半の「GID

というよりはレズビアン」というのは、おそらく言い過ぎだ。つまり、GIDの医学的

診断が出るかどうかはともかく、瑠可はレズ=女性同性愛と共に、性別違和(一

般的な意味での性同一性障害)に苦悩する若者として生きていくだろう。第1話、

第2話の記事にも書いてるように、ドラマの構成もそうなってるのだ。

        

ともかく、ドラマの外側の事情よりも、もうすぐ始まる第3話以降のドラマ自体を

じっくり見ることの方が大切だし、本筋だろう。という訳で、この記事はこの辺で

終えて、テレビに向かうことにする。

ではまた。。☆彡

     

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

cf.『ラスト・フレンズ』第1話、軽~い感想♪

   『ラスト・フレンズ』第2話、軽~い感想♪

   被害者としてのDV男・宗佑~『ラスト・フレンズ』第3話

   宗佑に再び負けた瑠可~『ラスト・フレンズ』第4話

   ボーダーライン・カップルの崩壊~『ラスト・フレンズ』第5話

   人間は白か黒だけじゃない~『ラスト・フレンズ』第6話

   タケルのアイスピック~『ラスト・フレンズ』第7話

   瑠可(上野樹里)の性別違和症候群~『ラスト・フレンズ』第8話

   ルーク vs 宗佑、最終章へ~『ラスト・フレンズ』第9話

   宗佑の死、ドラマの終焉~『ラスト・フレンズ』第10話

    共生を選んだビーチボーイズ~『ラスト・フレンズ』最終回

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   『ラスト・フレンズ』最終回、宗佑(錦戸亮)の遺書全文

   『ラスト・フレンズ』瑠可(上野樹里)の同性愛と性同一性障害に関する情報  

   春ドラマ2008、期待のレビュー候補3本☆

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